巷の100円ショップには写真(右)のような自転車用の乾電池式ライトが売られています。
同じ金型(微妙に細部が違う)から作られたと思われるものが、ショップ毎に違うパッケージで売られていたりします。
税別店では105円ですが、一部税込み店では本当に
100円で買えたりします。
私も自転車に1つ取り付けて使用していますが、電源は単3電池を4本、電球が4.8V0.5Aのクリプトン球?なので明るさも十分で、実用上はたった100円の商品でも特に問題はありません。
問題点を強いてあげれば、防水でないので雨に濡れると中に水が入って金属部品が錆びたり、壊れたりしそうだという点くらいでしょうか。
本体内部の下のほうにはあまり金属や電気部品はついていませんので、水没でもしない限りはそれほど壊れそうにもありませんが…。
この商品には「
アルカリ電池使用で約4時間点灯」と書かれています。
電球で0.5Aの電流で使用を続ければだいたい3〜4時間でアルカリ乾電池は切れてしまいます。
3〜4時間の使用ごとに乾電池を使い捨ててしまうのではあまりに不経済ですので、私は結構使い古したニッケル水素電池をこの自転車ライト用に使用しています。
ライトが必要な時間帯に毎日自転車に乗るわけでは無いので、だいたい1〜2週間に1回程度の充電をすればよいくらいの頻度で使用していました。
ライトの光源を白色LED(発光ダイオード)に替えれば点灯時間が数倍に延びますので、充電する手間も少なくなることから今回の白色LED化改造を行うことにしました。
※ 今回の改造では電池4本(4.8〜6V)の電源で白色LEDを点灯させています。
※ 『電池1〜2本から昇圧する回路(超小型完成基板でしかも驚くほど格安!)>』『車のシガーライターソケットから100円DC-DCコンバータで電源を取って活用』ほか、白色LEDに関する記事は「気の迷い」の記事一覧からご覧下さい。100均ショップLEDライトノ比較実験などもあります。
よほどの高光量LED(3Wとか5Wとかの超ハイパワー品)でも使わない限り、普通の高輝度型LEDでは明るさは豆電球の足元にも及びません。
もし5φや3φの高輝度LEDで豆電球ほどの明るさを得ようとすれば10個束ねてもまだ暗いくらいです。
しかし前が見えないほどの闇夜で足元を「照らす」目的ではなく、白色LEDの光の特徴である「視認性の良さ」を利用するのであれば、たった1〜2個でも遠くから(但し正面から)よく見えますので、対向車(者)に対するポジションランプの意味合いが強い自転車のライトなら白色LED1〜2個のライトでもじゅうぶん役には立ちます。
そこで今回はちょっと欲張りをして、
・通常はLED2個でポジションランプ的なライトにする
・必要時には豆電球を点灯して強力なライトにもなるよう
豆電球も残して切替スイッチをつける
という方向で改造を行うことにしました。
※ 後日、白色LED2灯じゃやっぱり暗いので4灯化しました。
早速本体を分解してLEDの取り付けを行います。
プラスチックでできた銀色の「リフレクタ」(反射板)に穴をあけてLEDをとりつけることにします。
リフレクタの反射・収束機能を利用するのであれば、今電球のフィラメントが付いている位置にLED光源を置かないと正しく前面に光が収束しませんが、今回はLED自身の前面レンズでの一方向収束のみで光は放射するようにします。
電球を残すのでやむをえません。
今回使用する白色LEDは、諸元不明の中国製高輝度白色LEDです。データシートが無いので良くわかりませんが、テスト点灯した感じではRODAN社(台湾)のRT5-9317K5T(7000mcd)と同じくらいの明るさです。日亜のNSPW500CS(11000〜22000mcd)とかLinkman社のLA504W3CA2C02(18000mcd)の半分くらいの明るさですね。まぁ一本100円しないのでしかたありません。
リフレクタの両側にドリルで穴をあけ、裏側からLEDをとりつけた様子です。電球の左右にLEDが来るようにしています。適当に接着剤で固定します。
この後制限抵抗をLEDの足に空中配線でとりつけます。
今回の
抵抗値は75Ωのものを使用しています。
電源電圧をニッケル水素電池4本の
4.8Vとすると、白色LEDの順方向電圧3.6Vを引いて抵抗には1.2Vがかかります。LEDに定格電流の20mAを流すには
60Ωとなります。
残念ながら手元に61Ωの抵抗がありませんでしたので、たくさんあった75Ωで代用しました。(明るさはほとんど変わりません)
LED2本を並列にして30Ωの抵抗一本で済ますという回路でも良いですが、30Ω(27Ω)の抵抗なんてよけい手元にはありませんので…
※ 後日、LED4灯化と抵抗を47Ωに変更しました。かなり明るくなりました。
全ての部品を組み込んで、スイッチも本体底面にとりつけて配線が終った状態です。
電源(電池)からの配線は元からある金属端子にハンダづけしています。
+電極から電球側の電極と接触していた金属板は曲げて接続を外しています。接続を外した部分を追加したスイッチに配線し、スイッチで豆電球のON/OFFができるようにしています。(メインスイッチがOFFの時は豆電球は点かない)
適当に部品箱に残っていたスイッチを使ったため、豆電球点灯時にもLEDは点けたままですが、気になるようでしたら切替スイッチにして豆電球点灯時にはLEDは消灯するようにするのも良いかもしれません。
左側が「
LED2灯」を点灯している状態で、右側が「
LED+豆電球」のフル点灯状態です。
スイッチをLEDと豆電球との切替にしなかったので、豆電球を点灯させている時でもLEDは灯いたままです。
やはり普通の高輝度白色LED2灯では走行中に路面を照らすような明るさにはなりませんが、前方からの視認性は抜群です。正面から直視すると目を傷めてしまうほどの光ですので注意が必要です。
今回はLEDを2灯としましたので、LED点灯中の消費電流は約40mAです。(抵抗値を少し大きくしましたので実際はこれ以下です)
豆電球が約500mAですのでLEDだけ点灯の場合約10倍程度の長寿命が期待できます。
私が自転車に乗るのは大阪の市街地ですから、ほとんどの道は街灯が整備されていてわざわざライトで路面を照らさないといけないような暗闇はほとんどありません。
道交法で定められた夜間点灯運転をする為であればLEDライトでも前照灯としては有効ですので、明るい夜道(謎)を走るときにはこれで電池を長持ちさせることができそうです。
市販されている自転車用のLEDライトでは、今回製作したライトのように「LED/電球の切替式」という物は見たことがありません。(探せば世界のどこかにはあるのかもしれませんが…)
(* 囲み記事参照)
LEDの点灯個数を切り替える方式の強/弱切替ライトは見たことがありますが、そのライトの強側でもとても電球の明るさと同じかそれ以上になると思えるものはありませんでした。
街路灯の少ない道路や住宅地の細街路ではところどころ本当にまっ暗な細道もありますので、そういうところでは十分な明るさが欲しく、それ以外のところではLED1〜2灯程度でも十分という私の個人的な目的を満たしてくれる市販品が無かったので、今回の改造でとりあえずは要求を満たすライトができたと思っています。
※ もし
電池1〜2本で白色LEDを点灯させたい方は「
携帯電話充電器をDC-DCコンバータにしよう!」のページもご覧下さい。わずかな価格で
10円玉より小さな超小型コンバータが手に入りますよ!
メールでいくつかの電球+LEDライトの存在をお知らせ頂きました。
近所のホームセンターで見つけたものパナソニックのNL-816PK-S・K
本体(店頭価格)2980円、電池はCR123Aで高価!毎週CR123Aを買うのは…
教えて頂いたzefalのHF635 Wビジョンフラッシングライト
本体2520円、単3電池4本使用なので今回の100円ランプと同じ。
しかし「黄色LED」とは?「LEDだけだと前照灯としては不十分」というのはこの黄色LEDのせいでは?
市販品ではどれも2500円以上もの少々高価なライトですね。
ちなみに今回の100円ライト改造では合計500円くらいです。
市販品でもせめて市価980円以内なら良いのですが・・・
# この後、LED4灯に増設しました。部品代+200円
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まめちしき
XIQY Inc.という会社から「LED豆電球」(完成品・キット)というものが発売されています。
その名の通り従来の豆電球と置き換えて使うLEDで、なんと豆電球の口金の中に超小型の昇圧回路が入ってしまっています。
今回の記事のように白色LEDや抵抗を自分で調達したりライトにドリルで加工したりするのではなく、電球を取り替える要領で誰でも簡単に懐中電灯や自転車のライトを白色LED化できるので便利ですね。
(私はXIQY Inc.の関係者ではありません、念のため)
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はじめまして。LED初心者です。教えて頂きたくメールしました。
実はナショナルのピン型リチウム電池3Vを使って3mmの赤色LEDを3個か4個同時に発光させたいのですが、その際抵抗は何Ω必要なのか全く解りません。LEDもどれを使えばよいのかも解りません。どなたか教えて頂きませんでしょうか。
はしもと 様
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お返事 |
このページにある抵抗値計算機で、電池電圧3V、LED電圧2V、電流は使用する(購入される)LEDの定格で10mAか20mAのいずれかを入力して計算すると抵抗値が表示されます。(LEDが1本の場合)
3〜4本並列で点灯させるのでしたら電流値は合計してください。
LED1本ずつに抵抗を付けるのでしたらそのまま10mAないし20mAで結構です。
何に使用されるのかとか、どのような使い方をされるのか全くわかりませんので、LEDの選別方法などは何もアドバイスできませんのでお許しください。
どのLEDを使うのかは、お店によって売っているLEDのメーカーや型番が違いますので、秋葉原や日本橋や大須の電子部品店に行けるのでしたら、店員さんに相談して(その店で売っている商品内で)アドバイスを受けると良いでしょう。
お返事 2007/7/24
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100円の自転車用のライトを買ってきて、セリアの1300mAH の NiMH をいれて少し部屋で点灯させてみました。
40分過ぎからカリカリって変な音がしてそのあと、突然消えました!!
熱で、リフレクタが溶けだして豆電球の接触が悪くなったようです(笑)
NiMH での利用は危険なライトかな!?
はしもと 様
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お返事 |
いえいえ、Ni-MHで無くてもほとんど同じですよ(笑)
アルカリ電池でも連続で点灯していたらリフレクタが熱で変形するものや、後ろの金具が変形するものなど、いろいろと不具合があります。
防水密閉されていないライトなので、自転車で走りながら点灯すると風が中に入ってリフレクタや電球が自然冷却される状態が正しい使い方なのでしょう(^^;
ちなみに、外観の見た目は100円ショップ向け製造・販売各社でほぼ同じですが、実はそれぞれ別のコピー商品で材質や金型が少しずつ違います。ハメ合わせ用の突起位置が違ったりサイズが微妙に違ったり、いちばん顕著なのは自転車に付けるアダプター部品の形が違うので本体を他社と相互に入替できない点でしょうか。
製造元によってリフレクタの材質も多少の範囲ですが熱に強い・弱いがあるようですよ。
お返事 2007/5/22
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つい最近100円ショップで「ちびあか」を見て、これは自転車用に流用できるかも、と改造してみたのですが、DC-DCコンバータや点滅回路等、ここの内容をずいぶん参考にさせていただきました。
こちらのブログでも紹介しています。
最終的には「ちびあか」2つで常時点灯が6灯に、さらに点滅回路(自転車用テールランプを流用)で2灯を追加したものになりました。
三河屋 様
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お返事 |
100円ショップ商品を数個でなかなか豪華なLEDライトができましたね。
ちびあかのように100円でLED3灯のものが手軽に手に入ると色々なものに使いたくなります。
自転車ライトの点滅改造に使用している「デコレーションプチライト」はもう数年来ダイソーの定番商品でした。
近所の店(後発店)ではほとんど取り扱いが無く、少し古い店舗だと何年も置いていて2年前くらいからLEDが裸ではなくハート型や星型などのプラスチックに埋められていて流用性の低いものが主流になりつつありました。
知っている店では砲弾型の5mmタイプ/3mmタイプ、星型/ハート型など全部が揃っている店もあります。
クリスマスなどの「季節商品」では無いので、置いていない店と置いている店の差があるのだと思います。
もし今年に入って廃盤商品になっていたらごめんなさい。
お返事 2007/3/11
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初めまして。感動しながら、読んでいます。
かしこっぽいライトも完成したんですね。
#すばらしい!
あと、このライト、適度に隙間があって、改造しやすくって、いいですよね。
で、実は、私も、触発されて、ちょっと作ってしまいました。
といいつつ、全然レベルが違いますけど、、、
掲載の餓鬼魂日記はこちら。
これからも、いろんな記事期待してます。
追伸
というか、独り言というか、要望というか、、、
秋月の、これ、
http://akizukidenshi.com/pdf/MW1268_20061220.pdf
評価して欲しいなあー、、、なんて、、、
ちゃんと1本づつ、−ΔVを検出してるのかなあ、、、
あと、ひょっとしたら、改造して、ΔTも検出できるようにできないかなと、思ったり、、、
と余計なこと言いましたが、では。
たなか 様
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お返事 |
たなか様、ご覧いただきありがとうございます。
たなか様の改造LEDライト、LEDがいっぱいで見ていて楽しそうですね!
LEDが沢山付いているとワクワクしてしまいます。
秋月のその充電器ですが、個別制御は行っていないと思います。
2本または4本同時でないと充電・放電できませんので、中身は単なる直列充電器のようです。−ΔV方式で、数セル直列で充電を管理するポピュラーなICが入っているのだと思います。
注意書きに残り容量の違う電池は同時に充電してはいけない、と書かれているのもその為です。元々が直列接続された状態の「組電池」を使用するような用途用に開発されている充電ICを使用するので、充電・放電するのは1セル(電池1個)づつでは無く、直列で同じ条件で使用した容量や使用状態がほぼ等しいセルを直列接続(のパッケージ)のままで充電する為のものです。
それを「電池2本」「電池4本」の切替スイッチをつけて多少汎用性を持たせているだけの充電器だと思います。
知り合いが2人ほどその充電器(と同じ物でラジコンショップで売られている)を持っているので、そのうちに借りて中身を見てみたいと思います。
今日のミニ四駆レースでもその2人とは会いますので、現物は今日も見ることになると思いますが(^^;
※ 秋月充電器の話題は電気関係の「迷い箱」に移動しました。
お返事 2007/2/18
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いろいろ実験されてご苦労様です。
私はこのホームページが大好きになりました。まったく電気の知識がない私には大変勉強になります。
ところで写真に写っている単3型ニッケル水素電池は100円ショップのものではないでしょうか?どこで売っていますか?性能はどうでしょうか。電池テストのページには載っていませんでしたね。
今後も楽しい実験をガンガンやってください。
かっちゃん 様
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お返事 |
かっちゃん 様、いつもご覧頂き本当にありがとうございます。
写真の充電池はネットでも話題の「VOLCANO NZ」という電池で100円ショップセリアでだけ販売されています。年に1〜2回くらいしか入荷しないようで、入荷したらたちまち売り切れる店が多いようです。7月頃入荷ぶんは私の近所の店でも半数の店では既に売り切れていて、2店ほどが販売中です。
全国チェーンですのでお近くにもセリアがあるかもしれませんのでHPで探してみてください。
昔測定したグラフはこちらです。
性能は容量1300mAh程度、と言うか2000mAhのエネループや2500mAhの充電池等と比較すると本当に容量に比例した使用可能時間といった感じです。
なんといっていも「軽い」ので重さを1グラムでも気にする用途(ミニ四駆レース)ではなかなか重宝すると好評です。
容量が小さいので自己放電も少なく、充電してからしばらく載せっぱなしの自転車ライト等でも結構使える良い充電地です。
なにより、自転車ライトは駐輪場などでの盗難の可能性が高いので、この電池なら盗られても420円の損で済みます(笑)
お返事 2006/10/4
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