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気の迷い 「ちょっと奥さん!」
小・情・報
電子部品店で「デジタルカウンタ」という製品が売られています。
その名前の通りにデジタル表示で数を数えるデジタル表示装置です。 価格は様々ですが、だいたい1000円〜数千円します。 何かの装置の動作回数を数えるとか、何かの事象の発生回数を自動で数えるなど様々な用途に使う物で、工場や実験室などで使うほかにセンサーと組み合わせて商業施設の入り口に設置して来場者数を数えたり、駐車場の利用台数を調べたりするような用途にもデジタルカウンタは使用されています。 このように「カウンタ」だけでは数を表示するだけの物ですが、入力装置やセンサーと組み合わせる事で無限の使用方法があります。 ふだんの生活ではあまり用の無い物ですが、これが100円ショッブで手に入るとしたら大学の実験で使う学生さんや工場でちょっとした製品製造カウントをしたい方等には朗報ではないでしょうか。 それだけではあまりに一般的では無いので、ここでは他の100円ショップ製品と組み合わせて「エコ時代の家庭内電力消費節約用カウンター!」にも使いましょう。 ![]() 製品自体はかなり前から売られている物です。(今回で購入三個目) 液晶表示は5桁あり99999までカウントできますから、たいていの計数作業には使えます。リセットボタンを押す事で00000に戻せます。 電池はボタン電池一個で、普通に歩数計(万歩計)として使用するなら数ヶ月は電池がもつでしょう。 ![]() 歩数をカウントするには部品面に大きく見える"錘(おもり)"が付いた腕が歩く振動で上下し、真ん中のスプリング状の接点と接触する事でカウント入力に電圧がかかってそれをICが計数しています。 接点にはノイズ防止用のコンデンサも付いていますが、歩数計(万歩計)としての利用方法だとあまり細かなタイミングでカウントしてしまったらミスカウントが多くなるので、この回路では1秒間に約2回以上の頻度ではカウントしないようになっているようです。 流用するとしても周波数カウンタ等には使えません。 単純に「デジタルカウンタ」として流用するなら、この振動スイッチになっているところから配線を引っ張り出して、他の何かスイッチかセンサーの出力接点(無電圧出力)などに繋いでやればカンタンに使えますね。 ただ気になる点はこのカウンタ回路は「接点が接触して、離れた時に1カウントアップする」という働きになっています。 どういう設計意図かはわかりませんが、単にスイッチを繋いだ時などには少し違和感を覚えるかもしれません。 何か事象が起こったときに「チョン!」と一瞬だけスイッチが入るだけならほとんど気にはならないと思いますが、デジタルカウンタとして使用するならなんとなく不自然です。 もっとも、スイッチのほうを工夫して事象が起こったときにOFFになるタイプの物を使用したり、リレー等のN.C.端子に繋いでおけば事象が発生した瞬間にカウンタが上がりますからそのへんは工夫次第でしょう。 ● 冷蔵庫「エコ」カウンター 家庭用の用途としては、別途100円ショップの「窓用防犯ブザー」と組み合わせて『エコ時代の家庭内電力消費節約用、冷蔵庫のドア開閉回数計数カウンター!』などが作れます。 これから夏にかけて、冷たい飲み物を出し入れするのにお子さんが頻繁に冷蔵庫のドアを開ける家庭はありませんか? このカウンターで一日の冷蔵庫のドア開閉回数をカウントして集計し、無駄に冷蔵庫内の冷気を逃がして電力消費につながる使い方を減らせれば、家庭の電気代節約にも繋がりますよ。(但し、ドアを開けている時間は計れません。回数だけです。) 「灯油ファンヒーターのセンサー故障」でご紹介したように、「窓用防犯ブザー」には磁力で働くリードスイッチが入っています。 このリードスイッチをデジタルカウンタの計数用センサーとして利用するだけです。 ![]() ただのスイッチになった窓用防犯ブザーを冷蔵庫のドアが開いたらスイッチOFFになるような位置にとりつけます。冷蔵庫のドアを開け閉めしてカウンタの数値が上がってゆけばOKです。 ● 貯金箱・カウンター 「50万円溜まる500円玉貯金箱」のような単一種類の硬化を溜める貯金箱が人気です。 そんな貯金箱のお金を入れる入り口の所に「マイクロスイッチ」のような「腕木」付きのスイッチを組み込んで、お金を入れたら一回スイッチが入るような仕掛けを作ってやれば上の冷蔵庫用エコスイッチのようにカウンターから接点配線を繋いでやるだけで「いま貯金箱の中に何枚硬貨が入っているのか」が一目でわかる貯金箱カウンターができあがります。 マイクロスイッチが手に入らない場合は針金を2本突き出しておいて、投入した硬貨がその2本に接触するようにしておくだけでも良いですから誰でも簡単に作ることができるでしょう。 お子さんの夏休みの宿題の工作なんかにいかが? ● 「遮光」カウンター 「冷蔵庫用カウンターなんて作って楽しい?」と思われる実用重視の方へ。「遮光カウンター」も作ってみましょう。 「遮光カウンター」とはセンサーにCDS等を使い「光が遮られたらセンサー動作する」ような回路とカウンターを繋いだもので、主に商業施設の入り口で来店者数をカウントしていたり、駐車場に入る車の数を数えていたり、はたまたベルトコンベヤー上を流れる「何か」の数を数えたりと様々な所で使用されています。 近年は赤外線センサー等を使った高性能な物がほとんどですが、昭和のかなり早い時代から電球式の光源とCDSセンサーを使って「通路にぼんやり電球が光っている何かセンサーらしい物」が沢山設置されてきましたので見たことのある方も多いのではないでしょうか。 ![]() 歩数計(万歩計)基板から「電池+」「電池−」「カウント入力(バネのところ)」の3本の配線を引き出し、CDSを使用した簡単な光センサー回路と接続します。 CDSの品や当てる光の強さなどで動作する点が変わりますから、感度調整用のVR(5K)を回して光を遮った時にカウントアップする点に調節してください。 たとえば通路を通る人の人数を数える場合は、片方の壁にライトを設置してもう片方の壁のセンサー部(CDS)を照らすようにします。人が通れば光が遮られるようにライトの光はなるべく集光してください。 センサー部(CDS)にはそのライトの光以外は明かりが入らないように筒状の物の中に入れるか、箱の中に入れてライトの方向への正面にだけ光が入る穴を開けます。ちょっと豪華にレンズで向かい側のライトの位置に焦点をあわせる等の工夫をして他の光での誤作動を防止するのも良いでしょう。 他に何も光が無いところなどではそれほど工夫する事も無く使えます。 ライトとCDSの間を人や物が通ったらカウントアップすればOKです。 学園祭の企画展示室の入り口(出口は別で一方通行)にとりつければ、何人の人が見に来てくれたのかを自動で集計できますよ。 通路の幅が広いと複数の人が並んで入ってしまって同時に1カウントとしてしまうので、正確な数字を知りたければ通路幅などは工夫が必要です。(学祭等ではおおまかで良いでしょうけど) 他にも家と家の間の隙間をネコが通る回数を計るとか・・・(^^; この外付けの光センサー回路をとりつけた場合、1mA程度の電流を消費しますので歩数計(万歩計)の中のボタン電池だと数日で電池が無くなるでしょう。ボタン電池ではなく単一〜三型電池などから1.5Vを供給するか、建物や機械に設置してずっと使うならAC電源から電源を供給できるようにしてやると良いでしょう。長時間光を当てるライト側にも電源が必要ですしね。 (C)「気の迷い」 Kansai-Event.com 本記事の無断転載・転用などはご遠慮下さい |
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