![]() 海外Li-ion充電器を比べてみた WF-138 / WF-139 / TR-001 (WF-139/TR-001の改造もあります)
Ich kann Deutsch nicht sprechen. Mir tut es leid. 最近リチウムイオン充電池をいくつか購入する機会があり、それの充電の為に充電器も海外通販で購入しました。 リチウムイオン充電池は充電・放電に細かな規定があり、間違って過充電や過放電をすると極端に性能が落ちたり過熱や発火の危険性がある取り扱いの難しい電池です。 製造状態の悪い電池があってノートパソコンが発火炎上・バッテリーがリコールされたニュースが世間を騒がせたり、中国ではサードパーティ製の怪しい電池を使用して携帯電話が爆発して人が死んだとか・・・2007年中には眉唾物の報道まで飛び込んできています。 YouTubeの映像を検索すると、ラジコン用のリチウムポリマー充電池にわざと過充電や損傷を与えて発火・炎上するかどうかの実験をしたものなどかなり過激な映像も視聴可能です。 電池側に安全装置(プロテクト回路)が組み込まれたものもありますが、そのような回路なしの電池セルのみの「生セル」電池も販売されています。 市販のリチウム電池用充電器は正しくリチウムイオン充電池の充電プロセス通りに充電しているのでしようか? 海外製の充電器はあまりに安いので心配になり、中を開けて調べてみることにしました。
リチウムイオン充電池は「定電圧・定電流」方式で充電するものとされています。
これは電池に与える電圧と電流の両方がある最大値を超えないように制御する方式です。 電圧は3.0Vセルで最大3.6V、3.6Vセルで最大4.1V、3.7Vセルで最大4.2Vとされていますが、3.6Vセルと3.7Vセルでは差が0.1Vしか無い為にどちらも4.2Vまでとしているものが多いです。 4.2V充電のほうが4.1V充電よりほんの少し(10%程度)容量が多く充電できますが、サイクル寿命が短くなるという事です。電池メーカーのほうはサイクル寿命よりも電池に表記する容量を少しでも大きくして良い電池に見せかける為に4.1Vより4.2V充電の性能を表記しているものもあるようです。 電流は最大で1C、標準で0.5Cが良いとされていますので、電池の容量によって流す電流値は変わってきます。 過電流で充電するとリチウムイオンが負極内に吸収しきれなくなり、危険な金属リチウムに変化し発火などの事故が起きます。 リチウムイオン充電回路専用ICチップなどでは、電流値を設定する端子があって、作る充電器(または機器の組み込み充電回路)によって電流を正しく設定できるようになっているようです。携帯電話などのリチウムイオン充電池使用機器にはこのような専用ICが使用されている場合が多いです。 海外充電器などは周辺部品も少なく安価に充電器を製作できるこのような専用ICチップを使って充電回路を作っている可能性が高いですね。 定電圧・定電流充電方式の場合の電圧・電流値の時間推移は次のグラフのようになります。 このグラフは1.0C充電の場合です。0.5C充電ではほぼ時間軸方向に2倍に伸びます。 ![]() 最初は1.0C充電を開始します。 充電電流を1.0Cに調整すると、電池にかかる電圧は約3V台と低いものになります。 もしここで4.2Vの定電圧電源などに接続して定電圧充電を行うと、かなり大きな電流を流してしまい過電流になる危険性があります。 充電中の電圧を監視して「今の電流では4.2V以上になる」時点からは定電圧充電に切り替えます。 定電圧と言っても実際は電圧が4.2Vを超えないように電流値を絞るよう電流で調整します。 ここから極端に充電電流が減少しますから、充電容量が100%になるまでかなりの時間がかかります。 定電圧・定電流方式ではこのように満充電まで長い時間がかかりますので、定電流から定電圧に切り替わる時点では約75〜80%程度充電できていますので「実用上は問題なし」としてここで充電完了表示をする方法が取られる場合が多いそうです。 確かに携帯電話などの充電電流を測定してみると、この80〜90%程度になったと思われる時点で電話機本体の充電中ランプが消灯し、それ以降も徐々に減少しながらもACアダプターから電流が流れ続けている状態を以前確認しています。 もしこのような「80〜90%で充電完了」としている充電器であれば、リチウムイオン充電池に書かれているxxxxmAhという表記より少ない容量でしか使用できなかったとしても納得がゆきます。 正しくは「定電圧・定電流充電では充電電流が0.1C〜0.05C程度になった時点で満充電と判定する」というふうになっていますので、そこを正しく判定して満充電表示をしている充電器であれば、ほぼ電池の容量いっぱいまで充電した時に充電を終了します。
海外製リチウムイオン専用充電器ではありませんが、ラジコン用充電器KO PROPOのMX-301の「リポ充電モード」(リポ=リチウム・ポリマー電池)を測定してみたところ、全くこの定電圧・定電流充電の手順通りこのグラフに沿った感じで電流と電圧が制御されて絶対に4.2V以上にはならず、充電電流が約0.2A(2000mAh電池で0.1C)未満になる時点を「充電終了」と判断していました。ラジコン用の高機能で高価な充電器ですので内蔵のマイクロプロセッサ制御で厳密な充電と、液晶パネルに進行状況や容量表示をするなど充電器として必要な機能を十分備えていて、充電手順も電池の種類によりモードを切り替えて適正な充電ができるようになっています。 ※ KO PROPOではMX-301での他社製リポ電池の充電は発火事故などの危険性の為禁止しています。当サイトでも自己責任で行う実験の結果を掲載するまでで、MX-301でKO PROPO製以外のリチウムイオン/リポ充電池の充電の際の安全性は保障致しません。 MX-301で充電を行えば、たいていのリチウムイオン充電池ではほぼ正しく満容量まで充電をして、電池の比較実験も行えそうです。 但し、MX-301本体の液晶に表示される充電容量表示はちょっと数値が多く誇大表示っぽいので、電流値などを別の測定器も繋いで正しく測定して数値は別途計算したほうが良さそうです。このへんはまた別の機会に。 (沢山充電できたと表示したほうが高性能に見えるから? やっぱりラジコン用品特有の・・・) 定電流・定電圧充電以外にも、「ちょっとの間なら最大電圧を越えても・・・」という微妙にデンジャラスな充電方法もあります。 海外製のリチウムイオン電池専用の充電器がどのような制御をしているのか、調べるのが楽しみですね。
UltraFire製のWF-138です。RCR123A(16340/17335等)タイプのLi-ion充電池が2本まで同時に充電できます。 充電管理は左右のスロットで個別です。容量の違う電池、残容量の違う電池の混在が可能です。 横についているスイッチ切り替えで「3.0V」「3.6V」の二種類の電池に対応できます。これはRCR123A電池の場合は通常のCR123A電池互換で3.0V品がある為で、3.6V電池では過電圧で壊れてしまう機器用に3.0V電池が重宝がられています。 但しスイッチ設定は充電器の電源を入れる前にスイッチを切り替えておく必要があり、電源ケーブルをコンセントに刺した時点でスイッチの状態が読み込まれます。電源を入れてからの変更はできません。 また左右2スロット共に設定が読み込まれますので、3.0V電池と3.6V電池を混在させて充電はできません。 電源はAC100-240V(50/60Hz)とワールドワイド対応です。 この大きさで電源回路内蔵、但し電源プラグは折りたたみ内蔵ではなく「メガネケーブル(有極性型)」が付属します。 出力は2×3.6V 250mA/2×3.0V 250mAと各スロット250mAの定電流充電のようです。 表示LEDは ・待機中 緑■ ・充電中 赤■で1.4秒に一回、一瞬だけ緑■の点滅 ・満充電 緑■ となります。 中の基板です。 ![]() ![]() 定電圧式の回路で、特に変わったところはありません。 充電器回路は制御用のマイクロコントローラ「F9444」を中心に、2つの定電流充電回路がそれぞれのスロット用に作られています。 各充電回路の回路図は以下の通りです。 ![]() コンパレータLM393を利用した定電流回路になっています。(ちょっと…な部分はまぁおいといて) 各抵抗値(ここでは構造だけ示す為に回路図には未記入)から計算すると、電流の設定値は約260mA程度となっています。(実際には少し少ない) 260mA設定の状態でも充電電流は後述の電圧検知サイクルの間(50/1400 msec)休止しますので、計算上は約250mAと本体裏面のシールの印刷通りです。 あれ、定電流回路はありますが、電流を可変にして定電圧充電を行う回路はありません。どういう充電ロジックになっているのかは、実際の動作から調べてみましょう。 ● LED表示回路 2色LEDには「CHARGE」信号と「READY」信号(どちらも勝手に命名)が接続されています。(READY信号は一本だけで左右のスロットで共通です) 「CHARGE」信号はHIレベル(5V)の時に定電流充電回路を働かせて(基準電圧を与えて)充電を行う信号です。この信号がHIの時にLEDは赤■に光ります。 つまりLEDが赤■に光っている時間は実際に電池に充電電流が流されています。 「READY」信号はF9444マイクロコントローラ内のプログラムが正常に動作して、充電OKの状態になったらHIレベルになるようです。電源を入れてプログラムの初期設定などが終わった位のタイミングでHIレベルになります。 「READY」信号がHIで「CHARGE」信号がLOWレベルの時、つまりプログラムが正常動作中で充電電流は流していない期間はLEDは緑■に光ります。 充電中に時々赤■から緑■に一瞬変わるのは、電流を止めて電池の開放電圧を測定している為です。1.4秒周期で50ミリ秒休みます。充電レート(デューティ比)は×0.9643です。 尚、外部ノイズ等によるプログラムの暴走で正しく充電器として動作しない時に「READY」信号がLOWになるのかは不明です。そこまでしていないような気がします。 (プログラムが暴走した場合はそのままの異常状態ではなく、WDTでリセットがかかるようにしているとは思いますが・・・と思ってF9444のデータシートを見直したらWDTは無いですね…ううむ) 最初は何かリチウムイオン充電専用のICチップで制御していると思って色々検索してみたのですが、充電用ICではF9444型番のものはありませんでした。 そこで幅を広げて調べたらSAMSUNGのS3F9444というマイコンチップが見つかりました。同じシリーズで各種出ているようですが、S3F9444は8ピンの8ビットマイコンチップでいわゆる「PIC」と同じような汎用のマイクロコントローラでした。 汎用マイコンに充電器プログラムを焼き込んだものを充電器の心臓部として使用しています。 ● 3.6V 充電グラフ それでは、充電動作を理解する為に実際の充電中の充電端子(電池)の電圧グラフです。 ![]() 電池Aは充電中電圧が約4.3V、開放電圧(電圧チェックサイクル中)が約4.2Vになった時点で充電を停止しました。 他何度かテストしましたが、WF-138では開放電圧が4.2Vになった事を検知して自動的に充電が停止するしくみのようです。 充電が停止すると電圧が下がりはじめ、すぐに4.1V程度になります。 この充電とチェックサイクルの状態を1/100秒単位で記録したグラフで見てみましょう。 ![]() 充電中は約4.3V強の電圧をかけて260mA程度の電流を流しています。 リチウムイオン充電池の上限電圧4.2Vを上回っていますが、充電中の短い時間であれば少しだけ過電圧(+0.1〜0.2V程度)にしても良いという判断のようです。 1.4秒に一度、50ミリ秒間だけ充電を停止して電池の開放電圧を測っています。 このグラフの期間ではまだ4.2Vに達していないのがわかります。もう少し充電が進んでこの開放電圧が4.20Vになったら充電を停止します。 電池Bは充電器が満充電を検知する前に、充電中電圧が電池内蔵のプロテクト回路の高圧検知値を超えたようで、電池のカット回路が働いて開放されています。 直接電池に電圧をかけてテストしてみたところ、電池Bは約4.28Vでカット回路が働きました。電池Aは約4.31Vでカット回路が働きましたので、同じメーカー・型番のプロテクト付き電池でもプロテクト回路の動作電圧には多少のバラつきがあるようです。 また、18650タイプ等の大容量電池に比べてプロテクトが働く電圧がかなり低いようですのて、電池の容量毎にプロテクト回路のカット電圧は違うようです。 電池には 880mAh と書いています。(不思議ですね〜) 放電グラフはまた別の機会に作りたいと思いますが、MX-301で放電しても、ライトで使って体感でもこの電池は400〜500mAh程度です。 この充電器では平均260mA前後で充電していますので、1時間で260mAの割合で充電完了までの時間から充電容量を求めれば"だいたい"の充電容量が計算できます。 LEDライト等での使用時のテール電流を測定してランタイムの予想などをする場合にお役立てください。 ● 3.0V 充電グラフ スイッチを切り替えて3.0Vモードに設定、17335 3V電池を充電しました。 ![]() 電池A・Bどちらも充電中電圧が約4V、開放電圧約3.6Vで充電を停止しています。 3V電池の充電終了電圧が3.6Vですから、スイッチ切り替えで正しく3.0V電池の充電にあわせている事が確認できます。 電池には 1000mAh!? と書いています。(不思議ですね〜) 放電グラフはまた別の機会に作りたいと思いますが、MX-301で放電しても、ライトで使って体感でもこの電池は300mAh程度です。 ● WF-138の充電ロジック、まとめ WF-138には充電回路部には定電圧回路がありません。定電流回路だけです。 充電末期にリチウムイオン充電池の電圧が最大電圧の4.2Vに達しても定電圧充電に切り替えることはせず、そのまま過電圧になっても定電流充電を続けます。 一定周期で充電電流を停止して、開放電圧が4.2Vに達した時点で充電を完了します。 これは一時的であれば端子電圧が4.2Vを超えても電池内部がすぐには壊れないという電池の余裕を利用した充電方法で、パルス状に電流を断続させて判断を行うパルス充電と呼ばれています。 定電圧充電に切り替えてからの充電電流減少で100%まで充電するのにかなりの長時間を要するのと比べ、切り替えずにそのままの電流で過電圧充電するので満充電までの時間はわずかで済むメリットはありますが、過電圧に弱い電池だと電池を痛める可能性があります。 (同時に電池を発売している会社の充電器ですから、自社電池では大丈夫という事もあるのでしょう) 電池を一個だけ充電の場合と、二個同時充電では特に差が出るような充電電流の減少は見られませんでした。(測定器の数値上くらいでわかるごくわずかな変化はあります) ● WF-138の不思議な… 「不思議な」と言うほどでもないのですが、WF-138の使い勝手でちょっと困ったことがあります。
UltraFireのロゴが読める方向に置くと、右側が電池の+になります。(わかりやすいように赤いテープを貼ってあります)しかし電源ケーブルが右側に出るのでなんか不便です。 電池を横に入れる形にすると、写真のようにテープでも貼らないと+と−を間違えて入れてしまいそうです。 一応+側の電極は逆挿し防止の為に少しだけ引っ込んだ位置にありますが、実はこの引っ込みでは「UltraFireのプロテクト付き充電池は+極の出っ張りが低すぎて接触しない」という不具合があります。 同一のメーカーの電池と充電器で使用できないというお笑いな状態なのです。 ※ +極の接触するUltraFireプロテクト電池も有るそうです
なので充電器の+電極をちょっと電池側に曲げて、プロテクト付き電池でも接触するように改造してやらなければなりません。ほんの少し曲げるだけで良いので逆挿し防止の為に引っ込んでいる状態に変化はありませんが、曲げすぎると逆挿し防止にはならずに−極でも接触してしまうようになってしまいますので注意が必要です。 元から電池を入れる方向の表示(底の刻印)が見づらいので、使い勝手を向上するのに写真のようにテープを貼ったりして、間違いを防ぐ工夫も必要です。
さて、電池を左右向きに入れると間違いが起きやすいのでこんどはCAUTIONの文章が読める方向にしてみましょう。CAUTIONのところには「3.6Vと3.0Vの切り替えは、電源を入れる前に行ってください」という注意書きが書かれています。 切り替えない人にはこんな表面に印刷しておかなくても…と思うような注意書きですが、なぜか表面に印刷されています。なぜスイッチの横に印刷されていないのか謎です。 ※ 3V電池を間違って3.6Vモードで充電してしまわない為でしょうが…
そしてこの注意書きが読める方向にすると、電源ケーブルが手前に来てしまいたいへん邪魔ですし、なにより電池の+側が下・−側が上というどうも生理的に受け付けない状態になってしまいます。電池の上に状態表示のLEDがあるのは見やすいのでこの方向もアリなのですが、やはり電池が逆さ向きというのは逆挿ししてしまいそうでちょっと怖いですね。
ということで、実際に使うときは使い勝手の良いこの方向に落ち着くのですが、見るたびにCAUTIONの文章が逆さになっているのもなんだかおかしな状態です。削り取ってしまうか、上から何かシールでも貼ってしまうか、どうにも落ち着きません。 ちなみに表面の印刷は台所用の「万能スポンジ」(水をつけなくても汚れを磨けるスポンジ)でこすると簡単に剥がれてしまいます。(研磨なので微細なキズはつきます) 果たして、これを作った人はどっちの方向で使うのが正しい使い方だと思ってデザインしているのでしょう?
UltraFire製のWF-139です。14500/17500/18500/17670/18650タイプのLi-ion充電池が2本まで同時に充電できます。 RCR123Aタイプの電池は短いのでスペーサーが無いと端子に届きません。 充電管理は左右のスロットで個別です。容量の違う電池、残容量の違う電池の混在が可能です。 この充電器は3.6V/3.7Vタイプの電池専用でWF-138のような電圧切り替えスイッチはありません。 電源はAC100-240V(50/60Hz)のワールドワイド対応入力と、DC-12Vの2系統があります。DC12Vケーブルは付属していませんがケーブルを用意すれば車のシガーライターソケットなどから充電が可能です。 電池ソケット部には縦長の電池用以外に横向きにも電池が入れられそうな溝と電極が用意されています。 しかしこの電極はペンチで曲げられて奥に入ってしまっていますし、中では配線されていません。 元は使える設計だったのでしようが、今の製品では使用されていない端子のようです。 後で使えるように改造してしまいましょう。 出力は4.2V 450mAと書かれていますが、各スロット450mAなのか合計450mAなのか表記からはわかりません。 表示LEDは ・待機中 緑■ ・充電中 赤■で1.4秒に一回、一瞬だけ緑■の点滅 ・満充電 緑■ となります。(WF-138と同じです) 中の基板です。 ![]() ![]() 100Vのスイッチング電源部はAC100Vから一旦DC 12Vを作ります。 DC 12V入力端子にプラグが挿さっている時はDCケーブルからの電源が優先されます。 そして内部の12V電源系から「充電電源」と「回路電源」が別々に作られています。 充電電源はおなじみMC34063Aを使用したステップダウンDC/DCコンバータです。 電流制限用抵抗は0.2Ωを付けていますので、0.3V÷0.2Ω=1.5AとMC34063Aの最大定格までで使用できる設定となっています。充電用に2回路に500mA程度を流しても大丈夫な設計のようです。 回路電源はTL431をシャントレギュレータとして使用しています。小電流しか必要としないのでこうして充電電流による電圧変動の心配のある充電電源から分けて精度を上げているのでしょう。充電完了を検知する基準電圧がF9444の電源の5Vそのものなのですから。 ● 充電回路 充電器回路は制御用のマイクロコントローラ「F9444」を中心に、2つの定電流充電回路がそれぞれのスロット用に作られています。 各充電回路の回路図は以下の通りです。 ![]() スロット1と2でR22とR20のパターンが違ったり(R20側が正解)、D12,11と書かれている位置に抵抗が付いていてR31,32とそれぞれ直列で一個の抵抗のようになっていたりと、パターン設計ミスや後の部品変更などちょっと怪しい部分が見受けられます。 各抵抗値(ここでは構造だけ示す為に回路図には未記入)から計算すると、電流の設定値は約450mA程度となっていますが、実際には少し少ないようです。 450mA設定の状態でも充電電流は電圧検知サイクルの間(50/1400 msec)休止しますので、計算上は約434mAと本体裏面のシールの450mAより少し少ないかもしれません。(少しと言うか…400mAを下回る時間が長いです) WF-138と同じく、定電流回路はありますが、電流を可変にして定電圧充電を行う回路はありません。制御チップもF9444を使用していますのでWF-138と同様の定電圧充電期間は無しの過電圧域まで定電流で充電するタイプのようです。 ● LED表示回路 WF-138と同じですので説明は省略します。 詳しくはWF-138の項をご覧下さい。 充電中に時々赤■から緑■に一瞬変わるのは、電流を止めて電池の開放電圧を測定している為です。1.4秒周期で50ミリ秒休みます。充電レート(デューティ比)は×0.9643です。 ● 充電グラフ それでは、充電動作を理解する為に実際の充電中のグラフです。 ![]() 平均(というかほとんどの期間の)充電電流は約380mA(peak)程度でした。緒元に書かれていた4.2V 450mAなんてとてもとても・・・(T_T) 充電容量グラフは充電電流×0.9643(デューティ比)を積算して表示しています。 この電池の場合、1時間50分程度で充電中電圧が4.2Vに達していますがそのまま充電が続き、定電圧回路が無い為にそのまま電圧がどんどん上がってゆきます。 そしてなんと充電終了間近では4.5V近くにもなっています。 確かにパルス充電では「開放電圧が4.2Vになるまで充電電圧はそれより高くても加える」という方式ですが、何かこう・・・ この充電とチェックサイクルの状態を1/100秒単位で記録したグラフで見てみましょう。 ![]() この充電器では平均366mA前後で充電していますので、1時間で366mAの割合で充電完了までの時間から充電容量を求めれば"だいたい"の充電容量が計算できます。 LEDライト等での使用時のテール電流を測定してランタイムの予想などをする場合にお役立てください。 ● WF-139の充電ロジック、まとめ WF-139には充電回路部には定電圧回路がありません。定電流回路だけです。 充電末期にリチウムイオン充電池の電圧が最大電圧の4.2Vに達しても定電圧充電に切り替えることはせず、そのまま過電圧になっても定電流充電を続けます。 一定周期で充電電流を停止して、開放電圧が4.2Vに達した時点で充電を完了します。 これは一時的であれば端子電圧が4.2Vを超えても電池内部がすぐには壊れないという電池の余裕を利用した充電方法で、パルス状に電流を断続させて判断を行うパルス充電と呼ばれています。 定電圧充電に切り替えてからの充電電流減少で100%まで充電するのにかなりの長時間を要するのと比べ、切り替えずにそのままの電流で過電圧充電するので満充電までの時間はわずかで済むメリットはありますが、過電圧に弱い電池だと電池を痛める可能性があります。 (同時に電池を発売している会社の充電器ですから、自社電池では大丈夫という事もあるのでしょう) 電池を一個だけ充電の場合と、二個同時充電では特に差が出るような充電電流の減少は見られませんでした。(測定器の数値上くらいでわかるごくわずかな変化はあります) ● RCR123A充電用改造 せっかくRCR123A電池が入る形になっているのに「もったいない!」と思いましたので、配線を追加して未使用だった端子でも充電できるようにしてみました。 多分WF-139を購入した人のうちかなりの方は改造しているでしょう。 ![]() ・未使用の端子金具に充電用の配線をする ・折り曲げられている金具を引き起こして電池と接触するようにする ・+と−を間違わないようにテープか何かを貼る の3つの作業を行えば完了です。 写真のように16340電池などをちゃんと充電できています。 が、しかし、ひとつ問題が起こりました。 左右の端子金具を引き起こして電池と接触するようにしたところ、縦に電池を入れた際に電池のボディを横金具が押して充電中に「パチン!」と電池が飛び出してしまうのです。 飛び出すというのはちょっとおおげさですが、+側がソケットから持ち上がって電池が斜めにせり上がります。 金具の押す力は結構強くて、縦に電池を片方だけ入れようとするとすぐに横に押されてちゃんとソケットに入れられないくらいです。それでしばらくしたらパチン! 横金具の出っ張りをもっと押さえ込んで、ギリギリ横方向に電池に接触する程度の弱さにしてしまわないとうまく縦横の両用にはならないようです。 このあたりの追い込みは様子を見ながら行います。
TrustFire製のTR-001です。10430/10440/14500/16340/17670/18650/ CR123AタイプのLi-ion充電池が2本まで同時に充電できます。 容量の違う電池、残容量の違う電池の混在が可能です。 UltraFireのWF-139ではソケット部の大きさの都合でRCR123A/16340などの小型電池はそのままでは充電できませんでしたが、TR-001は筒型のほぼ全てのサイズの充電池に対応しています。 (このあたりが便利そうなので購入しました) 電源はAC100-240V(50/60Hz)とワールドワイド対応です。メガネケーブルが付属します。 DC 12Vの入力端子も備えており、車のシガーライターソケット等からの充電も可能です。シガーケーブルは付属していません。 出力は4.2V 500Maと書かれていますが、各スロット500mAなのか合計500mAなのか表記からはわかりません。 しかし「500Ma」とはどんな単位なのでしようか。「ま!」それとも「メガ・アンペア?」(凄すぎ…) 表示LEDは ・待機中 緑■ ・充電中 赤■ ・満充電 緑■ となります。 UltraFire WF-139のような点滅はありません。 中の基板です。 ![]()
基板の表面には型番と設計年月らしき印字があります。形式 WF-139 V1.2 って!?、WF-139ってなんですか!?、TR-001じゃ無いんですか? 4.2V 600mAって、製品表記の500Ma(謎)と何か違いはしませんか!? 2007-7-2って結構最近じゃないですか。バージョン1.2という事は比較的最近にバージョンアップしたのですか? なにやら既に中華製品特有の怪しさが急発進!したように思えます。 ここで皆様にお知らせです。
さて、基板をザッと眺めてみると・・・充電器専用ICや回路、電池に電流を流したりカットする充電制御部品がありません! 正しくは、左右のスロット別に個別に電池が入っているかや、定電流・定電圧充電を制御する回路・チップなどが何も無いのです。 まるで昔のニカド電池充電器のような準定電流充電器回路です。 しかし基板の上にはなにか仕事をしていそうなICが2つも載っています。片方(写真の左)は14ピンもあって電池端子などに回路が繋がっていて結構高機能っぽい雰囲気です。 果たしてなにをしているのでしょう? 順に調べてゆきましょう。 基板の上の回路は大きくわけて「100Vのスイッチング電源部」「DC12VからのDC/DCコンバータ電源」と「充電器回路」に分かれています。 ![]() 100Vのスイッチング電源部はAC100VからDC 4.5Vを作ります。 DC 12V入力端子からはMC34063Aを使用したDC/DCコンバータ回路で4.5Vを作っています。 DC 12V入力端子にプラグが挿さっている時はDCケーブルからの電源が優先されます。 AC100V電源用のスイッチング電源回路には、4.5Vの定電圧回路のほかに電流検出用抵抗の両端電圧を測定して、一定の電圧以上になると出力電圧・電流を制限する「電流制限回路」が作られています。 しかしこれは定電流・定電圧充電を行う為のものではないようで、AC100V電源を使用している時にショートなどから回路を保護する為の装置のようです。 電池個別ではなく回路全体に流れる電流を検知しているだけなのですから。 そしてこの電流検知抵抗はスイッチング電源回路の制限にしか使用されていません。 DC12Vから電源を供給した場合はMC34063Aの電流制限機能を使用しているようです。電流制限用抵抗は0.33Ωを付けていますので、0.3V÷0.33Ω=0.9Aになっています。 ● 充電回路 制御用のマイクロコントローラ…などは全く無く、定電流回路もありません。 ![]() 実際に部品が付いている回路と、どちらか片方に部品をつけて機能を選択するような設計になっています。(排他利用) この部分は「LED表示回路」なので少し後で説明します。 さて、充電回路そのものの話なのですが・・・全く制御回路などの無いシンプルな「準定電流回路」です。いや、電流制限抵抗があまりに小さいので準定電流回路と呼んでいいのかさえ分かりません。 それこそ「電源に直つなぎ充電方式!」と言っても過言では無いでしょう。 4.5Vの電源からダイオードを通してVfぶん下がった電圧を電池につなぎ、電池の電圧が低い場合は大量に電流が流れて、満充電近くで電源電圧と電池電圧が等しくなったら電流は止まる・・・という電池のしくみを利用しただけの単純な充電回路です。 この回路では電池の電圧や内部抵抗によって流れる電流値は変わりますし、電圧が上がると極端に電流が減りますので満充電までは非常に長い時間がかかります。 しかも充電末期にはほぼ電源電圧に近い電圧がずっと電池にかかる事になりますから、それが4.2V以上の場合は繊細なリチウムイオン充電池にダメージを与える事も考えられます。 TR-001の場合は電池を入れないで端子電圧を測ると約4.4Vとほぼ電源電圧近くの電圧が出ています。 実際に電池を充電して長時間放置してみたところ、最後は4.25〜4.28V程度で落ち着きました。微妙に4.2Vよりは高いですが、ギリギリセーフ!くらいでしょうか。ただ4.3V以上になる個体もあるそうなので、後でそのへんは改造して改良しましょう。
● LED表示回路 さて、充電回路図のほとんどの部分を占めているのが「LED点灯回路」です(笑) 4回路入りオペアンプLM324を使用して、左右の回路にそれぞれ2個(回路図の2個)を使用しています。 まず、回路図で部品が実装されているほうの回路では、充電中に電池に流れる電流をR3/R4の両端電圧で検知して「電流がわずかでも流れていれば点灯」という回路になっています。 特に「何mA以上なら点灯」とかの厳密な回路では無いようです。充電中の状況によりかなりアバウトに点灯・消灯します。
しかも私の購入した個体では片側の回路の測定抵抗とコンパレータへの入力との間の抵抗R26が付いてなく、ハンダジャンパをしていました。多分自動部品実装器のミスかハンダ槽を通した時に部品が外れたのでしょう。しかし代替部品をつけるのでは無くそのままハンダジャンパしてしまうのはやはり中華クォリティそのものです。・・・あ! もしかして自動部品実装や自動ハンダ槽では無くて全部手作業ですか!?(いやまさかそんな…) そしてもう一つ、その少し上には電流制限検知用抵抗と直列に安全装置としてPTC(ポリスイッチ)が配置されているのですが、これもハンダジャンパーでショートさせていて無かったことにされています。安全はどこへ!? だったら最初から部品を載せずにジャンパーだけすればいいものを・・・とか思ってしまいますが、私たちには計り知れない偉大な考えが中華思想には秘められているのかもしれません。 ※ PTCの電圧降下を嫌ったか、電源回路の電流制限機能だけで良いという事にしたんでしょうけど・・・
【後日談】 さて、私が購入したタイプ以外に回路図中のグレーで示した部品未実装部分を使用しているものもあるかもしれません。 グレーの部分に部品を付けている場合は今回部品が付いているほうには部品は未実装となっているはずです。 こちらの回路は電源部にある「基準電圧」を引っ張ってきていて、「充電中の電池の電圧が一定以上になるとLEDを点灯させる」回路となっています。 分圧抵抗などが未実装なので実際は何Vで点灯させる回路なのか不明ですが、満充電の4.2Vあたりで点灯させようとしたのでしようか。 しかしここには大きな落とし穴が! 充電をしていない時、充電端子は開放されていますので+端子は電源に繋がっています。そうです、こちらの回路を使用すると「電池を入れていない時も充電LEDが点灯しっぱなし!」という実に不便な充電器になってしまいます。 なぜこのような回路のパターンが製品に乗っているのか・・・理解に苦しみます。 本機は充電中は赤■、充電完了(電流が流れなくなった)または電池が入っていない時は緑■に点灯します。 回路図をよく見てください。 緑■のLEDは電源から抵抗を通して電圧が与えられていますので、電源さえ入って入れば点灯します。UltraFireの充電器のようにマイクロコントローラが動作している事を表示しているLEDではありません。ただの電源表示です。 赤■LEDを点灯させる間、緑■を消す回路はありません。 私が購入したTR-001では緑■のLEDを点灯させる為の抵抗の値が非常に大きく設定されていて、薄ぼんやりとしか光りません。(下の写真でもそう見えます) 赤■LEDを点灯させる抵抗は標準的な値ですので、赤■が点灯している時には緑■が点灯していることがわからないほどです。 赤・緑の2色LEDで赤と緑を同時に点灯させると色はオレンジ色■に見えます。 確か昔のTR-001の充電中の写真を見たときにはオレンジ色に光っていたと思うのですが、もしかしてこれも最近のバージョンでは「UltraFireの充電器に似せる為」に抵抗値を変更して充電中は赤■色だけに見えるように見せかけ(いや工夫?)ているのでしようか???(なにしろ基板に印刷された型番はWF-139ですし…)
さてそれでは、この「電流が流れている」ことを検出しているLED表示のかなりアバウトな面をひとつご紹介しましょう。写真の左側は電池を2本充電していて右側の電池は満充電(?)でLEDは緑■になっています。左側の電池は充電中なので赤■です。 ところが、この状態で左側の電池を取り外してしまうと・・・右側の満充電(?)で緑■表示だったはずの電池がまた赤■になってしまいました。 左の電池への電流が流れなくなり、電源電圧がわずかに上がったのが原因でしよう。右側の電池に流れる電流がごくわずかに多くなってそれがLEDを緑■に変えてしまったようです。 これ以外にも電池と充電端子の接触具合とか、様々な原因でLEDが赤■になったり緑■になったり、また充電完了(?)で赤■から緑■になる時もアナログ回路ですからボ〜っと色が変わっていったりと、実に中華な表示回路です。 ● 充電グラフ それでは、TR-001の充電グラフです。 ![]() 容量グラフは充電電流を積算して表示しています。 充電開始時に充電電流は約600mA流れています。これは電池一本のみの場合で2本同時ではここまで流せないようです。 1時間ほど経つと約300mAまで下がっています。 銘板には「4.2V 500Ma」と書いて有りましたが、常に500mA流す定電流充電方式では無く、このように電流が少なくなってゆく充電方法だということがご理解頂けると思います。 またこのように電流値が変わりますので、定電流で充電している充電器のように「1時間で××mAhなので」という計算はできません。 UltraFire WF-139では4時間ほどで充電完了したこの電池はTrustFire TR-001では11時間35分もかかっています。それぞれの測定結果では両者共充電できた容量はほぼ同じ約1500mAh前後でした。 とはいえ、9時間くらいから先はほんの少ししか充電容量は増えていませんので、LEDが消える前に十分実用容量までは充電されているはずですが、どの程度充電されているかはどこにも表示が無いのでLEDを頼りに充電完了を知ろうとするとたいへん長い時間待つことになりますね。 充電電流をほとんど流さなくなってLEDが消えてもまだ電圧は上がり続けています。 この個体の場合は4.26V程度の電圧でほぼ横ばいになりましたが、4.3V近くまで上がってしまう個体もあるようです。 4.2Vを超えて4.3V近くなんて電圧が長時間続くとさすがに電池にダメージを与えそうなので気持ち悪いものです。 ● 安心電圧改造 そこで、TR-001を電池を入れたまま忘れて長時間放置しても安心な充電器に改造してしまいましょう! なにしろLEDが消えるまで1800mAhの充電池で12時間近くかかります。ずっと見ていてLEDが消えたら電池を外す!というわけにはゆきません。そのままいくら(とはいえ限度はありますが)放置しても安心な回路にしてしまえばほとんど時間を気にすることなく使用することができます。 「電池にかかる電圧が4.2Vを超えないようにする」という目的で改造方法を考えます。 「ある電圧を超えないようにする」のは定電圧電源の考え方です。 ひとつの方法としてこの充電器の電源電圧自体を下げてしまう方法もありますが、電源回路の電圧検知部をいじって電圧を変更する方法だとAC電源回路とDC12V電源回路が別々だったりとちょっと面倒です。(いや、DC12Vは使わないと決めてしまえば…) そこで電源部をいじるのはやめにして、各電池にかかる電圧を制限してやることにします。
左の図のように電池の+端子と充電GNDの間にツェナーダイオードを入れて、ツェナー電圧以上には電圧が上がらないようにします。4.2Vのツェナーダイオードがあればよかったのですが、規格品ではいちばん近い値で4.3Vになります。 でも安心してください。ツェナーダイオードもダイオードの一種ですから、ツェナー電圧もツェナーダイオードに流れる電流に応じて変化します。電流が少ないと電圧も低くなります。 いくつか試してみましたが、4.3Vのツェナーダイオードの中でもRD4.3F(4.3V-1W)が最適でした。1/2W品のRD4.3Eではなく必ず1W品のRD4.3Fを使用してください。 RD4.3F一本で4.21〜4.22V迄に制限できます。 ちなみにRD4.3Fを2本並列にすると4.20〜4.21Vくらいになりましたので、気になる方は2本並列にするとよいでしょう。 ※ ツェナーダイオードにもバラつきがあります。0.01V台の誤差はありますのでご了承ください。
4.2V品が無いからと、2.0Vと2.2Vのツェナーを直列にして4.2Vにするより4.3Vのツェナー一本のほうが良好でした。RD4.3Fはたいていの電子部品店で購入できます。
RD4.3F一本につき約40mAの電流が流れます。ツェナーダイオードを使った電源回路のように特に直列に制限抵抗などをつけなくても良い電流です。左右の各スロットに1本、または2本のRD4.3Fを追加するだけでかなり安心な電圧に制限できます。 注意するのは、「電池にかかる電圧を制限する」という事で電池の+と−の端子にツェナーダイオードを接続するのではなく、必ず−側はLED点灯用の電流検知用抵抗をパイパスした先の充電GNDに接続してください。 間違って(というか単純に考えて)電池端子の+と−にツェナーダイオードを接続すると、電池を入れていない間でもツェナーダイオードを通して40mAの電流が電流検知抵抗に流れて、LEDが点灯しっぱなしになります。もちろん電池を入れた状態でも充電完了してもツェナーダイオードに流れる電流でLEDは点灯しっぱなしです。 さて、ツェナーダイオードを一本追加した場合の充電回路の働きはどのようになるでしょうか。 常に電圧が制限されて、充電能力がかなり下がってしまうのでは?という疑問もあると思います。 しかし大丈夫です! ツェナーダイオードは規定の電圧(ツェナー電圧)以上がかかった場合に導通して電流を流し、ある範囲以下ではほとんど電流を流しません。 充電中の電圧は4V程度以上なので、ツェナーダイオードにはわずかに電流が流れてしまいますので完全に何も繋いでいない時よりは確かに充電電圧・電流は下がりますがほとんど気になるほどではありません。 また電池を入れていない時に最大で一本につき40mAを常に流す事になりますが、待機中の電源回路にとっては全く問題の無い少ない電流値です。 ツェナーダイオードを追加したTR-001の充電グラフです。 ![]() 電圧を制限していますので電流検知用の電圧も下がり改造前より少し早い時期にLEDが消灯します。この電池の場合は30分ほど早いです。 最大電圧を制限している事、ツェナーダイオードを並列に接続している事でわずかですが充電電流も少なくなりますので、充電容量も少なくなります。 この電池の場合は改造前で1515mAh、改造後には1473mAhと42mAhの差、数%程度少ないですが測定誤差や放電時の残容量の誤差も含まれていると考えるとほとんど差は無いと言ってよいほどの違いです。 実用上は問題は無いと考えても良いレベルでしょう。 リチウムイオン充電池の規定電圧4.2Vを超えずに(ちょっとだけ超えますが…)ゆっくり充電する充電器として、ツェナー改造済みTR-001はこれからも充電テスト用に活用してゆきましょう。
中国シンセン市、Hexinyu Technology LTd.(和■宇科技有限公司)製の本体裏のシールではHXY-042V2000Aという型番です。 DXの通販ページでは「Single 18650/17670 Lithium Battery Charger (1A Charging Current)」というタイトルになっています。 ・18650×1本用 (17670も可) ・1A充電器 という以外細かなスペックは書かれていませんが、Forumでは「充電が速い」「ちゃんと4.2Vで止まる」など評判が良いので買ってみました。
18650×2本用もありDXではこちらの「Digital Li-Ion 18650 Battery Charger ($8.80)」となっています。※ この2本用は2本同時充電の際は電流が激減する(電源回路の容量が全然足りない)さすが中華充電器との報告がありました。本解析記事の1本用とは性能が異なるようです。 Forumではほかにも「LEDが消えても充電は続いている」などの不穏な書き込みもあります(^^; 調べてみましょう。 中の基板です。 ![]() 写真で見て右側、黄色いトランスと右側のパーツはスイッチング電源部です。スイッチングコントローラはVIPer12Aです。 左半分が充電回路で、8ピンのICを中心にいくつかのトランジスタ等が見えます。 8ピンのICは何かLi-ion充電制御用の専用ICかと期待しましたが、これもやはりいつものOPアンプの LM358でした。 しかしTR-001等と比べると部品も多く、電池の端子に繋がる電源回路もちょっと凝っているようですので調べてみると・・・これは単純ながられっきとした「定電流定電圧充電回路」になっているではありませんか! ![]() LED表示回路は単独で、LEDの点灯・消灯は充電回路のON/OFFを表しているわけではありません。充電電流を検出して一定以上の電流が流れていることを表しています。 ● 回路図 充電回路とLED表示回路をまとめて掲載します。 ![]() ● 充電回路 充電回路は大きくわけて3つのブロックでできています。 1つ目は TL431を使用した定電圧回路です。 TL431は定電圧用のシャントレギュレータですが、今回の回路は普通のレギュレータ回路ではありません。これはTL431の定電圧動作をスイッチとして利用する方法ですね。 電池の両端電圧(保護回路も含めて)が4.2V以上になるとTL431のアノード・カソード間に電流が流れるようセンス入力端子の分圧抵抗が決められています。 VIPer12A(スイッチング電源)と組み合わせて、電池には4.2V以上はかからないような定電圧動作をします。 2つ目はLM358を使用して定電流回路です。 充電中に電池に流れる電流を電流検出抵抗で測定して一定以上の電流になるとスイッチング電源の電圧を下げて規定電流を超えないようにしています。 規定値は約970mAになっています。(1A充電という表記にほぼ合致) 3つ目は保護回路で、充電端子がショートした場合に過電流で電源部が壊れないように保護しています。 こうして見ると、TR-001のような何の制限も無く保護回路も無い充電器と比べて、アナログ部品ばかりですがHXY-042V2000Aの充電部がうまく設計されている事に満足します。 ちゃんとした定電流定電圧回路として働けば、Li-ion充電池には規定通りの充電プロセスで充電が行えるはずです。 ● LED表示回路 LED表示回路は回路図右下の部分で、充電回路に一定以上の電流が流れていることを示す回路となっています。 電流値は約75mA程度前後で判断しています。 Li-ion充電池のこの方法での充電の規定では、充電電流が約1/10〜1/20程度になったところを充電終了とみなすことになっていますので、1Aを基準に考えて1/13.33程度に設定されていのも正しい設計です。 LEDは 緑■‥‥電池が入っていない 赤■‥‥充電中 緑■‥‥充電完了 ただし、LEDが緑■に変わった後もしばらくは微弱な電流で充電されています。 微弱電流での充電継続は問題ありません。過電圧・過充電になることはありません。 ● 充電グラフ ![]() 電流値を絞りはじめるのがやや早く、相対的にはお手本よりやや充電時間がかかりますが、それでも十分に「急速充電器」と呼んで良い充電時間です。 充電電流の最大は約1A(970〜980mA)の設定値を超えず(その間は電圧を落とし)、最大電圧は4.2V(4.21〜4.22V)を超えないよう制御されています。 写真のプロテクト無しの生セルを充電してみましたが、過電圧などの心配が全くありません。 電流が約75mAを下回った時点でLEDは赤■から緑■に切り替わります。 電圧制限が正しく4.2V(4.21〜4.22V)で働いているため、このまま一晩くらい忘れて放置しても何ら問題は無いのが嬉しいですね。 電池には 2400mAh と書いています。(不思議ですね〜) 充電電流が最大約1Aなので、Li-ion充電池の充電定格の最大が1Cとすると容量1000mAh以上の電池にしか充電してはいけないことになり、対応電池が18650または17670に限定されるのは仕方ないと思いますが、1A急速充電ができるのはたいへん助かります。 グラフの18650充電池の場合、LEDが消えた時点の3:15で1750mAh、フル充電で1800mAhと50mAh程度しか差がありませんから、LEDが消えるのを目安に充電をやめても97.2%充電できていますので実用上はLEDが消えた後完全に100%まで充電されるのを待たなくても使用感に違いは無いでしょう。 今使用しているLi-ion充電池使用ライトは18650または17670を一本使用するの物がほとんどなので、今回は一本充電タイプの物を購入しましたが、この回路であれば2本充電タイプの$8.80のほうを買ってもよかったかもしれません。 安いし、どうせまたあまり良くない回路の充電器だと高いほうを買ってもなぁ・・・という思いもあり安いほうの一本用を試しに買ってみたのですが、こんなにちゃんと定電圧定電流で充電している安心できる急速充電器ならあと$1.80足して二本用を買っておけば良かった・・・ 多分今(2008/1)からしばらくは我が家では18650/17670のメイン充電器になるでしょう。
海外製リチウムイオン充電器を4台分解してみましたが、いかがでしたでしょうか。
UltraFireの2機種はちょっと過電圧をかけてでも急速に充電するパルス充電タイプ。 (でも充電電流がかなり少なかったので急速とは呼び難い…)
TrustFireのTR-001は高度な充電制御を全くせずに電池任せの長時間充電タイプ。HexinyuのHXY024Vは正しく定電流定電圧充電をしているマジメな充電器。 まさに三者三様の性格の充電器を調べてみることができました。 価格はどれも$10前後ですので気軽に購入できますし、TR-001は$10を切っているので「この値段ならこの内容で仕方ないか、中国製だし…」とあきらめもつきます(笑) しかし$7.00(や$8.80)のHXY024Vを購入してからは、18650/17670を充電するならWF-139やTR-001はもう使えませんね(^^; 今回購入した充電器にはどれも「説明書」はついていません。 ビニール袋に電源ケーブルと本体が入っているだけか、ブリスターパックで中の厚紙に商品名と対応電池の一覧が書かれている程度で、充電仕様やLEDの色の意味すらどこにも記載されていないのです。(WF-138/139のLEDの点滅を故障表示と勘違いする人も居たり…) 詳しい説明が無いので外見が似ているWF-139とTR-001は同じような仕様の充電器だと思ったら大間違い!、まさに天と地ほどの違いがあるのには驚きと言うか中華製品ならではの面白さ(ぉぃ)を感じてしまいます。 そして外観からは一番ショボいHXY042が実はLi-ion充電池に対して最適な充電方法で充電する高性能充電器だった! 本当に中を開けてみなければ外観からは充電器の性能は予測だけで判断できません。 リチウムイオン充電池の電池本体についてはまた別の機会に放電テストや容量測定などを行いたいと思います。 まだまだ調べ始めたばかりで知識も乏しく、中華な電池に苦労する日々が続くと思います。
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