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電池の小箱
〜 BOX 2 〜 『電池の小箱』コーナーでは、ちょっとした放電実験や、何か電池に関するミニテスト等の結果を掲載してゆきます。 BOX 2 では主に一次電池(マンガン・アルカリ乾電池)の話題を掲載します。 ■ FDK OEM 乾電池について小考 [2008/9/7] ■ ホームセンターアルカリ乾電池・小比較2 (2008/9 Ver.) [2008/9/6] ■ ホームセンターアルカリ乾電池・小比較 (2008/8 Ver.) [2008/8/24] ■ 市販アルカリ乾電池・小比較 (2008/8 Ver.) [2008/8/24] ■ 100円ショップアルカリ乾電池・小比較 (2008/3 Ver.) [2008/3/18]
* 記事を掲載 2008/9/7
さて、2008年のアルカリ乾電池小比較はホームセンター等のプライベートブランド電池を中心に調べていますが、その中で「FDK製でOEMされている電池は安物電池の中でも比較的性能が高い」という印象(信念?)を持っています。
そこで、「OEM電池はFDK製で富士通ブランドで供給されている電池と同じ物なのか?」という疑問も湧いてきます。 また、今回調べた物の中でホームセンターコーナンのアルカリ電池二種のように、どちらもFDK製のようですが明らかに性能の違う電池もありました。 ちょうどコーナン電池二種はFDKのOEM電池の中でもほぼそれぞれのランクの特徴を表しているグラフになっているので、今回はこの二種類と富士通の「G−PLUS」「R−SPEC」との比較をしてみましよう。 FDK製で、富士通ブランドで販売されている二種類の電池です。
各小比較で測定したコーナン電池と、今回測定した「G−PLUS」「R−SPEC」のグラフを重ねてみます。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
グラフを見て明らかなように、OEM向けに出荷されている電池は「G−PLUS」「R−SPEC」とは別物のようです。 G−PLUSは比較用のPanasonicの赤アルカリ電池とほぼ似た感じの初期電圧で、後半少し赤アルカリより電圧は下がりますが容量的には同じ程度です。 高い電圧を必要とするデジカメ等には向いている特性が見られます。 R−SPECはG−PLUSより20%くらい弱くした電池といった感じですね。(この程度の負荷では)初期の電圧もあまり高くありませんので大電流を必要とする機器ではパワー不足かもしれません。同社のシリーズ中では中〜小電流機器用で手ごろなタイプという位置付けですので価格が安い事のほうが重要なのでしょう。 ただ、G−PLUSとの価格差があまり大きくないため、スーパーやホームセンター等ではR−SPECは置かない傾向にあるようです。G−PLUS(と各社PB電池)だけしか置いていない所が多いですね。 FDKのOEM電池系のうち「良品質グループ」と私が分けている特性の電池に属する「コーナン Hi-Powerアルカリ乾電池」は中盤まではR−SPECとほぼ同じグラフになっていて、後半は伸びています。 放電終了までの時間で見ればG−PLUSを追い抜いている点が面白いところで、電池内のエネルギーは同じ程度入っていて、出力電圧が低いぶん徐々に時間をかけてエネルギーを放出するような特性になっているようです。 これは今まで測定してきたどのFDK OEMタイプの良品質グループ電池にも見られた結果ですので、様々なメーカーに出荷されているOEM電池でもこのクラスではほぼ同一の製造過程・性能の電池が供給されているものと思われます。 R-SPECとほぼ同様の電圧性能で最終的に長時間使用できる電池がPBだと最も安いもので95円/4本程度。コーナン Hi-Powerアルカリでも360円/12本ですからR-SPECの多本数パック品で800円/12本に対してどれだけ安いかがわかります。 コーナン電池の中で振るわなかった「LIFLEX パワフルアルカリ」は、ほぼR−SPECと同等の電池のようですね。 ほぼ、というだけでほんの少し弱い(電流が取り出せない)ようです。 使用可能時間で見ればR−SPECも今回の試験の500mAという豆電球式の懐中電灯くらいの電流値ではかなり短いほうになってしまいます。 (豆電球式の懐中電灯など、抵抗負荷型の機器ではこのグラフとは少し違った放電特性を示します) 先にも書きましたがR−SPECは中〜小電流で長く使う向きの電池という位置付けですので、このような中電力以上での使用には向かないのでしよう。 マンガン電池の置き換え用として従来マンガン電池の領分であったクォーツ時計やリモコンといった小電流で長期間少しずつ使う用途なら本来の性能を発揮するのかもしれません。 ・・・という事は、「LIFLEX パワフルアルカリ」のパワフルって一体???
* 記事を掲載 2008/9/6
ホームセンターのプライベートブランド電池の性能テスト2008/8月版に続いて、今回は2008/9月版です。
細かな説明は2008/8月版をお読み頂くとして、今回テストした電池です。
● 500mA定電流放電テスト 各電池を2本ずつ、500mA定電流放電した結果です。 【ご注意】 今回は夏の猛暑の中で一定条件で測定する為恒温装置を製作して装置中で電池・放電器の温度を20℃になるよう強制冷却をしながら測定しています。 通常の室内温度20℃での測定では放電に従って電池の温度が多少上がりますが、今回の測定では電池も強制冷却されていますので通常の室温中測定より低い電圧・容量が測定されていると思われます。 他の室温中での測定結果とは直接比較しないでください。あくまで同一条件で測定した今回の測定グラフ中に掲載している物同士の比較です。 ※ 使用放電器はType-G,500mA定電流モード ※ 放電時の電池周囲温度は20℃±1℃、恒温装置を作成して冷却しながら放電しています。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
![]() ![]() 大型家具店「IKEA(イケア)」で売られているプライベートブランドアルカリ電池「ALKALISK(アルカリスク)」です。 写真のような紙箱に入って売られているあたりが普通の電気製品メーカー製では無く、デザイン重視のインテリア産業界の製品という感じがします。 ネット検索してみると「黄色くてカワイイ」「黄色くて他の電池と区別できる」「黄色くて・・・」とこの目立つ電池について多くの方は黄色い色使いに感動されているようですす。 うーん、黄色い電池ってそんなに珍しいですか。 ではクイズです。 「下の写真の電池のうちIKEAのALKALISK電池はどれでしょう?」 ![]() 他は全て充電式のニカド電池です。 まさかこんなにニカド電池(充電可)と類似したアルカリ乾電池(充電不可)を出してくるメーカーがあるとは、世界は広いものです(^^; しかし本体には「Do not charge!」等の注意書きすらありません。箱の裏には一応「充電禁止」のようなマークが印刷されていますが・・・ パッと見ニカド充電池に見えるちょっと怖いカラーリングのアルカリ乾電池ですね。 放電特性はほぼFDKのOEM電池系(良品質グループ)と同じ程度の電圧・維持時間です。 ラスト近くで一旦ガクっと下がっている様子はちょっとおかしく感じた(テストのミス?)ので一箱全部放電させてみましたが、全部同じでした(T_T) 199円/10本という価格からすれば十分おトク感があります。 ※ 昔は260円/10本だったそうです。 ![]() ![]() 大阪を中心に展開するスーパー万代のプライベートブランドアルカリ電池です。 通常はPB電池は価格を安くする為に原価の上がるパッケージが省かれてビニール包装だけ!という製品が多いのですが、この万代選品アルカリ乾電池は4本パック品のみ写真のような個別取り出し可能なブリスターパックがありました。 透明なパック部も、裏のフィルム部も全くFDKのG・D・Rシリーズの物と同じです。 パッケージにはどこにも「供給元(製造元): FDK株式会社」とは書かれていませんが、電池本体には「JIS C8511 380130 FDK」とJIS取得表示がありますので他のFDK OEM電池と同様と考えて良いでしょう。 しかしながら問題は価格ですね。 他のFDK OEMのPB電池がだいたい4本で100円強前後というリーズナブルな価格なのに対して、この万代選品アルカリ乾電池はなんと4本で398円もします。 8本598円、12本798円と徐々に単価が下がるパックももちろんありますが、この価格設定ってFDKのG-PLUSと変わりありません。(中身がG-PLUSと同じかどうかはまた後日…) 放電グラフで見る限りはFDKのOEM電池系(良品質グループ)と同一の性能のようですが、(放電した全部の電池のうち)一本劣化した電池が混ざっています。 正常なグラフのほうでもちょっと時間が短いですね。 それもそのはず、この電池は売れずに店頭に並べられて1年も経っている電池です。 確かに同じ棚に並べられているPanasonicの電池よりは100円程度安いですが、4本でこの価格ではスーパーマーケットのお客さんはわざわざPB電池を買う衝動が起きないのでしょう。 いつも書いている通り「電池は生(ナマ)もの」です。 スーパーマーケットで買うなら尚更、鮮魚やお肉と同じように新鮮な電池を買いましょう! ![]() ホームセンターカインズホームのPBアルカリ乾電池です。 4本で95円(税込み)と100円ショップ電池より安いですし、「製造元/FDK株式会社」と明記されているちょっと期待のできる電池です。 放電グラフを見ても、全くFDKのOEM電池系(良品質グループ)と同じ程度の電圧・維持時間です。 比較用に載せているPanasonicの赤アルカリ乾電池と比べるとやはり電圧等で劣る面もあり、特に大電流を消費する機器では使用感に差が出るとは思いますが、中〜小電流の用途ではじゅうぶんに価格差以上の利便性があるのではないでしょうか。 個人的には、デザインが昔のオーム電機のアルカリ乾電池に似ているちょっと暗い雰囲気なのが残念です。(いや、金パナに似ていると言うべきか・・・) ![]() Panasonicから量販店向けに最近出荷されはじめた「アルカリβ」電池(LR6RJ)です。 なかなか店頭でも「アルカリβ」と表記している所が無く、「企画電池」なんて書いている店もあります。 ![]() 近所ではホームセンターコーナンやスーパー万代、ヤマダ電機LABI1なんばなどで20本パックが980円で売られています。(他にも取り扱い店は沢山あるでしょう) ちなみにスーパー万代では特価セールで20本700円台(10円以下の桁はうろ覚え)で売られていました。 Panasonicの赤アルカリは同じ980円で12本パックが量販店の平均的な価格のようですので、12本対20本で約2倍近い本数が買えると思うとお得感はありますね。 100円ショップ電池なら20本(4本×5パック)買うと525円ですから全然価格では対抗できませんが、「Panasonicブランドの電池が安く買える」という点で購入する人も多いようです。実際に売り場を見ているとそこそこ売れています。 ※ 後日(9月)、コーナンで特価セール20本600円台後半でした。これは安い…
放電特性を見ると、さすがにPanasonicの名前はダテじゃ無い!という感じで、赤アルカリと遜色ない高電圧を維持していますのでデジカメ等でも結構使えそうです。 グラフのカーブは単純に赤アルカリの容量を約十数%減らして時間軸方向に縮めただけに見えます。 「安くする為にわざわざ容量を減らした」というよりは、松下の電池は一年おき程度で「性能10%アップ」等とマイナーチェンジを繰り返していますので、もしかしたらアルカリβは新製品の1つ前の製造ライン(技術)をそのまま使って、「既に原価償却しているから安く作れる電池」(本当に原価償却しているかは知りませんが…)という役割を工場の古い施設に担わせて製造原価を抑えつつ長期に渡り工場資産を活用する為に売り出された電池なのかもしれませんね。 いやまぁ、ただの想像に過ぎませんが。 最新の赤アルカリよりは1割程度「ながもちしない」電池だと考えれば、価格は4割引!ですので同じ松下の電池の中ではコストパフォーマンスに優れた製品ですね。
* 記事を掲載 2008/8/24
ホームセンターには独自にプライベートブランド電池を販売している所が多いですね。
日本全国全てのホームセンターの電池を購入してテストすることはまず不可能ですので、とりあえず近場のホームセンターのPB電池を購入してテストしてみました。 もちろんここには本ページ読者の方から寄せられた「ホームセンター××電池はFDKのOEMです!」という情報を元に「ショップQQで入手不可能になった格安FDK OEM電池に代わるものは?」を調査するという思惑もあります。 (その為、交通費が多くかかる遠くのホームセンターの電池は除外されているという事もご理解ください) 今回テストした電池です。
● 500mA定電流放電テスト 各電池を2本ずつ、500mA定電流放電した結果です。 【ご注意】 今回は夏の猛暑の中で一定条件で測定する為恒温装置を製作して装置中で電池・放電器の温度を20℃になるよう強制冷却をしながら測定しています。 通常の室内温度20℃での測定では放電に従って電池の温度が多少上がりますが、今回の測定では電池も強制冷却されていますので通常の室温中測定より低い電圧・容量が測定されていると思われます。 他の室温中での測定結果とは直接比較しないでください。あくまで同一条件で測定した今回の測定グラフ中に掲載している物同士の比較です。 ※ 使用放電器はType-G,500mA定電流モード ※ 放電時の電池周囲温度は20℃±1℃、恒温装置を作成して冷却しながら放電しています。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
![]() ![]() ホームセンターコーナンコーナンのプライベートブランド電池です。 昔は『100円ショップアルカリ電池性能評価実験』で掲載しました金色に黒帯のデザインでしたが最近は少し変わって写真の金色に一部赤色の「Hi-Powerアルカリ乾電池」になっていました。 そして更に最近青色を基調とした「LIFLEXパワフルアルカリ」も販売されています。LIFLEXはコーナンのPBで他の商品もLIFLEXブランドが次々と増えています。 旧製品と赤い「Hi-Powerアルカリ乾電池」には「供給元:FDK株式会社」と印刷されています。 青い「LIFLEXパワフルアルカリ」には供給元の表記はありませんが構造からFDK OEMである事は間違い無いと思います。 しかし性能は赤と青では大違い。 赤い「Hi-Powerアルカリ乾電池」は上の市販アルカリ乾電池・小比較で見られる格安アルカリ電池帯を大きく引き離してPanasonicアルカリ(赤)との中間位に位置するグラフですね。これはQQアルカリが示していたものと酷似しています。 それに対して青の「LIFLEXパワフルアルカリ」は100円ショップ格安電池並の低い電圧と容量のようです。 Panasonicや日立、富士通など大手メーカー製品では赤が一般品で青は高性能品のようにイメージ付けられていますが、コーナン電池では逆のようですね。 赤が380円/12本で一本31.67円(4本計算で126.67円)。青は580円/20本で一本29.00円(4本計算で116.00円)。この価格差がコーナンへのFDKからの供給電池の種類が違う要因なのでしょう。 コーナンに行って電池を買う場合、あなたならどちらを買いますか? ![]() ホームセンターナフコのプライベートブランド電池です。 こちらも最近デザインが変わってこの写真のものになりました。ボディには「供給元:FDK株式会社」の印刷があります。 グラフではコーナンの赤とほぼ同じ性能で中身はほとんど同じ物のようですね。 以前TOPでも書きましたが、OEM供給の場合はいくつかの規格品を用意して供給するパターンが多いので、コーナンとナフコには同じ規格の電池が供給されている可能性が高いと思います。(旧QQショップ電池も) FDKが供給している電池の中でも、ボディに「供給元:FDK株式会社」の印刷のある物はこの比較的高性能な電池で、印刷の無いものはそれ以下のランク品を使用しているというパターンが多いように見えますね。 ナフコ電池は328円/10本ですから一本あたり32.8円。原料価格の高騰等で、販売価格で一本32円前後がFDKからこのランク(FDK銘入り)の電池を供給されるボーダーラインなのでしょうか。 ![]() ホームセンターTRIALのプライベートブランド電池です。(製造元不明) 常に4本パックで57円という破格で売られている格安中の格安電池! 「果たしてその性能は?」という事でテストしてみましたが格安アルカリ電池帯の中にすっぽり入ってしまうそれなりの性能でした。 いやしかし、他社格安電池は105円やそれ以上の価格ですから、トライアル電池が57円という価格である事を考えれば用途さえ間違わなければ非常に安価で電池コスト削減に繋がる良い電池という事ではないでしょうか。 デジカメ等の強力な電池を必要とする機器には使用せず、連続では2〜4時間程度使用できる懐中電灯などの中〜小電力機器では有名メーカー電池よりはランタイムが短く少しだけ動作も弱いですが、大手メーカー電池と比べると価格比は抜群なのでその点を十分理解して使えばよいですね。 トランジスタラジオ等で毎日少しずつ断続的に使えばほとんど気づかない程度の差にしかならないでしょう。 表面シールの巻き方など、見れば見るほど安い作りをしていますが・・・
* 記事を掲載 2008/8/24
PanasonicのEVOLTA(エボルタ)購入記念(?)として今回は少しだけ市販電池のテストです。
EVOLTAは「世界No.1長もち」「保存期間が10年に延びた」という長寿命型電池という事ですが、果たして従来型電池とはどの程度の違いがあるのでしょうか。 公式サイトによると大電流を必要とするデジカメ撮影では従来型アルカリ電池では209枚撮影、EVOLTAでは272枚と約30%の性能アップとされています。小電流のポータブルオーディオ機器でも5〜20%程長く使えるようです。 そのほか、ショップQQとローソンストア100が業務提携してから出荷されるようになった「LAWSON VLアルカリ電池」もどの程度の実力なのか測定してみたいと思います。 なにしろショップQQブランド時のQQアルカリ電池(FDK OEM)が100均電池の中ではピカイチの性能だった為、その後継として店頭に並んでいるVL電池が同様の性能である事を期待せずには居られません。 ニッケル水素充電池のテスト(BOX01)のほうではトップバリュの共環宣言ニッケル水素充電池のテストを行いましたが、果たして同一メーカーである三洋電機のアルカリ乾電池はどの程度のものなのか、そこから共環宣言ニッケル水素充電池の容量の妥当性も探ってみたいと思います。 今回テストした電池です。
● 500mA定電流放電テスト 各電池を2本ずつ、500mA定電流放電した結果です。 【ご注意】 今回は夏の猛暑の中で一定条件で測定する為恒温装置を製作して装置中で電池・放電器の温度を20℃になるよう強制冷却をしながら測定しています。 通常の室内温度20℃での測定では放電に従って電池の温度が多少上がりますが、今回の測定では電池も強制冷却されていますので通常の室温中測定より低い電圧・容量が測定されていると思われます。 他の室温中での測定結果とは直接比較しないでください。あくまで同一条件で測定した今回の測定グラフ中に掲載している物同士の比較です。 ※ 使用放電器はType-G,500mA定電流モード ※ 放電時の電池周囲温度は20℃±1℃、恒温装置を作成して冷却しながら放電しています。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
![]() ![]() さてEVOLTAですが従来型のPanasonicアルカリ乾電池(赤パナ)と比べてあまりグラフ上では大きな差は見られません。 500mAでの使用可能時間(0.9Vまで)では従来型より約10%ほど長く使え、これはPanasonicの言う中電力機器での5〜20%程度の「長もち」の値とは合致しています。 数字では「長もち」と言われていますが実際にグラフにしてみるとこの程度の差しか無いのはちょっと悲しいですね。 ただ、電池の性能向上開発においてそのわずか数%の性能UPを実現する事にたいへんな技術と労力が必要とされる非常に難しい研究開発分野である事は忘れてはいけません。 ![]() ![]() LAWSON VL アルカリ乾電池ですが放電前半の電圧があまり芳しくありません。 後半延びてPanasonic赤と同程度の時間使用できていますが、これは前半でエネルギーをあまり出せていないので実容量ぶんを後半まで残したという感じでしょうか。 元々ショップQQでも売られていた三菱アルカリとも違った放電特性ですね。 VLアルカリも供給元は三菱ですので商品棚から消えた三菱アルカリのパッケージだけ変えた物かとも想像していましたが中身は少し違うようです。 三菱のアルカリ乾電池にしても製造元はFDKのようですので、ショップQQブランドで供給されていたFDK製のアルカリ乾電池とはこのどちらも全く違った性能の別製品ですね。(ちょっとがっかり) ![]() ![]() さて三洋のアルカリ二種類ですが、濃い紫の線のほうはホームセンターやドラッグストア等で売られていた本家三洋電機ブランドのアルカリ電池です。そして薄い紫の線はザ・ダイソーでダイソーブランド電池でありながら三洋の名前を表に出した4本105円の製品。 ホームセンターやドラッグストア等の販売価格が高い電池のほうが性能が劣っているのは・・・ 使用開始期限も03-2013ですから特に古い不良在庫というわけでもありませんし、ダイソー品のほうが期限が2年先と比較的古い規格で製造されているようです。この期限が短いという所に原価を抑えられる秘密があって100円ショップ経路でも三洋電池を4本パックで105円で売れるようになったのでしょうか。確かに以前はダイソーでも三洋のアルカリ電池は2本パック品しか置いていませんでしたし。 § § §
今回のグラフを見て頂ければ「格安電池」群はだいたいある一定の範囲の中に線が収まっている事が見て取れますね。 デジカメのように大きな電流を必要とし、かつ電圧検知(バッテリー切れ検知)機構があるような機器では電流を流している時の電圧低下の少ない有名メーカー製の高品質電池が向いている事がグラフの線からも容易に見て取れます。 大手メーカーの中でもより高性能で「デジカメ向け」等とされている電池はそういう部分が改善された電池です。 電池の中から取り出せる電気の量(容量)にはそれほど大きな差はありませんが、低価格電池ではすぐに電圧が下がってしまって瞬間的に見れば大きな電力で機器を駆動することができません。 デジカメで使うとまだ電池に電気が残っているにも関わらず電池切れマークがすぐに出てしまって撮影が出来なくなるような症状になり、結果的に「安物電池は撮影枚数が少ない」といった使用感になります。 それに対して中〜小電流での機器ではほとんど使用感には変わりなく、使用できる時間も少し短い程度。電池によっては有名メーカー電池と変わりない時間使用できるものもあり、100円ショップ電池などの格安電池は使用方法を選べば大手メーカー製の高い電池とほとんど変わりない使い方ができコスト削減ができておサイフに優しい電池と言えます。
* 記事を掲載 2008/3/18
アルカリ乾電池に関しては今まで『100円ショップアルカリ電池性能評価実験』『有名メーカー製アルカリ電池放電性能試験』ほかを行ってきましたが、あれからかなり日も経ちました。
そして2008年に入る頃からショップQQの店頭からあのFDK製のアルカリ乾電池が消え始めました。かわりに並びはじめたのはMEMOREX(兼松株式会社)製のアルカリ乾電池です。 MEMOREX/メモレックスといえばパソコンの記憶媒体がフロッピーディスクの時代にはたいへんお世話になったブランドです。他にもエレクトロニクス製品を多く出しているのは知っていましたし、一部スーパーマーケット等ではMEMOREX製の電池が売られていたのは見ていましたが、それがショップQQの電池にとって代わるとは思ってもいませんでした。 FDK製の通称「QQ電池」がもう手に入らないとなると残念です。これが一時的な品薄で代替商品としてQQブランド以外の電池を入れているのなら良いのですが・・・。 そこでもし「QQ電池」が入手できなくなった場合、家の近所で買える100円ショップアルカリ電池で2008年春の段階ではどれが使いよいのか、FDK製の代わりのMEMOREXの電池はFDK電池と同等なのか? たいへん気になりましたのでいくつかの電池を購入して比較してみました。 また、ライトを買うとついてくるPanasonicの非売品電池(LR6-AA)がありますが、「テスト用電池だから弱い安物?」「ライトの性能を良く見せる為に特に良い電池が入っている?」等の疑問を昔から耳にしますので、ついでにテストしてみましょう。 去年家電批評誌上には既に回答を書いていますが、「気の迷い」で正式にグラフを取って掲載した事はありませんのでここで一度様子を確認しておきましょう。 今回テストした電池です。
● 500mA定電流放電テスト 各電池を2本ずつ、500mA定電流放電した結果です。 ※ 使用放電器はType-G,500mA定電流モード ※ 室温は20℃±1℃、電池は室温で半日以上保管して急激な温度変化はありません ▼グラフをクリックすると拡大表示
やはり「QQアルカリ」は他の100円ショップ電池より頭一つ抜けていますね。「QQアルカリ」のかわりにショップQQで売られている「MEMOREXアルカリ」はわずかに電圧が高めのようですが、製造が他の電池より2ヶ月は遅いので単にそれだけ? それより同一パックの中の2本で後半に特性にバラつきが大きいのが気になります。 それ以外の100円ショップ電池はほとんど同じようなものですね。 非売品のPanasonicアルカリ電池はやはり市販の同社のアルカリ電池と変わらない性能のようです。性能の悪いテスト電池や、特に性能の良い電池ではありませんでした。 もしショップQQがこのままFDKのOEM電池の取り扱いをやめてしまうと・・・ちょっと悲しいですね。お気に入り電池がなくなるのは困ります。 FDKは他にもたくさんOEMで販売していますので、近所の100円ショップまたはゲームショップ等で「使いたいときにすぐ手に入る」電池として購入可能な商品を探さなければなりません。(ホームセンター物も色々商品が変わっているので探し直さないと) 今回のテストは小比較ですので、あまり深くは追求せずに、これにて終了。 【ご注意】 今回のテストは「電池を買ってすぐ使う」という私の使用方法に沿ってテストしているものです。また500mAの電流値も1W LEDライト等での使用に近い値に設定していますので、もっと大きな電流・少ない電流値での使用では違う結果になる可能性はあります。定電流放電と定抵抗放電ではグラフの曲線が違います。ご注意ください。 アルカリ乾電池は断続使用の場合は休止中に多少の電圧の回復などがあります。断続使用した場合はこのグラフの時間より長く使用できる場合があります。 また購入後に長期保管(放置)した後の電池ではありませんので、各社の電池の保管性能に関して調べたものではありません。
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