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![]() ![]() energyON「充乾電池」を使ってみた * 記事を掲載 2007/8/27
日本製では三洋eneloop・松下HHR-3MPS(緑パナ/パナループ)という「自己放電が少ない(買ってすぐ使える)・1000回くりかえし使える電池」が発売されて今まで充電池を使った事が無い人にまで浸透をはじめています。 しかし電池メーカーは日本の会社だけではなく、世界には有名な大手電池メーカーがいくつもあります。 その中の1つ「ネクセル社」からも同様の新電池が今年発売になりました。 energyON(エナジーオン) 「充乾電池」です。 さっそく楽天のネクセル通販で購入し、使ってみました。 * 単三・単四両方を購入しましたが、放電測定を行ったのは単三のみです。(単四はまた別途)
![]() 白いボディはeneloop似のままですが、単三は青、単四は緑を基調とした太い漢字ロゴが非常に目立ちます。また電池サイズの「3」や「4」もここまで大きく描かれているのは斬新です。 ネクセル・ジャパンが発売する日本国内専用にデザインしたものでしょう。「これを売るぞ!」(売れたらいいな…)という意欲が伺えます。 ![]() うーん、こっちのほうが欲しい・・・ ネクセル・ジャパンのサイトでは次のように解説されています。 「特 徴」 ● いざという時に使用可能 ● (乾電池の特徴も兼ね備えた)新感覚充電池 ● 単3と単4サイズを一目明瞭させたラベルデザイン ● 750回も繰り返し充電使用可能、経済的 ● 一度で使い捨てないからゴミも減量、地球に優しい 英文のほうでは ・Low self discharge 自己放電が少ない ・Ready to use 買ってすぐ使える ・Min. 1900mAh / Typ. 2000mAh (*1) ・Capacity remained: 80〜85% by 6Months / 70〜80% by 1Year |データシート|
と、ほぼエネループや松下HHR-3MPSと同じような定格のようです。繰り返し使用回数は750回とエネループや松下HHR-3MPSの1000回と比べると少し少な目です。 電池サイズは旧型eneloopのように肩が高くて入り難い機器があるということはありません。逆に全長が他の単三電池よりほんの少し短いと感じるくらい。旧型eneloopをずっと使っていて電池ホルダーのバネが伸びきっている機器に入れるとスカスカで接触不良を起こしそうです。(いや、バネが伸びてるのが悪いだけでこの電池のせいではありません) +極は海外充電池に見られる日本のものより細いタイプです。 ぱっと見で目立つのは充乾電池のロゴもそうですが、サイズを表す数字の上にかぶさって自己主張している「オレンジ色のNi-MHリサイクルマーク」。 目立たない裏側にするという手もあったと思うのですが、表側にデーン!と鎮座ましましているオレンジマークは嫌がおうでも「捨てずにリサイクルしろよ!」と消費者に訴えかけているようです。 ネクセル通販では1本単価336円と容量の割に割高です。10本セットだと2,900円と@290円になりますが、まだ性能の分らない電池を10本まとめて買うのは勇気が要ります。
「いざという時に使用可能」の触れ込みですので、まずは買って充電せずにすぐ使えるのかどうかのテストです。
開封してそのまま500mAでの定電流放電テストを行いました。 電池は2本、電池Aと電池Bを同時に測定しています。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
さてどうでしょう?国産電池とは違い、製造年月がどこにも印字されていない電池なのでいつ製造されたのかはわかりませんが、グラフのように多少は弱っているものの買ってすぐに機器に入れても今回購入した電池では約85%程度使用できました。 最初は多少のバラつきがあるようですが、1〜2回充電放電した後には容量に関してはほぼ同じような放電特性を示しています。 どちらも外装フィルムより内側にロット番号らしきアルファベットと数字が印刷されていますが、直接それで何年の何月に製造されたものかはわかりません。 ロット番号が外装の説明文の下になっている物は外側からは何の文字なのか読めません。
充電直後(6時間後)と10日後・一ヶ月後の自己放電状態との比較を行います。
電池は2本、電池Aと電池Bを同時に測定しています。 ※ 測定機材・条件はいつもの通りです。 ※ 実験は2007年7〜8月。7月は室温25度±2度、8月は30度±1度の環境で行っています。 ※ 実験は夏に行いましたので、JIS規格の室温20度とは異なります。高温の為JIS測定より悪い結果となっている場合がありますが、家庭で日常的な使用でこの季節での実測結果としてお考えください。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
※ 10日後の電池Bはサイズ問題の接触不良で測定失敗しています。一ヶ月後で約1500mAhと、満充電時の1900mAhの約79%まで放電してしまっています。(広告の6ヶ月後の数値を下回っています) 室温が常に30度前後の夏の一般家庭内での放置では、実験室の20度に保たれた状態より自己放電が激しいのですが、「6ヶ月後80〜85%/1年後70〜80%」と書いているメーカーの数値は一般家庭ではまず確実に守られないでしょう。1年ということはこの暑い夏も含めてですから。 普通のニッケル水素充電池よりは多少は自己放電特性が良いですが、特段に良いという感じではありません。 これは「いざという時に使用可能」という宣伝文句にちょっと疑問が残ります。
たった2本しかテストしていないので断言はできませんが、エネループでは10本以上テストしてもこの電池の一ヶ月後のようなバラつきはありませんでしたので、エネループと同様の容量・自己放電特性(のはず…)の電池として捉えるとやはり海外製の比較的バラつきの大きい電池である可能性が高いですね。実用上このバラつきのせいで大きな不具合が起きるか?と言われればそれほど大きな問題は起きないとは思いますが、2本3本と直列で使用して終止電圧まで使いきるような機器で使用するなら、このバラつきによって弱い電池はより早く痛みがきて寿命が短くなる原因にはなると思います。こだわる人なら気になるといったレベルでしょうけど。 繰り返し使用可能回数が750回とeneloopの1000回より少なめの点については実使用を続けて将来どのようになるのかを確認できたらと思います。 私の感想としては元から容量もTyp.2000mAhと少ないですし、特に通販を使って送料なども含めて高い目のenergyONを買い足して使用しようとは思いません。 目を引く日本語ロゴの電池ですので、街のスーパーマーケットで2本300〜400円程度、急速充電器は1500円程度以下で「いつでも手軽に買える」なら普及すると思います。 あ、あとはエネループより高くて(直接比較では)性能は悪そうですが、エネループより短いのでどうしてもエネループ(R付きになっても)では長くて入り難い機器を使っている人専用とか・・・
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