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各種電池の比較実験や、LED関係のテスト、ほか記事は↑↑↑




自己電源方式、オートカット電圧可変
ニッケル水素充電池・単セル放電器の製作

950-700mA 急速放電 / 単3・2000mAh 約2時間 / 単4・800mAh 約55分
カット後は自動電源OFF(別途電池は必要無し)なので寝ている間でも安心!
家庭用自作放電器・ミニッツ用/ミニ四駆用放電器に最適です…か!?

* 記事を掲載 2007/6/3
* 実体配線図を追加 2007/6/5
* 電池BOXの接触不良対策を追加 2007/6/6
* この回路形式の利点と欠点を追加 2007/6/7
* トランジスタ互換表に動作確認品を増やしました 2007/6/8
* トランジスタ互換表に動作確認品を増やしました 2007/6/11
* イーグル放電器の改造を追加 2007/6/23


 今回はニッケル水素充電池(ニカド電池も可)用の「放電器」の製作です。

 ラジコンの世界では「放電器」は至極一般的な物ですが、普通に生活している人には「なにそれ?」という方も多いのではないでしょうか。

 本ページの電池関係のところでは色々解説していますが、ニカド/ニッケル水素充電池は途中まで使用して充電を繰り返していると「メモリー効果」と呼ばれる現象が起きて、電池本来の性能より少ないパワーでしか使用できなくなります。
 ニカド充電池ではその影響が顕著ですので管理がたいへんです。
 ニッケル水素充電池はメモリー効果の影響が非常に少なく、継ぎ足し充電で使用を繰り返してもあまり悪影響はありませんが、全く無くなったわけではなく実際は多少の性能劣化がみられます。

 今では単3や単4のニカド充電池を使用している人は本当にラジコン・ミニ四駆関係くらいかもしれませんが、デジカメ等での使用や三洋電機のeneloopの普及で一般家庭でもニッケル水素充電池を使用する機会が増えていると思います。

 メモリー効果の心配が“非常に少ない”ニッケル水素充電池でも、時々正しい終止電圧まで放電してやって、それから満充電する事で電池内部の化学物質の状態を綺麗にしてやる事で、より良い状態で使用できるようにしてやることができます。
 これを電池の「リフレッシュ」と呼び、充電器によっては専用の「リフレッシュ機能」を搭載しているものもあります。

 しかし多くの充電器には「リフレッシュ機能」はありませんので、本ページで製作するような放電専用の「放電器」を使用して充電池を正しく終止電圧まで放電し、その後に充電器で充電すれば電池を「リフレッシュ」したことになります。

 電池をリフレッシュする以外にも、放電性能が一定の放電器(同じ放電器)での放電時間をメモしておく事で、使用が進んだ充電池がどれくらい劣化している(放電時間が短くなっている)のかを調べられたり、複数本の電池の放電時間を比べてより近い電池同士を組み合わせる事で、コンディションの似た電池同士を同時使用できるようになって、機器での使用条件もより改善することができます。(この組み合わせ作業をマッチングと言います、マッチングした電池の事をマッチドバッテリーなどと呼びます。ちなみに「マッチドする」という言い方は文法上間違いです。ラジコンの世界では間違った言葉が横行していますが…)

 便利な放電器ですが、終止電圧までの放電は電池の放電サイクルを一回進める事になりますので、むやみに放電を繰り返すと電池の寿命はそれだけ短くなります。放電器は適度に使用するのがポイントです。

《今回の記事内容》
基本設計
回路図・動作
実物の製作
組み立てと「放電終了電圧」の調整
放電テスト
発熱と温度について
電池BOXの接触不良対策
この回路形式の利点と欠点
隠された野望!?
イーグル放電器の改造

※ オペアンプやコンパレータ等のICを使用して、電源が必要なタイプの放電器の製作記事はまた別の機会に掲載します。


■ 基本設計

 「放電器」と言っても様々です。

 今回製作するような「単セル(電池一本)」で放電するもの、「複数本直列」や「パック状態の組電池」で放電するもの。
 正しく終止電圧を管理して放電をストップするもの、何も管理せずにストップしないもの、「オートカット」とまるで自動で停止させているような名前を付けているけれども「カット」では無く「限界」を決めているだけのもの・・・

 そして、終止電圧を測定したり判別するのに電子回路を使用して、その回路を安定して動作させる為に放電電池とは別に電源(電池)が必要なもの、別電源を必要としないもの。

 過去に製作した「単セル×4本用、ニッケル水素充電池用急速放電器 Type-F,Type-G」はオペアンプ等のICを使用していて、放電電池とは別に回路電源用の電池またACアダプターが必要でした。(写真はType-G)

 その前に製作した Type-E は電源不要でしたが電池2本直列放電でしたので、2本の電池のコンディションが違っていると正しく放電できない物でした。コンディションが揃っていれば良いのですが…

 そこで今回は『単セル(電池一本)放電器で、別途電源の必要の無い回路、もちろん停止電圧で放電を停止して、その停止電圧は可変できる!』という虫の良い話の放電器は出来ないものか?という疑問から設計を始めました。
(ちなみに、Type-F,Gは電源が必要ですが自動電源OFF回路搭載)

 オペアンプやコンパレータ等のICを使用したりPICマイコンのような高度な物を使用すると色々高機能な物が作れますが、今回は「初心者でもそれほど難しくなく作れ、調整も簡単で、精度もそれなりに高く便利に使える回路」というこれまた非常に虫の良い話にも重きを置いていますので、使用部品も少なく、なるべく製作ミスの起き難い回路を目指しています。

● ラジコン用でよくある“電源不要”の放電器
● なにか負荷だけ繋ぐ
 「電池を放電する」と言えば、電池に何か負荷を繋いで電流を流してやれば良いので、モーターや電球を繋ぐだけという人も居ます。
 右の回路図のように、抵抗(主に抵抗値の小さなセメント抵抗等)で大きな電流を流して、並列に豆電球をつないで「ランプが消えたら放電終了、電池を外す」というルールにしている人も居るようです。
 この回路でももちろん放電はできますが、「ランプが消えたら電池を外す」ためには放電中はずっとそばで見ていて、ランプが消えたらすかさず電池を外さないと、もしランプが消える所を見ていなければたちまち電池の電圧は0V近くまで下がってしまい、そのまま気付かずに放置すると過放電で電池にダメージを与えます。
 秋月充電器 MW-1268ページでお話しした「恋する乙女★」のように、ずっとうるうるしながら見つめていないといけないのです。
 また、ランプが消える電圧というものをちゃんと測って、そのランプが消える時の電池電圧は何Vなのか、正しい終止電圧とどれくらい差があるのかを把握している人はほとんど居ないでしょう。(測れば良い話ですが)

 この回路では「放置すると確実に電池にダメージを与える」という危険性があり、本当に簡易的な使用しかできません。
 もちろんそれを理解して使っている人はそれで良いのですが、あまり大手を振って「放電にはこれが良いよ!」と誰にでもお勧めできる回路ではありませんね。
 そこでちょっと改良して「ある電圧以下には放電させないようにしよう」と考えられたのが次の回路です。

● ダイオードで電圧を決める
 ラジコン関係で「自作・放電器」で検索するとまず一番多く出で来る製作例がこの回路図のダイオードのVf(順方向電圧)を利用した「オートカット」式と呼ばれる回路です。

 ダイオードは順方向の電流に対して、一定の電圧(Vf)以下の場合は電流を流さない性質があるので、その性質を利用して電池の電圧がVf以下になろうとする電圧までで回路に電流が流れなくするものです。
 整流用のシリコンダイオードで約0.6〜0.7V、ショットキーバリアダイオードで0.2〜0.5V程度です。
 あれ?
 0.7〜0.2Vって、ニッケル水素充電池ではすこし〜かなり過放電なのでは?
 そうです。この回路では確実に過放電電圧まで放電させてしまいますが、実はこの回路はニカド電池全盛の頃に考え出されてそのまま使用されているもので、ニカド電池は過放電に強い電池なのでちょっとここまで低い電圧まで放電してもダメージは少なく、またメモリー効果を起こしやすい電池ですから少し深く放電させてやってメモリー効果を起こしている化学物質を強くリフレッシュする意味合いもあったのだと思います。
 ですので、このようなダイオード+抵抗だけの放電器でニッケル水素充電池を放電する際にはやはり「ランプが消えたら電池を外す」事に徹しないとニッケル水素充電池に過放電でダメージを与えます。
 「オートカット式だから安心だよ!」と、寝る前にセットして朝になったらランプが消えていたとか、放置する使用方法は絶対にお勧めしません。(まぁ、短時間、数回の過放電なら突然電池がダメになってしまう程ではありませんが・・・)

 ほぼ一定の電流で急速放電し、ある電圧でカチッ!とスイッチが切れてしまう放電回路(今回製作するもののような感じ)なら多少低い電圧まで放電してもそれはごく短時間なのと、電池の内部抵抗の関係で電極に悪い状態まで完全に電気を吸い尽くすのではなく、ほぼ電池にダメージを与えませんが、ダイオード+抵抗方式ではダイオードのVf電圧になるまでずっと電池の放電をし続け、Vf電圧に近くなると抵抗にかかる電圧は非常に低くなりますから放電電流が落ち、大電流放電では電池の内部抵抗で守られている電池内部の電圧が外部電圧と等しくなり、完全に過放電状態のままじわじわと電池から電気を吸い取ってまさに「真綿で首を締める」ように過放電させてしまいます。
 本当に、ニッカド電池ならまだ大丈夫ですが、ニッケル水素電池にはお勧めできない放電回路です。

 この回路にはもう1つ欠点があり、負荷の抵抗にかかる電圧は「バッテリー電圧 − ダイオードのVf」ですから、放電中のバッテリー電圧が1.2Vだったとして、Vf0.7Vだと抵抗の両端電圧は0.5Vになります。
 実は欠点とは「たいていの豆電球は、0.5V程度では暗くて光っているのかいないのかわからない」のです。
 「暗いなぁ」と思いつつもなんとか点灯状態を確認出来ればよいのですが、こんな状態では放電が進んで電圧が下がるとすぐにランプは消えてしまって、まだ放電は続いているのに放電中とはわかりません。
 少し放電が進んでまだ放電中も、放電が終っても、ランプは消えているのです。
 「過放電を少しでも防ぐ為、ランプが消えたら電池を外す」という見極めでさえ、どの電圧でランプが消えてしまうのかさえ不明になって、電池を外すタイミングさえ計れないとんでもない放電器になってしまいます。

 それを少しでも回避しようとすると、Vfの低いダイオードを使って、少しでも豆電球にかかる電圧を高くする必要があります。
 ショットキーバリアダイオードを使ってVf=0.2〜0.4V程度にすると抵抗両端には1〜0.8Vがかかり、今まで調べた豆電球では0.8V程度以上でははっきりと点灯しているとわかるくらいの明るさで光りましたので、「ランプが光っているのがわかるようにする為に、ショットキーバリアダイオードを使う」という対処療法的な意味合いで、ラジコン用の放電器ではショットキーバリアダイオードが多用されている可能性があるのです。
 過放電になる事よりも、使う時の利便性のほうを優先した結果たどり着いた所なのでしょうか。
 ラジコンの世界は「放電電圧0.4V!! (他社より低いぞ!!)」と宣伝されている商品のほうが「高性能」と信じられているのですから・・・

 そして、私が最も信じられなかったのは右の回路。
 ダイオードのVfが高くて抵抗の所の電圧ではランプが明るく光らなかったのでしょうか。
 「パイロットランプ」と称して豆電球を電池と並列に接続していた放電器。
 全然ダイオードの意味無いやん!

 バッテリーの電圧がダイオードのVfより下がって負荷抵抗には電流は流れなくなっても、豆電球を通じて放電は続いていつかは0Vまで過放電してしまうじゃないですか。
 この充電器も「ランプが消えたら電池を外す」という事らしいのですが、もちろん電池を外さないと0Vまで過放電させてしまいますとはどこにも書いてありませんでした。
 秋月充電器 MW-1268と同じ「デスチャージ機能」搭載の過放電器です。

● 今回の放電器を考える
 さて、上のようなダイオード+抵抗だけの簡単なものではなく、いっぱい電子部品を使って豪華な回路を作ればそれは豪華な放電器が作れるのはあたりまえです。
 しかしそれではあまりにあたりまえすぎて何も面白く無いので、今回は「少ない部品で大きな効果」という低予算放電器路線で回路を設計することにします。

 右の図のように、ダイオード+抵抗式の放電器の「過放電を防止する意味のダイオード」の代わりに「電子回路」をつけてやることにしましょう。

 この接続では、電子回路の電源は放電中の電池から取ることになり、放電中の電圧が回路電源の最大電圧になります。
 満充電時のニッケル水素充電で放電開始時は1.3V程度、放電中は1.2〜1.1Vあたり、放電終了直前は1.0〜0.8V程度(終了設定電圧による)まで下がってしまいます。
 たった1V程度で電子回路を動作させなければなりませんので、電源電圧の高いICなどは使用できません。
 もしICを使用するなら、0.9V程度から動作するDC/DCコンバータで昇圧して5V程度を作るという手もありますが、今回は低予算放電器路線ですのでその手は使いません。
 たった1V程度ですので、トランジスタのベース電圧をぎりぎり駆動できる電圧です。なんとかトランジスタのみで動作する回路を設計しましょう。
(その為に、使用するトランジスタはかなり厳選されますが…)

 ついでに、「放電をカット(終了)したら、電池から一切電流は消費しない」という形で、寝ている間でも、外出している間でも、放置しっぱなしにしても良いユーザーフレンドリーな回路にもしましょう。
 「ランプが消えたら電池を外す」なんて面倒な事はしなくても良いのがいいです。

 果たして、たった1Vの電圧で動作して、ちゃんと任意のカット電圧で停止して、停止したら電流は消費しないなんて夢のような放電器はできるのでしょうか!?


■ 回路図・動作

 できました!(笑)

 今回製作した「自己電源方式、オートカット電圧可変、ニッケル水素充電池・単セル放電器」(Type-H)です。
※ 回路図中で放電抵抗は1.5Ω/1Wとなっていますが、発熱の関係でかなり熱くなりますので、なるべく2W品を使用してください。

 放電電流は約950〜700mAです。(放電開始時〜終了時)
 単3/2000mAhの電池で約2時間、単4/800mAhの電池で約55分で放電完了します。(満充電からの放電、共にeneloopで計測)
● 動作の説明
 NPNタイプ・パワートランジスタ 2SD2092 で放電のスイッチングを行います。
 2SD2092ONの時はC→Eに電流が流れ、負荷抵抗と豆電球、それと電圧検知用の半固定抵抗(100Ω)にバッテリーの+側から電流が流れます。

 2SD2092OFFの時は負荷部品には全く電流は流れません。
 2SD2092OFFの時は電圧検知抵抗には電圧がかかりませんので電圧検知スイッチ用の小信号用トランジスタ 2SA1015OFFです。

 バッテリーを電池BOXに挿した時には 2SD2092OFFです。オートスタートではありませんので「放電スタートスイッチ」をつけています。

 放電スタートスイッチを押すと、スイッチとR3(10Ω)を経由して 2SD2092 にベース電流が流れます。ベース電流が流れると 2SD2092ONになります。(電池が約0.8V未満の場合はONにはなりません)

 2SD2092ONになると負荷部品に電流がかかり、電圧検知用の半固定抵抗の両端には負荷部品にかかっている電圧と同じ電圧がかかります。
 ダイオード+抵抗式の放電器とは違い、2SD2092 のC-E間電圧は最も高い場合でも約0.090V(今回の回路に流す電流値での実測値)と非常に低く、負荷抵抗や電圧検知用半固定抵抗にはバッテリー本来の電圧に非常に近い電圧がかかります。
 実際は 2SD2092 のC-E間電圧でのドロップ以外に、電池ボックスの金具とバッテリーとの接触抵抗や、リード線の抵抗成分による電圧降下などで、合計約0.1V強くらいバッテリーの電圧より低い電圧が負荷抵抗・電圧検知用半固定抵抗にはかかります。
 しかしたった0.1V強程度の電圧ドロップですので、回路を動作させられないとか、動作に大きく差が出るような障害にはならないでしょう。

 電圧検知用の半固定抵抗で分圧した電圧で 2SA1015 のE-B間電圧が約0.7V以上だと 2SA1015ONになります。
 2SA1015ONになるとE→C方向に電流が流れ、その電流はR3を通じて 2SD2092 のベース電流になりますので、2SD2092ONの状態になります。(スイッチを押しているのでONですが)
 放電スタートスイッチを放しても、電圧検知用の半固定抵抗で分圧した電圧が 2SA1015 を動作させられる電圧以上だった場合は、そのまま 2SA10152SD2092ONの状態が「保持」されます。
 もしスイッチを押して放電を開始した時のバッテリー電圧が設定している終了電圧より低い場合は「保持」されませんので、スイッチを離した瞬間に放電は停止します。

 バッテリーの放電が進み電圧が下がってくると負荷にかかる電圧も下がり、電圧検知用の半固定抵抗で分圧した電圧も下がります。
 この時、バッテリーの電圧が希望の電圧になった時に、2SA1015 のベース電圧が約0.7Vになるように半固定抵抗を調節しておけば、希望の電圧よりも下がった瞬間に 2SA1015OFFになります。
 2SA1015OFFになってR3を通じて 2SD2092 のベース電流も供給されなくなると 2SD2092OFFになり、負荷には電流が流れなくなって放電が停止します

 放電が停止して負荷に電流が流れなくなると、電圧検知用の半固定抵抗の両端には電圧は無くなりますので一旦OFFになった2SA1015はそのままの状態では再び勝手にONになる事はありません。

● この回路のTIPS

 2SA1015 のベース電圧が0.7Vを割り込むところでは、当然トランジスタはアナログ的に電流増幅動作します。
 カチッとスイッチを切るようにではなく、ベース電流値に(ほぼ)比例してコレクタ電流の量を調整しようと働いて、コレクタ電流はアナログ的に減少します。
 2SA1015 のコレクタ電流はそのまま 2SD2092 のベース電流ですから、この電流が減少すると 2SD2092 もアナログ的にコレクタ電流を制限しようと働いて、負荷に流す電流を制限し始めます。
 普通に考えれば、この時点では 2SD2092 は完全なON状態ではなくなりますので、C-E間の電圧が上がってC-E間電圧×電流ぶんの電力で発熱します。
 「2分間ランプ」などで記載した「ぼ〜っと消える期間の発熱」ですね。

 この放電器では「終了電圧になったらトランジスタの発熱問題があるのでは?」と思われるかもしれませんが、実は 2SD2092 が負荷の電流を少しでも減少させると、それはすなわち電圧検知用の半固定抵抗の両端電圧を下げることにもなり、2SA1015 を動作させるぎりぎりの電圧でアナログ的な動作をさせていた 2SA1015 のベース電圧が更に下がり、コレクタ電流も少なくさせます。コレクタ電流が下がると 2SD2092 はもっと電流を制限して負荷にかかる電圧を下げ・・・・・
 この2つのトランジスタがお互いのベース電流・コレクタ電流を下げ続けるループがほんの一瞬のうちに起こり、まるでスイッチをパチッ!と切ったように設定した終了電圧になった瞬間に一瞬で放電がOFFになります。見ていて嬉しくなるくらいに。

 先にも書きましたが、バッテリーから電流を流す負荷との接続が切れてバッテリーの開放電圧が回復しても、勝手には放電が開始されることはありません。

 こうして、希望の放電終了電圧までバッテリー電圧が下がったら自動的に放電を終了し、終了した後は電流を全く消費しない状態で回路がロックされます。

● LEDが使えない?

 放電中を表示する「動作ランプ」ですが、電子回路を使用した放電器ではLEDを使用するのが一般的ですね。
 しかしこの回路ではバッテリーが満充電の時でも最大1.3V程度しか電源電圧がありませんので、点灯するのに1.8〜2Vが必要なLEDはとても光らせることができません。
 この部分は妥協して最低0.7〜0.8Vでも点灯する豆電球(ムギ球)を使用することにしました。(赤色に塗られたムギ球で雰囲気は出しましたが)
 定格1〜3V用のムギ球ですが、0.7V程度でもはっきりと点灯してる事がわかる明るさですし、1.2Vもあればかなり明るくて放電中を示す用途ではじゅうぶん実用的です。

 この部分はダイオード+抵抗式放電器のようにダイオードのVfが負荷抵抗の両端電圧を下げてしまって、ムギ球をつけても「暗くて確認し辛い」という事がありません。トランジスタでスイッチングしている利点です。

● FETが使えない?

 大電流のスイッチング用には普通のパワートランジスタではなくパワーMOS-FETのほうが適している場合が多いです。
 ラジコンのサーボアンプでも最近主流のものはFETによりモーターの電流を制御しています。(パルス制御が主流ですね)

 私のほかの放電器でもパワーMOS-FETを使用しているのですが、今回は使用できません。
 パワーMOS-FETの場合、安定した電流を流すにはゲート電圧が約4V以上必要(低電圧タイプでも約2.5V以上)なので、今回のように約1V程度しか電源電圧の取れない回路では使用できません。
 別に電源があって、4〜5V以上が使える回路であればFETを使っていたでしょう。


■ 実物の製作

 実際に使用できる状態で「放電器」を製作しましょう。

 電池を4本放電したい場合は4回路同じ物を作れば良いのです。
 MINI-Z用に単4電池を4本放電できる放電器を作るのも簡単にできます。

 今回は4本用ではなく、電池を同時に1〜2本まで放電できるように同じものを2回路作ります。

 しかしちょっと欲張って、単3電池と単4電池のどちらでも放電できるように、各回路には電池BOXを単3用と単4用の2個とりつけています。
 写真では左側2個、右側2個の電池BOXでそれぞれ1つの放電回路に接続されています。
 単3用と単4用の電池BOXは単に並列接続していますので、1つの回路では単3電池と単4電池の両方を挿して同時に放電させる事はできません。
 単3電池用の電池BOXだけにして、単4電池を放電する時は「単4→単3アダプター」に電池を入れても良いのですが、いちいちアダプターを探して使うのも面倒でしたのでダブル電池BOXで対応することにしました。
 今回選んだケース(T.SIN TB-56)では単3用電池BOXを4個並べると微妙に(1mmほど)幅が足りなかったので・・・
 MINI-Z用に単4電池BOXを4個ならちょうど並びます。
● 主な使用部品 ※ 価格は参考値です
2SD2092 (155円)

 100V-3Aまで使用できるNPN パワートランジスタです。
 hfe(増幅率)が500〜1500(Ic=0.5A)と大きいので少ない電流でも十分に大電流が流せ、C-E間飽和電圧も低いので今回のような電源電圧や負荷電圧が低い回路でのスイッチングに適しています。
※ ピン配置がB-C-Eの順です。
 もし手に入らない場合は、なるべくC-E間飽和電圧が低く、hfeが高く、3A以上流せるNPNタイプのパワートランジスタであれば互換品でも大丈夫です。
 今回の用途での互換品一覧を載せておきますが、動作確認済み品以外は自己責任で使用してください。(品番順です、良い順ではありません)
2SC3709A 158 千石電商 通販
2SC3852 157 真光無線(秋葉原) -
2SC3852 100 デジット [ 6/8 品切 ] -
2SC4685 105 シリコンハウス共立 通販
2SC4881 105 千石電商 通販
2SC5000 126 千石電商 通販
2SC5000 126 シリコンハウス共立 通販
2SC5706 126 シリコンハウス共立 通販
2SD1412A 136 マルツ・パーツ館 通販
2SD1412A 150 デジット -
2SD2092 155 デジット -
※ 水色枠のものは、動作確認済みです。
  VR調整位置などはほぼ同じです。
※ 黄色枠のものは、動作確認しましたが少し動作が異なります。(VR調整位置が変ったり、最低カット電圧が悪くなります)
※ 白色枠のものは、データシート上で特性が似たものです。(こちらでは動作確認していませんので、悪い場合もあります)
※ グレー枠のものは、準互換程度です。
  動作確認済みものが入手できない場合は代わりに使用できるかもしれません(未確認)。
 「テストしてみたいな」と思い掲載しています。
 グレー枠で掲載していて、テストした結果使えなくて一覧表から落ちた物もあります。水色に昇格したものもあります。確認できるまで購入しないほうが良いでしょう。
※ ほか、一覧に追加作業中
 ピン配置などは各トランジスタのデータシートで確かめてから使用してください。
 性能が近い互換品でもダーリントンタイプはベース電圧が高いので使用できません。


1〜3V用 ムギ球 (70円)
 鉄道模型やプラモデルの電飾をしている方ならおなじみかもしれませんが、LED全盛の今の時代、ふだんはあまりお目にかかれないかもしれない超小型電球です。
 電球部が麦の1粒と似ているのでムギ球と呼びます。
 裸電球のままのものや、写真のもののように「赤」「青」「緑」「黄」などに着色されているものもあります。
 色は好みで選んでください。

 ケースに取り付けるには何かブラケット(枠)があればいいと思います。

 デジットで一個70円×2個購入した後、ジョーシンキッズランドの模型パーツ売り場で「2個入り115円」で売られている物があってちょっとしょんぼり。

 ちなみに電球の中にバイメタル電極が入っていて、熱で電極が曲がってスイッチのようになり「自動点滅」するムギ球も売られています。
 点滅させたい方は「自動点滅」タイプを使用するのも面白いかも?
2SA1015 (20円)

 小信号用 PNPシリコントランジスタです。
 電子パーツ取り扱い店ならどこでも売っているはずです。
 もし売っていない場合は互換品でも大丈夫です。


1.5Ω 2W 金属皮膜抵抗 (36円)
カラーコード[茶-緑-金-金]
 今回の回路では最大で1W程度の消費電力になるので試作では1W品にしていますが、かなり熱くなるので使用するのは2W品にしてください(^^;


10Ω 1/4W カーボン抵抗 (5円)
カラーコード[茶-黒-黒-金]
(1回路に2本必要)
 10Ωの抵抗でしたら1/4Wでも1/8Wでも、普通に誤差5〜10%の品で適当で。


100Ω 半固定抵抗 (55円)
抵抗値表示[100Ω または 101]
 写真のように、できれば目盛りが振ってある品を選んでください。
 目盛りがあると、後で放電終了電圧の調整をする時に楽です。


電池BOX (50円前後)
 放電したい電池にあわせて単3用か単4用かを選んでください。
 色や形の違う物がいろいろと売られています。お好きなものをどうぞ。


スイッチ (100円前後)
 プッシュONタイプのスイッチです。
 これもケースへの取り付け方法などでお好みのものを選んでください。
 スイッチはこんな形やボタンの色違い等、いろいろなものがあります。
 スイッチには「プッシュONタイプ」のほかに「プッシュOFFタイプ」(どちらもモーメンタリー(一時)タイプと呼ばれる押している間だけ動作するタイプ)や、「オルタネートタイプ」と呼ばれる一回押す毎にONとOFFが切り替わるタイプもあります。
 間違ったタイプのスイッチを買わないように注意しましょう。

ほか
 ユニバーサル基板(穴あき基板)、ケース、配線材料(リード線・錫メッキ線)なども必要です。
 基板をケースにとりつけるネジなどは、ケースに付属している場合もありますが、無い場合、また基板をほかのとりつけ方をするなら必要に応じてネジやゴム足なども用意しましょう。
 組み立てるサイズ(回路数)、ケースの大きさなどにあわせて必要な物をそろえてください。
 ケースは特に電子工作用のものを使う必要はありません。見た目はアレですが100円ショップで売られているタッパーでも良いのです。

● 予算は?

 上の写真の部品で1回路ぶん約450〜500円程度です。
 必要回路数×500円と、基板やケース等の数百円で合計部品代となります。

 ちなみに写真の2回路用放電器で部品代は約1300円でした。
 ミニッツ用に単4×4本の放電器を作る場合の部品代は約2500円くらいでしょう。
(手持ちの配線材や塗装用のスプレー代は別)

● 基板パターン例

※ LAMPとSWの片方の配線がわからないというご質問を頂きましたので、改訂しました。
 基板の部品配置とパターンは作られる方のご自由で結構ですので、ここに掲載しているものは一例です。

 今回の製作では薄型ケースの中に基板だけ入れて電池ボックスやスイッチ等はケースにとりつけましたので、右のようにパワートランジスタは寝かせて取り付けて、放電抵抗も寝かせて全体の厚みを低くする配置になっています。

 パワートランジスタのコレクタと放電抵抗を繋ぐパターンが∩字型に遠回りしていますが、これは放電抵抗の発熱が足を通じてパワートランジスタに直接伝わらないようにわざと遠回りさせています。
 最短距離で繋ぐのと、これだけ遠回りさせるのとでは約10℃程度の温度差になりました。今回の回路ではパワートランジスタは発熱しませんので、そこに無駄に熱を与える必要は無いと思います。
 それと、今回の放電器ではこの部分の配線に気を遣って抵抗値が変わるといけないなど、精密な設計でなくても良いので多少の遠回り(数mΩ程度の違いがあるかも)はOKです。

 ケースに厚みがあって高さに余裕があったり、ユニバーサル基板の上に回路と電池ボックス等を一緒に載せてしまう作りでしたら、パワートランジスタは立ててよいですし、放電抵抗の置き方も自由です。

 「基板とその他部品との配線がわからない」という質問を頂きましたので、実体配線図を掲載しておきます。

 配線するリード線の色はなんでも構いません。お手持ちの物で自由に選んでください。全部の色が同じでも作った本人がわかれば良いです。
 スイッチとムギ球には極性(+や-)はありません。どちらの足に配線を繋いでも良いです。(ムギ球には最初からリード線がついていますね)

 後で動作確認や、終了電圧の調整の際にテスターで電圧を測るポイントは図の通りです。

※ 本当は+側給電点は放電抵抗の近くのほうがもっと良いのですが、この基板の上半分は「ケースに合わせてご自由に」と書いた手前、作る方によって変るでしょうからそちら側へのリード線の配線は控えています。もし更に少しでも改善されたい方はご自由にどうぞ。
※ 電流を増やす、また少しでも配線抵抗での電圧降下の影響を減らしたい方は「4線計測法」の理論に基づいて精度を上げるなどの工夫をしてみてください。−側は切り離せませんので、+側のみ2線にするなど改良はできますね。他にも改良できる点はありますので、電子工作の楽しみを満喫する為にも、改良されたい方は存分にご自分の製作物でお楽しみください。


■ 組み立てと「放電終了電圧」の調整


※ 写真は試作中の基板です、上の基板パターン例と多少異なります
 今回の「2回路版、ちょっと欲張りに単3単4兼用放電器」は写真のような感じに組み立てました。
※ 写真では電池BOXは4個ついていますが、電池を4本同時に放電できる物ではありません。左右のチャンネルでそれぞれ単3か単4電池のいずれか一本を入れて使用します。写真の物では放電回路はあくまで2回路です。

 主な回路はユニバーサル基板上に組み立て、電池BOX・スイッチ・ムギ球はケースにとりつけてあります。
 上の写真では見えませんが、ケースに放熱用の換気穴も空けてあります。

● 基板上の注意点

 発熱する放電用抵抗(1.5Ω)は基板表面に密着させず、少し浮かせてとりつけてください。
 また浮かせすぎてケースの天井に当たったり近づきすぎないよう、適度に離れた位置になるように注意してください。

 今回はパワートランジスタは発熱しませんが、ケースの厚みが薄いために寝かせた状態で基板にとりつけています。
 そのまま寝かせていても良いのですが、抵抗の発熱が基板(と裏の抵抗の足)を通じても伝わってきますので、基板から離すためにケースの天井にぶつからない程度に(斜めに)立たせてやります。
 ケースの高さがじゅうぶんに高くて、トランジスタを立たせたまま基板にとりつけられる場合はこんな心配はしなくても良いのですが・・・

● 配線の注意点

 電池BOXと基板の間を繋ぐリード線はじゅうぶんに太い物を使用してください。
 そして組み立てられる状態で最も短い長さになるようにしてください。
 この配線が細く長いとリード線の電気抵抗で電圧ロスが起きて、放電回路側で検出する電圧が低くなって設定できる最低電圧が高くなります。

 発熱する抵抗の真上に配線が通らないようにしてください。
 抵抗の温度は100℃以上になります。
 100℃以下で解けるビニール被覆のケーブルなどが抵抗の真上や直近を通らないように注意して配線してください。
 ケーブルが長すぎてブラブラして、ケースの蓋を閉めた時に中で曲がって抵抗に接触するなどは絶対にしないようよく確認してください。

 配線ミスや誤配線、安全でない配線、安全でない部品のとりつけ方をすると、ビニール被覆が溶けたり配線がショートするトラブルにつながり、異常発熱や発煙(有毒ガスの発生)・発火・炎上の危険性があります。
 当方では本ページ・記事をご覧になられて製作された製品による事故に関しては責任を負いかねますので、製作・工作は自己責任の上でじゅうぶん注意してください。


● 動作確認と「放電終了電圧」の調整
 放電終了電圧を検知する回路にかかる電圧は、電池BOXから基板までの配線の長さや太さ、電池BOXの種類による接触抵抗の違い、基板上の回路の組み立て方(腕前?)による微妙な電圧差など、様々な要因が絡んで作られた個体毎に微妙に違うものとなります。

 本当はいくつかのポイントにかかる電圧をテスターで測って、それぞれの数値をある計算式(この回路の設計計算式)に当てはめて計算して、出て来た数値の電圧になるように半固定抵抗を回してもらう・・・という非常にめんどくさい方法を当初考えていましたが、希望の終了電圧を変更する為には毎回測った電圧から電卓を叩いてもらって計算し、出て来た答えに合わせてこれまたテスターで電圧を測りながら半固定抵抗を回すなんてとても面倒でやってられない!

 ということで、少しくらいは製作上の「個人差」があっても、だいたいはこれくらいになるだろうという「当たり」をつけて、半固定抵抗の「ゲージ」を作成しました。

 このゲージは
・放電時、バッテリー電圧が1.2Vの時に放電抵抗の両端電圧は1.1V程度であること。(つまりトランジスタのCE間電圧+配線・接触抵抗ロスが0.1V程度であること)
2SA1015がベース電圧0.685〜0.7V以上でONになること。(不良品で無ければ…)
これらの条件を満たせばほぼ正確なものとなっています。


この写真のタイプ半固定抵抗のケースに付いている目盛りはかなり「ウソ」です。
 両端の約7〜10%の位置ではスライダーが電極に触れていて抵抗値が最大・最小から変化しません。
 0.8Vの位置を太線で0〜7%くらいまで引いているのはその為です。個体差もあります。
 半固定抵抗を左に回転させれば終了電圧は低く、右に回せば高くなります。

 20%回転させた所0.9Vと、だいたいはここに合わせておけばよいのです。

 実は、このゲージを作ってからも色々と試してみましたが、配線の長さや作り方による誤差は数%程度で、だいたいはこのゲージの通りでどちらかというと半固定抵抗の抵抗値の誤差とか、小さなものなので回した時の微妙な止めた位置の誤差とかの範囲で全て収まってしまうようです。
 このゲージを縮小してプリンターで印刷して、真ん中を丸く切り抜いて半固定抵抗に貼り付けるのもよいでしょう。

 誤差はあると思いますので、きっちりと合わせたい方は後に説明する調整方法で微調整してください。

 この回路では放電電流が950〜700mAですので、通常の単3または単4ニッケル水素充電池では放電終了電圧は0.9V程度に設定してください。

● 動作確認

 まず、半固定抵抗を左いっぱいに回します。(終了電圧を最低の0.8Vに)

[1]
 満充電か、それに近い状態の電池を電池BOXに入れます。
 この時点ではまだ放電中ランプ(ムギ球)は点灯しません。
》変な臭いがする・煙が出る・電池が熱い》すぐに電池を外して、回路・配線を確認してください
》放電中ランプが点灯する》回路・配線を確認してください
[2] 放電抵抗の両端電圧をテスターで測り0Vであることを確認します。
》電圧がある》回路・配線を確認してください
[3]
 放電スタートスイッチを押します。
 放電中ランプ(ムギ球)が点灯し、スイッチを放しても点灯が続く事を確認します。
》点灯しない》回路・配線を確認してください
》点灯しない》トランジスタの向き(足配置)は間違っていませんか?
》押している間だけ点灯する》特に2SA1015周辺、半固定抵抗の配線を確認してください
半固定抵抗を右側いっぱいに回したら点灯し続ける場合は、半固定抵抗の配線ミスです
[4]
 放電抵抗の両端電圧をテスターで測り、約0.8V以上である事を確認します。
 つぎに電池電圧を測り、放電抵抗の両端電圧との差が0.1V〜0.2V程度以下である事を確認します。(もちろん電池の電圧のほうが0.1〜0.2V程度高いです)
※ 放電抵抗の電圧は抵抗の両足または抵抗をハンダづけしているところで、電池電圧は必ず電池本体の+−極か電池BOXの金具部分で測定してください。(実体配線図で確認してください)
※ 電池の電圧は刻一刻と変化します、手早く測定してください
》放電抵抗両端に電圧が無いまたは低い》抵抗のハンダづけや配線はしっかりしていますか?
》差が0.2V以上ある》電池BOXとの配線は太いですか?ハンダづけはしっかりしていますか?

 以後は電池電圧を見ながらテストします。

[5]
 半固定抵抗をゆっくりと右に回してゆき、ゲージ上の表示でだいたい今の電池電圧のところを過ぎると放電中ランプ(ムギ球)が消える事を確認します。
》放電中ランプが消えない》特に2SA1015周辺、半固定抵抗の配線を確認してください
》大幅にゲージの電圧と違う所で消える》半固定抵抗の抵抗値(100Ω)は間違っていませんか?
[6]
 一旦右いっぱい(100%)まで回し、放電中ランプ(ムギ球)が消えたままである事を確認します。
 半固定抵抗をゆっくりと左に回してゆき、左いっぱい(0%)まで回しても放電中ランプは点灯しないことを確認します。
》放電中ランプが点灯する》特に2SA1015周辺、半固定抵抗の配線を確認してください

 以上のテストがOKなら、基本的には組み立て間違いはありません。

 放電終了電圧も20%回転させた所0.9Vに設定するのであれば、無確認・無調整でもだいたい0.9V±0.05V程度の精度だと思います。

● 精度を上げる


□ 可変電圧電源装置をお持ちの方
 出力電圧を0.5〜1.5V程度の範囲で可変でき、出力電流1A程度流せる可変電圧電源装置をお持ちの方は、電池BOX端子に電源装置からの配線を接続し、電圧を可変させながら希望の放電終了電圧で正しく放電機能が切れるように半固定抵抗を微調整してください。
 この際の電圧は可変電圧電源装置の表示(メーター?)ではなく、電池BOXの端子部分にテスターを接続して、電池BOXでの電圧を測定してください。

□ 電源装置をお持ちでない方
 電源装置を使用して任意の電圧でのテストはできません。

 実際のニッケル水素充電池を使用しての調整を行います。
 電源装置を使っての精密な測定と調整にはとても及びませんが、自分が設定した放電終了電圧で“ほぼ”合っているかどうか程度は確認できます。

 動作テストに使用したニッケル水素充電池を放電器で放電させ、自動的に放電が終了(停止)することを確認します。
 単3/2000mAhの電池で約2時間、単4/800mAhの電池で約55分かかります。
 半固定抵抗を先ほどのテストでほぼ電池電圧で放電が切れた位置と左端(0%)の間に調整していれば、ほぼ正しく回転位置に応じた電圧で終了するはずです。
 但しここでは2時間もずっと電圧を見ながら放電器に張り付いている必要はありません。放電が終了して放電中ランプ(ムギ球)が消えるまでは放置しておいて構いません。

 でも初回は発火・炎上が怖いので、できれば人間が何か別のことをしてる横で放電させてください。もし異常な臭いや煙が出はじめたらすぐに電池を外して、最悪の場合は水でもかけて消火できるように。
 発熱量とケースの温度上昇のテストも兼ねてみましょう。

 放電が終了したら、最低数分間はそのままにして(数十分でも数時間でも…)、電池の開放電圧が自然に回復して1.1〜1.2V程度に戻ることを確認してください。
 ここで回復しない電池はテストに使用できません。

 半固定抵抗は希望の放電終了電圧にセットしていますよね。(たとえば0.9V)

 電池の電圧をテスターで常に測れるようにします。電池の+−極か、電池BOXの金具の部分で測定します。

 放電スタートスイッチを押して放電を開始させます。
 既に先ほど放電させている電池なので、みるみる電圧が下がってゆくはずです。
 電池の性能、劣化度、個性(?)によってここでの電圧の下がる時間・スピードは様々ですが、数分もしないうちに1.0V以下に下がるはずです。(物によっては30秒くらいとか…)

 放電終了電圧に近づいたら放電中ランプとテスターの電圧から絶対に目を離さないでください。
 放電中ランプが消えた瞬間の電圧が、あなたの放電器が放電終了電圧としてセッティングされている電圧です。

 但しデジタルテスターでは速い電圧の変化についてゆけないので、本当の電圧よりほんの少し高い電圧までしか表示しないはずです。
 この方法ではテスターの性能の関係でピタリと放電終了電圧を測ることができませんが、よほど更新スピードが遅いデジタルテスターでも0.05V程度の誤差範囲だと思います。

 また、この測定の時の電圧の変化が比較的ゆっくりな電池ならかなり正確に測定できますし、逆にストンと電圧が落ちてしまう電池では変化が速すぎてデジタルテスターでは測定し難いかもしれません。

★ 放電終了後の電池の電圧について ★

 たとえば、この放電器で電池を0.9Vまで放電させるとしましょう。
 放電が進んで、電池の電圧が0.9Vになったら自動的に放電が終了します。

 この終了した瞬間から、電池の開放電圧は徐々に回復してゆき、すぐに1.0Vを上回ります。
 数分〜数十分間放置すれば1.1〜1.2V程度まで回復するでしょう。

 テスターで電池の電圧を測ったら1.2V程度あり、まだタップリ使えそうですが再度放電スタートスイッチを押すと数十秒〜数分間で放電が終了してしまうはずです。たったそれだけの時間しか放電できないように、ちゃんと放電は完了しているのです。
 スイッチを押しても(放しても)放電が続かないほど電気を吸い尽くしている電池はそれ以上無理に放電せずに、充電して使ってやりましょう。

 急速放電器で放電し、正常にカット電圧で放電を止めた場合、ニッケル水素充電池の性質で電池の中の電気を完全に吸い尽くしたわけではなく、過放電せずに電池を痛めないように電池の中にはエネルギーを温存しています。
 ですので放電した後の電池を後からテスターで電圧を測ると1.1〜1.2V程度の電圧があるので「放電出来ていない!」と勘違いしないでください。
 逆に、この放電器で正しくカット電圧まで放電した後、カット電圧よりあまり回復しない電池はかなり弱っています。


● いずれにしても

 この回路の電圧検知部の特性上、0.8V未満では絶対に放電は終了します。
 ですので0.8V以下に過放電させてしまう事はまずありません。

 また、1.0Vを下回った時点でも放電電流は約700mAありますので、電池の内部抵抗の関係でセルの本質部分では最低でも0.85〜0.9Vくらいまでしか放電させていませんし、ニッケル水素充電池の放電カーブでは1.0Vを下回ってからこの放電器が放電終了を検知して放電を止めるまでの時間は短時間であり、電池に深刻なダメージを与えるような過放電状態を長時間続けるような事はほとんど無い設計となっています。

 そういう事を踏まえて、上記のニッケル水素充電池を使用した放電終了電圧のテストと調整の為に、一度放電させた電池を何度も自然回復と放電を繰り返しても、性能に響くような劣化はほとんど起こさせないはずなので、安心して納得がゆくまで実際の電池で終了電圧のチェックと微調整を行ってください。

 これくらいの大きな電流で放電すると、1.0Vを下回ってから0.9V0.8Vになるまでの時間は本当にごく短時間なので、0.8〜1.0Vでの終了設定だと「ほとんど変わりが無いような気がする」「なんだか細かな調整をしても意味が無いんでは?と思うようになる」のはナイショ!です。(^^;


■ 放電テスト

 実際の電池の放電グラフは次のようになりました。

 電池1の回路は放電終了電圧を精密に調整したもの。
 電池2の回路は電池1の半固定抵抗の位置を見て同じ所になるように目分量で回しただけ(笑)のものです。

●単3eneloop(2000mAh)
▼グラフをクリックすると拡大表示
 単3eneloop(2000mAh)の場合、満充電から放電させて約2時間3〜4分で設定した終了電圧まで下がり放電が終了しました。

 データロガーは10秒毎に電圧を記録しています。
 実際に放電終了電圧になるあたりでは、グラフをご覧頂いてもわかるように急激に電圧が下がっています。
 ですので、10秒間隔では測定と測定の間に設定していた放電終了電圧になる場合が多いので、グラフではそれより高い電圧の部分しか線が引けません。
 放電終了電圧付近でテスター等で詳しく計った数値ではほぼ正しくテスト時に設定していた0.9Vになるか、なった瞬間に放電が切れています。

 ケース表面温度は最高で約39〜40℃でした。(室温は23〜24℃)

 急速放電で正しく放電をカット(終了)した場合、電池の中にはまだエネルギーが温存されていて、電圧が徐々に回復してゆく様子もグラフで確認できます。
 放電終了後、10分ほどで約1.2Vまで開放電圧は回復しています。

●単4eneloop(800mAh)
▼グラフをクリックすると拡大表示
 単4eneloop(800mAh)の場合、満充電から放電させて約52分で設定した終了電圧まで下がり放電が終了しました。
 さすがに単4型は内部抵抗が高く、同じ負荷では単3より放電電圧が低くなっています。

 ケース表面温度はこちらも最高で約40℃でした。(室温は24〜25℃)
 単3電池の放電に続いて単4電池の放電テストを行った為、開始時の温度は30℃ほどから始まっています。


■ 発熱と温度について

 今回の回路では、放電抵抗一個で約1Wの発熱があります。

 1Wと言うとなんだか貧弱そうに聞こえてたいした事は無いんじゃないかと思われるかもしれません。
 でも「放電抵抗の表面温度は100℃を超えます(*1)」と書くとにわかに恐怖感が沸いてきませんか?(^^;
(*1) 1W品を使った場合の表面温度です。2W品以上だと表面温度は低くなります。
2W品を使ても「発熱量」は同じてすからケース内(空気の)温度の上昇は変りません。


ケース裏の黒い足は100円ショップダイソーの
「すべり止めパッド(小)24個入り」105円です。
ケースはタミヤカラーTS-19で塗装しています。
 放電中の維持電圧が高く、電圧×電流でW数も高くなる「危険度の高い電池eneloop (汗)」を使用して実験してみました。

 今回使用したケース(T.SIN TB-56)に2回路、2Wの発熱をする回路を組み込んで単3eneloop(2000mAh)を満充電から放電したところ、ケース内の放電抵抗の真上の部分で最高温度73℃程度。抵抗から離れたケース中央部で約50℃、最も離れた部分で40℃という結果です。(室温25℃)

 ケースの外側では、抵抗付近を触ると「ほんのり温か」になっていますがヤケドするような温度ではありません。冬場のカイロにもならないような温度です。(上のグラフでは39〜40℃)

 ケースには放熱用の通気口を抵抗に近い所の側面上部と真下の裏蓋に空けてありますが、これを塞ぐと5〜10℃くらい温度が上昇します。
 本当は抵抗の真上に通気口を空けて、上昇する熱気をそのまま放出できればベストなのですが、小さなケースなので真上には電池BOXがあって無理です。

 でもまぁ通気口を塞がない限りはケースが溶けたり燃えたりはしない温度なのでひと安心です。
 通気口を塞いだままでも、ケース全体が中の熱を伝えて放熱するのでしょう、少し温度は上がりましたがそれ以上には上がりません。

 放電中にケースを上向きに立てて、抵抗のある側が上・回路のある側が下にしてみたところ、回路部の温度は32〜35℃少し上まで下がりました。
 この小さなケースの中でも熱せられた空気の対流が起きていて、水平に置いている時には全体に温度が伝わっていることがよくわかります。やはり抵抗の真上に通気口を開けるべきですね。

 このケース(T.SIN TB-56)に4回路入れるともう少し温度が上がるのでちょっと危険な雰囲気かもしれません。
 この薄型ケースでミニッツ用に4回路の放電器を作るとしたら、対象が単4電池である事も考慮して放電電流を500mA程度まで下げたものにするよう設計変更したほうが良いかもしれません。

 もちろん、このケースでは無くもう少し大きくて空間に余裕があるとか、通気口をもっと大きく開口させる事ができるケースなら回路や放電電流は今のままでも問題は無いと思います。
 実はミニッツ用にはこれより少しだけ(3センチくらい?)全長が長いケースを使用して、放熱部をその先端の3センチに収めようかとも考えています。これなら抵抗の真上に通気口を開けられます。

 この記事を読まれて放電器を製作される際には、放熱・耐熱にはじゅうぶんに注意してください。
 ラジコン用の放電では「放熱ファン」が付いているものもあるくらいです。熱は危険です。


■ 電池BOXの接触不良対策

 今回使用したようなプラスチック製の安い電池BOXでは、往々にして接触が悪くて大きな電流を流そうとすると接触抵抗で電圧をロスしたり、物によってはしばらく使っていると電気が流れなくなってしまう事があります。
 元々大電流用途に製造されていないのでしょう。

 接触不良で電流が流れなくなるのは、大電流だからというわけでは無く、+や−極を止めている「ハトメ金具」が緩んで、電極と外側にある配線用のラグ板(配線をハンダづけする金具)との間にスキマが出来て電気が流れなくなります。

 大電流用途にも使えて、痛みがあまり早く来ない金属製の電池BOXを使うのも手ですが、単3や単4電池でこの放電器程度の電流(1A未満)ならそれほど高価な電池BOXを使うのももったいない気がします。(貧乏性です)

 ラジコン用の放電器や充電器用ジグでは、ネジで締め込んだり強力なバネで押さえつけたりと、接触抵抗を最低限にする為の工夫や装置が使用されていますね。

 そこでこのあまり性能の良く無い電池BOXを、安心して長期間、大電流でも使用できるように改良して使うことにしています。

 ハトメ金具が弱って浮いてしまうので導通が無くなるのが原因なら、ハトメが浮かないようにハンダづけしてしまうのも手ですし、写真のように錫(スズ)メッキ線などを1〜2回巻いて接点金具の代わりにして、巻いたメッキ線はそのまま電源用のリード線にもハンダづけしてしまいます。−側はバネのいちばん下のターンに巻くようにします。
 これで金具・ハトメが緩む事が原因での導通不良は無くなります。

 電池と接触する部分が「面」から「線」になるので余計に接触抵抗が増えて悪くなるのでは?という心配もあるかもしれませんが、錫メッキ線はやわらかくて電池を押し当てると最適な状態に曲がってなるべく接触面積が多くなりますので、数百mA〜1A程度であればこれでも大丈夫です。なにより接触しなくなるよりずいぶんとマシです。

 またこの単3用電池BOXでは、+極の逆挿し防止の突起の為にeneloopでは「肩の高さ問題」で電池を入れても+側が接触せずに使用不能です。
 突起を削ってしまっても良いのですが、錫メッキ線を巻いて+側の電極の厚みを増す事でこの突起の高さでもエネループは無事接触するようになります。

※ 注意
 写真では単4電池BOXと単3電池BOXを接続していますが、本文中で書いているとおり兼用にする為で単3電池と単4電池を同時に並列で放電する為ではありません。


■ この回路形式の利点と欠点

 簡単に作れて電源も不要で良い事ばかりに見えますが、この回路にも欠点はあります。

 1回路だけ作る(あまりありえませんが)だけならいいのですが、普通は2回路とか4回路作って電池を同時に複数本放電させることと思います。
 たとえば、4回路の放電器を作った場合・・・

 今回の回路では放電終了電圧の調整箇所(VR)が別々なので、4箇所すべてを調整しなければなりません。
 終了電圧設定用のVRの回転位置と電圧の関係も、調整手順に従ってちゃんと調べておかないと調整できません。
 各回路で別々の終了電圧が設定できる…と言えばカッコイイのですが、普通はそんな事しませんよね・・・。
 コンパレータを使用した回路などでは、基準電圧を一箇所調整するだけで、全ての放電回路の終了電圧は同じ電圧に統一できます。(写真はType-G専用基板)
 回路設計にもよりますが「0.95Vに設定したい」と思ったら、VRを回して決める基準電圧を「0.95V」にすれば良いなど、目的の電圧が直接指定できます
 試しに放電しながら電圧を測って…などの手間はありません。

● では、利点は?

 既に説明していますが、1回路ずつ作れるので、好きな本数の回路を作れます。
 それに部品数が非常に少ないので、基板サイズも右のType-Gと比べると同じ4回路でも約1/3程度の大きさで済みます。

 部品数が少ないので、部品代も安くて済みますし、初心者でも組み立てやすいです。
 簡単なぶん製作ミスも少ないです。

 回路数を増やせば増やすほど調整箇所も多くなるので調整する楽しみも増えます!(笑)
 こちらも好きな回路数を作れます。
 但し必要な数の放電回路以外に、電源回路、基準電圧発生回路などが共通の回路として別に必要です。
 色々と回路を組み込む為に部品数も増えますし、なにより放電する電池とは別に「電源」が必要です。このType-Gでは単3電池×4本、またはACアダプターが必要です。
 ICを使用したり複雑な回路を使用するので部品点数が多く、配線も複雑で作るにはある程度の経験や技術が必要です。
 配線の多さに比例して製作ミスの可能性は高くなります。またミスを発見するのも大変になります。


■ 隠された野望!?

 「隠された野望!?」と仰々しいタイトルを付けましたが、今回の回路設計は実は今回製作した完成品のような「放電器」を作る目的が半分、そしてもう半分には別の目的があったのです。

 それは・・・・秋月充電器 MW-1268デスチャージ機能」の改良!

 そうです、あの忌まわしい超高性能電池拷問器から電池を開放し、自由を与える・・・いや、正しく放電できる回路を追加できないか、という命題を解決するのが今回の回路設計の目的の半分だったのです。

 NW-1268少し改造して、今回の回路を4つ接続すれば、「リフレッシュ放電」モードで正しく終止電圧まで個別放電して、自動で停止する放電回路になります。
 NW-1268に元から付いているリフレッシュ中表示LEDは使わなくなりますが…

● パック電池用放電器

 NW-1268の改良と同じ考え方で、「ラジコン用パック電池単セル放電器」にも応用が利きます。

 ラジコン用の7.2Vバッテリーパックは1.2VのサブCセルバッテリーを6本直列に接続してプラスチックやビニールのパックに入れたものです。

 セルを接続したまま(外せない)の状態で取り出し、そのままの形でセットすると其々のセルの+極と−極に電極がセットされて放電回路に繋がる放電器が売られています。

 その大半はダイオード+抵抗式の単純なもので、そのままでは過放電させてしまう電池拷問器です。

 さて、複数本の個別放電ですから、コンパレータ等を使用した高機能放電器の回路をこのラジコン用放電器に接続すれば済むような気がしますが、実はそう簡単にはゆきません。

 IC等を利用して回路用の電源を使用している場合は、たいていは電圧検知用と放電スイッチング用のGNDが全て共通になっていますから、もしGNDが共通の回路を直列状態で繋がっているパック電池に繋いだら・・・

 ある電池の+極は1つ隣の電池の−極とパック内で接続されていますから、そこを通じて電池の+と−が放電器回路のGND経由で接続されてショート!
 あっというまに煙が出てバッテリーや配線が焼けてしまうでしょう。

 もちろん、差動電圧検出回路や、特別な放電抵抗回路または部品を使えばこの接続でも正しい放電器を製作する事は可能ですが、回路が複雑になってめんどくさいですね。

 そこで今回設計した自己電源方式の単セル放電回路の出番です。

 今回の回路は別途電源を必要としないので、他の放電回路とお互いに接続するところはありません。まるで一個のただの部品のように振舞います。

 ですので、複数セル直列のままセットするバッテリー放電にでも、右の図のように元あったダイオードを外してかわりに放電回路を接続するだけ(電池の+は接続する必要がありますが)で、簡単に全セルに正しく放電停止する急速放電回路を追加・接続できるのです。

 ダイオードと放電抵抗の順番が逆とか、いろいろと市販の放電器によっては違いがあるでしょうが、部品を付け替えるだけで良いのでそれ以上大掛かりな改造の必要が無いところがこの回路を使用する利点です。

 単純な回路で、動作もごく単純なのでほかにも色々と応用が効くと思います。

 放電電流値の変更、複数セルの直列放電器への変更など、ご自分の目的にあわせてカスタマイズすると良いでしょう。
 回路・部品の変更は自由ですが、くれぐれも発熱や部品定格には注意して、ケガや事故の無いように注意してください。


■ イーグル放電器の改造

 ラジコン機器メーカーのイーグルから「#1799 SPミニ・ディスチャージャー単セル4本用 / SP MINI DISCHARGER(2A) FOR AA&AAA TYPE BATTERIES」という製品が定価3980円で販売されています。

 説明書によると
・単3、単4電池用放電器
・独立単セル放電式2A放電
・オートカット付き(0.4V/cell)
・デュアルファン仕様
・単セル充電用バッテリーケースとしても使用できます
 という感じで、2Aで単セル放電ができるようです。

 写真でご覧の通り、ラジコン用品としては良くある「イカす(死語)」デザインです。
 バネの力で電池を強力にホールドする凄くメカっぽい電池ホルダー。もちろん接点は金メッキ!
 如何にも「高性能ショッキーダイオード使用!」を見せびらかすように基板表面に取り付けられている太いダイオード。
※ ラジコンの世界ではショットキーバリアダイオードを
ショッキーダイオードと間違った呼び方をしています。
本当にショッキー(?)な出来事です。
 轟音を立てて回る2つの12V冷却ファン!室内使用だとうるさすぎてTVの音声さえ聞こえ難くなる大音響!(これに比べるとキムラタンのなんと静かな事か!?)
 イカすデザインとは裏腹に、超安物っぽい豆電球! しかもすぐに緩んでつかなくなるぞ!

 全てがラジコンの世界でないと通用しないような、独特のクォリティです。
 そして、皆さんの期待を裏切らない高性能過放電器です!
 回路図はこの通り。
 ショットキーバリアダイオードとセメント抵抗・豆電球の典型的な過放電回路が電池1つずつに付いています。
 この装置は「放電器」なのですが、そのままでは放電はしてくれません。各放電回路はリレーで切り離されていて、そのままでは全部の電池が直列になっていて、「充電用ジグ」になっています。

 では放電するにはどうするのでしょう?
 本体から延びている赤と黒のケーブルをDC 12V(5A以上)の電源装置に接続します。(接続しろと説明書に書いてあります)
 12Vの電源に繋いでから切替スイッチをDISCHARGEに切り替えると、リレーが切り替わって放電回路が電池と接続されます。
 同時に2つ付いているファンが轟音を上げながら回転して、発熱するセメント抵抗を強烈に冷却します。

 「放電するのになんで電源が必要なんやねん!?」と持ち主のF氏もご立腹です。

 思うに、「冷却ファンを回したいが為に」わざわざDC12V電源を別途必要な仕組みにしてあるとしか考えられません。
 これだけ大きなケースなので抵抗の位置をちゃんと考えればファン無しでもじゅうぶんに空冷できますが、風の吹き出し口を各電池の下の大穴にして電池も冷却するようにしています。
 わざわざケースの下面と側面の通気口を透明フィルムで塞いで風が抜けないように後ごしらえの措置までして・・・

 このファンの轟音と強風がいかにも「冷やさないといけないほど強力に放熱してるんですよ!」と訴えているようで、高性能さをアピールしている(だけの)ように見えます。

 そして非常に不思議なのは電源電圧が12Vなのに、リレーが5V品を使っていて、わざわざ抵抗を直列に入れて電圧を下げて動かしている点。
 確かこれと同じような4回路リレーなら12V品も有るはず・・・なんでわざわざ5V品を使っているのか、理解に苦しみます。
 基板パターンも急遽後から抵抗を付けたという感じでは無く最初の設計からこうなっている模様。

● 過放電器的性能

 さて、この放電器の過放電器的な性能はどのくらいなのでしょうか?

 製品名や説明書には「0.4Vオートカット」「2A放電」と書いて有ります。

 しかし、使用されているショッキーダイオード(ショットキーバリアダイオード)のVfを測定してみると・・・0.18Vです。ごく普通のショットキーバリアダイオードのVfですね。
 このダイオードを使用している限り0.18V近くまで放電してしまいます。全然0.4Vじゃありません

 秋月MW1268のページで少し書いたように、ダイオードのVfは流す電流値によって変ります。
 このダイオードの場合、放電が終る頃の極小電流では0.18Vまで下がり、約1〜2A流している時で0.4V前後です。
 つまり「電気が十分に残っている電池を放電してみて、ダイオードの両端電圧を測ったら0.4Vだったので、この回路だと0.4Vでカットされるんだろう!」とダイオードの特性を考慮せずにかなり勘違いした状態で製品化されています。

 実際に電池を放電させてみると、単四エネループが終止電圧を割り込んでガグッと電圧が下がって豆電球が消灯してから約30分〜1時間放置で0.22Vまで下がっていました。
 この状態でも徐々に放電は進み電圧が下がってゆきます。
 放っておけば0.18Vまで放電してしまうでしょうが、電池を痛めたくは無いのでここで放電終了。(既に痛み始めているという説も…)

 さすがラジコン用品の中でも最も有名な(中の一)メーカーの製品!
 「0.4Vオートカット」というのはメーカーによる「ひかえめ」な表示だったのですね。
 もっと高性能なのにそれを書かない奥ゆかしさはさすがトップシェアを誇るメーカーさんです。

 さて次に放電電流です。
 元気に放電中のダイオードのVfが約0.4Vである事は実測でわかりました。
 この時の電池電圧が1.2V程度ですから、放電抵抗と豆電球には約0.8V程度の電圧がかかっています。
 放電抵抗は0.47Ω/2Wのセメント抵抗ですので、約1.7Aくらいが抵抗での放電電流です。それ以外に豆電球に100mA程度流れていそうですので、合計1.8A程度といったところでしょう。
 だいたい2Aに近いので「2A放電」と言ってもいいレベルのようです。


● 改造内容

 先の『隠された野望!? 』で書きましたように、直列接続された状態での単セル放電器の改造となります。
 各ショッキーダイオード(ショットキーバリアダイオード)と0.47Ω/2Wのセメント抵抗を取り外し元の放電回路を無くし、代わりに追加製作する放電回路をとりつけます。
 リレーを切り替えなくても放電できるよう、放電回路のマイナス側は電池のマイナス側に直接配線します。
 0.47Ω/2Wのセメント抵抗は最初はそのまま使おうと考えていましたが、ちょっと抵抗値が低すぎて問題があったので別の物を使用します。

 放熱用のファンは有っても冷却用には良いのですが、今回は放電切替用のリレーを除いて放電用の電源関係とファンまで全部取り外してしまいました。
 ケースは物凄い穴だらけなので、空気が良く通って特にファンで強制冷却する必要はありません。電池もアツアツになるまで発熱しませんし問題無いでしょう。

 リレーは外してしまって必要な所だけ錫メッキ線か何かでジャンパーしてやっても良いのですが、4回路リレーなので足が多くてハンダを全部吸い取るのが面倒なのでそのままにしておきます。
 NC状態で全電池を直列にして充電ジグになっていますので、このまま充電器に接続しても使えますので残しておいても同じなので・・・

 イーグル放電器用の放電回路図は右の通り。
 今回の放電電流は1.5A(開始時)〜1.2A(終了時)です。

 放電抵抗を小さくして放電電流を大きくしていますので、それにつれてトランジスタのVceが上がりますので最低カット電圧が上がり、半固定抵抗を付けてもフル状態で0.9V程度になりますので、「半固定抵抗での可変はなし」にして放電終了電圧は0.9V固定にしています。
 イーグル放電器に元から付いていた0.47Ωの抵抗では2A放電にできますが、Vceが上がり過ぎて終了電圧が約1V強程度になりますので、ニッケル水素充電池の内部抵抗ぶんの電圧降下を考えればじゅうぶんに放電する(終止電圧に達する)前に放電をカットしてしまう事になりますので、今回のトランジスタ2石の放電回路では2A放電は無理っぽいです。(もっと素晴らしくVceの低いトランジスタを探せばなんとかなるかも?)

 この1.5A放電回路では、パワートランジスタは2SD20922SD2092の互換リストに掲載しているほかのトランジスタでは正しく動作しませんのでご注意ください
 必ず2SC5000を使用してください。一覧の他のトランジスタではカット電圧が約1V(またはそれ以上)になります。

※今回の抵抗値・定数は2SC5000使用1.5A/0.9Vの場合で最適化しています。他のトランジスタや
電流値などでは値が変りますので「このトランジスタはどうですか?」という質問はご遠慮ください。

 さて、色々準備して部品の定数も決まりましたので、実際にイーグル放電器をバラして不要な部品を取り除き、新しく放電回路を組み込みます。

 今回はケースの中が広いので基板工作も配線も楽チン(死語)です。
 パワートランジスタを無理やり寝かして取り付ける必要もありません。

 天板が斜めになっていて、放電抵抗のあるケースの奥側のほうが高さがあるのも熱くなるセメント抵抗とケーブル類が接触するのを防げて良いですね。

 ファンを外した所に大穴が空いていますので、後から持ち主にメッシュ板でも張り付けてもらいましょう。
 蓋を開けた状態で動作テストをして、各部が正常に動作しているのを確かめた後に元の風体に戻しています。

 カット電圧を各電池の電極位置で測定したら、0.89Vとバラック状態で仮テストをした時よりも少し低くなっています。
 やはり最適な基板配線と太いリード線の使用で余計な抵抗成分が減っているのと、この黄色いごっつい電池ホルダーの威力なのでしょう。

 これで「イーグル、SPミニ・ディスチャージャー」もニッケル水素充電池の正しい終止電圧以下には放電せず、寝ていても安心な急速放電器に生まれ変わりました。
 持ち主のF氏の元で、ミニッツ走行の際に活躍する事でしょう。

 めでたし、めでたし。



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 はじめまして。
 イーグルのディスチャージャーを作成しようと思うのですが、4.7Ωや1Ωの抵抗は何Wのものを使えばよいでしょうか?
 よろしくお願いいたします。
3104 様
お返事  こういう電子回路では、特に指定の無い抵抗は1/4Wや1/8Wの「普通の抵抗器」です。誤差は5%品か10%品が一般的です。
 「普通の物」以外で特に指定が必要な物のみ個別に定数を指定します。

 上のほうの部品表では写真入りであわせて説明もしています。
お返事 2008/4/1
 
 りらと申します。
 いつも楽しく拝見しております。

 今回、外部電源なしの放電器を作ろうと思って情報を漁っていたら、こちらの放電器が目にとまりましたのでさっそく作ってみました。このコストと部品点数で、正確に終止電圧まで放電して、その後はオフしてしまうというのがすばらしいですね。

 たいしたものではありませんが、製作記はこちらに。
http://hwm8.gyao.ne.jp/lyra-t/takumi/dischg.htm
りら 様
お返事  りら様はじめまして。
 セリアの105円充電器の中にうまくまとまっていますね(^_^)

 セリアの105円充電器をケースに使いたい!という方はここに書き込まれている方をはじめ要求の多い改造・製作課題ですので、これから作られる方には良い参考例となるでしよう。

 他にもPIC関係の製作記事など面白いものを作られていますね。
 プラーレールのリモコン化改造なんて子供が大喜びしそうな工作で本当に楽しそうですね。
お返事 2008/3/9
 
 今回の記事、大変興味深く拝見させていただきました。
 私もラジコンバッテリの放電用に、単セルごとに作れるくらい簡単な回路で放電回路を実現したいなと前々から思っておりました。
 リレーを使ってみたり、ゼナーダイオードを使ってみたり....
 回路はいろいろ考えたのですけれども、別電源が必要だったり。

 ところで、この回路のミソの部分のnpn pnpトランジスタの接続はまさに、サイリスタ接続じゃないですか!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%BF
 目からうろこの落ちる思いでした。
 頭の柔らかさをお持ちですね、うらやましいです(^^)
通りがかりの人 様
お返事  サイリスタ接続か・・・と言われるとちょっと違うのですが、まぁリレーであれトランジスタであれ自己保持型の回路を考えるとみな似たような接続になりますね。

 結局は保持用に使う素子が動作する電圧を放電用の電池から取れるかどうかにかかってきますから、1V程度で動作するものであれば自己保持はかかりますし、あとはカット電圧を設定するかしない(単に自己保持しきれない限界まで…)かの違いがそれぞれの回路や使用部品によって変わってくるだけです。
お返事 2007/12/22
 
 単セル放電器が完成しましたのでご報告させていただきます。

 HT7750でLEDを光らせるようにしたくて、2つの回路をややこしくない程度に出来るだけコンパクトにまとめてみました。
 LEDの回路を先に組み立てて問題なく光ることを確認してからですけどね(^^;)
 現物はまた後日お見せしたいと思います。
 素人が組み立てるとこんなもんになるんだと参考にどうぞ(^^;)
 組み立てる途中で思ったんですが、どうせ大きくなるんだったらもう少し基盤にも余裕を持たせたら良かったかなと・・・
▼クリックすると拡大表示

 あと、あの「Cyber GIGA 01」を貸してもらえることになりました!
 もちろん解析用としての許可ももらってます(^^)
 少し先のことなので、また借りられたらご連絡いたします。
あろは 様
お返事  放電器+HT7750のLED表示回路の基板はなかなかうまく収まっていますね。
 放電抵抗をアルミ板に挟んで放熱しているのはアイデアですね。

 多分ちゃんと固定しているので大丈夫だとは思いますが、アルミ板と抵抗の足が接触しそうなので、できれば「シリコンチューブ(耐熱チューブ)」に抵抗の足を通してやれば安心です。
 シリコンハウス共立の4F、エレベーターを出てすぐ左側の壁に熱収縮チューブ等と一緒に立てかけてあります、直径1mm〜2mmの細い物なら1メールで100円程度です。

 おお「Cyber GIGA 01」を持っている方が!
 しかも貸していただけるのですか、それは凄い。
 楽しみにしています。
 こちらでは知人が「パーフェクトディスチャージャー」を購入しましたので、また貸してもらって分解します。
お返事 2007/11/30
投稿
11/30
 自分が作った物の写真が出てるのはちょっと恥ずかしいですね(^^;)

 放熱用のアルミ板と抵抗は、耐熱性の有りそうな(笑)テープで一応絶縁しています。
 熱収縮チューブを使おうとも思ったんですが、回路に間違いがあったときの修正が面倒なのでできるだけむき出しのままで作りました。
 それでもショートしないようには考えましたが。。。
 もう少し見た目のことも考えて、電池の固定方式も変えてもう一つ作ってみようかなと考えてます(^^)
 ありがとうございました!
あろは 様
 
 単セル自己給電放電器は秀逸ですねぇ。アイディアもすばらしいし部品も少なく作成しやすいことも大きいですね。
 ただメインのトランジスタに制約が大きいですね。
 少ないIbでもVcesatが小さいPwTrはストロボ用くらいに限られ調達が大変そう。一般のPwTrを使うには検出ドライブ段のPNP-TRのA1015では力不足ではないでしょうか?同パッケージで700mAくらい流せるA950(東芝)A952(NEC)等を使うとメインPwTrのペース抵抗を2Ω程度までに落としても十分ドライブすると思われます。
 部品数は増えますが、メイン段は抵抗負荷に専念し、麦球と電圧検出VRは別の小信号低VceのTr(C2001等)でドライブし、それぞれベース抵抗をつけて並列にして前段PNP-TrでドライブさせるとさらにメインTrの制約が小さくなると思います。(Vcesatが小さくなくても可)
 私もいろいろ作ってみます。
トン太 様
お返事  電圧検出・ドライブ用の2SA1015の部分はドライブ電流も大切ですが結局はカット電圧付近での電池電池圧から各経路を通ってスイッチング用トランジスタのベース電流をどれだけ流せるかですので、トランジスタのhfeだけ高くしても大元の電圧が低いのでなかなかうまくゆきません。
 現状の2SA1015よりは良い状態には変える事はできると思いますので、いろいろと試してみてください。

 後者の放電抵抗部と電圧検出部を別々にするアイデアはテストして「不適合」となっています。
 放電部が「確実に動作するトランジスタである事」という制約がさらに厳しくなるのです。
 なぜなら、負荷の軽い電圧検出部のトランジスタは放電抵抗用の電力部より軽い動作である事は容易に想像できます。
 回路を別々にしていると、カット電圧付近で放電抵抗スイッチング用トランジスタが十分に働かず、放電できていない状態に陥ったにもかかわらず、電圧検知部は正常に働いていますので放電中ランプは点灯して「放電中表示」になったまま、実際には放電抵抗部には電流が流れていなくて延々とその状態のまま微弱な電流しか流れていない状態になってしまうという不具合が起きる要因となります。
 これを完全に回避するには、放電部のトランジスタのほうが検知部のトランジスタより感度も良く同一または少ないベース電流でもたっぷり放電抵抗に電流を流してくれるという、今の回路よりも更に制限の厳しい品を探さないといけないのでたいへんです。

 まともな電源で動作している回路であれば、スイッチング段を電力用に分けるのは正しいアイデアなのですが、今回のように限界を見極めているような用途ではなかなか難しいと思いますよ。

 色々と知識をお持ちの方のようですので、私の回路以外でうまくゆく結果が得られたらぜひお教えください。
 とりあえずこのページの回路は今まで放電器製品でも無かった原理・回路のものを考案して発表したものですので、そこから改良・改善されて更に良いものが作られるのは嬉しいものです(^_^)
お返事 2007/11/4
投稿  早速のお返事をいただいて恐縮です。

 別回路うまく行きます。さらに進めてメインの並列もうまく行きます。(ベース抵抗のみ個別要)
 10A定格のTr1個より2A定格5パラの方がいい結果が出ます。

 管理人様も再試お願いいたします。

P.S. 良かったTr
 D471(1A) 0.7Aくらいまで良好
 C2655,C3669,D1246(2A) 1.2Aくらいまで良好
 A1015->A952に差し替え要
 良好の範囲(放電終止電圧 0.88V以内)
トン太 様
お返事  5パラですか・・・それは効率的には良いですが、部品点数が増えるのはこの放電器の趣旨に合わないので、電気回路的には良くても「気の迷い」的にはあまり広く大勢にお勧めできるものではありませんね。
 でもそこまで実験されたのは凄いと思います。
 サブCセル用の大容量放電器などの用途でしたらパラで使っても良いかもしれませんね。

 いまのところこちらでの再試や追試はすぐに行う予定はありませんが、そのうちに別に何かの用途で1セル用の放電器を作る際にはトン太様のテスト結果も参考にさせて頂きたいと思います。
お返事 2007/11/8
 
 はじめまして、大変興味深く拝見させていただきました。
 私はラジコンをしているのですが、言葉の間違いには驚きました、放電器もですが。
 何点かお伺いしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?
 ラジコン用のバッテリーなのですが先ほどマッチングというのがありましたが実際には何を(どんな数値)基準で組み合わせるのでしょうか?お分かりになるようでしたらご教授願いたいのですが。
ぴなれろ 様
お返事  ラジコン用途では、バラセルで自分で組電池(直列に繋ぐ)を作る場合など、マッチング作業を行ってよりコンディションの揃った組電池を作る事で、電池のパフォーマンスを最大に引き出してより高速に、より安定した走りを提供できます。
 メーカーの指定するパック電池を無改造で使用しなければならないレースでは、パックを分解して中身をマッチングする事はできませんので、マッチング作業は自分ではできませんが、それでも市販の「マッチド・パック」を使用できるレギュレーションのレースではメーカーの言う「マッチド」と書かれた電池パックは魅力的ですよね。

 マッチング作業では電池1つ1つの性能を調べ、より性能の良い電池同士で、より特性の似通った(バラつきの無い)電池を組にします。

 その為には放電器で電池1つ1つを放電させて、本ページで掲載しているようなグラフを記録して、そのグラフ上でより高い電圧をより長時間維持する物を性能の良い電池とします。
 またより良い物同士でグラフを重ねた場合にグラフの線が重なるような特性の一致した物を選びます。

 マッチングの為に放電する時は、レース中にモーターで消費する電流値にあわせた大電流での放電器を使用する事が一般的です。
 これは電池によっては小電流の際と大電流の際で多少の放電特性の違いが出ることもあるので、より実戦に近い状況で電池の特性を測定したほうが本番向けであるという事ですね。
 本機のように電池のリフレッシュの為にただ電気を使うだけの用途と、マッチング用ではまた放電の方法も違うということです。

 サブCセルのような大型電池で、数十Aもの大電流を流すようなラジコンバッテリーパックでは、1本の電池のわずかな劣化でもパック全体のパフォーマンスには大きな影響が出ますので、スピードを追求するレーサーの場合はバッテリー1本1本のコンディションはマシンのサスペンション1本、ビス1本のコンディションと同じくらい慎重にチェックやメンテナンスを行います。
(そして少し痛んだだけで捨ててしまいます・・・)
お返事 2007/10/20
投稿  大変詳しくお教えいただいてありがとうございます。

 確かに私自身真剣にラジコンに取り組んでいるのですが何せ金銭面で苦労しておりましてバッテリーはすべて頂き物なんです。ただでくれるわけですからそれなりの理由があります。なので少しでも良いものにしようといろいろ調べていましたらこちらのサイトにたどり着きました。

 そこでまたしても質問になってしまうのですが、デンチの放電カーブは専用の機種が必要で作成できません。私の手元に有るもので性能を測れるものとしては放電時の平均電圧、放電時の内部抵抗、放電容量、充電時の最大電圧充電容量です。これらのデータのみで完全なマッチングとまでは行かなくても現状の組デンチよりはいいものは作れませんかね?データはあっても何がよくて何が悪いのか判断がつけられません。ご存知であれば実数値で教えていただけたら幸いです。ちなみに私はいわゆるバラセルバッテリ(パックされていないデンチ)を使用しています。

 ご存知で有ればお伺いしたいのですが、メーカー名を出してしまうのは何なのですがRush(ラッシュ)というメーカーのバラセル方電器を使っているのですがこれが0.7Vオートカットなのですけれどもおそらく違いますよね?そこでこれを1.1Vのオートカットに変更(改造)できませんか?

 毎回質問ばかりで申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
ぴなれろ 様
お返事  多分、ラジコン用の多機能充電器でそれらの数値を確認されているものだと思います。
 基本的には得られる数値の全ての項目が似通ったものを組にするのがマッチングです。

 先にも書きましたが、組のうち1本の性能が悪いだけで「足を引っ張って」マシンの走行性能が下がってしまいます。
 ですのでもしある程度使用済みでちょっとくたびれている電池ばかりでも、一本だけ痛んでいない高性能な電池が混ざっていても全然だめで、使い古し同士でもなるべく特性の揃った物同士を組み合わせる事でその組の中でのコンスタントな性能を十分に引き出せますし、また中に弱った電池が混ざっているとその1本だけがより早く痛んで電池を無駄に弱らせてしまう事の防止にもなります。
 マッチングとは「手持ちの電池の中でできる限り良いコンディションで使用する」と共に「電池にも優しい」組を作ってやる事です。

 そして多数持っている電池の中でより良い物同士を組にした物はより性能の良い組。中間くらいの電池ばかりで作った組はそれなりの電池でもせいいっぱい働いてくれる組、それ以下でもそれなりに・・・という事になります。

 充電器や放電器で測定できる電池の各種数値はそれぞれの値に意味がありますが、マッチング作業ではまずはどの数値を見ても同じような値になるものを組み合わせてください。
 どれかの数値が大きく外れている電池は横によけてしまいます。
 「内部抵抗」は低い物が良いですね。数値が大きな物は直列使用をした時に抵抗となりますので他の電池の足を引っ張ります。
 「充電時の最大電圧」はあまり意味がありませんので、無視して頂いて構いません。(逆に高すぎると内部抵抗が高い電池なので悪い電池です)
 それ以外の電圧や電流はより大きな物を、放電時間(容量)はより長いが大きな物が程度が良いとお考えください。

 具体的な数値は電池のメーカー・種類により異なりますので、ここで書けません。

 グラフは専用の機器を使用しなくても、ラジコン用の充電・放電器で1セルずつ放電してみて、放電中に液晶画面に表示される電池電圧を5分おきくらいでメモに書き留めて一覧にする程度で十分です。ここで必要なのは専門の機材では無く人間の根気です。
 パソコンで表計算ソフト(Microsoft Excelなど)に入力すれば画面上でグラフを描く事もできます。
 電池を沢山持っていると全てを一本ずつ充電・放電テストをして数値を記録するのは大変な作業になりますが、これもまたラジコンのチューニング作業の1つですのでご自分の走りを追及するには必要な事と思ってじっくり取り組むのが良いのではないでしようか。

 Rushのバラセル放電器をご使用でしたら、満充電の電池を6本(?)まとめて放電させて、5分おきに各電池の電圧をテスターで測って記録すると放電テスト(電圧・放電時間の記録)は一度に6本ほどできますね。

 Rushのバラセル放電器は具体的にどの商品をお使いかわかりませんが、本ページで説明しています「ダイオードで電圧を決めるタイプのオートカット式」だと思います。
 製品写真を見てもほとんどの物がそういう構造をしています。
 ですので基本的には0.7Vと書いていてもそれ以下の電圧まで放電してしまいます。
 これを「簡単に1.1Vに改造」するのは単純には、Vfが0.55Vのショットキーダイオードを2本直列にして約1.1VのVfにはなりますが、放電中の電池の電圧が1.2〜1.3Vですので抵抗には0.1〜0.2V程度しかかかりません。0.1Ωの抵抗を使って約1〜2Aで放電できますが、ご希望の1.1Vに近づくと電流値も減ってダイオードのVfが下がりますので1.1Vより下まで放電してしまうでしよう。

 そしてもっとたいへんなのは、抵抗部分には0.1〜0.2Vしかかからないということでは豆電球でさえ光りませんから、見た目では放電しているのか?、いつ放電が終ったのかわかりません
 この方法では常にテスターを当てっぱなしにして電圧を計りながら放電するしかありません。

 単セルで1.1V程度の終了だとちゃんと電子回路で電圧検知や放電&カット回路を作らないと、単純なダイオード+抵抗の放電器ではダメで、放電するという機能は実現できても人間にはやさしくない回路になってしまいます。
 そしてそういう電子回路式の個別放電器を作ろうと思うと、ある程度の電子回路の知識や製作経験が必要になってしまいます。
お返事 2007/10/21
 
 TRの互換品情報。東芝2SD1947Aがほぼ同等ですね。入手性については不明です。
kazz 様
お返事  互換品の情報ありがとうございます。

 2SD1947Aは初期の互換品リストに掲載していましたが(ご覧になっていませんか?)、大阪では販売は無し。東京のショップでも定期商品で通販店が無い為に「無試験状態での互換品(グレーの表示)」から「掲載しない(削除)」に変更になっています。
お返事 2007/9/3
 
 初めまして。
 私も作ってみました。
 部品集めに4時間かけて香川から大阪まで出かけました。
 通販使ったほうが楽だこりゃ…orz

 いたって普通に作ったつもりですが、ランプにムギ球を採用するには個人的に抵抗があったので別のページにあるHT7750を使用してLEDを点灯させるようにしてあります。
きのこ屋 様
お返事  香川から・・・交通費が大変ですね。ご苦労様でした。
 放電器の部品を買う以外に他の店を覗く・家電製品を買う・メイド喫茶に行くなど他の目的もあればまだ良いのですが、少しの部品を買う為に4時間と交通費はたいへんですね。
 1つのショップの通販で部品が揃うなら送料500〜1000円くらいで済むので遠方から電気街まで行くよりは安くて良いと思います。

 私なんかの場合は部品屋に行って新しい部品が入荷していないか、ふだんの品揃え(パーツの在庫状況など)はどうかを確認する為にちょくちょく部品屋巡りをしていますが、何も買わない日は交通費がもったいなく思います。
 特に目的無く行った日でも、「こんな部品が新入荷しましたよ!」と店員氏から声を掛けられて、面白い物なら買って帰るのですが、なにより部品棚に並んでいるパーツを眺めている時に「あ、これを使えばこんな機器が設計できるかも?」と用途を思いつく事も多いので、部品屋で意味も無くブラブラする時間もたいせつなのです。

 ムギ球に抵抗のある方、入手しにくい方などはHT7750や7733でLEDを点灯させるのも手だと思います。
 最初はそういう回路も考えましたが、放電回路自体が安いのでLED点灯だけにそれだけの部品を追加するとせっかくの低価格・小部品のメリットが無くなるのでムギ球にしています。
 ご自分で回路図を書いて色々追加できる方は面白い方法でどんどん拡張してくださいませ。
お返事 2007/8/6
 
 はじめまして
 大変参考になり興味深く読ませていただいております。
 ところで、独自にコンパレータICを使った放電器を作り活用しています。しかし、私は単3eneloopを2本一組でしか使うことがないので、二本の電池を並列につなぎ放電する回路(終止1.0V)にしてあります。
 そこで、私のように電池を並列につないで放電させることについての問題点がありましたらご意見をお聞かせ願いたいのですが宜しくお願いいたします。
ひでちゃん 様
お返事  ニッケル水素充電池やニカド電池では並列放電という方法はあまり使いませんね。
 コンディションが揃った電池同士であれば特に大きな問題は無いので2〜3本程度までの並列放電なら個人の趣味で行うのも良いのではないでしょうか。

 並列放電のデメリットは、個別放電に対して放電回路(抵抗など)に流す電流値が電池の本数倍大きくしないと、個別放電式と同じ放電時間で終了しなくなりますので、電流容量の大きな部品を使い部品単体での発熱などの処理も大げさにしなければならなくなります。
 大きな部品を使って一個で済ませるか、小さな部品を電池の本数だけたくさん用意して個別放電するかは製作する方の趣味の問題だと思います。

 「問題点」はあまりありませんが、個別放電のほうでは「電池1本ずつの放電時間の差など、コンディション確認ができる」事が電池管理をする人であればメリットとなります。
 4本程度を組みで使用していても、どうしても電池のバラつきの為にどれか1本が先に劣化が進むなどして、その1本の為に機器での使用時間が短くなったりしますよね。
 そういう時に「電池が全部弱ったのか?」「どれか1本が先に弱って、残りはまだまだ使えるのか?」などを比較的容易に確認できます。弱った電池は廃棄して、まだ使える電池だけ別の機器で使用するなど電池を寿命いっぱいまで有効に使う事にも役立ちます。
 並列放電ではこのような確認はできません。

 個別放電では、各スロットにメーカーや容量、残り容量の違う電池を自由に入れて放電できます(途中での入替も自由)が、並列放電の場合は組みで使用したほぼ同じ状態の電池しか放電できませんので、電池を多用する人の場合は不便ですね。
 「組みで使用した電池しか放電しない」という用途で使用されるのであれば、目的の為には問題も支障も無いと思います。
お返事 2007/8/6
 
 はじめまして、非常に興味深い内容で、色々真似して作っています。ここにも出ているVOLCANOの充電器を使って放電器を作りました。熱だけが心配でしたが、連続で放電して本体カバーに通気口の穴をあけるなどして問題がないことを確認しました。非常にコンパクト、単3、単4可能で非常に楽しく作らさせてもらいました。
 そこで質問ですがこの放電器、どのくらいのペースで使用したら良いでしょうか?

 ブログに写真張ってあります。
(匿名希望) 様
お返事  匿名様はじめまして。

 放電器の使用・リフレッシュは使用する電池、使用状況により「いつ、どのくらいの頻度で」放電すると良いのかは全く違ってきますので、特に条件を提示されない場合は「ニッケル水素充電池はメモリー効果の心配がほとんど無い電池ですので、リフレッシュ放電などの必要はありません(メーカー情報)、ですのでこの放電器も基本的には必要ありません。」としかお答えできません。

 ご自分の充電池の使用スタイルにあわせて、「放電の必要性を感じられた時」に「放電器」や充電器の「リフレッシュ機能」をご使用ください。
お返事 2007/7/31
 
 先日投書したなにぱんです。ちなみに大阪です。「いくみん」がいるところです。
 本題ですが、http://rswww.co.jp/にて「バッテリ,ホルダ,基板実装,489-891,単4x1」で検索したら出てくる電池BOXを注文したら、その翌日にすぐ届き、確認したところ板バネ方式ながら、かなりしっかり固定できて良い感じでした。そこでイーグル放電器用の回路仕様で、またしても放電器作ってしまいました。作成記事もブログにあげました。前回と同じアドレスです。
 でも作ってからもっと改善したい部分がでてきました。またケースにきれいに収めたいとか、野望はつきません。でもさすがに3台もあってもしかたないので我慢してる状態です。電子工作が楽しくて、本来の目的のミニッツがおざなりになりそうです(^^;
なにぱん 様
お返事  がっちりしていてなかなか良さそうな電池ホルダー(電池ボックス)ですね。
 こんど何か大きな電流で使用する放電・充電関係の物を作る時に買って見たいと思います。
(共立で取り扱ってくれないかな?)

 電池は温めたほうが良く放電するので、ラジコン用途のようなより早くドカッと放電させたい放電器の場合は抵抗の真上に電池があって、程よく温めてくれるほうが時間短縮になったりします。(実経験でも確認済み)
 ラジコンレース用のバッテリーウォーマーなんて物も売られている世の中ですから、100℃にもなるとバッテリーが壊れるかもしれませんが、適度に温まるのは気にしなくても良いですよ。

 そして完成した弐号機の写真、相変わらず8回路用の放電器は壮観です!
 それに負けじと「餃子の王将で餃子50人前!」はもっと壮絶ですね(笑)
お返事 2007/7/28
 
 はじめまして、大阪の山口といいます。
 単3-2列、単4−2列の放電器やっと完成しました。
 部品は、共立電子で購入して完成までに三日間かかりました。
 動作確認したところ、ムギ球が点灯しているのに1.5オームの抵抗が熱くならない(電気が流れない)原因は、抵抗(プラス側)のハンダ付け不良でした。(3ヶ所)
 一番苦労した点は、電池BOXの端子に線をハンダ付けした所ハンダごての熱でBOXの樹脂が溶けて電池BOXの端子がとれてしまう事でした。その為、日本橋の共立電子まで何回も往復しました。
 今後も 製作記事を楽しみにしています。有難うございました。
山口 三夫 様
お返事  苦労されていますね。
 今回の写真のような電池ボックスだと確かに熱に弱いプラスチック製なので、端子に長時間熱を加えるとポロっと端子が外れてしまいます。
 手早く加熱してハンダを馴染ませるのに少しコツが要りますので、そのへんは何度も作業をして慣れてゆくしか無いですね。
 そういう工作の際のテクニックを実作業で磨いてゆくのも電子工作の楽しみですので、これ以後も機会があれば頑張ってください。

 「ムギ球は点灯するけれど抵抗に電流が流れていない」というミスは必ず失敗する人が居ると思いましたので、チェック項目に「抵抗の両端の電圧を測る」というテスト作業を入れています。
 このミスをするとムギ球が点灯して放電器は働いているように思えますが(ムギ球の電流のぶんだけは放電していますが…)、実際には抵抗で放電していなくて非常に長い時間かかってムギ球の電流だけでチョロチョロ放電する放電器になってしまいます。

 それほど複雑な回路では無いので、各部品の接続を一箇所ずつ確かめてゆけば間違い箇所にもすぐに気付くと思いますので、もし何かおかしくても部品1つずつじっくりと調べてみましょうね。
 自分で組み立てて、不良箇所も自分で調べて修正して、時間がかかっても完成させた「自作」の装置にはお店で買って来た商品には無い満足感がありますよね。
お返事 2007/7/27
 
 イーグル放電器の回路を参考に 2SC5000 の代わりに 2SC3420 にして、放電用を抵抗を1Ω(3W)にしてみました。
 まぁ大雑把に放電できてるかなっと;
 単3で1Ωでもスタートしてすぐの電池の電圧が 1.0V 位からで終了間際で、0.85V 位でした。
はしもと 様
お返事  電流を下げれば他のトランジスタでも掲載回路図通りの回路よりは良い状態で働くと思います。
 しかし、放電開始時の電圧が1.0V位からというのは低すぎですね。大雑把に放電できていれば良いようですから、まぁ気にしない事にしておきましょう。
(この件についてはレス不要です)
お返事 2007/6/23
 
 今回の放電器が切欠で、トランジスターという、いままで得体の知れなかった半導体に興味を持ち始めてしまいました。
 調べているうちに、サイリスターといわれるトランジスターの一種のもの?も発見しました。
 物によっては、終止電圧が0.8Vのサイリスターがあり、これを使えば自動的に電流がカットされるのではないかと思いました。
 「SF10JZ47」を最適なスペックとして候補に挙げていますが、いかがなものでしょうか?
 お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
ポポ 様
お返事  今回の製作記事の目玉の1つである「終止電圧の設定が可変」という点を無くしてしまうのであれば、サイリスタの利用も可能だと思います。

 ダイオード+抵抗の過放電器のダイオードの代わりにサイリスタを付ける(サイリスタの自己保持機能を利用する)のか、他の回路とあわせて放電回路を作る(スイッチ素子として使用する)のかなど、回路によって動作は異なりますので、回路を示さずに単に「使えますか?」ではこれ以上はその素子の有効性や使えるかどうかについて具体的にはお答えすることができません。

 尚、単純放電器のダイオードの代わりに使用する、または今回の回路のように放電抵抗のスイッチングに使用する場合、Vt(アノード-カソード間の電圧)が0.8Vで電流を遮断するサイリスタなら、電流を流している(放電している)間はそれ以上の電圧がA-K間にかかっている必要があり、普通のシリコンダイオードのVf=0.6VやショットキーバリアダイオードのVf=0.2〜0.5Vとは違いかなりの電圧差をサイリスタ自体が食ってしまいますので、放電抵抗や豆電球にかかる電圧はそのぶん下がり、放電抵抗の値を小さくしないと大きな電流で放電できなくなりますし、なにより放電中でもパイロットランプの豆電球がほとんど点灯しませんのでいつ放電が終ったのか知るすべが無い放電器になってしまいます。
 放電エネルギーの大半をサイリスタで熱に変換しているようになり、サイリスタに放熱器をとりつけないといけなくなるかもしれません。(今回の放電抵抗と同じ位発熱します)

 今回の方式の回路を研究する際に、サイリスタなど他の素子でもっと簡単に出来ないかはいろいろ考えてはみましたが、最低限「終了電圧可変」は譲れなかったので今回掲載している回路に落ち着いています。

 できれば、勉強のうちと思ってぜひサイリスタを使用した放電器も作ってみてください。理論上は作れない事は無いはずです。
 そして結果を教えて頂けると嬉しいです。

p.s.
 SF10JZ47 を含む東芝のサイリスタ・トライアックなど電力部品は2007年4月に製造ラインの老朽化で製造終了・廃品種となっています。
 まだ数年は入手できるとは思いますが、これから先は売り切れたらそれで終わりという可能性もありますのでご注意ください。
お返事 2007/6/19
 
 はじめまして、京太と申します。
 以前から、電池、LED、電子回路等、丁寧な解説が有り、いつも楽しく拝見させて頂いておりました。
 今回は、自己放電式の放電器に興味が沸き、作成をしました。
http://jasper.blog11.fc2.com/blog-entry-299.html#299
 トランジスタは、2SC4685を使用していますが、ケースが小さい為か、抵抗との距離がとれず、使用中に約70℃まで上昇する等、いろいろ有りました。
 しかし、その他は問題無く完成させる事が出来ました。
 久しぶりに、丁寧な動作説明と、実体配線図等を見て、昔の「初歩のラジオ」や「ラジオの製作」を思い出しました。
 それと、回路の動作説明など詳しい解説が、とてもありがたいです。
 これからも、がんばって下さい。
 有り難うございました。
京太 様
お返事  京太様はじめまして。
 ブログ拝見しました。ケースは「アレ」ですか!(笑)

 単3と単4両用のソケットなので、こういう放電器を入れるには最適ですね。
 しかも元は酷い放電器でしたから、壊れてしまっていたのでしたら彼も生まれ変わって本望でしょう(^^;

 今回の場合、トランジスタは自分ではほとんど発熱せず、表面温度は周囲の空気温度とほとんど同じになりますので、狭いケースだと70〜80℃程度になる事があります。
 今回の回路では10〜70℃くらいの範囲であれば全然と言って良いほど動作に変りはありませんので、多少通風口を開けて空気を流していれば大丈夫でしょう。(微妙には変りますが、体感できる程の差ではありません)
 寿命は温度が上がると短くはなりますが、一日中電源を入れっぱなしで連続使用するものでは無いので時々電池を放電させる程度であれば、多分使う人間のほうが早く寿命が来ると思います。
 最後のケース加工でこれでもか!というくらい風通しが良くなってますので、熱対策も万全ですね。

 「初歩のラジオ」や「ラジオの製作」をご存知という事は、ほぼ同年代の方でしょうか。
 昔はハムと電子工作は(理系の)子供の趣味の花形(?)でしたが、今ではコンピュータ・ロボットとすっかり様変わりしてしまいましたね。
お返事 2007/6/14
 
 前々から放電器が欲しかったのと、詳しい解説をみて「これならいけそう!」と思い立ち、2本用を作成しました。
 パーツはやはり2SD2092の購入に苦労しました。秋葉をウロウロしたあげく、結局サトー電気で通販しました。
 ケースは秋月のこれで電池ボックスも含めて蓋がしまるようにしました。
 熱が少々心配で、放電するときは蓋を上げて使っています。
匿名希望 様
お返事  蓋の閉まるケースは使わない時や持ち運ぶ時に便利ですね。
 しかもそのケースだと蓋だけ外れてどこかに行ってしまうことも無さそうで良いです。

 今回の記事ではまじめ(?)にケースに入れた物の写真を公開していますが、記事を見て作られた方から色々な製作例をお教え頂ければ、これから作られる方にも参考になる選択肢が増えるのでたいへんありがたいです。
お返事 2007/6/14
 
 ゆっくり作って2時間くらいで完成しました。
 ただ放電するのではもったいない(笑)ので、1.5Ωと麦球の代わりにダイソーの豆電球(1.2V 0.22A)を3つまとめて並列につけました。
 放電時間は長めになりましたが、非常用の明かりにもなりそうです(笑)。

 電池に優しい放電が出来る回路なので、ソーラーガーデンライトのバッテリの過放電対策に良いかなと思っています。
 いろいろアレンジして研究してみます。ありがとうございました。
EK 様
お返事  いろいろな使い道を考えて、良いものを作ってください。

 今回の回路を発表してからはじめてのラジコンレースが日曜にあり、そこで話していたのがやっぱりただ放電するのはもったいない。
 屋外での気温対策用に知人が持ち込んでいた乾電池式扇風機を放電負荷にして涼みながら放電できる「放電扇風機」や、放電電力を昇圧して別のニッケル水素充電池に充電する「放電充電器(ぉぃ)」とか、いっそUSB出力にしてUSB機器ならなんでも繋がるようにするとか。いろいろと良いアイデアや馬鹿なアイデアなどが次々と出てきました。

 1.2Vの単セル放電ではほとんどが昇圧しなければ使えない物で、効率や“使いさし”の電池からの残り容量でどこまでつかえるのか?に不安はあるものの、ラジコン用7.2Vのパックバッテリーの放電器などでは6Vまで放電するので電圧的にも色々と有効活用できそうだという所で落ち着きました。

 「電池を終止電圧まで放電する」のが放電器の役割ですから、別に負荷はなんでも良いのです。
 豆電球で灯りとして使うのも立派なエコライフですね。
お返事 2007/6/12
投稿  放電充電器、いいですねぇ。永久機関みたい(嘘)。
 記事を期待しちゃっても良いですか?(^_^)
 乾電池の電気を最後の一滴まで搾り取るとかに使えたら良いかも、と考えちゃいました。(放電器としては拷問で失格ですが)
 色々楽しませていただいています。ぜひ今後ともご活躍下さい。
EK 様
お返事  放電充電器や、エコライフ放電器など、いくつかは実際に記事にしたいと思っています。
 ただ、いつ本格的に作って記事にするのかは・・・神のみぞ知るという事で、期待しない程度にお待ちください。
お返事 2007/6/23
 
 先日投書したなにぱんです。
 土曜日にようやく放電器が完成し、日曜日にフル稼働してきました。見張ってる必要もないのについつい眺めてしまいました。
 同じように使った電池でも放電時間がかなり違いますね。指摘にあったとおり放電時間を記録するだけでもかなり使えるデータになりそうですね。電池の個別管理も考える必要がありそうです(^^;
 ブログに製作記事のせました。無駄にケースがでかいです…
http://d.hatena.ne.jp/panda728/searchdiary?word=%2a%5b%ca%fc%c5%c5%b4%ef%5d
なにぱん 様
お返事  8本用!
 凄い規模ですね。(確かに配線の本数も・・・)
 電子工作の初心者の方にしては(失礼)、基板の出来栄えもケースへの組み込みも綺麗なのはやはりふだんミニッツのチューンやドレスアップで腕を磨かれているからでしょうか。素晴らしいです。
 ケースもこれくらい中に空間があれば、8本同時で約8ワットの発熱があってもじゅうぶんに自然空冷できるでしょう。

 週末にデジットに買い物に行ったら、レジで2SD2092や部品を購入している人が居たので、多分これを作るのだろうと思い「頑張ってくださいね」と心の中でエールを送っておきました(^^;
 この記事を見て放電器を作られて、ブログやHPで製作過程や完成を掲載している方が他にもおられましたら、できれば教えてくださいね。
お返事 2007/6/11
 
 先日はご丁寧なご返事をいただきありがとうございました。

 今回このトランジスター(2SC3852)を使い、回路をブレッドボード上で仮組してみました。

@放電抵抗の両端電圧をテスターで測り0Vを確認
A放電スタートスイッチをON
 ⇒ ムギ球が点灯しない
 ⇒ 放電抵抗の両端電圧は0.06V位(電池電圧1.4V⇒1.3V)

 何度も組みなおしたが、すべて同じ結果でした。
 やはりトランジスターの問題なのでしょうか?
 回路は間違いないと思っているのですが・・・

 かれこれ二晩かけて組み直してはテストを繰り返しています。
 初心者にとっては原因追求の限界かも・・・(泣)

 さて、
 遅くなりましたが、2SC3852/@157円は以下の所で販売しています。

<ラジオセンター:総武線の橋脚1Fにあるお店です>
九州電気(株)
店名 : 真光無線(株)
住所 : 〒101-0021 東京都千代田区外神田1−14−2 1階
電話 : 03-3255-2629
http://www.radiocenter.jp/

│ ┌───────┐┌────────────┐
  │秋葉原電波会館││            │
中 └───────┘│            │
央 ┏━━━━━━━┓│秋葉原デパート(工事中)│
通 ┃ラジオセンター┃│            │
り ┗━━━━━━━┛│            │
  ┌───────┐│            │
│ │ラジオストアー││            │
  └───────┘└────────────┘
ポポ 様
お返事  6/8に2SC3852を購入しテストしましたが、Ib-Ic特性が低Ib時(この回路ではカット電圧前後)で少し悪く(データシートのグラフを見ると確かに悪いです)、最低カット電圧が0.05V程度悪くなります。
 基礎設計では最低0.8〜0.85Vですのでこれが0.85〜0.9Vと、単3型ニッケル水素充電の1A〜700mA放電での希望カット電圧0.95V〜1Vには問題ありませんので、2SC3852を使われても結構です。

 「スイッチを入れても動作しない」という事ですので、次のテストを行ってください。

 回路図から2SA1015R2(10Ω)、VR1(100Ω)を消して、この3つの部品をとりつけない状態でブレッドボード上で回路を組み立ててください。
 回路を組み立てる場合は、回路図をプリントアウトするか、紙に書き写したものを用意して、部品を1つつける・配線を一本挿すたびに、紙の上でその部品・配線の部分を蛍光ペンか何かでなぞって、1つ1つ確認してください。

※ これはたいへん失礼な質問になりますが、ブレッドボードの中の導通がどうなっているのか・特に方向(5つの穴が繋がっている)、などの認識の間違いは無いですよね?

 電圧検知自己保持用の部品を無くしましたので、単純にスイッチを押したら2SC3852と放電抵抗・ムギ球に電流が流れ、ムギ球が光るだけの回路になります。
 スイッチを放すと電流は流れなくなり、ムギ球も消灯します。

 これでもムギ球が点灯しないのでしたら、2SC3852E(エミッタ)とB(ベース)の間の電圧を、スイッチを押していない状態・押している状態の両方で測ってください。(E側が−です。)
※ トランジスタの足に直接テスターのテスト棒を当てるのではなく、E,Bの同一ラインにブレッドボード配線用のジャンパリード線を挿して、そのリード線の先端にテスト棒をくっつけてください。慣れないでトランジスタの足のように狭い間隔の所にテスト棒を押し当てようとすると、間違ってショートさせてトランジスタや他の回路を壊してしまうことがあります。

 スイッチを押していない状態でほぼ0V、押した状態で約0.8V程度が正常です。

 このトランジスタ一個だけの回路で放電抵抗に電流が流れず、ムギ球も点灯しないとそこから先の回路(今回の本来の目的)は動作しませんので、まずはこの回路をちゃんと動作させられるようにしてみてください。

 これが動作すれば、とりつけ無かった3つの部品を追加して、電圧検知と自己保持回路が動作するところまで組み立ててください。
お返事 2007/6/10
投稿  お蔭様で無事正常な動作を確認できました。
 ステップbyステップで、一つ一つ確かめて行く事も大切だと痛感しました。
 今後は、小さな液晶パネルをつけて、動的に放電数値が見えるようにしたり、PICを使い放電容量も計測できるような放電器も作ってみたいと思います。
 ラジコン用のAAAバッテリー放電器の作成が目的でして、AAA電池のためのマッチド機能や内部抵抗計測機能など、高級な?機能も盛り込んで行ければと夢見ています。。。

 さて、お店の補足です。
 九州電気は同一フロアーにもう一店あります。
 今回トランジスターを購入した九州電気鰍ヘ、「半導体一般 センター店」となります。
ポポ 様
お返事  成功おめでとうございます。
 部品が何十個・何百個という回路では無いので、ゆっくり1つずつ調べればすぐに原因がわかったようでよかったです。
 複雑な回路でも、小さな回路の集まりなので部分的に動作を確認すれば、どこがおかしいのか分ります。

 詳しい報告は非公開で頂きましたので、動かなかった原因は「なるほどそうでしたか」という感じで、他の記事でも「作ったけど動きませんでした」という方のサポートをメールでしていたりすると、やはり部品や配線を1つずつゆっくりと見直す、できたら製作日から少し日数を開けて後日やり直すのが一番だと再確認しています。
 最初に作った時には「ちゃんと作っているのに?」という先入観があり、自分が間違っている所に気づかないのです。(間違った配線をしても頭の中ではそれが正しいと思っていたりする…)
 時間を開けてから見直せば間違っている所を見つけて「なんでこんな事をしていたんだ!」と自分で笑ってしまう事も多いでしよう。
# スイッチの件も今回のテストで気付いて良かったですね(^^;

 初歩の時点で間違いをして、それを直す経験をしておいたら、以後だんだん複雑な回路を作るようになっても、この経験が生きて慎重に作業するようになってミスが防げたり、もし動作しなくてもどこが間違っているのかを調べやすくなって、ミス無く組み立てられた人よりもスキルアップに繋がっているかもしれませんよ。
 この放電器を足がかりにして、将来は凄いラジコン用電池チェッカーを作ってください!
お返事 2007/6/11
 
 お店の話で盛り上がっているようですが・・・。

 (ぼそっ)町田のサトー電気にはほぼ一式そろえられる品揃えが。
 通販が3000円以上からのため、近郊の人向けですがよいのでは?

 実は意外と郊外にある部品店のそろえがよいこともあるのですね。
りょう 様
お返事  サトー電気は隠れた名店ですよね。
 相模大野の知人宅に遊びに行った時にはよく覗かせてもらってました(^^;
 町田、いい街ですし。

 ネット通販ページが見づらい(ぼそっ)のと、どうやって注文するのかがわかりにくい(他のサイトと比べて)でかなり損をしていると思いますね。
 こちらのページでもサトー無線の通販はリンクして載せるべきかどうかいつも迷っています。(結局今までは載せていませんが)
お返事 2007/6/7
 
 2SD2092の代わりにFET/2SK2936があるので、G-S間に10kオームの抵抗を追加し、使用してみたいと思います。
Teru 様
お返事  動きますか?
(いや、実際に試してみることに意義があるのですが・・・)

 普通のパワーMOS-FETでは本文中の「● FETが使えない?」で書いてある通り、2SK2936などの4V系FETだとゲートしきい値電圧(Vth)が2V前後で、データシートのVGS-IDS特性グラフ(他のグラフも)をご覧になればわかると思いますが、2V程度以上からやっと電流が流れはじめますが、まだ2V程度ではたいへん抵抗値の高い状態です。
お返事 2007/6/7
投稿  FET/2SK2936の使用を断念。
 2SC5000を入手、ムギ球にはマグライト電池2本用の球を流用しました。暗いかなと懸念しましたが視認性はバッチリです。
 可変電源の最低が1.26Vで調整不可のため、VR1-2間を12.6Ωとしたところ電池端子部で0.9V終了でした。
 コンパレータの放電器も自作しましたが無電源で視認性も高い本器に置き換わりそうです。
 有用性の高い記事ありがとうございました。
Teru 様
お返事  FETは‥‥断念されましたか。

 今回の回路のウリの一つは電源不要ですからね。別に電池等電源が要らずに、電池1本から手軽に放電できるので「リフレッシュ」等の用途では本当に気軽に放電させる事ができます。
 コンパレータ使用の物とはまた違った「味」だと思います。
お返事 2007/6/26
 
 トランジスタでもりあがってるみたいなので。

 秋葉原に行ける人なら、千石電商に置いてある2SD2353(hFE=800-3200、VCEsat=0.4V)なんか、お値段手軽で(100円税抜)いいのではないでしょうか?(通販もやってます)
 電池ボックスは秋月にあるキーストン社のやつ(100円税込)なんかいいですよ。
(逆接続防止の赤キャップは使えない電池あるのであえて使わない。マジックかなんかで+-間違えないようなしるしが必要かも。装着時固いので、ちょっと曲げたほうがいいです)

 秋葉歩けば2店は隣近所ですけど、両方通販だと送料で財布の方が先に過放電しそうです(笑)。
ガッツ 様
お返事  結構もりあがっています(笑)
 トランジスタや有用な情報ありがとうございます。

 あー、でも 2SD2353 は(データシートのグラフを見て頂くと)Vce(sat)が700mA時で0.3Vもあるので今回の用途では外しているトランジスタです。
 今回の用途では放電終了の700mA前後でVce(sat)=0.1V前後以下が望ましいのです。もし他にどうしても入手できないというのであれば良いのですが。

 使用トランジスタの説明のところで「なるべくC-E間飽和電圧が低く」を真っ先に書いているのはその為です。
 今回使用している 2SD2092 では700mA時のVce(sat)=0.09Vで、組み立てた回路での実測は0.085V以下です。(状態によっては0.1V程度)
 同じ千石でなら既に購入報告のある 2SD4881、700mA時のVce(sat)=0.08Vのほうが良いと思います。

 千石は通販で沢山2SC/Dタイプのトランジスタを扱っているので、千石の通販の中でどれがいちばん適しているのかは追々調べて掲載します。
 今のところは千石通販では 2SD4881 が最適です。
[6/8 追記]
 千石の通販ページに載っているトランジスタの調査が終了しました。
 使えそうな物は互換品一覧に掲載しています。
 今の時点では、千石で使えそうな物は1つを除いて日本橋で売られていない品なので、こちらで動作試験をして水色にレベルアップする事ができません。
[追記ここまで]

 東芝のデータシートは今夜徹夜して2SDタイプのものは調べ終わりました。
 数百個のうちから用途・定格で絞り込んで20個くらいが該当し、更に詳しく調べて数値表記上の定格ではなく、グラフで細かな特性まで調べて今回の用途に適しているか判断したらたった数個になりました。
 2SD2353は候補に上がりましたがこの細かなチェックで落ちたクチです。
 2SCタイプは用途・定格で絞り込んでもあまりに数が多すぎて何日かかるやら・・・

 データシート上で最適そうで、大阪で入手可能であれば実際に買ってテストします。
 秋葉原でしか売っていない物は、本当にトランジスタ数個の為に送料+代引き手数料とかってちっょと割高なのでかんべんしてください、って感じですね。

 キーストン社の金属製電池ボックス(写真→)は、マニア向け(?)で人気の高い電池ボックスですね。この形ではボックスじゃなくてホルダーですが。(シリコン2Fでも販売中)

 安物のバネ式ではなく、金属の「しなり」でがっちり挟むので接触抵抗も低く、電極の作りも良いです。
 但し+極側のあの赤いプラリングのでっぱりが邪魔をして、電池を挿せない(笑)という電池ボックスとしてどうなの?というなかなか笑える製品でもあります。
 +側を先に挿して、−側を後から押し込もうとすると、周囲が鋭い−側電極で電池のお尻の部分のフィルムが破れるという破壊魔でもあります。
 うちの場合は赤いリングの一部だけニッパーで切って使っています。

 しかしこれにも1つ弱点が。
 バネのように数ミリもマージンがあるわけでは無く、ほぼマージンが無いのでエネループや海外製の全長の長い電池を挿すとその電池の長さで金具の「曲がり」が拡がってしまい、次に松下1700mAhなどの短い電池を入れると「ガバガバで全く電極に接触しない」というとんでもない事になってしまいます。
 短い電池を入れる時は、+側と−側の金具をラジオペンチでぎゅっ!っと内側に曲げて全長を縮めてやる必要があるので結構面倒です。

 これさえ無ければ凄く良い電池BOXなのですが・・・、え、これってエネループが悪い?・・・ごもっとも。
お返事 2007/6/7
投稿  トランジスタの件ありがとうございます。2SC4881あらためてグラフ見直してみました。(調査おつかれさまです。)

 私の家にある、大陸からはるばるやってきたニッケル水素電池達は、キーストン社の金属製電池ボックス(ホルダー)の洗礼を受けて、かなりの確立で剥けてます。(笑)
(中にはちょっと剥けてるのが気になっていじってたら、大規模にビリビリ剥けて、NHKに出しても良いぐらいにメーカー名が分からなくなったものもあります(笑))
 今は、エネループ専用にしてます。
 接触抵抗の少なさは、なんと言っても捨てがたいので。
ガッツ 様
お返事  世の中には「一皮剥けたイイ男(死語)」という表現もありますし、剥けた電池はさぞかしイケメンになっているのでしょう(笑)
お返事 2007/6/8
 
 いつも楽しく勉強させていただいております。
 さて、はしもとさんと同様に、僕も秋葉原で2SD2092を探すべく5〜6件回りましたが中々見つかりません。
 トランジスター互換表を片手に、互換商品を探したところ、ようやく1件見つかりました。
 若干スペックが異なるのですが、
> hfeが高く、3A以上流せるNPNタイプのパワートランジスタであれば互換品でも大丈夫です
 とのことで 2SC3852(aが付かないvcboが80Vのもの)を買いました。
 これは、3A以上流せhfeが500minあります。
 詳細スペック:http://www.sanken-ele.co.jp/prod/semicon/pdf/2sc3852j.pdf

 部品は買ったが、互換性能が気になり、不安で組むに至っていません。
 このトランジスターは互換性能を持っているものなのでしょうか?
 ご教授いただきたくお願い申し上げます。
ポポ 様
お返事  2SC3852 はこちらでは見ない(売っていない?)トランジスタですね。
 データシートを見る限りは2SD2092に極めて近いので、そのまま使用できると思います。(ピン配置もB-C-Eですし)

[6/8 追記]
 2SC3852を試しましたが、低ベース電流時のIc特性が少し悪いので、カット電圧が0.05Vくらい高くなりました。
[追記ここまで]

 「トランジスタ互換表」(CQ出版社)って便利なようで不便なんですよ。
 かなりカッチリと特性が同じ互換品は一覧に載っていますが、ほんの少し違ってもまぁ問題無く使用できるとか、オーバースペックになるけど全然大丈夫な上位互換品は表の書き方上載っていないとか・・・

 多分ショップの店員さんに相談して、その店に置いている品の中からあれこれ選んでもらったと思います。
 実際に互換品を購入するには「店に置いてないと意味が無い」ので、互換表や「トランジスタ規格表」(CQ出版社)を参考に色々とお店で考えて選ぶことになると思います。
 秋月など有名所のネット通販ではトランジスタはお店で直接販売している品のうちごくわずかしかネットでは公開(取り扱い)していませんしね。

 今日の夕方、シリコンハウス共立の3Fに行って本ページで互換品として挙げている 2SC4685 の店頭在庫があと数個(実は私が数個買ったので残り4個)しか無いという事を聞きましたので、他に使用できるトランジスタが無いかお店で実際に在庫があるトランジスタの中から「あーだこーだ」と言いながら選んできました。
 テストした後に問題無く使えるようでしたら互換品リストに追加します。

 デジットは定休日・・・また今度行って他に使えるトランジスタを置いていないか聞いてみます。

※ 秋葉原で購入されたトランジスタはどこのショップで単価がいくらだったかをお教え頂けると合わせて掲載できて助かります。
お返事 2007/6/7
投稿  ポポさんの情報うれしいです。
 ぜひ、どこに売っていたか教えてください。

 私は、太めの錫メッキ線を買ってきたら作成スタートしようと思います。(単3ケース&配線用に)

 放電用Trとして 2SC4881,2SC4685,2SC3420 を買っています。

 最初は意表ついて、2SC3420 で 放電の抵抗は 3.3Ω 3W にしてチャレンジ予定です。

 2SD2092 & 1.5Ωの時との違いは電源の電圧低下が 0.1v 違うのと C-E間の飽和電圧が 0.04v 位!?低くなりそうなので、分圧を 0.9V に対して行うようにしようと思います。
 R2,半固定をやめて 7:2 になるように 1-2間、2-3間に抵抗を直においてみます。失敗したら半固定をいれてみます。

 ちなみに、現在の R2=10Ωで 2SA1015 は壊れないのでしょうか?
 ベース電流が 50mA と書いてあるのですが;

 47Ωと47x3.5近辺 でやろうと思っています。
はしもと 様
お返事  トランジスタを各種買っているのですね。
 色々と部品を組替えて違いを楽しんでください。

 2SA1015 が壊れないか?ですが、壊れません。
 今の定数で電池がほぼフル充電の状態で放電を開始しても、2SA1015 のベース電流は約35〜45mA、よほど電池が元気でも約50mAです。(設計時の最大定格"を超える電圧とか"試験時)
 新品のアルカリ電池やオキシライド電池を入れると少しオーバーしそうですね。

 たとえば10Ωの抵抗を外すと最大で数百mA流れて2SA1015を壊してしまいます。

 《細かな計算方法は書くと長くなるのでちょっと割愛して》トランジスタの性質などからR2の両端には最大で0.4V程度しかかからないと踏んでの数値決定です。
 つまり10Ωの抵抗の両端に約0.4Vですから、流れる電流は最大でも40mAくらいになる計算です。50mA以下に押さえる事ができているでしょ?
 やっぱり、新品のアルカリ電池やオキシライド電池を入れると少しオーバーしそうですね。

 実際には半固定抵抗をいっぱいに回して0.8V設定で使用する事はほとんど無いので(それでも壊れない為のR2です)、0.9V程度の設定にしてやればベース電流の制限抵抗は半固定抵抗の1-2間抵抗成分がR2に加算される事になり、通常は10〜25mA程度(半固定抵抗の設定による)しか流れていないはずです。

[追加] 再度、完成回路と同じ部品で測定してみましたが、回路にかかる電圧が0.8〜1.1V程度(放電中と同じ)状態では、2SA1015 のベース電流で0.88mA〜12.41mA程度です。最大値はVRをいっぱいに回した時のものです。やはりどう考えてもTrを壊すような電流は流れていませんが…。[追加ここまで]

 なぜ0.8V時の限界を最大定格に近い値まで近づけているのか?
 最大定格は守りつつ(ここは最大近くで使っても別に壊れないから)、動作開始点(今回の使い方では動作終了点?)直近での低い電圧で、少しでもベース電流を多く流して、2SA1015が電流を遮断する電圧をより低くすることで、パワートランジスタのVce(sat)を極限まで低い物を使用する事と相まって、放電終了検知電圧を0.8V程度まで下げられるようにする為の抵抗値設定です。
 最低値は10Ω程度ですので、これを何Ωまで大きくしてもカット電圧限界が変らないかとかは自由研究のネタにしてください。

 今回の記事では、こういう回路・方式・原理で電源不要のカット電圧可変の放電器を作れる事が立証できました。で、現物を作ってみました。という記事ですので、回路を改変・改良・改悪?されるのは皆様の自由です。「絶対にこの通り作りなさい」と強要したり押し付けるものではありません。

 お決まりですが、今回の記事の回路を回路図に載っている以外の部品・定数で組み立てた場合の動作を保証するものではありませんので、変更される場合は各自の自己責任で行ってください。

 それを色々と調べたり確かめたりするのもまた1つの楽しみ方なので、どんどんやってください(笑)
お返事 2007/6/7
投稿  hFE が大きめが良いというのはどれくらい必要なのでしょうか?
 1V時 IB=100mA に対して C-E 800mA としても 8 倍ですよね?
 余裕を見ても 100 倍あれば良さそうな気がするのですが!?

 とりあえず 2SC3420 でやってみます。(こっちの方が安いので(笑))@千石電子

 Vce(sat) が重要だなぁとも思って Tr を捜していました。
 放電電流とVce(sat)、電源電圧(電圧降下を考慮)を考え
 調整できるような回路設計をなされているのに感動しました。
 1.5Ωでの放電というのも絶妙なんですね。
はしもと 様
お返事  すみません、
> 1V時 IB=100mA に対して C-E 800mA としても 8 倍ですよね?
 これがどのような計算なのかわかりません。IBが100mAってベース抵抗をほぼ無くさないと無理ですよ。

 もしかしたら「1Vで抵抗が10Ωだから、1V/10Ω = 100mA」とか、そういう計算でしょうか?

> ちなみに、現在の R2=10Ωで 2SA1015 は壊れないのでしょうか?
 この時も同じ考え方で計算されていると思うのですが、それは全く間違っています。
 トランジスタのベース電流の動作を全く無視した抵抗値だけで計算しているようです。

 論より証拠
 ブレッドボードに同じ回路を組んで、各トランジスタのベース電流を測りなおしてみました。
 前に書いたのは設計時の最大定格試験の時のメモ書きなので、改めて電流値を見てみましよう。

2SA1015 のベース電流
 半固定抵抗を0.8V(FULL)位置 12.41〜1.56mA (各値、回路部で1.1V〜0.9V時)
 半固定抵抗を0.9V(20%)位置 8.69〜0.88mA

2SD2092 のベース電流
 半固定抵抗を0.8V(FULL)位置 23.96〜9.26mA
 半固定抵抗を0.9V(20%)位置 21.62〜7.57mA

 電池がフル充電や、アルカリ電池などを入れたらもう少し増えるでしょうが、今回の部品定数ではどう考えても1V時に100mAも流れません。

 そして、今回の回路の設計で重要なのは、カット電圧付近での低電圧動作です。(前にも書きましたね)
 2SD2092のベース電流は0.9V時に7.57mA、カット電圧を低く設定していれば放電をカットする直前ではもっとベース電流は少なくなります。
 仮に4〜5mA程度だとしたら、カット直前でも700mA程度の放電電流を確保するにはhfeは 700 / 3 = 175 。理想的には200以上は欲しいと思いませんか?

 もし hfe = 8 だとどうなるでしょう?

 「ベース抵抗が10Ωと大きいからベース電流が制限されて少ないんだ、だから10Ωをもっと小さくすれば!」という疑問も沸いてくると思います。
 試しに0.5Ωに変えてみました。
(※ 電流ソースの2SA1015のコレクタ電流はほぼ必要な電流を流せているものとします)

2SD2092 のベース電流 (R3 = 0.5Ω)
 半固定抵抗を0.8V(FULL)位置 96.6〜25.0mA
 半固定抵抗を0.9V(20%)位置 84.4〜20.2mA

 3倍ほど多くなりました。
 しかし、10Ωから0.5Ωと抵抗値を1/20に変えたのに、電流は20倍にはなっていませんね。
 電圧と抵抗値だけでベースに流れる電流が決まるわけではありません。これが「トランジスタ回路の難しい所」です。

 hfeが低いトランジスタを使用するなら、R3を1Ωくらいまで小さくして電流を稼ぐという手もアリですが、そういう変更は使用するトランジスタにあわせて、動作や安全を確かめてから行ってください。
 R3 = 10Ωにしているのも、トランジスタを変えた時に(何に変えるかは予測不明ですから)無茶な電流を流さないように安全範囲を絞っている目的があります。

 そして本来のhfeの話ですが、カット直前にわずか数mAのベース電流で700mA程度を流すのに100倍程度では不安です。(hfeが足りないとカット電圧も上がるわけですが)
 またカット前にも電池の電圧が下がってくるとほんのわずかだけトランジスタ回路全体の電流値が下がりますので、パワートランジスタのコレクタ電流に出る影響(電流を流し難くなる)を少なくするには、その程度のベース電流減ではコレクタ電流の飽和度に影響が出ないじゅうぶん余裕のあるhfeが必要です。

 ですから、よくあるパワートランジスタに平均的なhfe=100(但し1A時)程度があれば動作はしますが、確実に今回要求する性能を発揮させるには「hfeの高い物が望ましい」と書いているわけです。

 パワートランジスタはその性質上、本来はこんな低電圧でギリギリの用途のものではありませんので、ガッチリと高電圧・大電流で駆動するように hfe = 20〜40 なんて物も存在します。
 間違ってこんな物を買ってしまわないようにも、店員さんと相談する上で「hfeのなるべく高い物で」と言えるように注意書きをしています。
お返事 2007/6/7
投稿 >>「1Vで抵抗が10Ωだから、1V/10Ω = 100mA」

 まったくそう思いこんでいました。申し訳ありません。
 もっと勉強していろいろ実験します。
はしもと 様
お返事  はしもと様は今までこういった電子回路は無縁で、今回の記事ではじめて「トランジスタに目覚めた(意訳)」とおっしゃっていましたよね。工具や部品で2万円も使われたとか。

 興味が沸いたものにものすごい勢いで取り組まれている姿勢は素晴らしいと思いますが、まだ今の段階ではあまり難しい事を考えずに、まずは既存の物と同じ物を作ってみる。(この記事であれば回路図通りの物を1つ仕上げる)
 そしてその回路で疑問に思った事は目の前の現物にテスターを当てたり、既に買われているほかのトランジスタと交換してみたりして実際にご自分の目で疑問の数々を試してみるのが一番良い時期だと思います。

 ネット時代なので、ちょっと調べたら沢山の情報が流れ込んで来るのが、逆に情報過多を起こして頭の中で消化不良を起こしてしまっているのではないでしょうか。

 今ならパソコンの中で電子回路エミュレータ等のソフトを使えば、今回の回路でも簡単に実物無しで組みあがってしまって、抵抗値を変えたらどうなるか等もエミュレーションしてしまえる時代です。

 しかし電子回路で遊ぶ目的は「実物を作って動かす事」ですから、エミュレーションや紙の上の計算、頭の中の知識は目の前にテスト回路を一個作って実際に電流を流してみることにはとうていかないません。
 パソコンの中のエミュレーション回路では、変な臭いが漂って来たり煙を噴いたり実際に触ってヤケドをしたりはしないのですから(笑)

 実際に部品を買って、目の前で組み立てる事ができる方は幸せです。
お返事 2007/6/8
投稿  毎回、稚拙な質問ばかりで申し訳ありません。

 取りあえず、単4用に1つ作成しました。(1時間半もかかりました)
 単4用1個、単3用2個 追加で作成する予定です。

 3.3Ωでの放電にしました。
 R2、半固定なしで、1-2間 27Ω 2-3間 100Ω
 2SC1015GR(20個,100円),2SC2500C(50円) で作成しました。

 セリアの単4を実験台にして2回放電実験しました(10分単位であちこち電圧を手で調べながら)
 いい感じだなぁ〜と自己満足しています。

 ありがとうございます。
はしもと 様
お返事  3.3Ωでなら、電流容量の少ない2SC2500等でも良いですね。
お返事 2007/6/11
投稿  実測値を教えて頂いて、いろいろ勉強になります。

 IC - VBE グラフもちゃんと見ないといけないんだなぁと気づきました。

 私の買った 2SC3420 では、900mA 放電は無理だなぁとわかりました。
 取りあえず、これも 2SC2500 と同様に 3.3Ωでの放電に使おうと思います。

 ちなみに 2SC3420 のデータシート(東芝のHP)の hFE-IC グラフは VCE=2V となっていますが、グラフは VCE=1V みたいです。

 2SD1412A のデータシートの IC-VCE グラフの縦軸は
0.2,0.4,0.6 .. ではなく
2,4,6, ... のようです。

 データシートの日付が新しいなぁと思ったんですけど、結構直しているんでしょうね。
はしもと 様
お返事  データシートの間違っていると思われる部分は、東芝さんに教えてあげてください。
 次の更新で改正されるかもしれませんよ。
お返事 2007/6/12
 
 LED のページでこちらのHPを知り、放電器も作ってみたいと今日も秋葉に行ってきました。(やっぱり半固定をかわなきゃって)
 2SD2092 は、2件で聞いたけどなかったので。。。。
 違うトランジスタだと挙動が違うと寂しいので。。。
(& 放電用の抵抗を 3Ω とかに替えても違っちゃうんだろうし)

 電子工作とは全く無縁だったので;
 すでに、なぜか部品や工具 etc. で2万も買い物しています(笑)
 せめて、1個は完成しないと;

 共立エレショップでキットを売ってくれれば買っちゃいそうです!

 トランジスタってな〜にの状態であちこちのHPを見て勉強していますが、スイッチと言いつつ、温度や、電流によっても挙動がかわるなんて。。。

 もし子供が間違えて新品のオキシライド電池を入れてしまった時のことを考えると、3Ω 2W 位が安全かなぁとも思っているのですが;(放電時間はかかりますが)

 とりあえず、http://www.geocities.jp/technoart_jp/Discharger/discharger.htmlで、使っている 2SC4881 を買ってきました。

 これだと放電用の抵抗を1.5Ω〜3.0Ωに変更しても、分圧する抵抗は変更しなくてもよいかなぁ〜と思って;
はしもと 様
お返事  今回の回路では「ニカド・ニッケル水素充電池」用なので「アルカリ電池・オキシライド電池」は入れないでください。
 放電抵抗を2W以上品にしてあれば(3Ωにしなくても)回路が壊れる事は無いですが、放電開始初期での高い電圧で発熱量が多くなります。

 トランジスタはものすご〜く奥が深い部品です。
 スイッチみたいに使うのは「スイッチング」というトランジスタの使い方のある1つでしかありません。本当は「電流増幅器」なので、もっとアナログ的な使用方法のほうが本来の使い方なのです。
 増幅動作や何やかんやと細かな部分を知ってちゃんと使おうとすると目が回ります。(スイッチとして使うのでも設計にはかなり気を使いますが…)
 それに、電気的な性質や性能の違いで数千種類を超えるトランジスタが存在するのも初心者の方を迷わせる原因ですね。

 数千種類あっても、実は似たような定格・性能のもの(互換品)が何十とあって、よく似た物なら差し替えが効くのですが、簡単に別の物が使える一面の裏側にはわずかな性質・性能差で回路の挙動が変ったりと思うようにゆかないデリケートな部分があったりする、まさに「ツンデレ」な部品です(^^;

 秋葉原では2SD2092は扱っていませんでしたか。日本橋ではデジットで購入できます。
 2SC4881なら…ちょっとhfeが低いですが…特にカット電圧設定が変ってしまう事も無く、多分問題無く動くと思います。

 キット化や商品化・・・どこかでしてくれると良いのですが。(それならこの回路で特許出願しておかないと…身入りが〜/笑)

 他の回路で私的に冗談交じりに共立の方とお話しした際には「共立キット」で売り出すには数百点以上の販売が見込めないとプリント基板の製造費で赤字になるので、キット化する商品はごく限られてくるという事です。
 確かに私も回路や基板設計の仕事もしていますので原価は知っていますので無理を言えません。

 はしもと様が参考にされたそのページの筆者のアレックスのおじさん様とも「気の迷い」を通じて交流する機会があり(タミヤ放電器の改造ページに投稿頂いています)、その際にメールで少しお話しさせて頂きましたが、テクノアート社様のほうで特許まで取っている「充電池の残量を正しく測れる電池チェッカー」でさえ売れる個数と原価(中国で安く生産しても)を考えるといまだに商品化には至っていないという事だそうです。

 感光基板で一枚ずつ焼いて、ドリルで穴を開けて、部品を買って来て袋に詰めて、「自作キット」で売り出すとしたら途中の人力作業にかかる人件費(時給)だけでキット一個につき2000〜3000円は上乗せしないといけないですしね。
 かと言って「プリント基板1枚から作ります」という業者で基板を作ってもらうのもやっぱり少枚数だと割高になって個人で発注するにはそれなりの枚数が売れるアテが無いと業者出しもできません。
 ここはまぁ、電子工作が出来ない方には申し訳無いですが、部品をそろえる所から始めて、完成まで自分で作って楽しむものという事で。
お返事 2007/6/6
投稿  ありがとうございます。

 何とか1個は作ります! (いろいろ購入したので(笑))

 ブレッドボードもいろいろ買ってきたのですが、1A 近く流すのにだめかなぁと。。。抵抗も100個入り100円のをいろいろ買っておいたのですが、足が細いのも買っていたので同じΩでも足が太いのをいろいろ買ってきました(笑)

 秋月の金属の(抵抗の少ない)単3・1本用の電池BOXが売り切れだったので;
 安物のBOXじゃだめかなぁとも心配しています。
はしもと 様
お返事  とりあえずは、いずれ2万円ぶんの元が取れるように頑張ってください(^^;

 ブレッドボードは大電流を流す用には作られていないので、あまりジャンパー線を長くしたり複数本を中継して延ばしたりすると、電流が大きい経路では電圧差が出てしまいますね。
 抵抗の足は・・・放電用のW数の大きな抵抗以外の普通のカーボン抵抗(1/4Wや1/8W)などでは、足の太さで電流や電圧に問題が出るような大きな電流は流さないので、ごく普通の安い製品で大丈夫です。
 抵抗は足の太さで変るわずかな抵抗値よりも公称5%などとなっている抵抗値の誤差範囲のほうがずっと大きいですよ。

 この放電器では管理された厳密な電流で放電させたりして、データロガー等に繋いで記録を取る用途では無いので、安物の電池BOXでも本文中の改良などをしてやれば1A程度の放電なら全然問題はありません。
 設計上はかなり安物の電池BOXを無改造でそのまま使用しても、終了検出電圧の差が0.1V程度(接触抵抗が0.1Ωくらいの差)の誤差であればほとんど見た目の差は出ないように考えています。
お返事 2007/6/7
 
 放電器製作記事を見て早速部品調達して組み上げました。
 電子部品の自作はこれが初めてな私ですが、無事動作することができました。ありがとうございました。
 理論から実体配線図まで、わかりやすい説明で助かりました。
 実体配線図の修正版で、不明点も解消したので、後はセット数を増やしてきれいにケースに収めたいと思います。
 あと私の隠された野望としては、放電グラフの作成です。やり方はいろいろあるようですが、なんとか機器を揃えていきたいと思います。
なにぱん 様
お返事  なにぱん様、はじめまして。
 早速作られたのですか。早いですね〜(^_^)

 何人かの方から基板と電池BOXの配線やスイッチはどう配線したら良いのかなど、電子工作初心者の方が必ず通る道の質問が数件届いていましたので、いつにも増して実体配線図などを詳しく掲載しました。

 なにぱん様と同じく今回の放電器ではじめて電子工作をするという方が多いようで、今回の記事の目的の「ミニッツ用に」という方がほとんどですね。
 市販のラジコングッズで単4×4本の放電器も売られていますが、見かけは市販メーカー品らしく凄くカッコイイのですが、中身はただの過放電器であったり、値段が結構したり、高性能(?)なものは別途安定化電源装置が必要だったりと、ちょっとためらって放電器を購入していなかった方も多いと思います。
 ミニッツでも完成品を購入して楽しむだけではなく、ある程度のパーツ交換やチューンナップをされる方なら少しの情報があれば自分で放電器を作ってしまえる!という、安く簡単にしかも自作なので完成すれば満足感もある工作記事として公開しました。
 ミニッツやミニ四駆、また電動ラジコンを楽しまれている方のお力になれれば幸いです。

 もちろん、家庭でニッケル水素充電池やちょっと古くなったニカド電池のパワーが落ちているんだけど、復活させられないかな?と思っている方など、使い方は様々です。

 野望については、同一の放電条件での放電時間を比べるだけでもかなり電池のコンディションが確認できますが、放電特性のグラフが見れれば放電初期の電圧変化がどうとか、長く高電圧を維持できる電池はどれとか、短時間レース向け・耐久レース向けなどより走行シーンに合わせた特性の良い電池やマッチした電池を探しやすいですね。
 頑張ってください。
お返事 2007/6/6
 
 はじめまして。らいな〜とと申します。
 はじめて投書させて頂きます。

 私は趣味で1/10ツーリングRCを楽しんでいます。
 サブCニッケル水素バッテリーをこの放電器で放電したいと思っています。
 ただ、放電電流を20Aぐらいに上げてやりたいと思っておりますので、0.6Ω30Wのセメント抵抗にして、冷却に別電源を使用してPC用ファンを付けようと思っています。
 これらの改造を施しても、この放電器は問題なく動作するでしょうか?
 後、過去に製作されたという「単セル×4本用、ニッケル水素充電池用急速放電器 Type-F,Type-G」の記事を見つけることができませんでした。この記事の所在も併せて教えて貰えると幸いです。

 以上、初めての投書で厚かましいとは思いますが、よろしくお願い致します。
らいな〜と 様
お返事  らいな〜と様はじめまして。1/10ですか、いいですね〜(^_^)

 0.6Ωだと20Aではなく2Aですよね? (抵抗も30Wではなく3W)
 確かにラジコン用で「20A放電器」というバケモノもありますが…

 2A-サブCセルバッテリー用放電器にする場合、回路図のままのトランジスタなら最大定格(DC)3Aですので、ご希望の2A程度までなら放電抵抗以外の部品は変更無しで大丈夫です。
 もし20Aで超急速放電させるのであれば、今回の回路では無理ですので他の方法になります。

 但し、放電終了電圧の検知部にかかる電圧が変るので注意してください。

 2A時に2SD2092のC-E間飽和電圧は現在の実測値から推測して約0.2V前後で、最大1A程度で使用している現在の値(約0.085V)より0.1V少し程高くなります。これは電圧検出用半固定抵抗で検出する終了電圧に影響します。
 また電流が増えると電池と回路までの配線での電圧低下もそのぶん大きくなりますので、半固定抵抗で設定できる最低カット電圧が現在の0.8Vより上になって0.9V以上になる事が考えられます。もしかしたら1.0V近くになるかもしれません。
 電池と回路(トランジスタや放電抵抗の部分まで)の配線はじゅうぶん太くできるだけ短くして、最低カット電圧がなるべく上がらないようにしてください。
 また、最低カット電圧が変りますので、VRのゲージは本ページに掲載しているものと少し変ります。(最低電圧が0.9〜0.95Vでしょう)

 この計算から、今回の回路では2Aより大きな電流では終了電圧を1.0V未満に設定できなくなる可能性が高いので、この放電器(回路)の最大放電電流は約2Aまでです。

 パワートランジスタの発熱も2Aでは特に問題無い範囲だと思います。現在はC-E間に最大約0.95A×0.085Vで約0.08Wの損失ですのでほとんど発熱しませんが、2Aで使用すると2A×0.2V(予測値)で約0.4Wの損失になって少し暖かくなります。抵抗を冷やすファンで回路周辺の空気も流れるようにしてやれば気になるほどの温度にはなりませんが、気になる場合はパワートランジスタに放熱板を付けてください。

 「放電器Type-F,Type-G」の記事はTOPの【 すたっく 】でお知らせしていますように記事作成待ちです。
 過去に製作した物の記事ですのでリアルタイムではありませんので、他の最新製作物や投稿者の方からの製作依頼を優先させていますので、かなり後回しになっています。

※追伸 サブCセル用に放電電流を増やした物は、知人からサブCセル用「過放電器」を借りて改造できるか試して記事を掲載したいと考えています。いつ借りることになるのか名言出来ませんのですぐに掲載するというお約束はできませんが、いずれ試してみる予定です。
お返事 2007/6/5
 
 最低限の部品というコンセプトからははずれるかと思いますが、VRに直列抵抗を入れた方が、調整が楽で使いやすいと思います。100オームか120オームぐらいをエミッタ側に。

 抵抗の定格は、定格電力を消費させたときに毎秒1度の温度上昇するって覚えています。もちろん、外気温との温度傾斜に依存するので有る温度で平衡しますけど。
 私が回路設計していた頃の社内設計標準では定格の50%以下で使ったと思います。
kazz 様
お返事  そうですね。抵抗をVRと直列に付けるとロックしない部分が少なくなって調整が楽になりますね。

 ・・・でもその部分も確かに部品数削減の為にあえてVR一個にしている所です。
 「こうすればいいんじゃ?」と思って部品を追加したり、改良できる方はどんどん自分流のもので作られれば良いと思います。

 当初自分用に作った物(写真では試作基板)では2SA10158のベース電流制限抵抗R2(10Ω)も無かったのですから。(無くても良かった)
 0.9V程度の設定でVRをどこか中間部で使っているなら、VRが正しくバイアス抵抗になって2SC1015を焼く事はありませんが、そのまま記事にするときっとVRを一番端まで回した状態で使って最大定格の6〜10倍(ベース電圧約1Vでの実測)のベース電流を流して2SA1015を壊してしまう人も居るでしょう。
 まさか「VRを端まで回さないで下さい」とも書けませんし、そう書いたら「どのへんまで回しても大丈夫ですか?」という質問が出て来るのも目に見えていますから、たとえ文章で注意していても誤操作などで壊したりしないよう、こういう部品を壊すような部分は安全係数を見込んで記事公開前に自分用の回路とは違ったものにしています。(壊さないのはあたりまえですが)

 だいたい、電子部品は余裕を見て定格の半分程度以下で使用するのが望ましいのは仰る通りですね。
 トランジスタなどはたいてい大幅に余裕を持った物を使用するようにしています。電解コンデンサの耐圧などは使用する電圧値より1ランク上の品ですね。

 今回使用している1.5Ωの抵抗は手持ちの部品の中から使える物を使用したもので、記事はその製作レポートです。他の記事でも時々書いていますが、「こういう風に作りました」という経過と状態を記事にしていますので、絶対にパーフェクトな物を求められても困ります。(動かない物やすぐに壊れてしまうような物は掲載していませんが…)
 計算上定格の88%というかなりキツい(けれどもまだ定格内)所で使っていますので、こまめに抵抗表面の温度を測定したりもしていますが、定格を超えて焼けてしまうような事が無いのでそのまま使用しています。
 2W品を「使用したほうが良い」のは分っていますので、最初から本文中では赤文字にして注意を促しています。
 「私はこう作りましたが、この記事を見て作る方はこちらを使ったほうが良いですよ。」と。

 最初のVRの件もゲージを眺めつつ「不感部分が広いな〜」、説明としいたほうがいいかな? 「VR調整に不安がある方は、100Ωの抵抗を直列に繋ぐと調整が楽になるでしょう」という記述(なりますけど、やってみるのは自分で考えてね!…とまでは書きませんが)も最後まで削るか削らないか迷ったものですが、予想される質問「それじゃ100Ωを付けた時にはゲージはどうすればいいですか?」「印刷したいので印刷できるサイズで100Ωを付けた時用のゲージを作ってメールで送って下さい!」(←他記事での実体験では本当にこういう感じの希望が来ます)という質問に答えるのがたいへんなので最終的に削除しました。
 それに一回設定してしまえば、使うたびに毎日変える物でも無いですし、そういう所には力を入れても仕方ない(今回のコンセプトでは簡略化するほうが優先)でしょう。

 あちらを立てればこちらが立たず。という感じですね。

 1つ1つのご質問、ご提案にはお答えしてゆきますが、今は「金属皮膜抵抗を使っているようですが、(ラジコン用の記事で良く見る)セメント抵抗ではいけないのですか?」という質問が来ないかヒヤヒヤしています(笑)
お返事 2007/6/4
 
 これ、日記的駄文に出てたときから、楽しみにしてました。

 単セルで、オペアンプは多分、動かないし、どうすんだろ、とか思ってました。てっきり、タミヤの放電器みたいに、コンデンサ使って、なにかするのかな、と思ってたら、コンデンサないですね。

 単セルでできる、というのは、やはり隠された野望の、デスチャージ機能を改造するのが主目的ですか(笑)
 電池の組替とかにも役立つのでしょうね。(ラジコンの世界で要求されることは私にはわからないんですけど。)
たなか 様
お返事  やはりデスチャージ機能の解消は命題でしょう(笑)
 あの素晴らしい「電池拷問器」を見てからは、なんとしても改良してやろう!という闘志にも似た意欲がずっとありました。いや、かなりムダに悩んでいただけですが。

 回路にコンデンサは…今回は無しです。
 本当は動作の安定用に一個か二個とりつけると良い場所はあるのですが、「少ない部品で大きな効果」というテーマの為に、無くすと動作しなくなる部品以外はコンデンサ類は無しでゆきました。
 放電中にボディを持ってブンブン振り回すなどして、電池BOXと電池の接触が切れて一瞬でも電圧が無くなるとかのとんでもない事態でも起きない限り、電源が「電池」ですからノイズや不安定になる要素が少ないのでかなり電池の安定性に頼っています。

 写真で見ると気付いた方も居るかもしれませんが、電池BOXには細工をしてあって、接触不良の確率や接触抵抗を減らしています。
 これはまた後で記事の最後に項目を追加します。

 電池のマッチングは充電池を何本も直列で使用して大電流を流すラジコン用途ではかなり重要視されるファクターです。
 直列で使用する電池の特性が揃っていないと、一本でも弱い電池が混ざっているとその一本のせいで電池パック全体のパフォーマンスが落ちたり、大きく劣化している電池だと過放電・転極などを起こしてパック電池自体が使い物にならなくなります。
 電池を一度に数十本買って、充放電させて特性を調べてその中から最も良い数本を選んで使うなんて、ラジコンの世界では全然不思議な行為では無いのです。
 電池の組み合わせ方で実際のレースで0.01秒でも速くなる物を追求するのです。

 電気ヒゲ剃りが1秒でも長く強く動くように、とか、懐中電灯が1秒でも長く点灯するように電池をマッチングさせる・・・なんて人は居ないでしょうが、ラジコンでは電池選びが「勝敗」に影響するのでレーサーの人は真剣そのものです。
お返事 2007/6/4
 
 待ってました!!
 私もミニッツやっていてフツーの放電器なら作ったことあるんですがこーユーのは作ったこと無いので参考にさせていただきたいと思います、
100均星人 様
お返事  ミニッツ用に単4×4本同時に放電できる放電器があると便利ですよね。

 こちらでは近日中に知り合い用に一台作る予定です。
お返事 2007/6/4
 
 山を張って買ってきた半固定は、はずしてしまいました。
 2SC1015もYしか買ってないし。。
 半固定を使わずに作るとしたら、1-2間 2-3間 の抵抗は何にすればよいでしょうか? (0.95v あたりで)

 2SC1815 では作れないのでしょうか?

 図の中の半固定と2SC1015のあたりの水色の電流の流れが、半固定の
 1-2間では、逆流しているみたいな部分もよくわからないのですが;
はしもと 様
お返事  5/30に「山を張って先に購入するのはあまりお勧めできません」と言っておいたのに・・・

 2SA1015はスイッチング動作で使用するのでYランク品でも(Oランク品でも…)基本動作には問題無いです。(「できれば」と書いているのは…)
 最悪の場合、部品屋さんに行って「GRランク品は品切れです」と言われてもう2SA1015を買えないと思ってしまう方がいらっしゃるといけないので、部品説明の所からランク指定の記述を削除させて頂きます。

 固定抵抗でカット電圧を決めるとすると、あくまで今回こちらで作成した回路では0.95Vの設定位置では1-2間は12.5Ω、2-3間は88.5Ω(1-3間は101Ωの半固定抵抗です)となっています。
 12Ωと82Ωくらいで近い数値になると思いますが、組み立てられた回路の配線抵抗などで微妙に個体差があるのでこの抵抗値で必ず正確な0.95Vカットになるとは保証できませんので、ご了承ください。
 「だいたい0.9〜1.0Vの間に収まっていればいいや」くらいの許容量であればこの固定抵抗値でもほぼその範囲に収まると思いますが・・・範囲を逸脱してもそれはそれと。
※ VRを固定抵抗にするなら、R2は無駄になるのでR2無しにした回路で抵抗値を決めるのが本道です。この場合のVRの1-2,2-3間に相当する抵抗値は今のR2が有る状態とはまた違ってきますので今回の実測値はアテになりません。R2抵抗が一個ムダに多くなりますがそのまま使用してください。こう書いておかないと、また別の方から「固定抵抗に変えたらR2は必要無くなるのでは?」という投書が来そうなので…

 もし電圧検知にPNPの2SA1018の代わりにNPNの2SC1815を使用するのであれば、電池を除いて回路図を全部上下逆にしてください。もちろんパワートランジスタもNPNではダメになりますのでPNPタイプ(2SAか2SB)のパワートランジスタに替えてください。

 トランジスタの規格表などを見ているとNPNでもPNPでも同じような定格の物がありますが、実際に部品店にゆくとパワー部品はNPNタイプのほうが種類が多くて安いので、入手性の良いNPNタイプのパワー部品を使用することにしています。(物によってはPNPだと値段が2〜数倍します)
 それに合わせて周辺回路を設計しますので、自ずと使用部品が決まってきます。

 図中の2SA1015のベース電流を表す水色の線は、2SA1015から見て半固定抵抗が「電源(電池等のかわり)」として作用する事を示す線ですので間違いではありません。
 誤解を招くといけないので「電池」記号を追加して明示しました。
お返事 2007/6/3
 

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