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![]() 市販LEDライトのランタイム測定 * 一部のグラフのLv数値表示がズレていた物を修正 2007/01/09
* オーム電機SR-05B/10B/30Bを追加 2007/01/16
* グラフの縦軸をLvからLUXに変更 2007/01/16
* DOP-011MGの単3リチウム電池使用グラフを追加 2007/01/18
* 光学特性・指向性グラフを追加 2007/01/19
* SR-30Bのコンバータ基板情報を追加 2007/01/20
* GENTOS SF-133/GT-10AZを追加 2007/01/25
* GENTOS SF-133/GT-10AZのグラフを完全版に 2007/01/28
* GENTOS GT-10AZとSF-133の比較グラフを追加 2007/02/25
市販のLEDライトも強力な1Wや3W、それ以上のものまでが手軽に入手できるようになりました。
5mmLEDを1灯〜数灯のLEDライトからかなり色々購入していますが、やはり1W以上の高出力LEDを使ったライトは明るく頼もしく感じます。 しかしLEDライトには使用LEDのW数や電池の本数などが違うものがたくさん販売されていて、どれを買ったら良いのかに迷ってしまいます。 一本で1万円を越えるような高価なものから1〜3千円で買えるものまで値段も様々です。 私は貧乏生活一直線なので万円単位の高級なライトは買えませんが、2〜3千円のライトなら誘惑に負けて次々と購入してしまっています。 ライトを使用する上で価格や明るさ以外にもう1つ重要な選択ポイントがあります。それはランタイムです。 いくら明るくても電池をバカ食いして短時間しか使用できず、電池代で家が建つようでは話しになりません。 明るいということは消費電流も大きく、電池が長く持たないのは仕方ないですが、それがどのくらいなのか非常に気になります。 実際に山などで使用するのにどれくらい使えて、予備電池はどのくらい用意しなければならないかを予め知っておけば、実使用の際の役に立ちますよね。 そういうことで、今回のランタイム測定を実施することにしたわけです。 [2007/1/16 更新内容について] ● 新ライト オーム電機から発売されたSR-05B/SR-10B/SR-30Bもリストに追加しました。 ● 一部照射写真の追加 いくつかのライトで照射写真を追加しています。 ● グラフの差し替えについて 昨年末にルクスメーターを購入し、実験に使用した照度計の出力電圧をルクス値に対応させるデータが取れましたので、各ライトの測定値をLv(出力電圧)値からLUX(ルクス)値に変換できるようになりました。 人間の視覚による明るさの感覚に似たグラフを出力していましたが、より一般的な照度(ルクス)での値に変更しましたので暗くなってゆくカーブが従来表記と異なります。 グラフの縦軸は各ライトにより最大照度の数値が異なります。照度に関係無く100%〜0%でグラフを描くランタイムグラフに似たものとするためです。別のライトのグラフ同士を比較する際はご注意ください。(横軸の時間もライトにより異なります) また各測定はスポット中心の最も明るい部分での測定です。照射パターンにより人間の目で見えるライト全体の明るさとは異なる場合があります。ライト毎に説明を加えているものもあります。 Lv表記からLux表記に変わったことにより、一部本文の記述も変更しています。 ルクス表記に変わっても、測定したランタイムには変わりはありません。 [2007/1/19 更新内容について] ● 光学特性グラフについて 回転角度を電圧で出力する回転台(ターンテーブル)を作成しました。照度計のデータと共にPCで記録することで角度・照度の相関関係(放射パターン)を測定できます。 測定結果を指向性グラフとしてまとめましたので、照射写真よりも各ライトの光学系の特性が比較しやすくなりました。 また指向性グラフに対して中心照度や任意の照度を乗算することでライトのスポット部や周辺部の「明るさ」が数値的に比較できます。ライトの放射するエネルギー全体はそれらを積分することで計算できます。本ページでは数値では掲載致しませんが、明るさが気になる方はご自分で計算してみてください。 [ここまで]
さて、前置きはこのくらいにして、今回実際にランタイムを測定したライトの一覧です。 DOP-013BK/DOP-014BK/SR-05B/SR-10B/SR-30B/GT-10AZは2006年11月頃に発売されたばかりの最新型です。 うちの近所にはこういった高出力LEDライトの品揃えの豊富な店が少なく、3W以上なんてほとんど売っていない状態ですので、ホームセンター等で手軽に購入できるこういったラインナップとなります。 2〜3千円で安価に購入できる範囲というのもありますが・・・ 最後の「100LED FLASHLIGHT」は以前からどうしても欲しかったのですが、なかなか購入に踏み切れなかった物を今回のテスト用に思い切って購入しました。実に・・・色々な意味で凄いです!(笑) 単3電池使用ライトのテストで使用した単3電池はこちらです。(価格順)
※ 価格は量販店での購入時価格です、店舗により異なる場合があります。
![]() ELPAの2006年11月発売モデル、DOP-013BKです。 1AAAと非常に小さなライトですが1W-LED(Luxeon)と強力な光源となっています。 ![]() スイッチは本体をネジって締め込めば点灯、緩めれば消灯です。 カラーコードはBKで、シックなマットブラック仕上げとなっています。 ![]() ![]() 照射パターンは中心の高輝度部分が無い平坦で比較的ワイドになっています。 LEDの色はLuxeonらしい、ちょっと黄緑かかった白です。 光学系はリフレクタの為、中央の明るく見えるスポット以外の部分もLEDからの直接光がかなりワイドな部分まで照らし、周囲を確認しやすくなっています。 ムーンレンズほどではありませんが、スポットの円内はほぼ均等な明るさで対象物がたいへん見やすくなっています。 写真ではモニターの状態により真ん中の円形に明るい部分しか見えない場合がありますが、実際に人間の目には写真に写っているエリア全部が明るく見えます。 車の中で地図を照らしたり、キャンプのテントで本を読むなど、至近距離で使用するには他のライトのようにスポット中心に光が集中して一点だけが眩しいのではなく、均等な明るさで円を描くように照らせるのは非常に好印象です。 単4電池一本という軽さと小ささを武器に、小型軽量で手元から少し遠くまで照らす事を目的としたライトです。 さてそれでは本題のランタイムテストの結果です。 使用した単4電池はこちらです。(単3電池とラインナップが違います)
※ 価格は量販店での購入時価格です、店舗により異なる場合があります。
測定グラフはこのようになりました。※ ライトと測定器の距離40cm ▼グラフをクリックすると拡大表示
いつものようにLV計(照度を電圧で出力)とデータロガーを接続してPCで明るさを測定しています。 単4アルカリ電池一本で約40〜50分。ニッケル水素電池(900mAh)で1時間強の連続点灯ができます。 メーカー公称値が「30分」ですから各電池でじゅうぶんな点灯時間です。 ※ 買って来た箱には緒元表の所にシールが貼ってあり、連続点灯時間が1時間から30分に訂正されていました。うーむ。 単4オキシライド電池もテストに追加しました。(2007/1) DOP-013BKの消費電流では大電流に強い単4オキシライドの特性が発揮できていないようです。普通のアルカリと同じようなグラフになりました。 このライトはDC-DCコンバータを使用して電池一本で1W-LEDを点灯させています。 電池一本からだとかなりの電流を取り出さなければなりませんので、アルカリ単四電池ではかなりのパワーを短時間で消費する事になります。 ニッケル水素電池のような高出力対応の電池のほうが長時間の使用に耐えられて、安定した明るさを得ることができます。 その割にはオキシライド電池の能力が引き出せていないのは謎です・・・。 配光は中心スポットが広くスポット内の明るさは比較的均等です。中心部だけが特に明るいほかのライトと比べるとスポット中央で測定しているルクス値は小さくなります。 ![]() DOP-013BKがあまりに小さくてカワイイので、思わずDOP-014BKの中に入れてしまいました(笑) 本体の太さは単三電池より細いです! さすがに長さは単三電池より長いのでキャップは閉まりませんけど・・・ ところで、DOP-013BKを購入された方で、同梱のネックストラップの紐をちゃんとキャップ部の「穴」に通せた方はいらっしゃいますか? どう見ても紐2本の直径より穴のほうが小さくて物理的に通らないのですが・・・
![]() ELPAの2006年11月発売モデル、DOP-014BKです。 1AAタイプの1Wライトも各社から出揃って、そろそろユーザーの品定めの目が厳しくなってきたように思います。 そんな中でELPAも満を持して1W1AAタイプを投入といった感じです。 光源はLuxeon 1Wと定番LEDを使用しています。 スイッチはテールプッシュタイプ。何か物に当たってスイッチが入ってしまうようなトラブルの心配の無いくらいの深いストロークです。 カラーコードはBKで、シックなマットブラック仕上げとなっています。手触りもスベらずに安定感があります。 本体にはベルトやポケットに固定するクリップが最初から付いています。(私は必要無いのですが…ゴリゴリ外そうとすると本体にキズが付きそうでいや〜んな感じです) ![]() ![]() 照射パターンは、中央に高輝度部分のある2段階スポットでやや狭い目。 リフレクタに少しムラがあるのか、目ではほとんど確認できませんが照度を測るとわずかに落ち込む所がありました。(この水平角度の所だけ、ライトを回転させると消えます) LEDの色はLuxeonらしい、ちょっと黄緑かかった白です。 中央の高輝度部分があるために20〜30メートル先を照らしても十分目標を視認できるだけの遠射能力があります。(見え方には個人差はあると思います) また光学系はリフレクタなのでLED直接光がワイドに出ていますので、中央スポットだけではなく周囲まで明るく照らし、室内や廊下、ちょっとした散歩であれば前方を照らしつつ足元までじゅうぶんに見える安心感があります。 写真の室内では壁面一面に何があるか程度までが見渡せます。 地図を見るには中央のスポットが明るすぎて周辺とのコントラストが高すぎて多少見づらいです。 ![]() LED単体の明るさはどちらも同じで、リフレクタの設計の違いで照射パターンが異なります。 2つのライトの性格付けがはっきりとわかりますね。 DOP-014BKに単4電池を単3アダプタに入れて使用してみたところ、DOP-013BKと全く同じランタイムでした。 結果、この2機種はLEDもDC-DCコンバータも同じ物を使用していることが確認できました。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
新品アルカリ電池で約1時間40〜45分、連続点灯可能でした。 公称値「1時間30分」ですからほぼ公称値通りです。 ニッケル水素電池(2500mAh)では3時間以上連続使用できました。 このライトもDC-DCコンバータを使用していますので、長時間使用にはアルカリ電池より大電流に強いニッケル水素電池が適しているようです。 しかし前半の明るさはアルカリ電池のほうが勝っているようですので、消費電流は絶対にニッケル水素電池を必要とするような大電量ではなく、アルカリ電池でもそこそこ電流供給をしてやれるくらいといったところでしょうか。 分解してDCコンバータの性能テストをしていないので詳しい部分は未確認です。
![]() ELPAの「定番商品」になりつつあるDOP-011MGです。(シルバーのSLもあります) 2AAタイプで握りやすいボディの長さがあり(デザインについては賛否両論ですが…)、DC-DCコンバータ使用で明るさを一定に保つ機能も便利です。 光源はLuxeon 1Wと定番LEDを使用しています。 スイッチはテール部をネジ込んでON、緩めてOFF。少し緩めた状態ではプッシュONも可能です。 ライトとして定番のシルバー(SL)と,マット加工されたマットグレー(MG)があり私はシルバーよりはグレーが好きなのでMGを購入しています。(マットグレーと言うよりマットグリーンに見えるのですが・・・) ヘッドに深く刻まれている5つの「くぼみ」はテーブル等に置いた時に転がってしまうのを防止するのに良いのですが、エッジが立っているので素手で握ると少し痛いです。 お尻にゆくほど太くなっている本体は、見た目はちょっとアレですが実際に握ると掌にフィットしてなかなか安定したグリップ感があり、慣れるとこれほど握りやすいライトは無いと思えるほどです。 ![]() ![]() 照射パターンは、中央に高輝度部分のある2段階スポットでやや狭い目。 LEDの色はLuxeonらしい、ちょっと黄緑かかった白です。 ![]() また光学系はリフレクタなのでLED直接光がワイドに出ていますので、右の写真のように周辺光は均一な明るさで周囲まで照らし、室内や廊下、ちょっとした散歩であれば前方を照らしつつ足元までじゅうぶんに見える安心感があります。 上の写真の室内では壁面一面に何があるか程度までが見渡せます。 地図を見るには中央のスポットが明るすぎて周辺とのコントラストが高すぎて多少見づらいです。 ![]() やはり電源が2AAで余裕があるのと、1AAでギリギリの差でしょうか。この点でも大きさに拘らないなら店頭価格で約1000円安くて明るいDOP-011はアドバンテージが高いです。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
新品アルカリ電池で約3時間半〜4時間半、連続点灯可能でした。 公称値「5時間」です・・・・あれ? これくらいの時間になると電池によりランタイムに差が出てきます。 ニッケル水素電池(2500mAh)では6時間近く連続使用できました。 アルカリ電池の1.5倍ほど長く使えます。 ※ DOP-011MG+単3リチウム電池のランタイムグラフは■いんたーみっしょんに掲載しました
オキシライド電池はその威力を発揮して明るく点灯していますが、大電流を消費してしまい短命となっています。(しかし目で見た明るさにはあまり差はありませんでした) オキシライド電池とアルカリ赤電池のグラフを比べると、Panasonicの電池の特性の違いのお手本のような線となっています。 高出力で寿命が短い物と、普通の出力で寿命が長いもの、そして両者のグラフの「面積」をみるとほぼ同一なのがわかります。これは電池から取り出せるエネルギー(容量)がほぼ同一なのを示しています。 オキシライド電池は「高性能」ではありますが「高容量」ではありません。大電流を流す力があって必要に応じて大電流で使用できますが、そうするとエネルギーは早く放出してしまって短い寿命になります。 またDOP-013BKや014BKのグラフのように、特に大電流が必要でない場合は普通のアルカリ電池とほとんど変わらない性能ということになります。 オキシライド電池は何に使っても高性能な電池では無く、オキシライド電池がその性能を発揮できる機器で使用するのが良いでしょう。
![]() GENTOSの「SuperFire スーパーファイア」シリーズの中の1W/2AAタイプです。 あまりに定番中の定番ライトで、性能等については既に語り尽くされた感もありますが・・・ 外見はボルトとかナットを思わせるシルバーの凹凸に富んだデザインです。 ヘッド周囲の6ヶ所が窪んだリングは置いた時に転がり防止になると共に単調になりがちなヘッド部に目立つアクセントとなっています。また放熱板の役割も果たすヘッドまわりの容積を増してより放熱効率を高くしているのかもしれません。 ボディの大半の部分は滑り止めにメッシュ加工されていますが、彫りが浅いので非常に滑らかです。前のほうに一箇所、後ろに2箇所ある「くぼみ」は握った時に丁度指が引っかかる位置に加工されていて絶妙の握り具合となっています。銘板にもなっている大きな平面部も握った時にちょうど指でホールドできる位置にあります。 購入前には「ちょっと細長すぎるかな?」と思っていましたが、この指の引っかかる「くぼみ」と少し重い目の本体のおかげでバランス良く取り回しができます。 美しいシルバーボティと十分に重量感を感じる重さ、高級感という意味では値段以上の満足感があるかもしれません。 スイッチはテールプッシュタイプでちょっと重い目、半押し状態での一時点灯も可能ですが、ちょっと指が疲れます。 ![]() ![]() ![]() コリメータレンズでLEDのほとんどの光を中心部に集めていますが、スポットが広い目なので室内使用でもかなりの範囲を照らすことができます。 地図を見る際にも広く明るく照らせます。 コリメータ特有の何重かのリングが見えるという事はほとんど無く、中央に特に明るい部分、そしてその周囲に少し明るい二番目のリングまでが明るい部分になっています。 ![]() 3mで襖を照らした場合はどちらのライトも中央スポットが丁度襖一枚ぶんくらいの広さを照らしています。 スポット部の明るさは見た目ではあまり変わりません。 今回購入したSF-133はかなり白い色でした。DOP-011MGの黄緑色とかなり違います。(個体によります) ![]() SF-133がスポット部分しか明るく無いのに対してDOP-011MGはリフレクタ型の為に周辺光も豊富に出ています。 SF-133はスポット部を中心に見るライト、DOP-011MGは室内程度なら壁一面まで見渡せるライトです。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
公称値「2時間」です。 アルカリ電池でほぼ公称時間以上は点灯しています。NiMH2500では倍の約5時間も点灯しています。 SF-133の凄いところは、点灯開始から消灯してしまうまでの間、アルカリ電池でもほぼ一定の明るさを保っていることです。 アルカリ電池は使用中にどんどん電圧が下がって行く放電特性の電池です。ですので明るさ(LEDにかける電圧)が電池電圧に依存するDC-DCコンバータでは電池が減ってきたらライトの明るさも下がってゆきます。 多くのライトがそのような暗くなってゆくタイプのDC-DCコンバータなのに対して、SF-133は電池電圧が下がってもほぼ一定の電圧(電流)でLEDをドライブできる高性能な回路が使用されています。(反面、ランタイムは短いですが) ![]() コンバータはEA1208TをコントローラICに使用した定電流型チョッパ式コンバータで、EA1208Tの電源は昇圧後出力から取る低圧動作対応の回路となっています。起動は1.1V程度以上、一旦起動してしまえば0.8Vを割ってもなんとか点灯しています。Luxeonを明るく点灯させるには約1.2V以上で安定するというなかなかの高性能コンバータになっています。 ※ 一昔前のSF-133とは基板が変わっていますが回路・性能は同じようです。
※ 3Vを越えるとまた電流が増えます。3V以上での使用は控えたほうが良さそうです。
電圧が低くなると消費電流が大きくなりますが、アルカリ電池は電圧が下がると電流供給能力も下がります。ですので一定の電圧より下がると一気に電池は電力を供給できなくなり1.2V未満に落ち込みます。徐々に暗くなるのではなくストンと暗くなります。その後は非常に微弱ですが電池2本の電圧が0.8V未満になってもぼ〜っと暗くLEDは光っています。
![]() GENTOSのPATRIO パトリオシリーズの1W/2AAライト「PATRIO PRO パトリオ・プロ」(通称パトプロ)です。(パトプロの中でも2006年末に発売された新型です) SuperFire スーパーファイアシリーズが同社のLEDライトの中心ラインナップなのに対して、PATRIO パトリオシリーズは廉価版の普及機という位置付けのようです。 作りはハッギリ言って中国製だということを感じさせる物になっていますが、実売2千円以下という買いやすいライトです。 「機能・明るさはそのままで、徹底的に『ムダ』を省いた!実力重視のシンプル設計!」という宣伝文句のライトです。 ![]() ヘッドはマグライト風のシンプルな形、ボディも軽くて薄いアルミ筒でほぼ全体にメッシュ加工をしただけ。確かに『ムダ』を省いています。 しかしこのボディのメッシュ加工が粗く切削角がトゲトゲしていて素手で握るとチクチクして皮膚が痛くなります。なんとかなりませんかGENTOSさん…。 ヘッドやボディのアルミが薄く軽量化されている為、「ちょっとポケットに入れて」程度の持ち歩きにも軽くて便利です。カバンに常に入れておくにも良いでしょう。 スイッチはSF-133と同じテールプッシュスイッチで半押しでの一時点灯も可能です。但し両機共に少し押し込んだ状態で半押し点灯になりますのでカバンの中で何か物が当たって半押し点灯になったり、そのまま十分に押されてスイッチが入りっぱなしになる可能性があります。かなり堅い目なので誤動作は少ないとは思いますが、この程度の堅さでは実際にカバンの中でONになっていた事もあるので注意に越した事はありません。(DOP-011のようにテールを回してロックアウトできれば…) ゴツゴツしてメカっぽいSF-133はマニア品みたいでちょっと・・・という一般の方や女性の方でも安心して使用できる無難なデザインでもあります。 ホームセンターでよく売っている3〜6灯くらいの3AA多灯ライトとデザインがほとんど変わらないので、そういうライトを持っている人に見せて1Wの明るさで驚かせるのにも使えますね(^^; 似ていると書きましたが、2AAの割には中のコンバータ基板が縦長に収納されているのとテールプッシュスイッチに厚みがあるのが原因で、本体の長さは3AAライトより少し短いくらいで2AAっぽくありません。ここは多少残念なところです。 ![]() 今回テストした物は2006年末に新発売されたGT-10AZです。 従来のパトプロと言えばGT-10AAという型番で、見た目やパッケージの雰囲気は変わりありませんが「実用点灯時間10時間、但し…2時間」という昔のSF-133と同じ使用時間表記でした。 それもそのはず、分解するとコリメータレンズ、LEDとDC-DCコンバータ基板はSF-133もGT-10AAも全く同じ物が使われていて、部品の流用で製造コストを下げていたのは明白です。(『ムダ』を省いたということはこういう事ですね) ですからそれを知っている人は「SF-133の性能を安いGT-10AAで入手できる!」とSF-133の廉価版として購入する傾向にありました。 しかしいつのまにかパトプロは製造中止(終了)。店頭からも姿を消していました。 SF-133は継続して販売されていましたので、特に不便は無かったと思うのですが、2006年末にひっそりとGT-10AZ型番のパトプロが店頭に並び始めたのです。 自分はランタイムテストをしているような人間ですから、パッケージの使用時間表記にまず目が行きます。 実用点灯時間8時間
なにっ、8時間!?以前の実用点灯時間10時間でも無く、本当の点灯時間の2時間でも無く8時間? これは買って試してみるしかない! と思っていましたが年末年始にかけてはオーム電機のSRシリーズの購入とテスト等でGT-10AZは後回しにしてしまっていたのでした。 「パトプロ8時間の謎」に迫るまで長かった…。 この前置き文章も長かった… ![]() ![]() ![]() 新型になりましたがレンズやLuxeonはSF-133と変わりありませんでした。 指向性グラフもほとんど変わりなし。 下の3m写真では少しわかりますが、遠方を照射すると中央のスポットは四角いです。レンズの集光でLEDチップの四角い形が投影されています。 気になったのでSF-133もじっくり見てみましたが同じく四角いスポットで周辺部の対角に2本、少しワイヤーの影か見えました。 ![]() SF-133との比較です。 同じLED、同じレンズ…なので見た目の照らし方は同じです。(明るさも) SF-133がかなり青白い色だったのに対してGT-10AAのLuxeonは少し黄緑がかった色でした。特にどちらの機種がどの色という事では無く、ほぼ個体差の範囲内の差だと思います。 ![]() DOP-011MGのほうがスポット中心部が狭く、GT-10AZのほうが広いのがわかります。 周辺光が届かずスポット部分だけで照らす中距離までならGT-10AZのほうが明るいでしょう。 遠方へはDOP-011MGの明るい中心光のほうが届きそうです。 ![]() GT-10AZは(少し広い目の)スポット部だけが明るく、DOP-011MGは周辺光がかなりの明るさなのがわかります。 室内使用ではGT-10AZよりDOP-011MGのほうが部屋中を照らせて安心感があります。 室内使用なら、GT-10AZでも発光している光の総量は同じくらいですので、壁や天井の反射光で室内全体が少し明るくなりますから特に暗いといった感じはありません。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
あらあらあら、SF-133や旧パトプロ(GT-10AA)と全く違い、電池の消耗につれて明るさも下がる一般的なライトになっています。 これは旧パトプロのようにSF-133と同じ最高輝度を維持する高性能DC-DCコンバータを使用しているのではなくなってしまったようです。 ![]() ヘッドにはしっかり型番までプリントされていますが… ネットで検索してみると、いち早くGT-10AZを販売しているネット通販ページで
スペック表記が旧GT-10AAのままというおマヌケなページをみつけました… GENTOS直販でも無い限り、ただの販売店だとこんな感じでしょう ランタイムの公称値「8時間」です。 アルカリ電池では平均6時間程度点灯していますが、やはりSF-133以上または同程度の明るさを維持しているのは約1〜2時間で、それ以降は暗くなってゆきます。しかしアルカリ電池で約6時間の1Wライトというとかなりのロングライフです。 NiMH2500ではSF-133と同程度の明るさで約7時間点灯していますので、SF-133より約2時間長く使用することができます。 本体価格が2千円以内、アルカリ電池2本で約6時間点灯という、一般家庭向けや、LEDライトを初めて買う人にはコストパフォーマンスの良いライトです。 同一価格帯で1W/2AA、ポーチやストラップといった付属品も同じようについたELPAのDOP-011MG/SLとほぼ同じくらいですので、ワイドな周辺光が好きならDOP-011、スポットぎみ(但し結構広い)が好きならGT-10AZがお勧めです。 ![]() SF-133タイプと見た目はほとんど同じですが、アルミ基板を通る配線に耐熱チューブが被せてあったり、回路基板側にもケーブル通し穴が開けられて配線をそこに通して組み立て時等に力がかかった際にハンダ付け部が破損しにくいような設計になっていて、随所に職人技が光ります。 昇圧回路はトランジスタ2石ながらブロッキング発振ではなくIC制御のチョッパ型に近い新しい回路になっています。回路図を書いていて「なーるほど!アナログでこういう動きに出来るのか!」と思ってしまいました。発振周波数は実測で40KHz程度以上でした。 出力は平滑せず昇圧パルス電圧をそのままLEDにかけていて。パルス方式です。 パルスでドライブする事で効率を上げてロングライフを実現しているようです。 暗くなってゆく際はデューティ比が下がってゆきます。少しですが電圧も下がるので両方の衰弱で輝度が落ちて行きます。 SF-133タイプのDC-DCコンバータだと、高輝度からガクっと暗くなった後もぼ〜っと長時間光りますが、GT-10AZはガクッと暗くなるとすぐに完全に消灯してしまいぼ〜っと光り続けることはありません。 DC-DCコンバータの性能テストをしていると約3.1V以上で発振がロックしました。 ロックすると不幸なことにコイルに磁束をチャージする為に電流を流しっぱなしの状態(ほぼショートしている状態)になりますので、数秒でチャージスイッチ用のトランジスタが過熱して煙が上がります。 多分そのままあと数秒もすればトランジスタが焼けて壊れてしまったでしょう。 改造をする、または特別な高電圧電池を使用した場合はGT-10AZはDC-DCコンバータが焼損してしまう可能性があります。 普通に単3アルカリ乾電池を使用していれば、これくらいの消費電流の負荷接続時に3Vを超えることは無いのでこんなことにはなりませんが、何かMODされようとする方はご注意ください。(改造する場合はオシロスコープ等でコントロール信号部分の観測を行うと動作がよくわかりますので、限界点を超えないよう注意しましょう) GT−10AZとSF−133の比較です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
旧型のGT-10AA(SF-133と同じコンバータを使用)と新型GT-10AZの比較と言っても良いでしょう。2時間時点までは新型のほうが明るいか互角のようです。 つまり旧型のランタイムである2時間までを見た場合、冒頭の明るさなどが増している為に性能は良くなっているということになります。 その後アルカリ電池では旧型(SF-133)はストンと消灯してしまって役に立たなくなりますが、新型は6時間程度までゆっくりと暗くなってゆきますので長時間の使用ができます。 ニッケル水素電池でも旧型(SF-133)が消灯してしまう5時間までほぼ互角の明るさを保っていて、その後も7時間すぎまで点灯しているのは「改良」されたと言ってよいでしょう。 旧型(SF-133)のニッケル水素電池のグラフではっきり見られるように、点灯開始から消灯するまでズバッ!と一直線に同じ明るさを維持するのもひとつの魅力ですが、ほぼそれに近い状態を維持しながらランタイムを伸ばしているのは利用者にとっては嬉しい改良でしょう。
![]() GENTOSから発売されている日亜の0.5W-LED「Rigel」(リゲル)を使用した1AAライトGTR-031Tです。 同シリーズに2AAタイプのGTR-032Tもありますが、既に2AAではDOP-011MGを持っていたので1AAタイプのGTR-031Tのほうを購入しました。 1WではLuxeon使用ライトは既に持っているので、「省電力で明るい」と評判の0.5Wのリゲルに興味があり購入したというのも理由の1つです。 スイッチはテールプッシュスイッチです。 1AAサイズと小さいのですが、全体的にデコボコと突起の多いボディとテールキャップで滑ることはありません。また重量もそれにりにあり安定感はあります。 足元に落としてキズがついても壊れることは無いと思えるくらい堅牢な感じです。 ![]() ![]() ![]() 照射パターンは、中央に高輝度部分のあるやや狭いスポットです。 光学系は特殊コリメータレンズでLEDの光のほとんどを中央のスポットに集めています。周辺への汚い漏れがありません。 そのため周辺光がほとんど無く、スポット以外は弱く照らす事も困難です。 ですので真の闇で使うと中心部の明るい部分に目の感度が合ってしまうと、足元や周囲が見えなくなりちょっと不便です。山道などでは危険かもしれません。 LEDの色はほぼ真っ白で、今まで見た高出力LEDの中では最も「白」と言っていいほど綺麗な白です。 この純白の色味とレンズ集光でスポット中央は他の1Wクラスのライトと同列に語れる明るさに見えますが、周辺光まで含めたトータルバランスではかなり暗い、0.5Wなりのライトです。 ![]() 中心の明るい部分だけではなく、周囲まで照らせているかどうかの差もよくわかると思います。 0.5Wと1Wなので明らかに差があるのは当然ですが、1500円前後のGTR-031Tと1980円のDOP-011MG、どちらも普及価格帯で手軽に買えるライトなので明るさを取るか、小ささと電池一本で7時間のランタイムを取るか、購入者の使用目的や希望によって迷うところになると思います。 DOP-011MGよりほんの少し暗いだけで1AAサイズとなるとDOP-014BKという事になるのですが、1AAでランタイム1.5時間はGTR-031Tの7時間を見てしまうとかなり悩み所になりますね。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
新品アルカリ電池で約7時間〜10時間、連続点灯可能でした。 公称値は「8時間」です。 アルカリ電池のいくつかとニッケル水素電池は7時間強で終了しています。 ニッケル水素電池の大電流対応とアルカリ電池の性能がちょうど均衡する程度の消費電流のようです。 QQ電池は初期の明るさが少し他の電池より弱いですが、そのぶんスタミナを温存して長時間点灯になっています。 DC-DCコンバータ使用のライトにしては、明るさがダラダラと下がってゆくのは非常に気になります。気になったのでDC-DCコンバータの調査を行いました (ELPAの1AAタイプDOP-013BKでも同じような大きな垂れ下がり型ですが、あちらは単4電池なのでパワー不足だと思っていましたが…) ![]() DC-DCコンバータ回路は2石のブロッキング発振回路です。 一部のパターンがコイルを固定する接着剤で隠れていて、定電圧回路か定電流回路かどちらの設計なのかまで調べられませんでした。
※ LED電流は、基板上のLEDの制限抵抗0.1Ωの両端電圧で測定しています。
定電圧/定電流どちらの回路になっているにしても、電池一本の1.5V未満では安定化させられないような感じで、電池電圧が下がればそれにつれて出力電圧も下がる、あまり安定化はされていないコンバータのようです。 リゲルを駆動するには電源電圧が1.2Vの時が適正に設計されているようです。 1.3V以上では過電流(オーバードライブ)になりますので、改造して電池2本駆動などは厳禁です。 アルカリ電池使用で、新品を入れた瞬間は1.4V程度で電流も800mA強流れています。その時点ではリゲルには700mW程度電力を食わせていますので定格よりやや明るく光っています。 アルカリ電池ではじきに1.1〜1.2V程度以下に下がるのでほぼリゲルの定格電流150mA前後になり適正な明るさで光らせます。 ニッケル水素電池では約1.2Vの均一な電圧で長時間点灯させることができ、その際のリゲルに流れる電流は定格の150mAにかなり近い値を維持しますので、ニッケル水素電池ではリゲル本来の明るさで最初から最後まで使用できます。 オキシライド電池では、初期には約1.5Vを供給していて約1A近い電流を放出しています。リゲルにはなんと定格の2倍の300mA近くくらいを流していますので、これはLEDの寿命を縮めることになりそうです。 コンバータの変換効率を見ても、電源電圧が高いほど効率が悪くなるというあまり好ましくない性能ですので、特にオキシライド電池を使用する意味がありません。 明るさ的には300mAドライブしてもほんの少し明るくなる程度です。 定電圧/定電流いずれかの制御で、電源電圧が1V程度から上で安定化するコンバータであればオキシライド電池でもこのような2倍近くのオーバードライブにならずにちゃんと定格近くで運用できるはずなのですが、そういうコンバータで無いことが残念です。 同シリーズで2AAのGTR-032Tがありますが、2AAタイプもあるからGTR-031Tに電池を2本繋げばちゃんとコンバータが安全ドライブしてくれて電池2本ぶんの長時間運用が可能・・・というわけにはゆかないようです。 販売価格1500円程度のライトに高性能コンバータを求めるのは無理ですね。
![]() オーム電機から0.5W/1W/3Wの三種類の新型ライトがリリースされました。 その中のNICHIA RIGEL (0.5W)使用の1AAライトSR-05Bです。 ケイヨーD2で正月期間特価(?)の998円で購入しました。ふだんは1300円台後半くらいで販売されているようです。 スイッチはテールプッシュスイッチです。(半押し点灯は不可) RIGEL使用ライトはGENTOSのGTR-031Tを持っていましたが、リフレクタ仕様だということで期待の配光ではないかと思い購入しました。 ![]() 中の基板はボディにしっかりとは固定されておらず、ヘッドを緩めるとグラグラします。 遊びが多いのでLEDがリフレクタの中心に無いのもが多いです。店頭で見たらほとんどが中心からズレていました。 ズレているとスポット光が楕円形になりますので、何度かヘッドを締め直して真ん中に来るように直します。基板もリフレクタも両方に遊びがあるのでなかなか思うような位置に来ないのは困りものです。 (透明カバーが汚れていたのは気になりますが…) 使用感は、GTR-031Tが実はボディ部分が微妙に短くて握った時にホールド感が悪かった(指一本ぶん短い)のですが、SR-05Bは丁度掌の大きさと同じ長さのボディ長でしっくりきます。(個人差はありますが) ボディのほぼ全体に施されたメッシュ加工もすべり止めとしてはかなり感触が良く、大きな凹凸も少ないため滑らかでしっかりと握れます。 ヘッドに付けられた6角形の枠(?)は置いた時に転がり防止に役立ちます。 しかしヘッドの先端に「衝撃防止?」の為かゴム製のOリングが付いています。普通はこんなの付けません。ポケットに入れておくとこのゴムリングに細かな糸くずやホコリが吸い付いてかなりモサモサになります。黒いボディとゴムに白いホコリがいっぱい付いて不潔な感じになります。外してしまっても良いのですが今度は謎の溝になってしまってイマイチです。 ![]() ![]() ![]() 遠くまで照らすスポットと足元や周辺を見るのに便利な周辺光のバランスの良いライトです。 同じ1AAでRIGEL使用のGTR-031Tがコリメータレンズ使用で周辺光が弱く不便に思っていたのですが、SR-05Bは屋内用や散歩用ライトとして光は強くありませんが便利に使える配光となっています。 ![]() 同じNICHIA RIGEL同士で雰囲気は似ていますが、SR-05Bはリフレクタで中央スポット以外も均一に照らし、GTR-031Tはコリメータレンズで中心部付近にだけ光を集めています。 DCコンバータの違いでSR-05Bのほうが発光量が少ないようです。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
アルカリ電池ではかなりダラダラと暗くなってゆく感じのグラフです。 公称「連続点灯時間10時間」です。 同じリゲル/1AAのGTR-031Tが約600LUXまで8時間程度点灯していたのに対して、平均5時間程度と少し短めです。 しかも電池による格差がかなり大きく、定格の半分くらいしか持たない場合もあるのはかなり悲しいです。 オキシライド電池が約1時間まで一定の明るさを保っています。 これは下記のDCコンバータの解析で明らかになるのですが、オキシライド電池の初期の電圧の高さくらいで出力が安定するDCコンバータを使用しているからです。 ![]() リゲルはエミッタパーツが基板に直付けで、銅箔パターンが広くレイアウトされていて放熱板の役割を果たしています。 DC-DCコンバータ回路はもっと分解しないと見えませんので回路図については未確認です。
このDC-DCコンバータは約1.4V以上の入力で出力が安定します。 1.4V以上ではリゲルを約0.5Wでドライブできます。 しかしながら、アルカリ電池を使用した場合はすぐに約1.2V程度まで下がりますので、最も長い時間点灯してるスパンでは約0.3W強程度の明るさしか発していないことが見て取れます。 オキシライド電池は初期電圧が高く、大電流を流しても暫くは高い電圧を維持しますので、このDCコンバータの安定電圧を約1時間は維持しているようです。 ニッケル水素電池を使用すると約1.1〜1.2V入力の時の出力電圧で0.3〜.4Wでリゲルを点灯させています。 GTR−031Tが約1.2V時に定格の約0.5W出力なのに対して、SR−05Bはリゲルを多少アンダードライブぎみで発光させているようです。(見た目も暗いです) このまま電源電圧を上げてゆくと3V程度までは使用できそうですが、もっと分解しないと回路が見えないので使用部品や回路設計上の耐圧が何Vかわかりませんのでテストは2Vまでとしました。
![]() 0.5WのSR-05Bの兄貴分(?)にあたる1W/1AAライトです。 LEDにはLuxeon 1Wを使用し、光学系はコリメータレンズ仕様となっています。 同じ1AAライトで電池を収めるボディは単3電池一本が入るサイズで各種共通かと思いきや、ヘッド・ボディ・テールキャップと3点パーツ全てが違う設計でした。 握り心地はSR-05Bよりわずかにボディが短いので、GTR-031Tと同じく指が一本ほど余ってしまい少し不安定感があります。 ヘッドの転がり防止部は大きなリングを6箇所窪ませたようなデザインで、DOP-011MGと同じような削り出し風ですが、溝が浅いですし指に当たらない場所なので全く問題は無いです。 ![]() ![]() ![]() 中央スポットは非常に明るいのですが、そこから少し逸れると暗い周辺光になります。 周辺光の外側にゆくに従って何本かの明暗の線が現われます。まるで土星の輪です。 輪のせいでよけいに周辺光が暗く見えてしまい、スポット光で遠くや近くのごく一部を照らす以外には室内用途ではあまり使いたくない配光です。 周辺光の届かない15〜20メートル程度を照らすにはスポット光は強力です。 ![]() 0.5Wと1Wの差ははっきりと見て取れます。 またRIGELの白い色とLuxeonの少し黄緑がかった色の違いもあります。 ※ カメラのオートホワイトバランスの関係で、SR-10Bの色が少し黄色が強く写っています。実際は1つ下の写真のようなかなり白に近い色です。 ![]() コリメータレンズの使用で周辺光を押さえ、なるべく多くの光を中心部のスポットに集めているのでLuxeonをアンダードライブしていてもスポット光は見た目はそれほど暗くは感じないかもしれません。 (DOP-011MGの圧倒的な明るさの前には肉眼でもはっきり暗く映ってしまいますが) リフレクタ仕様の他ライトと比べると中央スポット以外を照らす光は弱く、また独特のダークリング・土星の輪のせいで余計に周辺が暗く見えます。 (実際に発光量が少なくて暗いんですけど…) ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
公称「連続点灯時間6時間」です。 残念ながら、どの電池も公称時間まで明るく点灯させることはできませんでした。 6時間の時点では確かにLEDは点灯していますが、ぼ〜っと光るだけですぐ足元を照らすにも不自由します。レンズ正面に目を近づけても全く眩しくありませんし・・・ 公称「連続点灯時間6時間」はかなり鯖を読んでいますね。 公称値は「3時間」と表記するのが妥当のような気がしますが・・・ 急激に暗くなるまでアルカリ電池でだいたい2:30〜5:00とかなり幅があります。 先に掲載したダイレクトドライブのSP−01(このページの下のほう)のグラフでも顕著に表れているように、富士通系電池は最後まで伸びがあり、松下・日立はある時点でストンと落ちています。 明るさの推移を見ると、メインの点灯期間は1500〜500LUXで0.5WのGTR-031Tのグラフとたいへん似ています。(連続時間は違います) GTR-031Tもコリメータレンズで中央に光を集めていますので、両者共良く似た配光ですから実際にSR-10Bが少し暗くなると見た目はほとんど変わりません。 1Wのライトですが、実際の明るさは0.5W程度のようです。(後のDCコンバータの解析もご覧下さい) 同じ1AA/1WのDOP-014BKがアルカリ電池で連続約1時間半ですから、SR-10Bは約3時間とランタイムは倍ほどでしょうか。 ![]() Luxeonは放熱用スター基板ではなく、エミッタパーツが基板に直付けで、基板側には特に放熱対策は施されていないのでどうやらLEDに直接接触するレンズ押さえ金具が放熱板を兼ねているようです。 0.5WリゲルのSR-05Bがリフレクタ型で放熱板無し(基板で放熱)、1Wと3WのSR-10B/SR-30Bがコリメータ型で放熱金具有りになっているのはこういう熱対策の理由からでしょうか。 もちろん基板を通してコンバータ部を覆っているアルミ筒にもかなりの熱が伝わります。連続点灯しているとこの部分全体が暖かくなります。この熱はボディを通して放熱されます。 また、レンズ押さえ金具なしにするとかなり暗くなります。この金具はレンズから漏れた光を反射して全て前面に出す為のリフレクタの役目も果たしているようです。 DC-DCコンバータ回路はもっと分解しないと見えませんので回路図については未確認です。 コンバータの動作測定結果です。
SR−05Bとは違い、制限回路無しの単純昇圧回路のようです。 約1.5〜1.6VでLuxeon 1Wを定格の1Wで駆動できます。 このライトの場合もアルカリ電池を使用するとすぐに電圧は1.1〜1.3Vに低下します。 するとこのコンバータの出力では約0.5W前後でLuxeon 1Wをドライブすることになり、1WのLEDを使用しているとはいえ明るさは0.5Wクラスということになります。 ランタイムグラフ上の明るさが0.5Wのライトと酷似しているのもうなづけます。 電源電圧を上げてゆくと出力も上がりますが、2V時でLuxeonに直流500mAも流しますのでこのコンバータも電池2本などでの駆動はしないほうが良さそうです。
![]() 3Wタイプで電源が2AA(単3電池×2本)という、単3電池好きにはたまらないライトです(笑) 3980円と、1Wクラスのライトの倍ほどしますが、一度3WクラスのLuxeonのライトを使ってみたかったので飛びつきました。 2AAタイプですのでボディの長さはそれなりにあります。 太さが一定で長いので、昔からある5mmLED使用の多灯ライトに似た感じもします。 単4×3本タイプやCR123Aを使用するものと比べると非常にスリムな感じです。 1AAタイプの同SRシリーズに比べるとヘッドが少し太いのが特徴です。 3WのLED(Luxeon III star)を使用したライトは電源にCR123Aリチウム電池を使用というイメージが強いので、単3電池+DCコンバータでドライブするタイプはどんな感じなのかにも非常に興味があります。 ![]() ![]() ![]() 地図など至近距離を照らした場合も中心だけ明るいのではなく、全体に強い光で照らすのでSR-10Bより見やすくなっています。 輪は気になりますが、周辺光の届く範囲はDOP-011MGと同じくらいで散歩用ライトとしても安心感があります。 ![]() コリメータレンズの照射パターンは両機種ともほぼ同じですが、上記の光学特性の通り30Bのほうが少し周囲まで明るいのがわかります。 3Wといっても単純に1Wの3倍の明るさではありませんので、中心部ではこの程度の差なのでしょうか? ![]() あれれ? 1WのDOP-011MGとほとんど明るさが変わりません。(いや、DOP-011のほうが明るいかも) 不審に思い外で20〜30メートルの遠射のテストをしてみましたが、スポット部の明るさはやはりほぼ同じでした。 3Wの威力はどこに? ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
公称「連続点灯時間2時間」です。 平均1時間30分程度と、どのアルカリ電池も公称時間まで明るく点灯させることはできませんでした。 2500mAhニッケル水素充電池は3時間とやはり大電流を消費するライトには適しています。 測定はスポット中央部で行っていますが、明るさはやはり1WのDOP-011MGと全く変わらないと言って良いでしょう。SR-30Bのほうがスポットが倍広いとか、周辺光が非常に明るいとかならスポット中央の明るさだけで比較もできませんが、スポットの広さはほぼ同じ、周辺光に関しても広がる広さと明るさはほとんど変わりません。 グラフで見るランタイムは同じ2AAのDOP-011MGのちょうど半分。 せめて明るさがもっと明るければこのランタイムでも納得できますが、3W-LEDなのに1Wライトと変わらない明るさで電池の持ちが半分の時間ではコストパフォーマンスが非常に悪いライトと言えます。 逆にDOP-011MGの出来が良すぎる、ということかもしれません。 ELPAのDOPシリーズが一定の時点でストンと暗くなるのに対して、オーム電機のSRシリーズは暗いとはいえ長時間じりじりと点灯し続けます。遠くは照らせませんし、暗闇で数十センチ先の物を見分けるのがやっとですが、SR-30Bは3W-LEDを使用しているせいでしょうか、この暗くじりじり消えてゆくまでの間でも他のライトより明るい目なのは唯一の救いかも? ![]() Luxeonは放熱用スター基板に乗ったものが使用されています。スター基板以外にSR−10Bと同じくLEDに直接接触するレンズ押さえ金具が放熱板を兼ねているようです。3W-LEDの放熱対策はこれくらいは必要という事でしようか。 スター基板を通してコンバータ部を覆っているアルミ筒にかなりの熱が伝わります。連続点灯しているとこの部分全体が暖かくなりボディまで熱が伝わり放熱されます。 室温18度で約1時間連続点灯した場合、ヘッド部で約34度、ボディは約33〜27度(前〜後)でした。 いつものようにLEDにかかる電圧と電流を測定しようとしましたが、DVM(テスター)の表示がどうも安定しません。 「もしや!」と思いオシロを接続するとやはり・・・直流ではなくパルス駆動でした。 ※ 確認しましたがSR-05B/10Bは直流出力でした。
![]() アルミ筒の中にひとまわり小さなDCコンバータ基板が入っていて、電池側の台座基板とLEDにそれぞれ配線されています。 DCコンバータ基板は円形で、片面の周囲に−端子、中央に+端子パターンがありますので、どうやらヘッドがひとまわり小さな別のライト用のコンバータ基板を単に流用しているだけのようです。 ![]() ICの表面は削られていて、型番や識別番号は読めなくされていました。 発振制御で昇圧している電圧を平滑せずに直接LEDにかけています。 分解してコンバータ部を取り出せましたので、オシロでの測定もLED印加電圧だけでなく電流(制限検知抵抗の両端電圧で測定)も計測した写真に差し替えました。 ![]() 発振周波数は100KHz前後で、出力電圧の推移は3.1V→3.0V程度です。 制限電流検知抵抗の部分で電流を測りましたが、上の写真のように電源3V時で1.2A〜0.6A(1パルス中で推移)とほぼ定格電流が流れています。 しかし電圧が2.4V程度あたりから下になると約1A〜0.5A程度と十分に定格電流を流せなくなりますし、デューティ比がかなり落ち込むのでトータルとしてはかなりのアンダードライブになります。 パルス点灯の常套手段である高電流ドライブはしていないということがわかります。 ということは、どんなに頑張ってもLEDの定格の3Wフルパワーでは絶対に光らないということですね。 アルカリ電池やニッケル水素電池では、新品電池を入れた最初の短時間を除き、通常は真ん中の写真の2V程度に近い状態で点灯させています。 この状態では3W-LEDを電圧・電流値では定格未満、そしてデューティ比50%程度、つまりは1.5W未満のパワーで点灯させていることになります。 ちなみに、使用されているLuxeon 3Wを回路から切り離して定格電圧・電流を流すと見た目でも倍くらい明るく光りました。 気になったので明るさを調べてみることにしました。 レンズ等を取り外してLEDを裸の状態で照度計に向けて明るさを計測しました。
※ 測定距離11cm
定格の3Wで光らせても、明るさ(LUX値)は1.5倍でした。しかし、通常の使用状態(2.4V時)の明るさがDOP-011MGと全く変わらないというのがやはりやりきれません。 せっかく分解したので、LuxeonのBINコードを確認しようとスター基板の裏を見たところ、BINコードの印字がありませんでした。(無いものもあるとは聞いていますが…) ![]() 最初は日本向け製品を表すアルファベットの「J」かとも思いましたが、この筆跡はどう見ても漢字の「丁」です。(わざわざ日本向けなのをマジックペンで手書きで記入するわけが無いし…) ということは・・・中国の工場で実際に点灯してLEDを選別して、「甲」「乙」「丙」「丁」の4ランクに仕分けた最も性能の悪い「丁」ランクのLEDですかっ!? 確かに3WのLuxeonでも最もランクの低い物はランクの高い1W品とさほど明るさが変わらないのですが…。 わざわざ「アメリカ製 LED使用」とパッケージに書いているのに、なんで製造元のアメリカではなく中国の工場でランク分けするのか、はたして本当に中国の労働者の皆さんが人海戦術でランク分け作業をしているのかさえも分りませんが、このLEDの裏に手書きされた「丁」の文字は、SR-30Bへの更なる不信感を募らせる非常に大きな不安要素となってしまったのです。(分解しなければ良かった・・・) ※ 「丁」の文字が書かれたLuxeonについて情報をお持ちの方はお教えください
パッケージには
つまりは・・・・・そういうことです。 3W-LEDは使用しているが、明るさ3Wのライトでは無いという事ですね。 こうなると、パッケージの表に書かれている
1Wで従来LEDの12倍、3Wで30倍というのはLuxeonを定格駆動した時の明るさのめやすです。定格駆動の半分くらいの明るさで光らせているのに30倍は無いと思うのですが・・・ このようなコンバータと駆動方法では、1Wライトの中で比較的明るいほうのDOP-011MGと同じくらいに見えたのは当然と言えるでしょう。(値段は倍もするのに・・・) この明るさでランタイムがDOP-011MGの半分では目も当てられません。 こんな性能ではSR-30Bはもう使わないかもしれません。 従来の3Wタイプや5Wタイプのライトは電源にCR-123Aリチウム電池等を使用しているのはそれだけ大きな電流が必要だということです。 それをアルカリ電池で光らせようとする事自体に無理があるのではないでしょうか。 という事は単3リチウム電池を使用すると劇的に改善される? お店に行って単3リチウム電池を買って来てテストすることにしましょう。
さて、単3リチウム電池を買って来ました。
ほかに「デジタルカメラに強い」と宣伝しているニッケル乾電池も性能を調べる為に購入しました。
※ 価格は量販店での購入時価格です、店舗により異なる場合があります。
単3リチウム電池は単価ではPanasonic赤やオキシライド電池の2倍、QQアルカリと比較すると約10倍もします。 「アルカリの約4−9倍」という宣伝文句なので、4倍(常温時)の能力があれば有名電器メーカー製アルカリ電池と比べると価格比くらいは働いてくれそうです。 そして注目のランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
どうでしょう、単3リチウム電池のこの威力!(笑) ランタイムでは約3倍、しかも2時間30分まで約2800LUX程度の一定の明るさを保ち、急激に暗くなる直前まで2000LUX以上の明るさがキープされています。 容量的には確かに約4倍程度で使えています。 ニッケル乾電池はアルカリ電池とほとんど変わりません。 やはり大飯喰らいのSR-30Bには単3リチウム電池が最適のようです。 と言うか、リチウム電池タイプのライトのDCコンバータそのままじゃないのかな? 4本104円のQQアルカリ電池でリーズナブルに済ませるか? 多少高くても単3リチウム電池で高出力を維持させて使うか? 中間くらいのNiMH2500で何度も充電して単価を下げてお茶を濁すか(汗) まてまて、もし明るくてランタイムも長いDOP-011MGや他のライトで単3リチウム電池を使ったらどうなるのでしょう? ワクワクの結果が得られるのでしょうか。 それはまたいつか確かめてみましょう。 ・・・・確かめてみました。(下のグラフを追加しました) DOP-011MG+単3リチウム電池のランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
ランタイムはアルカリ電池の約倍ほどですが、やはり3500LUXの明るさが長時間維持されるのは非常に良い結果となっています。アルカリ電池と比べてランタイムで約2倍、容量で約3倍程度のパワーとなっています。同じ時間(約7時間)使用するのであれば、有名メーカー製アルカリ電池を2セット取り替えるより、単3リチウム電池1セットを使用するほうが良さそうです。 SR-30Bの約4時間に対してDOP-011MGは約7時間。この差は大きいですね。 高出力LED使用ライトにCR123等リチウム電池使用のライトが多い理由がやはりこういう事だったのかと再確認できました。
![]() オーム電機からその昔、1WスーパーLEDが出た時に発売された1WLEDライトです。 商品名は『スーパーLEDサイバーフラッシュ』なのですが、ボディには『OHM STAMINA LIGHT』と同社の5φLEDライトシリーズの「オームスタミナライト」と同じ名前が印刷されていて、どこにも「サイバーフラッシュ」の表記が無いややこしい製品です。 LEDは1Wの「スーパーLED」を使用しています。 さすがに発売からもう何年も経つので、最近の商品ではLEDも改良型に変わったという噂ですが、今回実験に使用しているのはオームから新製品として発売された時に買ったまんま「初期ロット」品です。 スイッチはテール部をネジ込んでON、緩めてOFF。少し緩めた状態ではプッシュONも可能です。 色は薄いガンメタっぽいシルバーです。(ちょっと気に入っています) 3AAで1W-LEDをダイレクトドライブ(電流制限抵抗は無し)と、何のヒネリもありませんが、ダイレクトドライブゆえに電池がヘタってもギリギリまで「それなりに」点灯しているので災害時には長時間のランで使用できます。(絶対に明るくは無いですよ) ![]() ![]() LEDの色は黄緑色の混ざった白です。(最近の改良品は白くなったとか?) 照射パターンは、やや中央に高輝度部分のある広いスポットです。中心円内はかなりフラットな明るさとなっています。 光学系は「U字リフレクタ」で、もちろん直接光もたっぷり周囲に出ていて安心感のある配光となっています。 散歩の際には道を広く照らしますので、間違っても落とし穴に落ちることはありません。 ![]() 両方とも広角でフラットな配光で、遠射はできませんが建物の中を歩くとか、周囲に注意を払いながら歩くには適しています。 たとえ天井にニンジャが張り付いていてもかなり手前から見つけることができます。 ランタイム測定結果です。 ▼グラフをクリックすると拡大表示
ダイレクトドライブですので、電池の電圧が下がると明るさもそれにあわせて下がってゆきます。このへんは電球使用の懐中電灯と変わりません。 ここで松下・日立とFDK(富士通・QQ)で明らかに電池の性格差が現われています。 松下・日立はある一定のところでガクンと電圧が落ちてしまっています。サムライ的な潔さですがライトで使うには急に暗くなるのは困り者です。 それに対してFDK製の電池は最後まで粘りに粘ってほぼ一定の割合で力尽きて行くようです。 まぁしかし、明るさが400LUX程度より下回ると既に数メートル以上遠くを照らすには力不足で、せいぜい自分の足元に落とし穴が無いかそろりそろりと確かめながら歩かなければならないくらいの暗さで、もし行く手に辻斬りが隠れていても見つけることが出来ずにイキナリ斬られてしまうでしょう。(どこを歩いてるんやねん?) 公称「連続点灯18時間」とパッケージに書かれていますが、18時間時点ではまさに「一寸先は闇」状態で、確かにLEDは点灯していますが「何の役に立つのか?」と聞かれると困ってしまいます。
![]() 「人海戦術」「物量作戦」・・・・ そんな言葉が良く似合う、かの大陸製の100LEDライトです。 明るくするならLEDを沢山付ければいいじゃん! 確かにそうですが、100個ですよ、100個。 頭の悪さ大爆発のこのライト、前からずっと欲しかったんです!(笑) で、今回のランタイムテストをするにあたり、「これは絶対に外せない!」と通販で買っちゃいました。 日本橋の明電(日本橋電気街最古の怪しいバラエティショップ)でも売ってたのですが、通販のほうが送料を入れても1000円も安かったので…。 LEDは5φの超高輝度LEDを100個、並列に接続しています。 日本フラッシュライトチャンネルさんのブログを読むと同形のライトには電流制限抵抗が付いていて、外すとLED一個に二十数mAの電流になると書かれていますので配達されてテスト点灯した後スグにヘッドを回して中を開いて抵抗を取ろうとしたのですが・・・・ 抵抗が無い!?
![]() そして「コードが千切れてヘッドを分解しないとハンダ付けできない」と言われたもう片側のコード(この場合は青)も、基板のフチの電源共通パターンではなく、ご覧の通りLEDにそれぞれ配線するパターンにちゃっかりハンダ付けされています。 このパターンの太さなら電流容量的に見ても「まぁ大丈夫か」的な物なので、コードがちぎれるとヘッドを壊して基板を修理しなければならないより、ここに繋いでおいても大丈夫だしちぎれてもハンダごてが簡単に届くという理由でコードの接続場所が変わっているようです。 どうやらLEDが乗ってる基板もパターンが変わっているようですが、この変更はあまり配線の変更とは関係無いと思います。以前の基板でも隠れた場所が断線したものを、ヘッドを分解しないでこのように中央にハンダ付けしなおしても問題無いです。 そしてもう1つ「ヘッドをネジ込むとコードが中でぐるぐる巻きになる、その力でコードがちぎれる。」という事でしたが、この製品では『ヘッドをとりつける前に逆向きにぐるぐる回してコードを捻じっておく、そしてヘッドを取り付ければ中でコードは伸びた状態になる』という行程を経て組み立てられています。 ですので写真の状態ではヘッドを回して外したらコードは逆方向にねじれています。 よほどコードが千切れる不良品が多かったのでしょう
製造工程での改善が見られます。抵抗が無くなってるのも、電流的には問題は無いし、より明るいほうが喜ばれる・・・ということだと信じましょう。 ![]() 照射パターンは・・・5mm砲弾型LEDのパターンそのまま! もちろん色味も5mm砲弾型の青みがかった冷たい感じの白色。 それが100個です。 もう、スイッチを入れるたびに笑いが止まりません(笑) 家にある1W-LEDライトを全部足してもかなわないくらいの明るさです。 暗闇で手元の地図を照らすことはやめたほうが良いかもしれません。 明るすぎて目に悪いです。 ![]() LEDは定格電圧より下がるとある電圧点で急に暗くなります。 その電圧はLEDの種類(品種)によってほぼ決まっているのですが、同一品でも半導体の製造状態により個々にわずかづつ性能が違います。 同じ白色LEDでも個々にLEDの「色」が違うのもその個体差です。 100個のLEDに、消灯するギリギリの電圧をかけた時にどうなるか、右の写真のように「まだ生きてる」LEDと「もう光れない」LEDにはっきり分かれます。 電池が減ってこの電圧にさしかかると、パラパラと弱いLEDから順に消えて行って、幾何学模様のようになるのは面白いです。 (高輝度LEDの光を直視しないでください。)
▼グラフをクリックすると拡大表示
初期電流で2.5A程度流れていますので、単3アルカリ電池にはかなり酷な使用条件です。ニッケル水素電池で2.3〜2A程度の電流を維持し続けています。 ダイレクトドライブですので、電池の電圧が下がると明るさもそれにあわせて下がってゆきます。 しかし初期でLED1個20数ミリアンペアと白色LEDをドライブするには丁度良い電流値の範囲で徐々に下がってゆきますので、明るさの減少はそれほど大きくは無く点灯開始からある程度は超明るい状況を維持できます。 ニッケル水素電池ではほぼ「適正電流」で最初から最後まで点灯しますので、このライトにはニッケル水素電池が適当です。 と、言いたいのですが、ランタイム測定中にたいへんなことに! アルカリ電池でのテストの時には気付かなかったのですが、ニッケル水素電池でテストをしていて終わりかけの時にふとライト本体を持ってみると、 あちちちちっ!
ライト全体がものすごい温度になっているじゃありませんか!?急いで非接触温度計で測ってみると、ヘッドで50度少し、ボディは48〜50度という 冬場のカイロに最適!
な暖かさになっていたのです。LED自体の発熱は適正電流ならこれまで熱くなる事はありません。 残る原因は、2Aの大電流を流し続けているニッケル水素電池の発熱。 確かに1Aの連続放電実験でも電池自体の温度は40度を越えてしまいますから、2Aで使ったら軽く50度を越えるでしょう。 ニッケル水素電池が熱で壊れないギリギリのところあたりを行ったり来たりしているような気がします。 室温18〜20度の状態でこれですから、もし真夏に連続点灯したら・・・・ そしてニッケル水素電池でのランタイムテスト終了。 実験台からライトをとり外して、スイッチを切ろうとしたら・・・ 熱でスイッチがおかしくなってる!
何度カチカチと押してもスイッチが切れません。そのうちにカチカチ音がしなくなりました。 なんだか、ぶにゅぶにゅ、って感じのスイッチになりました。 スイッチご臨終…
購入後、点灯2時間でお亡くなりになりました。 うーん、やっぱり抵抗は要るんじゃないだろうか??? それでも焼け石に水かもしれない・・・ とりあえず、スイッチが付いている小さな基板をとり外してみましたが、同形のスイッチは日本橋で売っていなさそうなのでスイッチ部基板は外したまま手持ちのプッシュスイッチをボディの筒の中に仕込んで修理しましたが、この先もできれば30分以上は連続点灯させたくは無いですね。 冬の散歩には暖かそうだけど。
これ以外にも5mmLED多灯ライトなどもいくつか所有していますので
時間と電池に余裕があればランタイム測定をして追加掲載してゆきます。 記事掲載: 2006/12/12 最終更新: 2007/02/25
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