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「ちょっと奥さん!」
小・情・報


 今回は「タッチスイッチ方式」の100円LEDランプ商品二種類のご紹介です。

■ 100円 「調光タッチスイッチライト」

ちょっと奥さん! 2019/5/4

 「ザ・ダイソー」で写真の「調光タッチスイッチライト」を購入しました。(税込み108円)
 ※ 購入と最初の掲載は「日記的駄文 2018/12/30」記事です。

 グリーンオーナメントNo.31122
(単四電池×3本は別売)

 従来のこの製品のような丸い「タッチライト」と呼ばれるランプは白いフードを押すと、中の機械的なスイッチをON/OFFして点灯・消灯できるというものでしたが、この商品はなんと「本体のスイッチマークが印刷された箇所に軽く触るだけ」で点灯・消灯の切替ができ、さらに「タッチ部を長押し(いや長タッチか?)すると100%から見た目でおよそ10%くらいまでの間で“無段階”調光できる!というスゴすぎる商品です。
 長押しして調節した明るさは、電池を抜かない限りは中のICに記憶されていて、一旦消灯してまた次に点灯した際には前回OFFにした時の明るさでまた点灯するので便利です。

 今まで100円ショップでは、ダイヤルを回して明るさを調節できる(中にボリュームが入っている)BOB LEDライトは売られていましたが、このライトのように「タッチスイッチ1つでON/OFFと調光できる」商品はそこそこお値段の高い電気製品の調光ランプでしか採用されていなかった電子制御方式です。

 さっそく、中を開けてみましょう!

 先日の「100円タイマーライト」でも小型の8-pinマイコンチップを使用して100円商品でありながら時間設定を選べるタイマー回路内蔵ランプを実現していましたが、今回の「調光タッチスイッチライト」もそのようなLED調光の機能と、タッチスイッチ機能を盛り込んだ(専用設計の?)6-pin ICが使用されています。
 もしかしたら、汎用の8ビット・マイクロコントローラーICの入力端子の1つをタッチセンサー回路内蔵にした、汎用マイコン流用のOEM用チップかもしれませんが、いかんせん型番が消されているのでなんとも調べようがありません。

 タッチスイッチ部の中には直径1センチくらいの銅版が一枚入っていて、そこに一本の配線がされているので、「AC100V 検電リレー」で解説したような空間での電磁結合・誘導などの原理を利用したもの、またはこの端子に短いパルス電圧をかけて容量を測る静電容量検知回路が入った、いずれかの昔からあるタッチスイッチの回路になっているものと思われます。(検電器の回路図はIC用のタッチ入力回路ではありませんが)

 基板上の部品数は少なく、ランプのON/OFF・明るさの変更(調光)機能すべては6-pinのコントローラーICが担っているようです。

 それでは、基板上で回路がどのように構成されているかを確認してゆきましょう。

 こちらが、「調光タッチスイッチライト」基板から読み取った回路図です。
 「ランプのON/OFF・明るさの変更(調光)機能」は、先に書きましたように型番不明の6-pinのマイクロコントローラーらしきICだけで制御しています。

 タッチセンサーにあたる部分は丸い金属板(銅版)とICの入力ピン(1番ピン)が直接リード線で繋がれているだけです。
 このタッチ板はプラスチックケースの内側に貼り付けられていて、人間が直接触れるものではありませんが、ケースのプラスチックを通してでも電磁的に人の指などと結合できるものです。

 「LED点灯機能」はICの出力で直接LEDを点灯させるのではなくたぶんC-MOSレベルの弱い出力のIC出力端子から、チップ型のN-ch MOS-FETSI2032 [PDF]をドライブしてチップ型白色LEDを一個点灯させています。

 物理的な電源スイッチは無く、電源の単四乾電池×3本コントローラーICの間には「電源逆接防止用」にショットキー・バリア・ダイオード1N5819(40V/1A)で保護されています。
 IC電源には電源平滑用にチップコンデンサが1つ付いています。

 ICの3番ピンGNDの間に入れられているチップコンデンサ(基板上のプリントでは4.7μF?)は何の為のものかは調べていません。(特に調べる必要は無いと考えたため)
 考えられるのは、タッチ感度の調節用か、PWM調光機能周波数を変更できるようにCR発振回路のコンデンサが外付けになっているとか?・・・他の何かの安定用の何かとか?・・・いくつかの予想はできますが、外したり容量を変えてみて回路の挙動を調べないことにはなんとも言えません。

 特にこの基板上の部品を交換・改造して何かに・・・という面白い改造方法はパッと思いつきませんが、ほぼ無改造で他のLEDランプの「タッチスイッチ・調光機能化」に流用はしやすいと思います。


■ 100円 自動車用「USBタッチセンサーライト」

ちょっと奥さん! 2019/5/4

 「ザ・ダイソー」で写真の「自動車用 USBタッチセンサーライト」を購入しました。(税込み108円)
 ※ 購入したのは去年です。

 「自動車用」とは書かれていますが、普通にAC100V用のUSB電源USB出力のモバイルバッテリーに繋いでも動作はします。
 自動車で使う際にもこのランプを直接シガーソケットに差し込むわけにはゆかず、必ず別途「シガーソケット用USB電源アダプター」などの車載用USB電源変換器は必要です。
 まぁそのおかげで自動車専用ではなく、他のUSB電源でも使えるわけですが。

 似た形の商品で(スイッチ機能はありませんが)ノートパソコンのUSB端子に挿してキーボードを照らすLEDライトがありますが、本商品はちょっと棒の部分が短いのでその用途には使いにくいかもしれません。

 パッケージに「触ると光る!」と書かれている通り、このランプには押したりスライドさせる電源スイッチは付いておらず、ランプ本体のLEDカバー部の背中(黒い側)に軽く指で触れるだけでLEDが点灯/消灯します。

 LEDが点灯している状態で、消費電流は約140mA程度でした。

 LED部のカバーを外して中の基板を見てみると、チップ型LEDが3個使われています。
 LED一個に45mAくらい流している計算?でしょうか。
 LEDの品番がわかりませんが、大きさからして100〜200mW型のチップLEDっぽいので、だいたい定格通り使っているようです。
 電流制限抵抗でそのあたりは定格を守っているようなので、短時間で焼き切れてしまうような事はなさそうですね。

 それでは、「自動車用USBタッチセンサーライト」の基板の上を詳しく見てゆきましょう。
 先ほどの「調光タッチスイッチライト」よりは部品数が少し多いですね。

 やはり回路の中核を担うのは6-pinのチップ型ICです。(詳細は後述)
 3個のチップLED(LED1LED3)に対して個別に電流制限用抵抗が1つずつ付けられている様子も見てとれます。
 LEDのスイッチング(ドライバ)にはやはり3-pinのトランジスタかFETのような部品が1つ付いています。

 パッケージの説明書の図解によるとライト(発光部)の先端あたりの裏側(黒い側)に指を触れるとON/OFFできるように描かれていますが、タッチセンサーにあたる「タッチパッド」を構成するプリントパターンは基板の中央部にあります。そしてその両側をGNDパターンで挟み込む形です。

 実際の感度はこの「タッチパッド」に近い部分に触るのが一番反応が良いことがわかります。
 一応、図解通りにライト上部(先端部)あたりを触ってみてもなんとか反応はするようですが、たまに反応しないこともあったので、できればランプ部の黒い背中の中心付近を触るのが吉かと思います。

 こちらが、「自動車用USBタッチセンサーライト」基板から読み取った回路図です。

 「タッチのよるランプのON/OFF機能」は、チップ型6-pin ICで制御しています。
 型番のプリントが[JL223B]でしたので検索すると・・・「タッチセンサーIC TTP-223BA6 [PDF]」という『タッチスイッチ専用IC』だと判明しました。

 先ほどの「調光タッチスイッチライト」では型番が消された「謎のIC」が使われていてモヤモヤしましたが、こちらの製品はズバリ用途・仕様がはっきりわかるICが載っていて心がスッキリ爽快になります(笑)

 タッチセンサーIC TTP-223BA6は、「タッチセンサー入力」「スイッチ出力(トランジスタ・FET駆動用)」「動作モード切替(ダイレクト・オルタネイト動作/トグル動作)」「出力位相切替(HI/LOW)」などの機能が6ピンの1パッケージに収まった、多目的タッチスイッチ用ICです。

 [I 端子](1番ピン)は「タッチ入力端子」となっていますが、実際の中の回路では「I/O端子」となっていて出力機能も割り振られています。
 これはこのICの動作図を見ればわかりますが、パルス状の電圧出力状態検出用の入力を1端子で行っていますので、このICのタッチ入力の検知方法は「静電容量方式」であろうことが容易にわかります。
 なので、入力端子の「タッチ板」の両側に「GND板パターン」を配置してパターンでコンデンサを構成するようにしているようです。

 [TOG 端子](6番ピン)は「スイッチ動作選択端子」で、「タッチされている間だけ出力をActiveにするダイレクトモード(direct mode):0(default)」と「一回タッチすると出力のON/OFF状態を切り替えるトグルモード(toggle mode):1」を選べます。
 今回の基板ではTOG端子Vdd(1)に接続されているので「トグルモード(toggle mode)」での使用ですね。

 [AHLB 端子](4番ピン)は「出力位相選択端子」で、「出力がActive(ON)の間はQ端子をHIにするモード(Active high):0(default)」と「出力がActive(ON)の間はQ端子をLOWにするモード(Active low):1」を選べます。
 これは、このICの出力で負荷(LED点灯や他の電子回路の電源など)をコントロールする際に、トランジスタやFET等を使ってスイッチングする回路を「ローサイドスイッチ」「ハイサイドスイッチ」のいずれの方式にでも対応できるように考慮されている設計だと思われます。
 今回の基板ではAHLB端子N.C.(無接続)なので「デフォルトの0:Active high」モードを使うようになっています。(なので後のLEDドライバはN-ch MOS-FET)

 [Q 端子](1番ピン)は「出力端子」で、今回は「Toggle モード」&「Active high モード」での動作ですから「タッチするごとにON/OFFが切り替わる」「ONの時は出力はHI/OFFの時は出力はLOW」になります。

 余談になりますが、個人的な考えではこのように「出力端子の位相を切り替えられる入力端子」を儲けるよりは、どうせこの入力と出力の2本のピンがあるなら「片方は正相出力(Q)・片方は反転出力(~Q)」という2種類の相対する出力端子にしておいてくれれば、出力ドライバをHI/LOWどちらでドライブする回路にも適用できますし、逆相出力を使って2つの出力ドライバ回路を駆動するとか・・・フリップフロップの出力みたいな感じで使えるほうがいいんじゃないかなぁ〜かなぁ〜かなぁ〜と思うのですが。
 このICの設計思想では「外部入力で回路の動作中でも出力の位相(ON/OFF)を反転制御できる機能」のほうが有用だと考えられているようですね。
 最後に例として載せているような「マイコン用タッチ入力ボード」でも、基板上のPAD(パターン)のハンダづけでモードを切り替えて使えるような製品もありますし、「ハンダづけ(またはピン挿入)でモードが変えられる!」ほうが最近の小型マイコンボード等に繋ぎたいような方々には好まれるのかも?
 どちらのほうが正しくて反対の意見は正しくないとかいう問題ではなく、単に設計思想の違いなのでどうという事は無い問題ですが、何かちょっと心にひっかかります。
 閑話休題。

 LEDドライバは、このタッチICの出力端子(1番ピン)から、チップ型のN-ch MOS-FETSI2032 [PDF]をドライブしてチップ型白色LEDを3個点灯させています。
 先にも書きましたが、各LEDにはそれぞれ電流制限用抵抗(33Ω)が取り付けられています。(たぶんこのチップLEDの定格内の電流で使用する為)

 N-ch MOS-FETSI2032」は上の「調光タッチスイッチライト」基板でも使用されていましたし、これからの100円ショップ用品の中華基板に載せる部品ではデファクトスタンダード品になるようなポピュラーな品なのでしょうか??? (確かに中華通販ではよく売られていますね)
 ひと昔前だと中華トランジスタではS8050なんかがデファクトスタンダードであったように。
 それとも基板の作りが似ていることから、製造元が同じで大量にストックしている部品をどの基板でも流用するように設計したからの、特にこれといって特別な理由ではないとか?(謎)

 最後になりましたが、このタッチセンサーIC TTP-223BA6は一定時間タッチ操作をしなかった際に低電流動作に切り替える「スタンバイモード」がついていますので、LED OFFで何も触っていない間の消費電量はμAレベルの低消費電流です。

 このタッチセンサーICのような便利な機能のICが、ハンダづけ組み立てしやすい「DIPサイズ」で売られていれば自作派ユーザーにはとても便利だと思うのですが、超小型のチップ部品だと老眼ではハンダづけも大変で(^^;
 なのでUSB電源の5V系回路とか電池3〜4本のポータブル機器(ただしICの動作電圧は2.0〜5.5V Typ.3V)とかで「タッチスイッチ機能が欲しい!」ってなった時には、この「自動車用USBタッチセンサーライト」の基板を「完成品のタッチスイッチ基板」として流用するには良い商品だと思います。

 各社からマイコン用入力ボード(シールド)として「TTP-223 タッチセンサー基板」みたいな物が各種販売されていて、10枚セットくらいで買うと1枚単価は100円を切る値段で売られていたりもしますので、この100円ショップ「自動車用USBタッチセンサーライト」をバラして中身の基板だけ流用するのがコストパフォーマンス的には素晴らしく良い!というわけでは無いので、そのあたりは各自の目的や使用枚数によってよくお考えください。


◇   ◇   ◇

 「ちょっと奥さん」コーナーは100円ショップ商品などの紹介をするだけで、質問などの投稿受付フォームはご用意していないコーナーなのでご理解とご了承をお願いいたします。

 もちろん分解・改造は自己責任で!、分解や改造した製品を使用して機器が壊れた!とか火を噴いた!とか、その他諸々のトラブルに対して「気の迷い」は一切の責任を負いません。

 本ページに掲載している回路図・ブロック図等についてもあくまで今回手元にある製品で調べた結果であり、今後製品の改良やマイナーチェンジで中身が違うものに変わってしまう可能性も特に100円ショップ商品というカテゴリーのものは高いので、皆様が購入された商品が今回掲載した通りの回路図・ブロック図を元に改造・使用できることを保証するものでもありません。
 今後別回路になった商品が発売されたとして、それに追随して本ページをその新製品にあわせて加筆・追加・更新する義務も負いません。(気が向いたらやる時もありますよ)



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