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秋月充電器、MW1268の中身は・・・
Final Answer のシールの下は?


 秋月電子で写真の充電器・放電器「単3・単4ユニバーサル・チャージャー MW1268(1200円)」が売られています。

 たった1200円(本体+ACアダプタ)で「急速充電」はもちろんの事、放電後に自動充電する「放電→充電連続機能」や電池のコンディションを揃える為の「リフレッシュ放電機能」搭載など、3つの機能満載ですごく魅力的に見えます。
(従来の1400円から1200円に値下げされたようです)
 リフレッシュ機能内蔵の為ラジコンショップでも同型の「FinalAnswer(ファイナルアンサー)」が売られています。こちらは3000円以上します。中身が違うのでしょうか?
 私の周りでラジコン用に愛用している人も多く居ます。

 ラジコンショップで売られている放電器にはダイオードと抵抗を直列にしただけで、とんでもなく深く放電させて電池を「過放電」させてしまう物も多く、過放電に強いニッカド電池の時代ならともかく今のニッケル水素電池にはちょっと危ない製品も少なくはありません。
 この充電器の放電機能はちゃんと終止電圧で放電を停止しているのでしょうか?

 またこの秋月充電器は電池2本または4本の直列充電方式(と説明書に書かれている)ので、それ以外の本数の充電や放電は禁止されています。コンディションの揃っていない電池の充電も禁止と書かれています。
 それに対して「迷い箱」にご質問がありましたので、前から気にはなっていた秋月充電器を購入、またFinalAnswerを知人から借りて内部の解析、充放電試験を行ってみました。

 MW1268の説明書には以下の注意書きが記されています。
 必ず注意を守ってご使用ください。
 本実験では下記の注意点は守っての利用について確認・実験しています。使用条件を守らない使用方法について保証をする記事ではありません。
◆単3形と単4形をまぜたり、異なる電池を同時に充電することはできません。
◆同じ銘柄、容量でも残量が異なる電池を同時に充電することはできません。
●1本や3本で充放電することはできません。MW128はダミー電池に対応しておりません。
●充電するときは電池を使い切る、またはリフレッシュを行い、全ての電池が放電した状態で行ってください。この充電器は、ソケット1と2、ソケット3と4の電池を同時に充電します。いずれかの電池の満充電を検出すると全ての電池の充電を停止します。
残量が異なる電池や、同じ銘柄・容量の充電池でも充放電した回数や使用用途の異なる電池をまぜて充電すると、満充電にならない電池が発生するばかりか、電池が異常に高温になり、充電器が変形、破損したり、充電池が破裂するおそれがあり危険ですので絶対におやめください。また1本や3本などの奇数本の充電を行うために他の充電池と組み合わせて無理に充電することは、充電池どうしのバランスがくずれ非常に危険ですので絶対におやめください。
購入時同梱の「NW1268バッテリーチャージャーマニュアル 平成17年12月-20061212改」より


■ 秋月 MW1268

 秋月MW1268を購入すると右のようなセットになっています。
 充電器本体、トランス式ACアダプター、英語の説明書、秋月の日本語の説明書、外箱です。
(シガーライターケーブルは無し)
 外箱は英語と日本語の両方が並べて書かれています。
 英語の説明書は非常に簡素で、詳しい使い方は書かれていません。

 外箱の日本語部分は中国で作られたようで、怪しい文になっています。

 「デスチャージ機能」とは!?

 電池を死に至らしめる、死神のような充電機能なのでしょうか?

 期待が高まります!(笑)

 ちなみに、このMW1268は中国Minwa Electronics Co Ltdの製品です。
 Minwa Electronics Co Ltd の充電器一覧
 ネットでMW1268で検索すると、出るわ出るわ!
 同じ形の充電器が世界各国で販売されています。
 この充電器はワールドワイドに使用されているベストセラーなのでしようか?
 秋月電子も製造元(Made in CHINA)か問屋から購入して、ACアダプターだけ国内向けのものをセットにして(セット状態で出荷?)売っているだけのようですね。


 実は、私の購入したものは外箱の一部が破れていたり、それよりなにより半透明の電池蓋を本体と止めるヒンジ部分がパキッと割れていて既に蓋が使用不能の状態でした。
 明らかに「不良品として送り返しても良かったのですが、実験が遅れるのは困るのでそのまま使用していますが、購入される方は注意してください。
 さすが中華クォリティ!
● 新型? 旧型?
 実は、2007年3月に秋月の通販で購入した写真のMW1268は型番がMW1268JFとなっています。
 確かにミニ四駆・ラジコン仲間の持っている秋月MW1268とはボディ上の印刷が違います。
 いつからか新型(後期型)に変わっているようです。
 中身がどう変わっているかは分解して確かめてみましょう。



■ ファイナルアンサーのシールの下は?

 ラジコンショップで売られていて、ラジコンで単3・単4充電池を使う人に人気の「ファイナルアンサー(FinalAnswer)」(スクワット)です。

 どう見ても秋月MW1268と同じ形ですが、もし製造元が同じで中身が違う製品だと記事として誤りが出ることにもなりますので、ベリベリっとシールを剥がしてみました。

 はい、シールの下は秋月MW1268でした(^^;

 このFinalAnswerは新型(後期型)のMW1268JFでは無く旧型のMW1268のようです。「AKIZUKI」と大きく印刷されているのが目印です。

 ちなみに、キムラタン社の「クイックエコ(QEC-F20)」にやはりシールを貼ったOEM製品ディープインパクト(DEEP IMPACT)」(スクワット)というのもあります。

 本家秋月MW1268(JF)が1200円。シールを貼ると3500円。
 OEM販売会社の取り分が上乗せされているとは言え、他の部品でもそうですがラジコンパーツは元の値段よりかなり高く売られている物が多くて買う側にとっては困るものが多いですね。

 ということで、ファイナルアンサーも秋月MW1268と同じという事で、ラジコン用に使われている方も安心してこの記事をお読みいただけます。


■ 回路は?

 それでは、分解して中身を確認してゆきましょう。
● 旧型 MW1268の基板
 中の基板は写真のようになっています。

 メインの充電制御ICはST-828を使用しています。
 ST-828は下図のように1.2Vセルを2本または4本で直列充電する充電器を組み立てる為の専用ICです。
 充電のほかに「放電→充電」の連続機能を自動で行う性能を持っています。

[ST-828 中国語 PDF]
 秋月MW1268の回路自体はST-828の基本回路構成に乗っ取った非常にシンプルなものになっています。

 しかし、ST-828には「放電→充電の連続」機能はありますが「放電のみで自動停止」という、秋月MW1268でいう「リフレッシュ放電」の機能はありません。
 ではどのようにして「リフレッシュ放電」を行っているのでしょう?
 その答えは新型(後期型)の中身を見てから調べましょう。
● 新型(後期型) MW1268JFの基板
 旧型では電子部品は通常品が使用されていてごちゃごちゃしていましたが、新型(後期型)ではチップ部品になって基板上はシンプルになっています。

 充電制御用ICはST-828から1278Nという8ピンのICに変わっています。
 1278は汎用品ではなく、Minwa社の次の充電器MW1278の製造の為にST-828をカスタマイズして作られた専用品のようです。
 回路構成は同じで、ST-828では外付け部品になっていた周辺回路がIC内に組み込まれたようで、そのへんに必要だったピンが減り部品点数が少なくなっています。

 充電ロジックなど、充放電に関するスペックはST-828と基本的には同一です。
 その他、変わっている所は順次説明します。
● 回路図
 それでは回路図を見ながら動作を確認しましょう。

 旧型と新型(後期型)ではICまわりの部品・回路が違いますので、その部分は共通の機能としてブロック図の掲載のみに留めます。

※ 回路図は独自に調べたもので、秋月電子の発表ではありません。
※ 今回の説明に関係の無いパーツは定数を記載していません。
● 電池ソケット・本数切替スイッチ
 電池ソケットは1から4まで4本ぶん。単3用と単4用兼用の物が4つあります。

 切替スイッチを[4]本用側に切り替えると、4つの電池ソケットが全て直列に繋がります。SLOT4のマイナス側が回路のGNDと接続され、SLOT1の+側は充電電源と(単3・単4で別々に)接続されていますので、4本全て直列で充電・放電されます。

 切替スイッチを[2]本用側に切り替えると、SLOT1SLOT2は直列に繋がりSLOT2の−端子がGNDと接続され2本直列の回路が構成されます。SLOT3SLOT4は−端子側がどこにも繋がらずに開放されます
 実際は100KΩでGNDと接続されていますが、これは充電用では無く充電時には関係ありませんので今は無視してください。

 切替スイッチを[REFRESH]に切り替えると、各SLOTはそれぞれ専用の「個別放電用抵抗(8.2Ω)」と個々に接続されます。
 またリフレッシュ中表示回路のスイッチも接続され、リフレッシュ中を表示する黄色のLEDを点等させる回路が働きます。
 詳しくは後ほど説明します。
● 充電電源・定電流回路
 バッテリーを充電する為の電源は、DC12Vから必要な電圧・電流を作る回路となっています。

 常に一定の電流で充電する為、単3電池の+端子に接続されている0.41/0.50Ωの抵抗と、単4電池の+端子に接続されている0.80Ωの抵抗が電流を決めます。
 この抵抗の両端電圧が0.6Vを超えると電源回路のカット用トランジスタがONになり、電源に制限をかけるフィードバックが働きます。

 単3電池の場合最大1.463A/1.2Aで制限がかかります。単4だと0.80Ωも通りますので最大0.496A/0.462Aです。
(旧型/新型)
 しかし常に最大電流が流れるのではなく、定電流電源回路のスイッチング動作で常に電圧はスイングしていますので平均約1A程度です。(実測値)
 更にこの電流をST-828/1278がパルス状態にON/OFFしますので、実際に充電に使われる電流は制御パルスのデューティ比を掛けて約0.8〜0.9A(単3)です。電源電圧のスイング状況にもよりますので、あくまでこれは最大値と思ったほうが良さそうで「公称800mA(単3)」との表記でほぼ間違い無いと思います。
● 電池電圧検知回路
 電池の電圧は抵抗で分圧した後に、ST-828/1278に入力されます。

 電池が4本の場合は×0.4125倍、2本の場合は×0.8254倍して、どちらの場合もST-828/1278から見た電圧が同じになるように切り替えています。

 また「電池が入れられていないのか?」「入れられたのか?」「充電終了後にまだ取り出されていないのか?」「取り出されて空になったのか」も全てこの電圧測定回路で調べています。
● 直列放電回路
 放電→充電を自動で連続して行う「放電→充電連続機能」を実施する際、この直列放電回路で放電を行います。

 スイッチが[2]または[4]の位置の際、[CHARGE/DISCHARGE]スイッチを押すとST-828/1278が放電モードとなり、このトランジスタがONになって33Ωを通して放電します。
 単4電池は0.80Ωも通りますので合計33.8Ωとなります。(ほとんど変わりませんが)
● リフレッシュ中表示回路
 スイッチを中央の[REFRESH]にして、リフレッシュ放電を行っている時に(左側の)黄色のLEDを点灯させる回路です。

 切替スイッチを中央の[REFRESH]にして各電池をST-828/1278の直列充電回路から切り離し、個別の放電用抵抗(8.2Ω)と接続し放電、コンパレータで作ったリフレッシュ中表示回路でLEDを点灯させる事で「リフレッシュ放電機能」を実現しています。
 放電中の電池の電圧(*1)と、電源電圧・基準電圧を2本の抵抗で分圧して作った0.48V/0.22Vを比較し、0.48V/0.22Vより高い場合はLEDを点灯します。
 *1電池の電圧など詳しくは後の「リフレッシュ放電機能」の説明の項で解説します。
● 回路電源回路
 回路電源は、DC12VからST-828/1278を動作させる低電圧を作るとともに、安定した基準電圧で充電動作の精度を上げる働きをします。

 旧型では3.3V、新型(後期型)では5.0Vです。
 実測ではほんの少し低くなっています。


■ 充電する

 それでは、充電時の動作を確認しましょう。

● 4本充電  
 スイッチを[4]に切り替え、電池を4本入れて充電します。
 SLOT1からSLOT4まで全てが直列に接続されていますので、電池を4本全部入れないと充電は始まりません。
 電池を入れると充電表示LEDがに変わり、急速充電が始まります。
 急速充電が終わると充電表示LEDがに変わりトリクル充電モードになります。電池を外すかACアダプターからの電源をカットするまで続きます。

 電圧検出回路には電池電圧×0.4125倍の電圧が入力されるようになります。
 これは電池を4本入れている状態で正しく充電電圧を検出できるよう計算された状態ですので、ダミー電池を入れて電池3本を充電するなどをすると正しく満充電の検出ができません。
 また、4本直列充電のため残容量の違う電池や元から種類の違う電池を同時に充電しようとすると、先に充電が終った電池の完了を検知して残りの電池がまだ充電途中でも充電を終了してしまったり、先に満充電になった電池の満充電を検出できずに充電を続けて過充電・過熱・破裂などの不具合が起きる可能性があります。

● 2本充電  
 スイッチを[2]に切り替え、電池を2本入れて充電します。

 SLOT1SLOT2直列に接続されていますので、電池ソケットの左側2本に電池を2本入れると充電が始まります。

 SLOT3SLOT4は回路から切り離されていますので、電池を入れても何も起こりません。

 電圧検出回路には電池電圧×0.8254倍の電圧が入力されるようになります。
 これは電池を2本入れている状態で正しく充電電圧を検出できるよう計算された状態ですので、ダミー電池を入れて電池1本を充電するなどをすると正しく満充電の検出ができません。

 また、4本直列の場合と同様、2本の電池の容量が大きく違う場合、先に充電が終った電池の完了を検知して残りの電池がまだ充電途中でも充電を終了してしまったり、先に満充電になった電池の満充電を検出できずに充電を続けて過充電・過熱・破裂などの不具合が起きる可能性があります。

 秋月MW1268は2本充電、4本充電、いずれの場合も説明書に書いてある通り、「コンディションの違う電池は同時に充電しない」「種類の違う電池は混ぜない」「スイッチで選んだ本数以外の本数で充電はしない」の注意はは守ってください。

 充電パターンの測定グラフです。
● 電池4本で充電
▲グラフをクリックすると拡大表示
● 電池2本で充電
▲グラフをクリックすると拡大表示
 「充電電源」は、充電電源がONで電池に充電電流を流している期間の電池両端電圧です。「電池電圧」は、充電電源がOFFの期間の電池そのものの電圧です。

 直列での定電流充電ですので、電池が4本でも2本でも充電時間に違いはほとんどありません。
 デルタピークを検出してトリクル充電に切り替わっている様子が観測できます。


■ 放電させてから充電する

 セットした電池を自動的に放電し、放電が終ったら充電を開始するモードがあります。
 他社充電器では「リフレッシュ充電」と呼ばれている機能です。秋月MW1268では別に「リフレッシュする(完全放電)」モードがありますのでこの機能はリフレッシュとは呼んでいないようです。
 電池をセットして[CHARGE/DISCHARGE]ボタンを押すと放電を開始します。

● 4本放電→充電  
 スイッチを[4]に切り替え、電池を4本入れ、そのままでは充電が始まりますが[CHARGE/DISCHARGE]ボタンを押すと充電表示LEDがからオレンジに変わり放電が始まります。

 放電が終わると自動的に充電表示LEDがに変わり、急速充電が始まります。
 放電中に[CHARGE/DISCHARGE]ボタンを押すと放電を中止し、充電表示LEDがに変わり、急速充電が始まります。

 急速充電が終わると充電表示LEDがに変わりトリクル充電モードになります。電池を外すかACアダプターからの電源をカットするまで続きます。

 4本充電と同様、4本全ての電池を入れないと放電できません。
 4本を直列に接続した合計電圧をチェックしていますので、どれかの電池が早く放電して極端に電圧が下がって合計電圧が規定値を下回った場合、他の電池にまだ容量が残っていても放電を終了します。
 そのように早く放電したものの為に残りの電池に残容量がある場合、残りの電池は正しくリフレッシュされないまま充電されることになります。
 全ての電池を完全に放電させる時は、リフレッシュを行ってください。
 と注意書きにも書かれています。

● 2本放電→充電  
 スイッチを[2]に切り替え、電池を2本入れ、そのままでは充電が始まりますが[CHARGE/DISCHARGE]ボタンを押すと充電表示LEDがからオレンジに変わり放電が始まります。
 放電→充電の連続動作、中断方法などは4本時と同じです。

 2本を直列に接続した合計電圧をチェックしていますので、どちらかの電池が早く放電して極端に電圧が下がって合計電圧が規定値を下回った場合、もう片方の電池にまだ容量が残っていても放電を終了します。
 そのように早く放電したものの為にもう片方の電池に残容量がある場合、片方の電池は正しくリフレッシュされないまま充電されることになります。

 秋月MW1268は2本放電→充電、4本放電→充電、いずれの場合も説明書に書いてある通り、「コンディションの違う電池は同時に充電しない」「種類の違う電池は混ぜない」「スイッチで選んだ本数以外の本数で充電はしない」の注意はは守ってください。

 放電→充電パターンの測定グラフです。
● 電池4本で放電→充電
▲グラフをクリックすると拡大表示
● 電池2本で放電→充電
▲グラフをクリックすると拡大表示
 「充電電源」は、充電電源がONで電池に充電電流を流している期間の電池両端電圧です。「電池電圧」は、充電電源がOFFの期間の電池そのものの電圧です。

 放電には「4本直列」の状態で、33Ω抵抗で2100mAの電池を放電して約14時間でした。
 放電しながらST-828が常に電圧を監視していて、ほぼきっちり終止電圧(1本1.0V)になった時点で「急速充電」に切り替わります。
 電池のコンディションが揃っていれば、過放電はさせていません。

 しかしここでちょっと問題が・・・
 電池が4本の際も、2本の際も放電抵抗は33Ωで固定です。
 ということは、電池4本の際は約150mA、電池2本の際は約75mAで放電する事になり、同じ容量の電池でもセットする本数(2または4本)で「放電時間が倍変わってしまいます」。
 2100mAhの電池4本放電では14時間ですが、2本放電では倍の28時間以上もかかっています。放電だけで一日以上です
 満充電から全部この充電器で放電させてしまう事は少ないとは思いますが、電池のコンディションを整えようと「充電→放電→充電」のようなサイクルを行おうとした時、電池2本で行うと気の遠くなるような時間がかかってしまいます。
満充電の2000mAh電池の場合、放電時間はおよそ14時間です。
と説明書に書かれていますが「2本の場合倍の時間がかかり、28時間です」とはどこにも書かれていません。

 放っておいても急速充電が終ればトリクル充電に切り替わりますので、寝ている間や外出している間に完了しても良いのですが、この時間差はなんとも。
 せっかく電池本数の切り替えスイッチがあるのですから、放電抵抗も切り替えできれば・・・


■ リフレッシュ(全ての電池を完全に放電)する

 電池を完全に放電するモードです。
 メモリー効果を起こした電池を一旦放電させて、それから充電することでメモリー効果を解消したり、残り容量に差のある電池は「放電→充電」の連続モードではうまく放電できなくて
 全ての電池を完全に放電させる時は、リフレッシュを行ってください。
と注意書きに書かれている通り全ての電池を一旦全部放電させたい場合に利用します。

 但し「完全に放電」と言っても電池の中の電気を全て消費して電圧0Vにするのではなく、ニカド電池・ニッケル水素電池には放電を終らせる「終止電圧」という電圧が決まっていますので、その終止電圧で放電を停止しないとそれ以上放電すると過放電」で電池を痛めてしまい性能低下・短寿命化を起こす原因になります。
 通常は1.0Vです。大電流で急速放電する場合は電池の内部抵抗ドロップを計算して0.9V程度とされています。

 電池関係の「迷い箱」で説明しています通り、ちょっとくらい1.0Vを下回って過放電になってしまっても、一瞬で電池が壊れるわけではありませんが、確実に劣化を進めますので過放電にならないように注意する必要があり、もし過放電状態になっても短時間で放電を停止してそれ以上劣化しないよう対処してやる必要があります。

 通常「リフレッシュ」を行う放電器・放電機能付き充電器には終止電圧になれば自動的に放電をストップする機能が付いていて、終止電圧を検知をすると電池をそれ以上放電しないしくみになっています。
 このMW1268の「放電→充電連続機能」もそのようになっていましたね。
 それでは「リフレッシュ放電機能」はどのようになっているのか調べてゆきましょう。

● リフレッシュ  
 スイッチを[REFRESH]に切り替え、電池を2本または4本入れます。
 放電が始まるとリフレッシュ表示LEDが黄色に点灯します。
 LEDが点灯しない場合はどの電池も既に放電した状態です。

 ところが・・・

 回路図を見るとわかるように、リフレッシュ放電用の抵抗は各SLOT毎に一個ずつ付いていて、スイッチを[REFRESH]位置にすると全ての電池が独立した放電回路となるのがわかります。
 ということは、リフレッシュ(放電のみ)2本」「4本」という決まった電池の入れ方でなくても、一本単位で好きなように入れても良いということになります。

 しかし回路図を見て既にお気づきでしょう。
 そう、SLOT1は実はリフレッシュLEDの点灯回路に全く接続されていません!激しい手抜き回路です。
 それなのにリフレッシュ計測用のGND接続抵抗100KΩ/33KΩは付いていたりと謎です。

 SLOT2SLOT4はダイオードD2D4(この図専用の番号)を通って電圧比較用のコンパレータに接続されています。
 旧型では、電池の−側は100KΩの抵抗でGNDに接続されていますが、抵抗が入っていても電圧検知部には微弱な電流しか流れませんのでこの抵抗接続でも測定する電圧値に誤差はありません。
 新型(後期型)では33KΩと小さくなっていてこの抵抗両端の電圧も測定電圧に影響してきますが、そのへんは考慮された回路となっています。
 旧型と新型(後期型)ではこのリフレッシュ中LED表示回路は回路図こそほぼ同じですが部品定数がかなり違って動作に違いがあります。

 各電池の放電抵抗は8.2Ωです。これは直列放電時の抵抗が33Ω/4CELLという事で、1CELLの場合も同じ電流で同じ時間で放電するように計算されているのだと思います。

 なぜSLOT1はLED表示回路に接続されていないのでしょう?
 それは「SLOT1には+側を切り離すスイッチが付いていないので、充電電源回路・電圧測定回路・直列放電回路から切り離せない!」というスイッチの回路が1つ足りないことが大元のようです。
 充電電源回路は充電中以外は働いていないように思えますが、実はST-828/1278は充電していない空き時間にもトリクル充電と同じ動作をしているのです。
 スイッチを[REFRESH]に切り替えていてもSLOT1の電池の+端子にはわずかにトリクル充電用のパルス電圧がかかっています。
 −側には100KΩ/33KΩという大きな抵抗が入っていますので、そのままではトリクル充電が行われるような電流は充電池には流れませんが、電圧を検出する回路に接続した場合はその電圧が検知回路に与えられ電池を入れてなくても1秒に2回パッパッ!という感じでリフレッシュLEDが点滅してしまいます。

 また、電圧検出回路の抵抗や、なぜか待機中に働いている直列放電回路の抵抗で+端子がGNDと接続されている為、それらの抵抗値が−側の100KΩよりはるかに小さいのでGNDと+端子間で測定できる電圧は本来の電池電圧より非常に小さくなり、SLOT2〜3のように個別放電時の電池電圧をそのまま測定することができません

 このように他のSLOT2〜3のように+側を切り離して電池電圧だけを計測するためのスイッチが付いていないため、SLOT1放置されています

 ということで、SLOT1の電池は放電中でも放電が終っても、LED表示には無関係です。
 ではなぜこの不具合がバレていないのでしょう?
 その秘密は秋月MW1268の電池の入れ方にあります。
 この充電器をまじめに使用している人は、充電時や放電→充電時と同じく説明書に書かれている通り電池を「2本」または「4本」同時に入れてリフレッシュしようとするでしょう。リフレッシュ回路がまさか個別放電になっているとは思わないでしょうし、それを知らなければたとえリフレッシュしたい電池が一本だけの時でもこの充電器の放電機能を信じて2本の電池をセットするはずです。2本の電池のコンディションが揃うと信じて・・・

 電池を2本または4本入れると、SLOT2SLOT4のソケットにも電池が入ることになり、SLOT2SLOT4のどれか1つの電池が規定電圧以上であればリフレッシュ中LEDは点灯します。
 そう、もし2本で放電している時にはSLOT2の電池の電圧さえあればLEDは点灯するのです。というか2本ではSLOT2の電池の放電状態しか見ていません。

 もし電池3本未満でリフレッシュ放電するのであれば、スロット1を除くほかのスロットに入れて放電しましょう!

 かなり萎えてきました。

 でも続けましょう。

満充電の2000mAh電池の場合、リフレッシュ時間はおよそ20時間です。
"REFRESH"のLEDが消灯したら、電池を充電器からとりだします。
 と、説明書には書かれています。

 充電池を満充電からリフレッシュするのはよっぽどの放電マニアくらいでしようから、普通は使いかけの状態でリフレッシュさせようとするでしょう。
 ということは、放電にかかる時間は残り容量を知らないと予測できません。
 使いかけの電池の残容量を正確に知るなんてほぼ無理ですので、通常の使用方法では「リフレッシュを開始したら充電器はほったらかし。何時間か後に見てLEDが消えていたら放電終了していると思って電池を取り出す」というパターンではないでしょうか。
 まさか20時間とかの長時間ずっと充電器の前に張り付いてじっとLEDを見つめている恋する乙女では無いでしょう。

"REFRESH"のLEDが消灯したら、電池を充電器からとりだします。
 この表現は非常にあいまいですね。
 「LEDが消灯したらすぐにとりだす」必要があるのか?
 「LEDが消灯してから何時間か後にとりだす」ので良いのか?

 充電する時のことを思い出してみましょう。
"DISCHARGE/CHARGE"のLEDが赤→緑色になりましたら、電池をとりだします。
と書かれていて、こちらも実は「緑色になってからどれくらい放置しても良いのか、ダメなのか。」が書かれていません。
急速充電中に−ΔVを検出すると、急速充電モードからトリクル充電モードに移行し、電池の過充電を防止します。
 とも書かれていますので、どうやら充電の時には充電完了後であれば過充電が防止されている為にいつでも(無茶な日数でなければ数時間後なら)好きな時に電池を取り出せることがうかがえます。

 ということは、リフレッシュの時も放電が完了してLEDが消えた後にしばらくしてから電池を取り出すので良さそうに思えます。
 それとも「緑色」のLEDは点灯しないので放置してはいけないのでしょうか?
 まるで一休さんのトンチ問答のような説明書です。

 さて実際のリフレッシュ回路の動作です。
 ここまで読まなくても、回路図を見て「なんでやねん!?」と思われた方も多いと思います。突っ込みどころ満載の回路ですから…
 そう、個別放電回路には自動停止する回路は無い!のです。
 スイッチを[REFRESH]に切り替えると、各電池は必ず個別放電用抵抗と接続され、スイッチを充電に切り替える([2]か[4])か電池をソケットから抜くかしないと放電は電池が0Vになるまで行われます
 機械的なスイッチ回路ですから、たとえACアダプターを抜いてREFRESHの黄色いLEDが消えても、放電動作が止まるわけでもなく放電は続けられます。

 説明書に書かれている通り、いや更には書かれていない行間を読んで、ACアダプタを接続してちゃんと電源を与えてやる。リフレッシュ中は充電器から一時も目を離さずリフレッシュの黄色のLEDが消えたら間髪を入れずに電池をソケットから抜く!
 でないと、LEDが消えてから放置すると過放電で電池に深刻なダメージを与える放電器ならぬ「拷問器になってしまいます。

 さて、そろそろ嫌になってきましたが、まだこれで拷問器の性能評価が終ったわけではありません。
 更に素晴らしい拷問器であることを説明しましょう。

 リフレッシュ中表示の黄色いLEDを点灯させる回路は右の通りです。
 SLOT2SLOT4のそれぞれからダイオードを通った電圧がコンパレータ(比較器)に入力されています。
 ダイオードでOR回路を作っていますので、複数の電池を入れている場合はSLOT2SLOT4のうち最も電圧の高い電池からのみ電流が流れ、その電池の電圧を計ることになります。
 ということは、もし各電池の放電時間にバラつきがあった時は、先に放電が進んでいる弱い電池の電圧は測定されていないということになります。
 REFRESHの黄色いLEDが消灯するのは「全部の放電(最も強い電池)が基準電圧を下回ったよ!」というサインです。
 最後の一本が規定電圧を下回るまで点灯を続けます。ほかの電池がたとえ早く放電が終って、過放電の危険電圧を超えて下がっていても・・・

◆単3形と単4形をまぜたり、異なる電池を同時に充電することはできません。
◆同じ銘柄、容量でも残量が異なる電池を同時に充電することはできません。
残量が異なる電池や、同じ銘柄・容量の充電池でも充放電した回数や使用用途の異なる電池をまぜて充電すると、満充電にならない電池が発生するばかりか、電池が異常に高温になり、充電器が変形、破損したり、充電池が破裂するおそれがあり危険ですので絶対におやめください。また1本や3本などの奇数本の充電を行うために他の充電池と組み合わせて無理に充電することは、充電池どうしのバランスがくずれ非常に危険ですので絶対におやめください。

 そうです、コンディションを揃えるためのリフレッシュ機能でさえ、同時に行う電池は説明書に書かれているように同じコンディションの電池でなければならないのです!
 でないと説明書の通りに黄色いLEDが消灯した時に急いで電池を取り出しても先に放電した電池と最後の電池の間にはコンディション差が起きてしまっているのです。
 早く放電を終る劣化した電池は更にじわじわと過放電の責め苦を与えて劣化を促進し、長く使える性能の良い電池は放電終了で取り出せばダメージは与えない。
 拷問器というより格差拡大器?、それとも劣化促進器

 もしコンディションの違う電池を秋月MW1268でリフレッシュする時は、先に他の放電器やリフレッシュ機能つき充電器でリフレッシュしておいたほうが良さそうです。
 あれ・・・?

 他の機器のリフレッシュ機能でコンディションが揃った電池を秋月MW1268でリフレッシュするとしましょう。
 放電時間はほぼ揃っているとして、そして恋する乙女のようにじーっとLEDを見つめて、消えたら電池を取り出して過放電しないように注意しましょう。

 全ての電池を完全に放電させる時は、リフレッシュを行ってください。
 の「完全に放電」とは、電池の電圧を0Vまで放電させて電池を潰す事でしょうか?
 確かに「メモリー効果のリフレッシュ」を謳うリフレッシュ機能です。0Vまで放電させてしまえばメモリー効果は吹き飛んでしまうでしょう。しかしそこまで過放電させる意味は・・・

 そこで気になるのはリフレッシュの黄色いLEDが果たして何Vで消えるのか?です。
 改めて回路図を見ましょう。
 コンパレータに与えられている規準電圧は0.48V/0.22Vです。
 電池からの入力電圧が0.48V/0.22Vより高いとLEDが点灯し、低いと消灯します。

 ここからは、旧型と新型(後期型)では使用されている抵抗値が違う為、少し説明が異なりますので別々に話を進めます。
● 旧型のリフレッシュ中LED表示回路
 この入力回路は開放時の誤動作防止のための4.7MΩでプルダウンされているだけで、入力電圧を分圧する抵抗はありません。
 ということは、コンパレータの入力には電池電圧から途中のダイオードのVf(順方向電圧)を差し引いた電圧がかかる計算になります。

 ここで使用されているようなシリコンダイオードのVfは普通は「0.6V」と言われています。
 ということはLEDが消灯する電池の電圧は基準電圧の0.48VVf 0.6V1.08V なのでしようか?
 ニカド電池やニッケル水素電池の終止電圧は1.0Vなので、それより高い電圧で放電を終了していて、LEDが消えてから少しくらいなら電池を外すのを忘れても大丈夫なような安全設計になっている?
 今まで拷問器だと思っていたのは間違いだった?
 ヒドイ事を書いて秋月さんに謝らなければならないのかも。

 そこで実際の電圧を計ってみました。
 まずは基板に付いている小信号用ダイオードをダイオードテスターで測定します。
 Vfは3本とも0.596Vでほぼ0.6Vのようです。

 それでは、実際にニッケル水素電池を入れて、電池電圧とコンパレータの入力端子の電圧を計ってみます。
  (電池電圧 1.342 V)−(コンパレータ入力電圧 1.128 V)= 0.214 V

 あらあらあら、Vfによる電圧低下が定格の0.6Vの1/3程度しかありませんよ?

 これはマジックでも部品が壊れているのでもありません。
 実はダイオードのVfは流れる電流によって大きく変化するのです。(後は温度によっても)
 右のグラフは最もポピュラーな小信号用ダイオード1S1588のデータシートのものですが、電流が少ないとVfも小さいのがわかると思います。
 こちらの表は手持ちの小信号用ダイオードでの実測値です。電池一本(1.4V)とダイオード・抵抗を直列に接続してVfを測定しました。
抵抗値 電流 Vf 抵抗値 電流 Vf
5 M 0.28μA 0.216 V 10 K 140μA 0.494 V
1 M 1.40μA 0.286 V 1 K 1.4 mA 0.596 V
100 K 14μA 0.393 V 100 14 mA 0.696 V
このダイオードも微弱な電流では約0.2Vです。
▲グラフをクリックで拡大
 秋月MW1268(旧型)の測定回路では、測定用に電池の電流が流れる回路の抵抗値は4.7MΩと100KΩで4.8MΩで電流は1μA未満です。コンパレータの入力端子に流れ込む電流も約1μA未満なので、あわせても1μA程度の電流しかダイオードを通した測定回路には流れませんので、この時のダイオードのVfは0.2V程度で正解です。

 このVf = 約 0.2 Vが設計値だとすると、リフレッシュLEDが消えるのは電池電圧が約 0.7 Vということになります。(実機で測定したデータは少し下に掲載)

 リフレッシュLEDが消えた時点では明らかに過放電で手遅れ
 この設計内容から、これは高性能の電池拷問器である事が推測できます。

 ラジコン用放電器の中には、整流用ダイオード一本と放電抵抗だけをバッテリーに直列で接続するタイプの拷問器も数多くあり、実際に0.5V程度まで放電させるのがあたりまえみたいな感もありますが、過放電に強いニカド電池の時代から続く悪しき伝統はニッケル水素電池にはかなり辛いと思うのですが・・・
 販路がラジコンショップ系の「ファイナルアンサー」はこういう過放電させる点が逆にウケているのでしょうか?

 高性能拷問器だと知りつつも、私は「机上の空論」はあまり好きではありません。紙の上で考えているだけでは間違いも多く有ります。
 それでは、実際にリフレッシュ放電を使って電池を放電してみましょう。

『男なら、負けるとわかっていても戦わねばならない時がある。』

 まさにそういう気分です。

 二本の「かなり使い込んだHHR-3MPS(2100mAh)で実験を行います。
 実使用ではほとんどその差を感じないほどなのですが、多少劣化してわずかに電圧差が出ている電池をリフレッシュしたらどうなるか?の実験です。
 「普通に使用中の電池を放電したら」という感じです。
(さすがに新品充電池でこの実験はできません・・・)
▼グラフをクリックすると拡大表示
※ 電池の電圧は100KΩの抵抗でGNDより-20mVのオフセットが発生しています

 電池電圧と測定電圧の差はほぼ0.21V、この測定回路ではダイオードのVf約0.21Vだという事が実測定で確認できました。

 この二本の電池ではコンディション差がほとんど無いため正しい終止電圧の1.0Vになるまでの時間はほぼピッタリです。(オレンジ色のマーク)
 あまり劣化の差や容量差が無い電池ではかなり近い時間で終止電圧に達することがわかると思います。
 この電池の場合、ここで放電を停止していれば2本共ジャストミートです。

 しかし過酷にも放電は続きます。

 LEDが消えた時の高いほうの電池2の電圧は0.702V。ばっちり過放電です。
 放電が早い電池1は既に0.232V瀕死の重傷です。

 更に「恋する乙女では無く、LEDが消えた事を見ていなかったのでしばらく放置した」と仮定して放電終了から30分間そのままにしてみました。(悪魔か?)
 30分後、電池2の電圧は0.161V、瀕死の重傷だった電池1の電圧が0.114Vという素晴らしい責めっぷりです。
 二人揃って天国への階段を登り始めています。

 MW1268(旧型)高性能拷問器から高性能拷問器に格上げです。

● 新型(後期型)のリフレッシュ中LED表示回路
 新型(後期型)のMW1268JFでは、回路図は同じですが各抵抗の値が変更されています。
 電池の−とGNDを接続する抵抗は33KΩ。コンパレータの入力をGNDに落とす抵抗は15KΩと、旧型より格段に小さな値になっていて、この測定入力回路にもわずかながら電流を流しています。ダイオードのVfもこの電流値では旧型とは違うものになります。また電池−とGND間の抵抗とコンパレータ側の抵抗の値の差(比率)が小さくなったため、この抵抗両端に現れる電圧でのGNDからのオフセット値も大きくなり、結果的に比較入力の電圧は旧型とはかなり違う状態になっています。
 そのため基準電圧も大きく変更されていて、「全然ちゃんと終止電圧にあわせていなかった」旧型とは違いほぼ正しく1.0VでLEDを消灯する回路に改善されています。
▼グラフをクリックすると拡大表示
 このグラフでは正しく1.0V付近でLEDが消えています。
 黄色い線はLEDドライブ用の出力の電圧(上がるとLEDが消える)を示していますが、新型(後期型)ではコンパレータの入力電圧差が非常に近い場合は少しアナログ的に電圧が変化してぼ〜っと消えてゆきます。
 実は回路図には載せていませんが、旧型ではコンパレータにヒステリシスを持たせる回路になっていて、一旦基準値より下がるとピキッ!と反応してフラフラしないようなちょっと高性能表示になっていたりします。新型(後期型)はそのへんの回路がありません。

 新型(後期型)ではLEDの消える電圧は改善されてますが・・・やはり自動的に放電を止めてくれる機能はありません
 LEDが消えてから1時間もするとかなり電圧が下がってしまっていて、過放電で電池を苦しめているのには違いは無いのです。
 このグラフでは電池は一本しか放電していませんが、旧型のグラフで示したように複数本の電池を放電している時にはLEDが消えた時点では先に放電している電池があれば、その電池には地獄の苦しみが与えられています。

◇   ◇   ◇

"REFRESH"のLEDが消灯したら、電池を充電器からとりだします。
 この説明は奥が深すぎます・・・

 MW1268で「リフレッシュ放電」をして、いつLEDが消えるかわからないのでそのまま放置しておいて、見た時にLEDが消えているから電池を外した。という経験がある人が多いのではないでしょうか。
 そんなあなたの電池は寿命が縮んでいます。


■ 改良しないと気が済まない!

 さて、秋月MW1268の内部の構造・回路・動作は確認できました。

 「急速充電機能」「放電→充電連続機能」には大きな問題も無く、ごく普通の−ΔV方式の充電器だと判りました。(というかST-828/1278の性能)
 「放電→充電連続機能」の一部に放電時間が倍かかるという問題は残るものの、コンディションの揃った電池を充電・放電するには特に機能面では問題はありませんね。

 しかし・・・しかし・・・しかし・・・
 旧型の「リフレッシュ放電機能超高性能拷問器」は大問題です。

 国会で「過放電増進法」でも制定されれば実に良いアイテムとなるのですが、現在の法律の下ではただの拷問器に違いありません。

 ということで、せっかく分解したのですからこの悲しい放電回路を改造して、少しマシなものにしましょう。

 色々考えたのですが…、SLOT1を電源回路等と切り離すには今基板に載っている部品や回路をチョコチョコと弄っての変更は無理です。
 SLOT1は測定されず、LEDの点灯/消灯には関係無いままです。

 回路中には旧型も新型(後期型)もコンパレータが一個余っていますので、これをトリクル充電パルス印加時のリフレッシュLED誤点灯禁止回路とかに流用する回路も作ってはみましたが、それだけではSLOT1の電圧を正しく検知できない要因を無くしきれませんので、それはまた別の機会にでも。(部品を増やさないとだめなのでやらない可能性が大)

● リフレッシュ中LEDが1.0V程度で消えるようにする
 これはカンタンですね。
 LEDを点灯させているコンパレータ(旧型ではLM339)の比較用基準電圧を作っている抵抗値を変更して、電圧を約0.48Vから約0.8V程度に変更するだけで良いのです。

 電源電圧3.3V、「2.4K:410Ω」で0.481Vから「1.3K:410Ω」で0.791Vに変更します。
 0.791Vにダイオードの微電流時Vf0.21Vを足すとほぼぴったり1.0Vになります。
(電池両端では-20mVのオフセットで1.02V)

 作業は写真の丸印の抵抗を一個交換するだけです。
 写真は交換後のもので外した2.4KΩは下に転がっています。


 交換後の測定グラフです。
▼グラフをクリックすると拡大表示
※ 電池の電圧は100KΩの抵抗でGNDより-21mVのオフセットが発生しています

 LEDが消えた時の高いほうの電池2の電圧は1.044V電池11.034V
 どちらもほぼ終止電圧の1.0V強で、LEDが消えたことを確認して少しの時間以内に電池を取り出して放電をやめれば過放電にはなりません。

 更に放電終了から30分後、電池2の電圧は1.004V電池1の電圧が0.993Vと30分程度なら間違って放置しても全く問題は無い電圧です。

 抵抗を変えてLEDの消灯タイミングは電池にとって安全な電圧で消えるようになりましたが、やはり自動停止機能はありませんので、抵抗変更をしてもLEDが消えることを人間が監視して、安全な時間内に電池を外さなければならないのは変わりありません。
 せめて、ACアダプターを外せば(電源が切れれば)放電を停止する放電器なら、LED消灯で電源を切る回路を追加するだけで対処できるのですが、物理的なスイッチで全電池の回路を強制的に放電抵抗に接続している秋月MW1268では・・・
 LEDが消えたらブザーかオルゴールが鳴る回路でも追加しましょうか?


■ まとめ

 今回の記事はなかなかの難産でした。
 なにしろ、旧型の基板でほぼ全記事を書き上げた時点で神がかり的なお告げ(本当に神秘現象)が下り、秋月からMW1268を取り寄せたら中身が新しくなっていた!
 天の啓示が無ければ旧型だけの記事で新型を分解した人から「間違ってる!」というご指摘を頂くことになっていたでしょう。

 しかし一度解析しているとはいえ、別基板の回路を全部追って旧型との違いなどを調べ、電気特性・1278の動作パターン・充電能力・放電能力などを全部調べて旧型と比較しなければならなかったのは骨が折れました。

 旧型と新型(後期型)の見分け方は、分解して基板を見なくても「型番が1268JF」「大きなAKIZUKIの文字が無い」になっている秋月MW1268JFは新型です。
 FinalAnswerに新型(後期型)が存在するかどうかは不明ですが、本体の印刷がシールで隠されているので型番や印刷状態では判別ができません。

 この写真のように、旧型はLEDの頭が直接ケースの表に出ている為、左側のLEDは黄色く、右側のLEDは白く(2色LEDの為)なっています。
 新型(後期型)はLEDは基板の表面近くにあり、ケースには透明プラスチックの導光管で光を出しています。その為左右のLED部は透明プラスチックです。
 本当にFinalAnswerに新型(後期型)が存在するかは今のところわかりません。

 秋月MW1268は、1200円という価格からすれば2/4本単位でしか充放電できない点を考えても安いのではないでしょうか。
 急速充電機能、自動放電→充電の機能には直列充電であるデメリットはありますが、それ以外には特に大きな問題点はありません。急速充電時間も安価な充電器としては普通です。
 リフレッシュ機能は・・・

◇   ◇   ◇

 外箱に書かれていたデスチャージ機能、「電池殺し機能」は本当でした。
 単にDIS-CHARGEを日本語訳する時に間違っているだけだと思っていましたが、実はものすごく奥の深い意味が隠されていたのです!
 「リフレッシュ放電機能」で電池をリフレッシュする際には細心の注意を払い、絶対にコンディションの違う電池を同時にリフレッシュ放電しようとはしないでください。また放電中は目を離さず、LEDが消えたら速やかに電池を外してください。「寝ている間に放電させよう」などのズボラは絶対に禁物です。

 また充電時にも直列充電方式の為、コンディション差のある電池を充電すると電池に良く無いことがあります。くれぐれも秋月MW1268で電池を充放電する際にはコンディション差のある電池の同時挿入は避けてください。

 取り扱い説明書にしつこいほど書かれている「コンディションの揃っていない電池はこの充電器にはダメ!」という注意書きは本当です!


記事掲載: 2007年3月20日


* ご注意 *
 製品の分解・改造はメーカー保証が無くなるだけでなく、故障・ショート・発火・副次的な災害の危険、また工作時のケガの危険性があります。
 機器を改造する場合は十分な電気工作の知識を学習の上、自作の回路・装置として取り扱うことを前提に全て自己責任で行ってください。
 本ページで紹介している改造例の通りに改造を行って、全く同じ結果や安全を保証するものではありません。責任は負えませんのでご了承ください。



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 大変参考になりました。
 秋月の品、買おうと思っていましたが、ここを読んで良かった。
 近所の家電量販店で、SONY液晶付急速充放電器が在庫処分らしき価格になってましたので、早速購入しました。(液晶無しのものよりも安かったのです。不思議)使い心地は最高です。

 ところで、NEXCellの充電器はどうなんでしょうか?
 借りて使う機会があったのですが、いい感じでした。
 テスターすら持っていないので、あくまで「感じ」なんですが。
SONY液晶付オーナー 様
お返事  SONYの液晶つき(BCG-34HRME4?)をお持ちでしたら、時にMW-1268を買い足す必要は無いと思います。
 放電や充電状況を個別に表示する優れた液晶ディスプレイが付いていて、リフレッシュ放電機能も有り、単4電池も4本同時に充電できますし。

 NEXcellの充電器は持っていないので分りません。
 周囲に使っている人も居ないので特に良いとも悪いとも聞いていません。
 かなり前にお貸し頂けるという方からご連絡を頂いていますが、お借りして分解・テストする時間が取れないので未調査です。
お返事 2007/9/22
 
 ものすごく参考になりました。

 秋月のは使ってましたが、まじめにリフレッシュしたことないので、助かりました。
 NiCdとNiMHの推奨保存方法も教えてもらってよかったです。
 NiCdとNiMHの特性の差がわかりやすくまとめられていて、とてもためになりました。御サイト他のページも楽しく読ませて頂きました。

 ソニーのチャージャーは早速買います。電池長持ちさせるには、これ使うのが一番簡単そうですね。

 それにしても奥深いですねぇ。ありがとうございます。
 これからも面白い記事を期待してます!!
石田 秋也 様
お返事  ご覧いただきありがとうございます。

 ラジコン用の特殊(?)な充電・放電器以外では、ソニーや三洋のリフレッシュ機能付き充電器が一般的な電器店・量販店で入手できて簡単に使えるので便利ですね。
 ソニーの物は液晶表示付きだと充放電進行がイラスト的に見えて楽しいです。

 リフレッシュはやりすぎるとサイクル寿命が縮みますので、時々にしましょうね。
お返事 2007/7/14
 
 はじめまして。
 いやもう面白いですね。
 このようなマニアックな事は自分にはできないんで(^-^;
 少しずつほかも読み込んでみますね。
K 様
お返事  マニアックですか。
 マニアックですよね。
 マニアックに少しずつ染まっていってください。
お返事 2007/6/26
 
 電子工作で検索してこのHPにたどりついたのは私の愚かさを気付かせる為の采配と思います
 私も秋月の同旧機を使用しておりましたが「放電は自動的に停止する」と勘違いしておりました
 道理で充電池の寿命が短いわけです。サイクル回数が20回ももたない電池がゴロゴロ出ましたのはこれが原因だったのです。どうして秋月の商品と知りながら、この充電器だけ分解も回路図起こしもしなかったのか自分でも不思議で成りません

 これを神の警鐘として、これからは電子工作を趣味とする者の基本を順守し、分解と回路図起こしはきちんと行ってから使う事とします。

 ちなみに、秋月電子は個人的には大好きです。もしsの店が無かったら、私の求める電子工作は半分も完成しなかったでしょうし、ヒントとなる回路設計(反則技)を色々知りえたのも同社があったからと思います。そういった意味では今回の充電器は反面教師として、世の中の製品の仕様や、取説に対する心構えを勉強させてくれたと考えて居ます。

 ともあれ貴HPは、今後あしげく通わせて頂く所存です
 次回の取り組みに期待いたします。
とおりすがり 様
お返事  秋月をよく知っている人なら「秋月ですから」で納得してしまえると思います(^^;
 良くも悪くも秋月クォリティです。

 でもそれが電子工作の基本なので、ぜひ今後とも秋月のキットや回路・部品でエンジョイ(死語)してください。
 私も秋月の製品は楽しみです。
お返事 2007/6/21
 
 迷い込んだところが、迷い箱でした。とても役に立つ情報にたどり着きました。今まで充電池を20年以上使ってきましたが、あっという間にへたばった理由など、こちらのHPでいろいろななぞがとけました。とりあえず本日BCG-34HRME4購入してきます。ありがとうございます。
ありがとう 様
お返事  充電池は正しく使えば永く使えますので、だいじに使ってやってください。
お返事 2007/4/8
 
 いつも解析ありがとうございます。
 とてもとても参考にさせて頂いています。m(_ _)m
 回路を理解できていない人には「デスチャージ機能」なんて書かれたら知らずに朝まで・・・ですよね(^_^;)
papa2000 様
お返事  普通は「ランプが消える」=「スイッチが切れる」と思いますよね(^^;
 まさかランプは電圧表示だけで(しかも最後の一個しか測って無いとか、SLOT1は無視とか…)、放電機能は永久に止まらないなんて説明書からは簡単には読み取ることができません。
 以前から気にはなっていたので、今回調べてみて正解でした。
 中身が分ってしまえば、悪い部分の事を考えて使えばいいだけですからね。
お返事 2007/4/6
 
 私はmini-z(ラジコン)をしていますがラジコン界の変わった電池管理になじめず、単4エネループを次のような使い方をしています。

1.使い終わったらその日の内にSANYO NC-TG1で長時間をかけて充電。
2.1週間後、サーキットで使用直前にMW1268で追充電。

 1はゆっくり充電した方が電池にやさしいと思うからですが倍速充電器と比べてメリットはありますでしょうか?
 電池の劣化は 放電の深さか、放電状態にある時間の長さか、どちらの影響が大きいんでしょうか?

 2は1週間程度でエネループは容量抜けはしないと思うのですが、充電直後と比べて電圧が低くなり明らかにパンチが落ちているからです。

 ラジコン界では、NiMHを次のような管理方法をするようです。

・パターン1
 完全に放電した状態で保管、使う前に急速充電(熱くなる方がパンチが出るらしい)

・パターン2
 充電した状態で保管、使う前に完全放電し、急速充電

 パターン2については、電池寿命を無視するなら私の管理方法よりパンチのある走りができるのかもしれません。私の管理方法では追充電した効果は電池の使い始めだけパンチが出て後は追充電の効果はないのかもしれません。直感的に見てそんなに違いはないのかもしれませんが正確に試していないのが残念です。気の迷いさんは追充電の効果をどのようにおかんがえになりますか?
kenta 様
お返事  これも複数の質問があるようですので順に。

●ゆっくり充電と急速充電の違い、電池の寿命
 充電するスピードに関しては、少ない電流でゆっくり充電するのと、大電流で急速に充電するのとでは電池に対するダメージはたいして変わりません。
(※ あくまで電池の定格内の電流範囲でです)
 しかし大きく違うのは、満充電が近づいた時の発熱量で、小電流ではゆっくりじわじわ発熱するだけですが大電流では短時間に激しく発熱します。
 充電時に電池の寿命を縮める最大の原因はこの発熱ですので、ゆっくり充電では温度があまり上がらずにダメージは少なく、急速充電では高温になる為にダメージが大きいとされています。
 ですので電池の寿命を伸ばしたいのであればなるべく発熱を起こさせない充電をすること、また追い充電のように満充電以上に電気を流そうとして無駄に発熱反応を起こさせないことが重要です。

●放電の深さ、長さと電池の寿命
 放電の深さが大きいほど、またその状態が長く続くほど電池の過放電時のダメージは深刻になります。
 「どちらが」というわけでは無く、両方が相まって深刻度が変わります。
 つまり「放電の深さ」×「それが続く時間」=「ダメージ」という式が成り立ちますので、どちらか片方が非常に小さいとあまり深刻なダメージにはなりませんし、両方がそれなりに大きい状態だとかなりのダメージを与える事になります。
 深刻度は各メーカーの電池や品種によって変わってきますので何かはっきりした数値で現すことができませんが、程度の大きい・小さいはこのような式のようになると考えると良いでしよう。

●充電後一週間程度でもパンチが落ちている
 充電器で充電する時には、電池に電流を流す為に電池の端子間電圧以上の電圧をかけています。
 電池の端子間電圧と同じ電圧では電流は流れないのはご理解頂けると思います。またより大きな充電電流を流す為にはより大きな電圧をかけることになります。急速充電器では1.5〜2V程度の電圧をかけます。本当は電圧値で制御しているのではなく定電流電源回路で電流を制御する時に自動的に管理されて電圧は変化します。

 満充電直後に充電器から外して電池(単セル)の電圧を測ると1.4V前後の電圧があるのはご存知だと思います。
 定格電圧が1.2Vのニカド・ニッケル水素電池なのに1.4Vもあるのは、今説明したように充電電流を流すのに少し高い電圧をかけていた為、その電圧に近い電位に電池の中身の状態が引き上げられているからです。

 しかしやはり電池の中身の化学物質の起電力は本来1.2Vなので、時間と共に徐々に電圧が下がって1.2Vに近くなってゆきます。

 充電直後はパンチがあるのはこの電圧が高い状態の為によりパワーが取り出せる状態になっているからで、時間が経てば電圧の低下と共にパンチもひくくなります。

 また電池の性能は単に起電圧だけではなく内部抵抗により大きく左右されます。
 内部抵抗が大きいと電流を流した時に電池の中で内部抵抗によって消費されるぶんのエネルギーが余分に浪費されて電池の外側ではそれを差し引いたエネルギーしか使用できません。外側での電圧も下がります。
 満充電時には内部抵抗が最も少なくなっていて、放電が進むと内部抵抗が大きくなります。
 この観点からも充電直後は電気を取り出すのに最も適した状態になっていてパンチのある状態、放電させたり放置させて内部抵抗が大きくなってゆくとパンチも少なくなると考えられます。

 もう1つ、内部抵抗に関係すると思われる現象に電池の「休眠」があります。
 他のページに掲載している電池の放電グラフで実際に確認していますが、電池は充電後に時間が経つと内部抵抗が一時的に大きくなり、使い始めのしばらくは非常に電圧が低くなる(内部抵抗が高い状態)になります。
 1A放電でも放電開始から10分程度は影響が残りますので、ラジコンで使用するならレーススタートして最もだいじな最初の数分はパンチが弱く全く相手にならない事もあるかもしれません。
 一週間程度であればそれほど影響は無いとは思いますが、影響が全く無いのではなく少なからず休眠によるパンチダウンは起きていると思ったほうが良いでしょう。

 「休眠」している電池を起こすには一旦放電させてまた充電するのが一般的です。
 実は休眠状態とメモリー効果は似て異なる状態なのですが、電池を使いはじめた時に電圧が落ちている(性能が落ちている)のでメモリー効果と勘違いされる事が多いようです。ニッケル水素電池ではそれほどメモリー効果による電圧低下は起きないとされていますが、休眠状態では使用者が実際に感じるくらいの低下がありますので深く考えない場合はよく耳にする「メモリー効果だ!」と言われてしまうのでしょう。
 ここで1つ疑問なのは、放電させてから充電するのではなく、そのまま追い充電をすることで休眠状態を解消できるかどうかで、これは比較実験してみたことが無いのでそのうちに休眠に追い充電が有効なのかどうかは確かめてみたいと思います。

●電池の保管方法(管理方法)
 その2つの管理方法はそれぞれ正しく、また間違っています。

 「正しくて間違っている」というと全然日本語になっていませんが、実は使う電池によって正反対なのです。

【ニカド電池の特性】
  ・充電したまま使用されないと、メモリー効果を起こす
  ・過放電に強く、電圧が低い状態で保管しても充電すれば元に戻る
(多少は劣化していますが)
【ニッケル水素電池の特性】
  ・メモリー効果は起き難い
  ・過放電に弱い

 このように性格が全く逆ですので、正しく保管すれば性能を維持できますし、間違った保管方法では性能を落としたり寿命を縮めたりします。

電池の種類 パターン1 パターン2
 完全に放電した状態で保管
 使う前に急速充電
 充電した状態で保管
 使う前に完全放電し、急速充電
ニカド電池 ×
ニッケル水素電池 ×

 いずれの場合も、使用する直前に一旦空っぽ(ニッケル水素は終止電圧まで)の状態に置いて、それから満充電することで電池の中の全ての部分の化学物質をリフレッシュして休眠・メモリー効果などの一時的な低性能化している状態から回復させるところに大きな意義があります。

 「●充電後一週間程度でもパンチが落ちている」でも書きましたが、追い充電ではこれらの一時的な劣化の解消ができるのかは未知数(未実験)で、単に充電器にかける事で一時的に充電直後の電圧を引き上げる事には成功しても、電池の中身全体はやはり放置されていた間の時間経過ぶんだけの低性能化した状態は残っているので、追い充電直後の少しだけパンチが回復するだけのような気がします。

 ミニ四駆レースでも充電器が使用可能な場所では追い充電は日常茶飯事で行われています。
 ミニ四駆の場合は本当に数十秒程度の走行で勝敗が決まるので追い充電で短時間だけでもパンチが回復していれば良いので追い充電もかなり有効なのですが、ミニッツのようにもう少し長い走行時間の場合は(未実験ですが)やはり追い充電よりは放電→充電サイクルで完全に電池を活性化させたほうが効果があるのではないでしょうか。

●充電時熱くなるほうがパンチが出る
 充電末期に発熱するのは何度か書きましたが、−ΔV方式の満充電検知方法では電圧ピーク時を100%充電とするとそれより少し先まで、数%程度は多く電流を流したところで充電を終了します。
 この時の余分に充電する時間が長いほど電池は発熱して熱くなりますが、反面より多くの電流を流して電池にはほんの少し多い目にパワーを蓄える状態になります。一応過充電なのですが電池には過充電リザーブといって少しなら過充電しても壊れないようマージンが設けられています。
 発熱しながら充電してもその期間の充電電流のかなりのエネルギーは充電されずに熱になって放出されますので充電効率は悪いのですが、それでも少しだけ多く充電できる事は間違いありません。

 電圧の面から見ると、100%時点が最も高くて−ΔVを検出して充電を止める時には10mV程度下がっていますので、すごく厳密な意味では最も電池の電圧が高い(最もパンチが出る)時期は過ぎていますが、10mVなんて実使用ではほとんど差は無いでしょう。
 それよりも電池が過熱して暖かくなっている事のほうが重要かもしれません。

 ニッケル水素電池も温度が高いほうがより高い放電能力を発揮します。
 大電流でドカッと充電して、満充電時に発熱させて温度を上げ、そのままの高温状態でマシンに搭載して走行させることでよりパンチの効いたドライビングができるのでしょう。

 いくら満充電リザーブの範囲内で充電を止めているとは言っても、発熱させているという事は熱による劣化を進めているのには間違い無いので、普通に充電して発熱する以上に−ΔV検知の電圧差を大きくして過充電量を多くするなどは電池の寿命をわざと縮めて、その代償にわずかなパンチ力アップを狙うなどのやはりラジコンの世界特有の使い方になると思います。
お返事 2007/4/5
投稿  沢山の質問にご回答ありがとうございます。
 電池に関する疑問がかなり解決しました。

 追い充電についての補足ですが、

1.使い終わったらその日の内にSANYO NC-TG1で長時間をかけて充電。
2.1週間後、サーキットで使用直前にMW1268で追充電。

 上記の状態の2については追充電開始から15分ぐらいはあまり熱くなりません。この時点で使用してもそれなりにパンチがあります。
 さらに充電すると30分前後で暖かくなって充電が停止します。

 直感的には充電直後のバッテリーと遜色なく使えているように思えます。あくまで直感的にですが。
kenta 様
お返事  追い充電の場合、電圧が満充電直後のように高く無く、電池が冷えている場合は発熱やデルタピークの反応が出るまで数分〜数十分かかります。
 何分追い充電をすると十分に電圧が上がってラジコン用途に適した状態になるのかは電池の種類・放置時間・温度・充電器固有の性能などにより様々ですので、今の様子のように熱くなる前に使って良い走りができるのであればその使用パターンで良いと思います。
お返事 2007/4/6
 
 はじめまして〜〜〜興味深く読ませていただきました。
 殆どが理解できませんでしたがファイナルアンサーを使っていたのでためになりました。
 早速、リフレッシュとディスチャージを使うのをやめました。
 昨日、秋月モノと思われるものを購入したのですがファイナルアンサーについているACアダプタとは違うものがついていました。
 ファイナルアンサーについいて物は小さいタイプでしたが昨日購入したものは昔ながらの形のものでした。
 安かったのででかいのは仕方がないのですがアダプタに書いてある仕様を見てみるとファイナルアンサーはOUT12V 1Aなのですが秋月物はOUT12V500mAとなってます。
 500mAでもOKだからコストダウンでしょうか?
 ちなみに単4をアダプタを使って単3として充電するのは問題があるのでしょうか?

 それと質問なのですが放電にイーグルのミニディスチャージャーを使っているのですが0.4Vまで放電するみたいです。
 こちらを読んで知ったのですがニッケル水素は1Vでストップしないといけないのですよね?
 イーグルのはなぜ0.4Vまで放電するのでしょうか?
 ご存知なら教えてください。
 ちなみに使用している充電池はエネループ、スピアー、パナのHR−4UGです。

 ところソニーの液晶の充放電器はお勧めですか?

 今後のレポートも楽しみに待ってますのでよろしくお願いします。
Aちゃんパパ 様
お返事  沢山質問があるようですので順に。

●ACアダプタ
 この充電器の出力は定格では最大で5.6V/800mAです。そして電源回路はスイッチング式のDC-DCコンバータ(ステップダウン)になっていて定電流を出力するようにしています。
 このコンバータでACアダプタからの12Vを変換していますので、ACアダプタの容量は12V500mAあれば(だいたい)大丈夫です。
 秋月で売られているMW1268と私の友人が購入したFinalAnswerは大きなトランス式のACアダプタ(写真左)で、一部のラジコン店版(ネット通販含む)では「当店のFinalAnswerはスイッチング式電源使用」などと謳ってACアダプターを小型のスイッチング電源(写真右)に変更して売っている所もあります。
 また外箱も秋月と同じACアダプターまで入る大きな箱のものとは別に、ACアダプター無しで充電器本体とシガーケーブルだけが入る半分くらいの薄さの箱で売られているものもあります。多分薄箱のものはスイッチング式ACアダプターと合わせて売られていた物のようでした。
 他にFinalAnswerは透明なビニール袋に入れられただけの商品がラジコンショップの棚に吊るされていたりとバリエーションも豊富のようです。

●単4を単3アダプタで充電する
 まず結論から言って、私のほうではお勧めできません。
 ラジコンの世界では常套手段のように使用されているようですが、以下の理由から「やるなら自己責任で」という感じになります。

 たとえばMW1268で800mAh前後の単4電池を単3アダプタに入れて充電すると、単3用の800mAの電流で充電する事になりこれは1C充電(1時間で充電)となります。単4電池にとってはものすごい急速充電です。
 普通に単4電池として充電するより2倍以上早く充電できるわけですが、電池の充電時定格で1C充電を許している特別な電池以外では、単4電池では1C程度やそれ以上で充電すると極端に電池が痛むか、過熱や破裂の恐れがあります。
 「なぜ充電器には単3と単4で電流を自動で切り替える機能が付いているのか?」の理由を考えて頂ければ、それは電池にとって悪いことで電池メーカーも充電器メーカーもやってもらいたくは無い事だと想像がつくでしょう。

 特殊な充電器で、温度管理(検知)までされていて急激な発熱や異常を感知することのできる状態で最適に充電できる高機能の充電器であればかなり安全に充電できますが、MW1268のように単純に電圧だけ見ているような充電器での定格超えの大電流充電では事故の危険性が高いのでなるべくやめておいたほうが良いでしょう。
 あくまで自己責任で、「電池が破裂してもいいや!」という考えの元で試されるのは別に止めはしませんが・・・

 電器店やホームセンター、100円ショップ等で右の写真のような単4を単3に変換するアダプターが売られています。写真はホームセンターで購入したもの。
 特に私はこの写真のようなアダプターは単4電池を単3電池に「みせかけて」充電する事には使用しないよう注意を呼びかけています。
 充電時に電池を劣化させたり、破裂させたりする主な原因は「」です。
 ニカドやニッケル水素電池では満充電が近づくと電池がかなり発熱します。その熱が一定の温度を超えると中の化学物質が過熱してしまって劣化したりガスが発生して安全弁から外に噴出したり、それが激しくなると電池が破裂してしまいます。

 たとえ破裂しなくても高温状態は電池の寿命を縮める原因になりますので、急速充電器では電池にカバーはかけずに通風を良くしてなるべく温度が上がらないようにしています。
 そこに本来の充電電流ではなく大きな電流を流し、満充電前の発熱を多くするような充電をするのに更にアダプターのカバーで電池を覆ってしまって熱を逃げ難くして電池を高温化するようなことは、どう考えても電池の寿命を捨てようとしている行為以外の何者でもありません。
 「充電時に電池を暖めたらたくさん電気が入る」という事は無いので、電池を熱くしても意味がありません。

 ラジコン用充電器に電池ソケットを付けて風通しの良い状態でも「1C充電を越したら単4電池が破裂した」という話も時々聞きますし、わざわざケースに入れて熱を閉じ込めて過熱状態になる悪い環境を使用者自らが行うのは勇気がいる事だと思います。
 やはり「寿命なんてどうでもいい、電池は使い捨て! 少しでも早く充電できるほうを選ぶ!」というある種の選択肢を選ばれた方ならご自身のポリシーでやって頂いても良いと思います。

●ラジコン用の0.4Vまで放電する放電器
 ラジコン用には、昔から一定電圧で自動で放電をカットするもの、ダイオード+抵抗で一定の電圧まで適当に放電させるもの、全くカットせずに放電する物(!?)まで様々な放電器が売られています。

 ニッケル水素電池は1.0Vの電圧をかなり気にしなければならないデリケートな電池ですが、昔のニッカド電池は過放電に比較的強く多少1.0Vを下回っても急激に性能が悪化するものではなかった為、ニッカド電池の性能低下原因で大きかったメモリー効果を解消する為にわざと深くまで放電して、メモリー効果を起こした物質を少しでも多く(強く?)リフレッシュしてやろうという考えが強かったのです。
(ただ、0.4Vまで放電したからといって本当により多く解消したのかどうかは謎です)
 ラジコン用では昔の設計から変更していない放電器がほとんどで、ユーザーの間でも「0.8Vの放電器より0.4Vのほうが高性能」などという摩訶不思議な性能論が浸透してしまっています。
 この「放電電圧の低いほうが性能が良い」というニッケル水素電池にとってはありえない「神話」の為、その理屈で言えばより高性能と思ってくれてよく売れる商品を作ることが放電器メーカーにとってはある意味本当の性能よりも重要な要件でもあり・・・

 これから先の部分は私の憶測であり実際に放電器メーカーがどう考えているのかは謎ですが、より深く放電するという事は電池のエネルギーを極限まで搾り取っているわけで、そこまで放電した後に充電すれば当然正規の終止電圧で放電を終らせたものより多くの電気を充電しないと満充電にはなりません。
 充電容量を液晶に表示する機能を持った高機能充電器が多いラジコンの世界では、そうして過放電させたバッテリーは正規の放電をしたものより多く充電電流を流せるので液晶の表示上は「よりたくさん電気を蓄えた性能の良い電池」のように見えるわけで・・・
 非常に低い電圧まで放電する事を良い事と思っている人はこういう「マジック」で惑わされているのかもしれません。
 これはあくまで技術的な観点から見た憶測ですが。

 イーグルという特定のメーカーがどのような考えで0.4Vにしているのかはメーカーに聞くしか正解は得られませんが、ラジコンの世界では電気・電池の常識が通用しない特別な世界が広がっています。
 ここにも「寿命なんてどうでもいい、電池は使い捨て! 少しでも多く放電できるほうを選ぶ!」という特殊なスピリットがあります。

●ソニーの液晶付き、放電機能付き充電器
 ラジコンの世界ではあまり使用されていないようですが、一般家庭での使用と併用するならソニー液晶つきBCG-34HRMEはお勧めの充電器の1つです。
・ミニッツ等用に単4電池が4本同時充電可能
・一本ずつ個別充電/充電の進行を液晶ディスプレイに表示
・故障電池は液晶に表示されるので判断しやすい
・放電→充電のリフレッシュ機能搭載/放電の進行を個別に液晶に表示
という具合に、液晶ディスプレイをフルに活用して電池の状態を個別に把握できるので容易に不良電池を取り除くこともできます。

・充電時間が特に早いわけでは無い(市販品としては普通)
・ラジコン用液晶付充電器のように液晶に充電容量が数値で出ない
・あまりメジャーじゃない
・ラジコン用では無いのでラジコンマニアの人からはバカにされるかもしれない
などのマイナスポイントもあります。

 ラジコン用ではなく一般家庭用なので、特にラジコン用途に!と推す製品ではありませんが、家電系市販品の中ではSONYらしく凝った作り(液晶表示)で電池のコンディションを一本ずつ見る事ができるのは、ラジコン用として使用するのにも適していると思いますよ。
※ 私は持っていないので放電機能の終止電圧は測っていません。
お返事 2007/4/3
 
 2004-03に購入した物の説明書には単三、単四同時は駄目くらいしか書かれていなかったです。2本×4セット中3セットが最近使い出したBGC-34HRMEでは弾かれた。まぁ当時は1000円だったし3年使ったから御の字かも。
まも 様
お返事  それは多分、最も古いものの1つですね。
 こちらの知人は「説明書・・・無い」とかそんな感じで昔どの程度の注意書きだったのか詳しくはわかりません。
 現在の説明書を見ていると、途中から何度か書き足していって今の形になったような感じですね。
お返事 2007/3/22
 
 「秋月充電器解析中!」予告記事を見た日。まさにぽちっと購入するところでした。公開された記事を拝見して「ゾッ」とした思いです。
 待った甲斐がありました。まさにぎりぎりセーフ。感謝しています。
kachanyucky 様
お返事  今でも売られている商品に対してさすがに「買うな」とは言えませんので微妙なところですが、この値段なら不具合部分をよく知って使える部分は使い倒す為に買うのも1つの選択肢です。
 大手メーカー製ですと1200円でこれくらいの急速充電器は通常の販売店ルートでは新品単体では手に入りませんからね。
 特に単四を4本同時充電できるのはミニッツ等小型ラジコン用途では貴重な品です。(ちょっと改造して単四を超急速1C充電用とか…危険ですが)

 あと、過放電のテストをするのに「過放電器」として購入するのはいかが?(^^;
お返事 2007/3/22
 
 本ページ待ってました!まさに充電池の神様。
 秋月旧タイプ出た頃から使用し、リフレッシュ(拷問機能は)は充電する度にほぼ使ってました。
 HPみて自分は酷い使い方だったと反省・・・拷問と言うより電池死刑機能ですね。
 このページを知ってから最近ソニーの型番忘れましたが最新の液晶付き充電器購入、拷問していた電池2*3本全て死んでいました。
 それでも一部は未だに秋月充電器でも充電動くようですが短時間で終わります・・・駄目ですなこれは・・・
 今後は反省して拷問機能は使わないようにします。
 本当に勉強になりました。有り難うございましたm(__)m
(匿名希望) 様
お返事  神様だなんてとんでもない、私はただの電池好きです。
 FinalAnswerを貸してくれたラジコン好きの知人は「買ってからREFRESH機能(拷問機能)はほとんど使って無い。助かった!」と言っています。

 ソニーの液晶つきはBGC-34HRMEですね。
 充電だけでなく、リフレッシュ放電の進行状況も液晶に表示してくれますので、充電や放電をしていて楽しくなる充電器です。(これを楽しいと感じると既に・・・)
 また充電する時に劣化してしまった電池や故障電池などを発見した場合、どの電池かも液晶に出るので複数本組で使っているうちに一本がダメになっているだけなのに全部がダメになったと勘違いして捨ててしまうような事も無くなってより安心して充電池を使えますね。
 ほかの個別LED付きだけでは(じっと見ている事でしか)簡単に分らない不良電池が一発で見分けられるのはやはり情報量の多い液晶表示ならではです。
 ちょっと価格は高いですが、充電の進行具合や放電状況まで見て「楽しめる」充電器なので充電・放電に興味が沸いて来た方には良いTOOLとなるでしょう。
 最近利用される機会が増えてきた単四電池を同時に4本充電できるのも魅力です(MW1268もできますが)。

 安ければ一台買って、分解とか放電機能のテストとかをしてみたいのですが…これ以上家に充電器が増えるのもあまり嬉しく無いので、当面は買わないでおきます。
 もう1つのリフレッシュ機能つき充電器三洋NC-MR58のほうは、居酒屋ガレージさんのほうで実験してちゃんと終止電圧で放電を停止している事が確認されています。
お返事 2007/3/22
 
 すごーく良心的に解釈すればNi-Cd電池用のリフレッシャってことで。
 放電経路に整流用ダイオードを入れるだけでもデス係数が下がったでありましょうに、さすが秋月スポット品
 ちなみに現在通販では単体販売はしていない模様。
ぱう 様
お返事  物凄い良心と、全てを受け入れるおおらかな心が必要な解釈ですね(笑)

 せめてダイオード一個とは私も思いましたが、なぜか設計者はそういう所は全く配慮されていないようです。わざとデスチャージする回路を作っているとしか思えません。「LEDが消えるからええやん!」という声が聞こえてきそうです。
 設計・製造共に中国ですから秋月さんに回路設計の責任はありませんが・・・

 改良改造の際に4SLOT全部にダイオードを入れる事(それに合わせて抵抗値も下げる)も考えましたが、せっかくここまで芸術的な回路を作った設計者の方に敬意を表してその部分には手を加えませんでした(^^;

 あと、これはバッタもんを買い取ったような売り切れご免の「スポット商品」では無く、「AKIZUKI」名の入ったOEM製造をするほど(後期型は名前が消えましたが)数年前からずっと売られ続けている人気の高い「レギュラー商品」です。今日(2007/3/22)現在でも通販ページでの単品販売もされています。
お返事 2007/3/22
投稿 >今日(2007/3/22)現在でも通販ページでの単品販売もされています。
 はやとちりでした。
 秋月のおすすめ商品の右下すみにあったのだけど商品が出なくなったので販売終了かと思っていました。
 (おすすめ商品ではなくなっただけだったりして。)
 でもトップページからたどりにくいんですよね。充電器でサーチしないと簡単には現れない。
ぱう 様
お返事  秋月の商品検索は難しいです。
 検索ボックスで「MW1268」と入力しても出てきませんからね・・・
お返事 2007/3/23
 
 あぁ!ありがとうございます。
 これで心のもやもやが晴れました。

 ずいぶん以前に、秋月充電器とGP単三NHを買い、不親切な説明書で悩みながらも左から2本、4本入れて充電する事を理解して早速充電しました、 所が充電完了になった時に充電器、電池とも触れない程異常発熱し「怖い!!」ので使わなくなりました。(個人的に失格充電器認定)

 その後、シガーライターアダプタ使用不可とかGP高容量NHは取り扱い停止など情報が流れ不信感がつのってました。
 現在はエネループと抱き合わせでも販売してますが、今回の個別リフレッシュの危険性を知らないユーザーが心配です、あーめん

 今はこちらで勉強させて頂いてエネループとNC−M58に個別LED追加で安心充電しています。
モルモ 様
お返事  GP2700の件では、「大容量電池の充電完了を正しく検知できない充電器」ということで、充電器のほうではなく電池のほうの販売をやめてしまったのでしたっけ。
 今でも秋月では機器組み込み用のタブ付き電池は扱っているようですが、この充電器に入れられる普通の単三型の大容量電池は売っていませんね。
 私が購入した品では既にシガーライターケーブルは入っていませんでしたが、シガーケーブル(車での電源)使用不可というのも何が原因だったのかサッパリわかりません。海外で販売されている品では今でもシガーライターケーブル同梱のようなのですが。
 色々とトラブル続きのMW1268ですが、デスチャージ機能搭載の拷問器だったとは、「まさかの思い」です。
お返事 2007/3/22
 
 放電機能付きのエネループ充電器は高いのでMW1268で放電しSANYO NC-TG1で充電していました。
 エネループのコンディションをそろえようと思って・・・。
 なのにこのザマとは!
 SANYO NC-MR58を買う決心がつきました。
kenta 様
お返事  メモリー効果解消の為に「ちゃんと」リフレッシュ放電をしたいのであれば、市販の充電器では三洋NC-MR58やソニーBGC-34HRME(-4)が誰でも買えて取り扱いも簡単。4本独立放電でちゃんと終止電圧も管理されていて電池を痛めません。

 エネループではよほどの事が無い限り買ってすぐには性能にバラつきが出たりメモリー効果は起きないとは思いますが、長い間使っているとやはりニッケル水素充電地である限り劣化度の差は起きてしまいますから、コンディションが揃った状態で少しでも長く安定して高性能で使いたい場合は時々のリフレッシュは必要ですね。
 気になる方は安心してリフレッシュできる充電器を用意しましょう。
お返事 2007/3/21
 
 凄スギ・・・ってさすが大雑把、中国製Qualitywww
 やっぱり(急速)充電器・放電器はSANYOやPanasonic製(OEM含む)など日本大手メーカーでないとマズイすねぇ多少高くても...
 とても為になりましたぁー、(⌒−⌒)ノ"っ/凵⌒☆チンチン

 ニッ水充電池自体は中華激安品でもそこそこ代用できるんだけど。。。
(匿名希望) 様
お返事  中華充電器でも、海外電池メーカーの純正品などではここまで凄い事は無いと思います。
 松下や三洋の充電器と似た作りや回路の物も多くあります。

 今回のMW1268は結構手広く充電器を作っている中国大手メーカー製ですが、充電ICに元には無かったREFRESH機能を付ける時点で大雑把というか、なんというか、凄い回路構成にしてしまった所が敗因なのでしょうね。
 この回路構成・機能で商品化してしまうのがそもそも中華クォリティですが…。

 後期版ではほんの少し改良されているのは、やはりどこかから苦情が寄せられたのでしょうか。

 結果、1200円の充電器に多くを求めてはいけないという事です。
 でも中身が分ってしまえば、上手く使って1200円相応かそれ以上の価値になる事もありますよね。
お返事 2007/3/21
 
 秋月充電器(旧)を使っています。
 最初のうちは問題なかったのですが、何度か充電するうちに充電完了時に電池が手で持てないくらい発熱するようになってしまい、以来充電器・充電池(GP製)共に使用を避けていました。

 しかし、今回の記事で充電器の問題点がわかり、心おきなく「正しく」使用することができそうです。

 また、品質が悪いと思っていた充電池も、この充電器によってひどく劣化させられた可能性が高く、そのような充電池に対する不信感もかなり解消しました。

 今回も、大変参考になる記事をありがとうございました。
E9 様
お返事  注意書きさえよく読んで使えば‥‥でもかなり大変ですね。

 基本の充電機能には特に問題はありませんので、直列充電でもよほど劣化度が違う電池で無ければ2本/4本同時に充電できますので、使い方次第ではうまく使えると思います。

 大昔のニッカド電池しか無かった時代の充電器といえば、国内の大手メーカー製品でもたいていは2本や4本での直列充電のものでしたので、直列充電自体は昔からある技術ですので。
お返事 2007/3/21
投稿  早速のお返事ありがとうございます。

 よほど劣化度が違う電池で無ければ…との事ですが、肝心な部分が抜けていました。失礼しました。

 この充電器の購入時、充電池はそれまで他の充電器(リフレッシュ機能なし)で使用していましたので、まず最初にリフレッシュならぬデスチャージ機能を使いました。(購入動機の2/3はこの機能でした!)

 それも、まさに「リフレッシュを開始したら充電器はほったらかし。何時間か後に見てLEDが消えていたら放電終了していると思って電池を取り出す」というパターンでした。

 また、充電器としての使用を中止した後も、時々リフレッシュ目的でデスチャージ機能を使ったりしていました。
 今思えば、電池にはずいぶんと可哀相なことをしていました。。

 なお、元々2本ずつのペアで充電していましたので、デスチャージ機能さえ使わなければ今後もそれなりに使っていけそうです。
E9 様
お返事  リフレッシュ機能が欲しくてMW1268を購入した方は本当に多いと思います。

 三洋やソニーのリフレッシュ機能つき充電器は、同社の普通の急速充電器より1000円くらい高価でちょっと購入するのは躊躇してしまいます。
 それが1200円の充電器で手軽に入手できるのかと思えば・・・

 この「落とし穴」に落ちた方は、これからはMW1268の「正しい使い方」に気をつけて、せっかく買った充電器ですから使える部分は活用してゆきましょう。
お返事 2007/3/21
 
 感動です。すごい!

 いや、ホント。そんな、ことに命かけていいの(笑)

 ほんと、ありがとうございます。って、俺の言いだしっぺで、そこまで調べなくっていいのに。さては、マニアですね(笑)。
 ただ、なんとなく思ったのは、「拷問器にならない一般の使い方はあるか?」ということなんだけど、、、結構、この課題も奥が深そうですね。

 私自体は、秋月の充電器も、面白そうだけど、でも、触発されて、自作で、充電器を作りたくなって来ました。言いだしっぺなんだけど、、、いや、絶対作りますよ。

 そ、いえば、予告編での、充電器の製作も楽しみにしてます。ホント。
 俺自身といえば、定電流回路とか、パワートランジスタとか、どうやって、気の迷いさんは、実装するのか、興味あります。私自身、回路は、趣味で、素人、、、って感じなので。
たなか 様
お返事  たなか様、お待たせしました。
 MW1268はなかなかに凄い充電器です。

 「拷問器にならない一般の使い方はあるか?」という事については・・・難しいですね(^^;

 ただ、拷問機能はREFRESHの時だけですので、普通に2本や4本での急速充電や一応ちゃんとした終止電圧まで放電させる放電→充電の連続機能は悪くはありません。
 それほど無茶苦茶に劣化状態が違った電池を2本や4本同時に充電しない限りは、充電機能だけを使うなら普通の格安充電器といったところで、1200円ならそこそこの物です。

 放電の自動停止機能が無いREFRESH機能は・・・やはり「一般の」と言われると非常に辛いですね。
お返事 2007/3/21
 

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