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自転車ライトのLED化や、電池一本で白色LEDを点灯させるDC-DCコンバータの記事は↑↑↑


市販LEDライトのランタイム測定

* 一部のグラフのLv数値表示がズレていた物を修正 2007/01/09
* オーム電機SR-05B/10B/30Bを追加 2007/01/16
* グラフの縦軸をLvからLUXに変更 2007/01/16
* DOP-011MGの単3リチウム電池使用グラフを追加 2007/01/18
* 光学特性・指向性グラフを追加 2007/01/19
* SR-30Bのコンバータ基板情報を追加 2007/01/20
* GENTOS SF-133/GT-10AZを追加 2007/01/25
* GENTOS SF-133/GT-10AZのグラフを完全版に 2007/01/28
* GENTOS GT-10AZとSF-133の比較グラフを追加 2007/02/25

 市販のLEDライトも強力な1Wや3W、それ以上のものまでが手軽に入手できるようになりました。
 5mmLEDを1灯〜数灯のLEDライトからかなり色々購入していますが、やはり1W以上の高出力LEDを使ったライトは明るく頼もしく感じます。

 しかしLEDライトには使用LEDのW数や電池の本数などが違うものがたくさん販売されていて、どれを買ったら良いのかに迷ってしまいます。
 一本で1万円を越えるような高価なものから1〜3千円で買えるものまで値段も様々です。

 私は貧乏生活一直線なので万円単位の高級なライトは買えませんが、2〜3千円のライトなら誘惑に負けて次々と購入してしまっています。

 ライトを使用する上で価格や明るさ以外にもう1つ重要な選択ポイントがあります。それはランタイムです。
 いくら明るくても電池をバカ食いして短時間しか使用できず、電池代で家が建つようでは話しになりません。
 明るいということは消費電流も大きく、電池が長く持たないのは仕方ないですが、それがどのくらいなのか非常に気になります。

 実際に山などで使用するのにどれくらい使えて、予備電池はどのくらい用意しなければならないかを予め知っておけば、実使用の際の役に立ちますよね。
 そういうことで、今回のランタイム測定を実施することにしたわけです。

[2007/1/16 更新内容について]
● 新ライト
 オーム電機から発売されたSR-05B/SR-10B/SR-30Bもリストに追加しました。
● 一部照射写真の追加
 いくつかのライトで照射写真を追加しています。
● グラフの差し替えについて
 昨年末にルクスメーターを購入し、実験に使用した照度計の出力電圧をルクス値に対応させるデータが取れましたので、各ライトの測定値をLv(出力電圧)値からLUX(ルクス)値に変換できるようになりました。
 人間の視覚による明るさの感覚に似たグラフを出力していましたが、より一般的な照度(ルクス)での値に変更しましたので暗くなってゆくカーブが従来表記と異なります。
 グラフの縦軸は各ライトにより最大照度の数値が異なります。照度に関係無く100%〜0%でグラフを描くランタイムグラフに似たものとするためです。別のライトのグラフ同士を比較する際はご注意ください。(横軸の時間もライトにより異なります)
 また各測定はスポット中心の最も明るい部分での測定です。照射パターンにより人間の目で見えるライト全体の明るさとは異なる場合があります。ライト毎に説明を加えているものもあります。
 Lv表記からLux表記に変わったことにより、一部本文の記述も変更しています。
 ルクス表記に変わっても、測定したランタイムには変わりはありません。
[2007/1/19 更新内容について]
● 光学特性グラフについて
 回転角度を電圧で出力する回転台(ターンテーブル)を作成しました。照度計のデータと共にPCで記録することで角度・照度の相関関係(放射パターン)を測定できます。
 測定結果を指向性グラフとしてまとめましたので、照射写真よりも各ライトの光学系の特性が比較しやすくなりました。
 また指向性グラフに対して中心照度や任意の照度を乗算することでライトのスポット部や周辺部の「明るさ」が数値的に比較できます。ライトの放射するエネルギー全体はそれらを積分することで計算できます。本ページでは数値では掲載致しませんが、明るさが気になる方はご自分で計算してみてください。
[ここまで]

 さて、前置きはこのくらいにして、今回実際にランタイムを測定したライトの一覧です。
ライト 型番 使用LED 電池
ドライブ メーカー (実購入価格)
DOP−013BK 1W Luxeon 単4×1
昇圧回路使用 ELPA (2680円)
DOP−014BK 1W Luxeon 単3×1
昇圧回路使用 ELPA (2880円)
DOP−011MG 1W Luxeon 単3×2
昇圧回路使用 ELPA (1980円)
SF−133 1W Luxeon 単3×2
昇圧回路使用 GENTOS (1980円/特価)
GT−10AZ 1W Luxeon 単3×2
昇圧回路使用 GENTOS (1950円)
GTR−031T 0.5W Rigel 単3×1
昇圧回路使用 GENTOS (1680円)
SR−05B 0.5W Rigel 単3×1
昇圧回路使用 オーム電機 (998円/特価)
SR−10B 1W Luxeon 単3×1
昇圧回路使用 オーム電機 (1980円)
SR−30B 3W Luxeon 単3×2
昇圧回路使用 オーム電機 (3980円)
LED−SP01 SUPER LED 1W 単3×3
ダイレクトドライブ オーム電機 (2079円)
100LED
FLASHLIGHT
5φLED 100個 単3×4
ダイレクトドライブ SHI TIAO (2460円)

 DOP-013BK/DOP-014BK/SR-05B/SR-10B/SR-30B/GT-10AZは2006年11月頃に発売されたばかりの最新型です。
 うちの近所にはこういった高出力LEDライトの品揃えの豊富な店が少なく、3W以上なんてほとんど売っていない状態ですので、ホームセンター等で手軽に購入できるこういったラインナップとなります。
 2〜3千円で安価に購入できる範囲というのもありますが・・・

 最後の「100LED FLASHLIGHT」は以前からどうしても欲しかったのですが、なかなか購入に踏み切れなかった物を今回のテスト用に思い切って購入しました。実に・・・色々な意味で凄いです!(笑)

 単3電池使用ライトのテストで使用した単3電池はこちらです。(価格順)
電池写真 名称 メーカー 消費
期限
4本
価格
オキシライド panasonic 08-2011 540 円
アルカリ 赤 panasonic 09-2011 490 円
G−PLUS FUJITSU 09-2011 460 円
ダイナミック maxell 10-2011 360 円
アルカリ単3 ショップQQ 10-2011 104 円
Ni-MH 2500mAh
(TH-3K)
TOSHIBA 充電式です
※ 価格は量販店での購入時価格です、店舗により異なる場合があります。

【ご注意】
 今回掲載のグラフは新品電池を使用して連続点灯した場合の測定結果で、一旦電池切れになった電池でも約1日程度休ませればまた20分程度点灯できたものもありました。
 アルカリ電池は休ませると少し復活しますので、切れるまでの連続点灯ではなく一日1回10〜30分など(散歩程度に使用?)の断続使用ではこのグラフの連続使用時間以上の合計点灯時間が得られます。
 また今回の実験は室温18〜20度の状態で行っています。アルカリ電池は温度が低くなると出力が低下しますので、冬の屋外などでは本実験結果よりランタイムが短くなる場合があります。あくまで目安程度にお考えください。


■ DOP−013BK
1W Luxeon 単4×1 昇圧回路使用 ボディツイストSW ELPA 2680円

 ELPAの2006年11月発売モデル、DOP-013BKです。
 1AAAと非常に小さなライトですが1W-LED(Luxeon)と強力な光源となっています。
 同時発売のDOP-014BK(1AAモデル)と共に新しい「Sharp style」シリーズとして従来の「ARMY SPEC」(DOP-011など)のシリーズとは違う新主力製品となるようです。

 スイッチは本体をネジって締め込めば点灯、緩めれば消灯です。
 カラーコードはBKで、シックなマットブラック仕上げとなっています。


 照射パターンは中心の高輝度部分が無い平坦で比較的ワイドになっています。
 LEDの色はLuxeonらしい、ちょっと黄緑かかった白です。
 光学系はリフレクタの為、中央の明るく見えるスポット以外の部分もLEDからの直接光がかなりワイドな部分まで照らし、周囲を確認しやすくなっています。
 ムーンレンズほどではありませんが、スポットの円内はほぼ均等な明るさで対象物がたいへん見やすくなっています。
 写真ではモニターの状態により真ん中の円形に明るい部分しか見えない場合がありますが、実際に人間の目には写真に写っているエリア全部が明るく見えます。

 車の中で地図を照らしたり、キャンプのテントで本を読むなど、至近距離で使用するには他のライトのようにスポット中心に光が集中して一点だけが眩しいのではなく、均等な明るさで円を描くように照らせるのは非常に好印象です。
 単4電池一本という軽さと小ささを武器に、小型軽量で手元から少し遠くまで照らす事を目的としたライトです。

 さてそれでは本題のランタイムテストの結果です。

 使用した単4電池はこちらです。(単3電池とラインナップが違います)
電池写真 名称 メーカー 消費
期限
4本
価格
オキシライド panasonic 09-2011 540 円
アルカリ 赤 panasonic 09-2011 490 円
ダイナミック maxell 09-2011 360 円
SUPER ALKALINE GP 06-2009 105 円
100円ショップダイソーで購入
アルカリ単4 ショップQQ 01-2011 104 円
Ni-MH 900mAh
(HR-4UF)
sanyo 充電式です
※ 価格は量販店での購入時価格です、店舗により異なる場合があります。

 測定グラフはこのようになりました。※ ライトと測定器の距離40cm
▼グラフをクリックすると拡大表示

 いつものようにLV計(照度を電圧で出力)とデータロガーを接続してPCで明るさを測定しています。明るさの単位はLuxではありません、計器の出力電圧です。明るさの単位はLux(ルクス)に変換しました。今回の測定距離は40センチです。

 単4アルカリ電池一本で約40〜50分。ニッケル水素電池(900mAh)で1時間強の連続点灯ができます。
 メーカー公称値が「30分」ですから各電池でじゅうぶんな点灯時間です。
※ 買って来た箱には緒元表の所にシールが貼ってあり、連続点灯時間が1時間から30分に訂正されていました。うーむ。

 単4オキシライド電池もテストに追加しました。(2007/1)
 DOP-013BKの消費電流では大電流に強い単4オキシライドの特性が発揮できていないようです。普通のアルカリと同じようなグラフになりました。

 このライトはDC-DCコンバータを使用して電池一本で1W-LEDを点灯させています。
 電池一本からだとかなりの電流を取り出さなければなりませんので、アルカリ単四電池ではかなりのパワーを短時間で消費する事になります。
 ニッケル水素電池のような高出力対応の電池のほうが長時間の使用に耐えられて、安定した明るさを得ることができます。
 その割にはオキシライド電池の能力が引き出せていないのは謎です・・・。

 配光は中心スポットが広くスポット内の明るさは比較的均等です。中心部だけが特に明るいほかのライトと比べるとスポット中央で測定しているルクス値は小さくなります。


 DOP-013BKがあまりに小さくてカワイイので、思わずDOP-014BKの中に入れてしまいました(笑)
 本体の太さは単三電池より細いです!
 さすがに長さは単三電池より長いのでキャップは閉まりませんけど・・・

 ところで、DOP-013BKを購入された方で、同梱のネックストラップの紐をちゃんとキャップ部の「穴」に通せた方はいらっしゃいますか?
 どう見ても紐2本の直径より穴のほうが小さくて物理的に通らないのですが・・・


■ DOP−014BK
1W Luxeon 単3×1 昇圧回路使用 テールプッシュSW ELPA 2880円

 ELPAの2006年11月発売モデル、DOP-014BKです。
 1AAタイプの1Wライトも各社から出揃って、そろそろユーザーの品定めの目が厳しくなってきたように思います。
 そんな中でELPAも満を持して1W1AAタイプを投入といった感じです。
 光源はLuxeon 1Wと定番LEDを使用しています。

 スイッチはテールプッシュタイプ。何か物に当たってスイッチが入ってしまうようなトラブルの心配の無いくらいの深いストロークです。
 カラーコードはBKで、シックなマットブラック仕上げとなっています。手触りもスベらずに安定感があります。
 本体にはベルトやポケットに固定するクリップが最初から付いています。(私は必要無いのですが…ゴリゴリ外そうとすると本体にキズが付きそうでいや〜んな感じです)


 照射パターンは、中央に高輝度部分のある2段階スポットでやや狭い目。
 リフレクタに少しムラがあるのか、目ではほとんど確認できませんが照度を測るとわずかに落ち込む所がありました。(この水平角度の所だけ、ライトを回転させると消えます)
 LEDの色はLuxeonらしい、ちょっと黄緑かかった白です。

 中央の高輝度部分があるために20〜30メートル先を照らしても十分目標を視認できるだけの遠射能力があります。(見え方には個人差はあると思います)
 また光学系はリフレクタなのでLED直接光がワイドに出ていますので、中央スポットだけではなく周囲まで明るく照らし、室内や廊下、ちょっとした散歩であれば前方を照らしつつ足元までじゅうぶんに見える安心感があります。
 写真の室内では壁面一面に何があるか程度までが見渡せます。

 地図を見るには中央のスポットが明るすぎて周辺とのコントラストが高すぎて多少見づらいです。

 DOP-014BKDOP-013BKの照射比較です。
 LED単体の明るさはどちらも同じで、リフレクタの設計の違いで照射パターンが異なります。
 2つのライトの性格付けがはっきりとわかりますね。

 DOP-014BKに単4電池を単3アダプタに入れて使用してみたところ、DOP-013BKと全く同じランタイムでした。
 結果、この2機種はLEDもDC-DCコンバータも同じ物を使用していることが確認できました。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 新品アルカリ電池で約1時間40〜45分、連続点灯可能でした。
 公称値「1時間30分」ですからほぼ公称値通りです。

 ニッケル水素電池(2500mAh)では3時間以上連続使用できました。
 このライトもDC-DCコンバータを使用していますので、長時間使用にはアルカリ電池より大電流に強いニッケル水素電池が適しているようです。
 しかし前半の明るさはアルカリ電池のほうが勝っているようですので、消費電流は絶対にニッケル水素電池を必要とするような大電量ではなく、アルカリ電池でもそこそこ電流供給をしてやれるくらいといったところでしょうか。
 分解してDCコンバータの性能テストをしていないので詳しい部分は未確認です。


■ DOP−011MG
1W Luxeon 単3×2 昇圧回路使用 テールツイストSW ELPA 1980円

 ELPAの「定番商品」になりつつあるDOP-011MGです。(シルバーのSLもあります)
 2AAタイプで握りやすいボディの長さがあり(デザインについては賛否両論ですが…)、DC-DCコンバータ使用で明るさを一定に保つ機能も便利です。
 光源はLuxeon 1Wと定番LEDを使用しています。

 スイッチはテール部をネジ込んでON、緩めてOFF。少し緩めた状態ではプッシュONも可能です。
 ライトとして定番のシルバー(SL)と,マット加工されたマットグレー(MG)があり私はシルバーよりはグレーが好きなのでMGを購入しています。(マットグレーと言うよりマットグリーンに見えるのですが・・・)

 ヘッドに深く刻まれている5つの「くぼみ」はテーブル等に置いた時に転がってしまうのを防止するのに良いのですが、エッジが立っているので素手で握ると少し痛いです。
 お尻にゆくほど太くなっている本体は、見た目はちょっとアレですが実際に握ると掌にフィットしてなかなか安定したグリップ感があり、慣れるとこれほど握りやすいライトは無いと思えるほどです。


 照射パターンは、中央に高輝度部分のある2段階スポットでやや狭い目。
 LEDの色はLuxeonらしい、ちょっと黄緑かかった白です。
 中央のスポット光がかなり強いために25〜35メートル先を照らしても十分目標を視認できるだけの遠射能力があります。(見え方には個人差はあると思います)
 また光学系はリフレクタなのでLED直接光がワイドに出ていますので、右の写真のように周辺光は均一な明るさで周囲まで照らし、室内や廊下、ちょっとした散歩であれば前方を照らしつつ足元までじゅうぶんに見える安心感があります。
 上の写真の室内では壁面一面に何があるか程度までが見渡せます。

 地図を見るには中央のスポットが明るすぎて周辺とのコントラストが高すぎて多少見づらいです。

 新型のDOP-014BKとほぼ同じ照射パターン(照射角)ですが、中心部では目で見るとはっきりと差がわかるくらいDOP-011のほうが明るいです。

 やはり電源が2AAで余裕があるのと、1AAでギリギリの差でしょうか。この点でも大きさに拘らないなら店頭価格で約1000円安くて明るいDOP-011はアドバンテージが高いです。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 新品アルカリ電池で約3時間半〜4時間半、連続点灯可能でした。
 公称値「5時間」です・・・・あれ?

 これくらいの時間になると電池によりランタイムに差が出てきます。

 ニッケル水素電池(2500mAh)では6時間近く連続使用できました。
 アルカリ電池の1.5倍ほど長く使えます。

DOP-011MG単3リチウム電池のランタイムグラフは■いんたーみっしょんに掲載しました

 オキシライド電池はその威力を発揮して明るく点灯していますが、大電流を消費してしまい短命となっています。(しかし目で見た明るさにはあまり差はありませんでした)
 オキシライド電池とアルカリ赤電池のグラフを比べると、Panasonicの電池の特性の違いのお手本のような線となっています。
 高出力で寿命が短い物と、普通の出力で寿命が長いもの、そして両者のグラフの「面積」をみるとほぼ同一なのがわかります。これは電池から取り出せるエネルギー(容量)がほぼ同一なのを示しています。
 オキシライド電池は「高性能」ではありますが「高容量」ではありません。大電流を流す力があって必要に応じて大電流で使用できますが、そうするとエネルギーは早く放出してしまって短い寿命になります。
 またDOP-013BKや014BKのグラフのように、特に大電流が必要でない場合は普通のアルカリ電池とほとんど変わらない性能ということになります。
 オキシライド電池は何に使っても高性能な電池では無く、オキシライド電池がその性能を発揮できる機器で使用するのが良いでしょう。


■ SF−133
1W Luxeon 単3×2 昇圧回路使用 テールプッシュSW GENTOS 1980円/特価

 GENTOSの「SuperFire スーパーファイア」シリーズの中の1W/2AAタイプです。
 あまりに定番中の定番ライトで、性能等については既に語り尽くされた感もありますが・・・

 外見はボルトとかナットを思わせるシルバーの凹凸に富んだデザインです。
 ヘッド周囲の6ヶ所が窪んだリングは置いた時に転がり防止になると共に単調になりがちなヘッド部に目立つアクセントとなっています。また放熱板の役割も果たすヘッドまわりの容積を増してより放熱効率を高くしているのかもしれません。
 ボディの大半の部分は滑り止めにメッシュ加工されていますが、彫りが浅いので非常に滑らかです。前のほうに一箇所、後ろに2箇所ある「くぼみ」は握った時に丁度指が引っかかる位置に加工されていて絶妙の握り具合となっています。銘板にもなっている大きな平面部も握った時にちょうど指でホールドできる位置にあります。
 購入前には「ちょっと細長すぎるかな?」と思っていましたが、この指の引っかかる「くぼみ」と少し重い目の本体のおかげでバランス良く取り回しができます。
 美しいシルバーボティと十分に重量感を感じる重さ、高級感という意味では値段以上の満足感があるかもしれません。

 スイッチはテールプッシュタイプでちょっと重い目、半押し状態での一時点灯も可能ですが、ちょっと指が疲れます。


 照射光はかなり広い目のスポットです。
 コリメータレンズでLEDのほとんどの光を中心部に集めていますが、スポットが広い目なので室内使用でもかなりの範囲を照らすことができます。
 地図を見る際にも広く明るく照らせます。
 コリメータ特有の何重かのリングが見えるという事はほとんど無く、中央に特に明るい部分、そしてその周囲に少し明るい二番目のリングまでが明るい部分になっています。

 DOP-011MGとの比較です。
 3mで襖を照らした場合はどちらのライトも中央スポットが丁度襖一枚ぶんくらいの広さを照らしています。
 スポット部の明るさは見た目ではあまり変わりません。
 今回購入したSF-133はかなり白い色でした。DOP-011MGの黄緑色とかなり違います。(個体によります)
 上の写真ではわからないので、周辺光の比較です。
 SF-133がスポット部分しか明るく無いのに対してDOP-011MGはリフレクタ型の為に周辺光も豊富に出ています。
 SF-133はスポット部を中心に見るライト、DOP-011MGは室内程度なら壁一面まで見渡せるライトです。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 公称値「2時間」です。
 アルカリ電池でほぼ公称時間以上は点灯しています。NiMH2500では倍の約5時間も点灯しています。

 SF-133の凄いところは、点灯開始から消灯してしまうまでの間、アルカリ電池でもほぼ一定の明るさを保っていることです。
 アルカリ電池は使用中にどんどん電圧が下がって行く放電特性の電池です。ですので明るさ(LEDにかける電圧)が電池電圧に依存するDC-DCコンバータでは電池が減ってきたらライトの明るさも下がってゆきます。
 多くのライトがそのような暗くなってゆくタイプのDC-DCコンバータなのに対して、SF-133は電池電圧が下がってもほぼ一定の電圧(電流)でLEDをドライブできる高性能な回路が使用されています。(反面、ランタイムは短いですが)
 ヘッドを分解するとこのようにLuxeon(ロードーム)をオリジナルのアルミ放熱板(訂正)無印スター基板・アルミ板を接着した背板、DC-DCコンバータ回路基板が組み合わされた部品が取り出せます。
 コンバータはEA1208TをコントローラICに使用した定電流型チョッパ式コンバータで、EA1208Tの電源は昇圧後出力から取る低圧動作対応の回路となっています。起動は1.1V程度以上、一旦起動してしまえば0.8Vを割ってもなんとか点灯しています。Luxeonを明るく点灯させるには約1.2V以上で安定するというなかなかの高性能コンバータになっています。
※ 一昔前のSF-133とは基板が変わっていますが回路・性能は同じようです。

電源
電圧
( V )
電源
電流
( mA )
昇圧
電圧
( V )
  電源
電圧
( V )
電源
電流
( mA )
昇圧
電圧
( V )
3.0 386 3.15 1.8 578 3.07
2.8 389 3.13 1.6 642 3.06
2.6 437 3.12 1.4 850 3.04
2.4 362 3.11 1.2 1235 3.04
2.2 489 3.10 1.0 1030 2.98
2.0 531 3.09 0.8 576 2.90
 このデータからわかるように、1.2V程度を境に電圧が高くなるにつれて消費電流が少なくなってゆきます。ほぼ一定の電力を消費し、1.2V程度以上では1W-Luxeonをほぼ定格で一定の明るさでドライブできています。
※ 3Vを越えるとまた電流が増えます。3V以上での使用は控えたほうが良さそうです。

 電圧が低くなると消費電流が大きくなりますが、アルカリ電池は電圧が下がると電流供給能力も下がります。ですので一定の電圧より下がると一気に電池は電力を供給できなくなり1.2V未満に落ち込みます。徐々に暗くなるのではなくストンと暗くなります。その後は非常に微弱ですが電池2本の電圧が0.8V未満になってもぼ〜っと暗くLEDは光っています。

 ランタイムについては昔のパッケージ表記で

・実用点灯時間10時間(新品アルカリ電池使用で初期最高輝度を約2時間保ちます

という実に嘘臭い表現だった連続点灯時間の表記を、販売元のサンジェルマンが2004年6月に改正して最も明るい明るさから一定暗くなった時点まで(一定がどこかは非公開)に変更しています。

 SF-133では10時間後には、LEDは確かに点灯しているものの、ほんの数十センチ先も照らせない状態でしたのでこの「実用点灯時間10時間」という表記がいかにランタイム表記として非実用的であったかがわかりますね。


■ GT−10AZ
1W Luxeon 単3×2 昇圧回路使用 テールプッシュSW GENTOS 1950円

 GENTOSのPATRIO パトリオシリーズの1W/2AAライト「PATRIO PRO パトリオ・プロ」(通称パトプロ)です。(パトプロの中でも2006年末に発売された新型です)
 SuperFire スーパーファイアシリーズが同社のLEDライトの中心ラインナップなのに対して、PATRIO パトリオシリーズは廉価版の普及機という位置付けのようです。
 作りはハッギリ言って中国製だということを感じさせる物になっていますが、実売2千円以下という買いやすいライトです。

 「機能・明るさはそのままで、徹底的に『ムダ』を省いた!実力重視のシンプル設計!」という宣伝文句のライトです。
 SF-133の兄弟機で、『ムダ』とはSF-133のヘッド周りの凝ったデザインとかボディの凹凸加工のことのようです。あれは『ムダ』やったんか・・・
 ヘッドはマグライト風のシンプルな形、ボディも軽くて薄いアルミ筒でほぼ全体にメッシュ加工をしただけ。確かに『ムダ』を省いています。
 しかしこのボディのメッシュ加工が粗く切削角がトゲトゲしていて素手で握るとチクチクして皮膚が痛くなります。なんとかなりませんかGENTOSさん…。

 ヘッドやボディのアルミが薄く軽量化されている為、「ちょっとポケットに入れて」程度の持ち歩きにも軽くて便利です。カバンに常に入れておくにも良いでしょう。
 スイッチはSF-133と同じテールプッシュスイッチで半押しでの一時点灯も可能です。但し両機共に少し押し込んだ状態で半押し点灯になりますのでカバンの中で何か物が当たって半押し点灯になったり、そのまま十分に押されてスイッチが入りっぱなしになる可能性があります。かなり堅い目なので誤動作は少ないとは思いますが、この程度の堅さでは実際にカバンの中でONになっていた事もあるので注意に越した事はありません。(DOP-011のようにテールを回してロックアウトできれば…)

 ゴツゴツしてメカっぽいSF-133はマニア品みたいでちょっと・・・という一般の方や女性の方でも安心して使用できる無難なデザインでもあります。
 ホームセンターでよく売っている3〜6灯くらいの3AA多灯ライトとデザインがほとんど変わらないので、そういうライトを持っている人に見せて1Wの明るさで驚かせるのにも使えますね(^^;

 似ていると書きましたが、2AAの割には中のコンバータ基板が縦長に収納されているのとテールプッシュスイッチに厚みがあるのが原因で、本体の長さは3AAライトより少し短いくらいで2AAっぽくありません。ここは多少残念なところです。

 今回テストした物は2006年末に新発売されたGT-10AZです。
 従来のパトプロと言えばGT-10AAという型番で、見た目やパッケージの雰囲気は変わりありませんが「実用点灯時間10時間、但し…2時間」という昔のSF-133と同じ使用時間表記でした。
 それもそのはず、分解するとコリメータレンズ、LEDとDC-DCコンバータ基板はSF-133GT-10AAも全く同じ物が使われていて、部品の流用で製造コストを下げていたのは明白です。(『ムダ』を省いたということはこういう事ですね)
 ですからそれを知っている人は「SF-133の性能を安いGT-10AAで入手できる!」とSF-133の廉価版として購入する傾向にありました。

 しかしいつのまにかパトプロは製造中止(終了)。店頭からも姿を消していました。
 SF-133は継続して販売されていましたので、特に不便は無かったと思うのですが、2006年末にひっそりとGT-10AZ型番のパトプロが店頭に並び始めたのです。
 自分はランタイムテストをしているような人間ですから、パッケージの使用時間表記にまず目が行きます。
実用点灯時間時間
 なにっ、8時間!?
 以前の実用点灯時間10時間でも無く、本当の点灯時間の2時間でも無く8時間
 これは買って試してみるしかない!
 と思っていましたが年末年始にかけてはオーム電機のSRシリーズの購入とテスト等でGT-10AZは後回しにしてしまっていたのでした。

 「パトプロ8時間の謎」に迫るまで長かった…。
 この前置き文章も長かった…


 8時間の謎に迫る前にまずは照射パターン。
 新型になりましたがレンズやLuxeonはSF-133と変わりありませんでした。
 指向性グラフもほとんど変わりなし。
 下の3m写真では少しわかりますが、遠方を照射すると中央のスポットは四角いです。レンズの集光でLEDチップの四角い形が投影されています。
 気になったのでSF-133もじっくり見てみましたが同じく四角いスポットで周辺部の対角に2本、少しワイヤーの影か見えました。

 SF-133との比較です。
 同じLED、同じレンズ…なので見た目の照らし方は同じです。(明るさも)

 SF-133がかなり青白い色だったのに対してGT-10AAのLuxeonは少し黄緑がかった色でした。特にどちらの機種がどの色という事では無く、ほぼ個体差の範囲内の差だと思います。
 DOP-011MGとの照射比較です。

 DOP-011MGのほうがスポット中心部が狭く、GT-10AZのほうが広いのがわかります。
 周辺光が届かずスポット部分だけで照らす中距離までならGT-10AZのほうが明るいでしょう。
 遠方へはDOP-011MGの明るい中心光のほうが届きそうです。
 SF-133でも比較しましたが、周辺光がどれくらいかの比較です。

 GT-10AZは(少し広い目の)スポット部だけが明るく、DOP-011MGは周辺光がかなりの明るさなのがわかります。
 室内使用ではGT-10AZよりDOP-011MGのほうが部屋中を照らせて安心感があります。
 室内使用なら、GT-10AZでも発光している光の総量は同じくらいですので、壁や天井の反射光で室内全体が少し明るくなりますから特に暗いといった感じはありません。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 あらあらあら、SF-133や旧パトプロ(GT-10AA)と全く違い、電池の消耗につれて明るさも下がる一般的なライトになっています。
 これは旧パトプロのようにSF-133と同じ最高輝度を維持する高性能DC-DCコンバータを使用しているのではなくなってしまったようです。
 ここまで違ってしまったのならせめて商品名も「パトプロ2」にするとかして誰が見ても違う物だとわかるようにして欲しかったですね。型番の末尾のAAがAZに変わっただけで見た目も名前も同じだと、「パトプロ」と呼ぶだけでは旧タイプか新タイプかわからずに話が食い違ったりしませんか?
 ヘッドにはしっかり型番までプリントされていますが…
ネットで検索してみると、いち早くGT-10AZを販売しているネット通販ページで
スペック表記が旧GT-10AAのままというおマヌケなページをみつけました…
GENTOS直販でも無い限り、ただの販売店だとこんな感じでしょう

 ランタイムの公称値「8時間」です。
 アルカリ電池では平均6時間程度点灯していますが、やはりSF-133以上または同程度の明るさを維持しているのは約1〜2時間で、それ以降は暗くなってゆきます。しかしアルカリ電池で約6時間の1Wライトというとかなりのロングライフです。
 NiMH2500ではSF-133と同程度の明るさで約7時間点灯していますので、SF-133より約2時間長く使用することができます。

 本体価格が2千円以内、アルカリ電池2本で約6時間点灯という、一般家庭向けや、LEDライトを初めて買う人にはコストパフォーマンスの良いライトです。
 同一価格帯で1W/2AA、ポーチやストラップといった付属品も同じようについたELPAのDOP-011MG/SLとほぼ同じくらいですので、ワイドな周辺光が好きならDOP-011、スポットぎみ(但し結構広い)が好きならGT-10AZがお勧めです。

 ロングライフを実現しているDC-DCコンバータ回路はこのようにLuxeon(ロードーム)をオリジナルのアルミ放熱板(訂正)無印スター基板・アルミ板を接着した背板の後ろに取り付けられています。
 SF-133タイプと見た目はほとんど同じですが、アルミ基板を通る配線に耐熱チューブが被せてあったり、回路基板側にもケーブル通し穴が開けられて配線をそこに通して組み立て時等に力がかかった際にハンダ付け部が破損しにくいような設計になっていて、随所に職人技が光ります。
 昇圧回路はトランジスタ2石ながらブロッキング発振ではなくIC制御のチョッパ型に近い新しい回路になっています。回路図を書いていて「なーるほど!アナログでこういう動きに出来るのか!」と思ってしまいました。発振周波数は実測で40KHz程度以上でした。
 出力は平滑せず昇圧パルス電圧をそのままLEDにかけていて。パルス方式です。
 パルスでドライブする事で効率を上げてロングライフを実現しているようです。
 暗くなってゆく際はデューティ比が下がってゆきます。少しですが電圧も下がるので両方の衰弱で輝度が落ちて行きます。

 SF-133タイプのDC-DCコンバータだと、高輝度からガクっと暗くなった後もぼ〜っと長時間光りますが、GT-10AZはガクッと暗くなるとすぐに完全に消灯してしまいぼ〜っと光り続けることはありません。

 DC-DCコンバータの性能テストをしていると約3.1V以上で発振がロックしました。
 ロックすると不幸なことにコイルに磁束をチャージする為に電流を流しっぱなしの状態(ほぼショートしている状態)になりますので、数秒でチャージスイッチ用のトランジスタが過熱して煙が上がります
 多分そのままあと数秒もすればトランジスタが焼けて壊れてしまったでしょう。
 改造をする、または特別な高電圧電池を使用した場合はGT-10AZはDC-DCコンバータが焼損してしまう可能性があります。

 普通に単3アルカリ乾電池を使用していれば、これくらいの消費電流の負荷接続時に3Vを超えることは無いのでこんなことにはなりませんが、何かMODされようとする方はご注意ください。(改造する場合はオシロスコープ等でコントロール信号部分の観測を行うと動作がよくわかりますので、限界点を超えないよう注意しましょう)

 GT−10AZSF−133の比較です。
▼グラフをクリックすると拡大表示
 旧型のGT-10AA(SF-133と同じコンバータを使用)と新型GT-10AZの比較と言っても良いでしょう。
 2時間時点までは新型のほうが明るいか互角のようです。
 つまり旧型のランタイムである2時間までを見た場合、冒頭の明るさなどが増している為に性能は良くなっているということになります。

 その後アルカリ電池では旧型(SF-133)はストンと消灯してしまって役に立たなくなりますが、新型は6時間程度までゆっくりと暗くなってゆきますので長時間の使用ができます。
 ニッケル水素電池でも旧型(SF-133)が消灯してしまう5時間までほぼ互角の明るさを保っていて、その後も7時間すぎまで点灯しているのは「改良」されたと言ってよいでしょう。

 旧型(SF-133)のニッケル水素電池のグラフではっきり見られるように、点灯開始から消灯するまでズバッ!と一直線に同じ明るさを維持するのもひとつの魅力ですが、ほぼそれに近い状態を維持しながらランタイムを伸ばしているのは利用者にとっては嬉しい改良でしょう。


■ GTR−031T
0.5W Rigel 単3×1 昇圧回路使用 テールプッシュSW GENTOS 1680円

 GENTOSから発売されている日亜の0.5W-LED「Rigel」(リゲル)を使用した1AAライトGTR-031Tです。
 同シリーズに2AAタイプのGTR-032Tもありますが、既に2AAではDOP-011MGを持っていたので1AAタイプのGTR-031Tのほうを購入しました。
 1WではLuxeon使用ライトは既に持っているので、「省電力で明るい」と評判の0.5Wのリゲルに興味があり購入したというのも理由の1つです。

 スイッチはテールプッシュスイッチです。

 1AAサイズと小さいのですが、全体的にデコボコと突起の多いボディとテールキャップで滑ることはありません。また重量もそれにりにあり安定感はあります。
 足元に落としてキズがついても壊れることは無いと思えるくらい堅牢な感じです。


 さて、楽しみにしていたリゲルの光です。
 照射パターンは、中央に高輝度部分のあるやや狭いスポットです。
 光学系は特殊コリメータレンズでLEDの光のほとんどを中央のスポットに集めています。周辺への汚い漏れがありません。
 そのため周辺光がほとんど無く、スポット以外は弱く照らす事も困難です。
 ですので真の闇で使うと中心部の明るい部分に目の感度が合ってしまうと、足元や周囲が見えなくなりちょっと不便です。山道などでは危険かもしれません。

 LEDの色はほぼ真っ白で、今まで見た高出力LEDの中では最も「白」と言っていいほど綺麗な白です。
 この純白の色味とレンズ集光でスポット中央は他の1Wクラスのライトと同列に語れる明るさに見えますが、周辺光まで含めたトータルバランスではかなり暗い、0.5Wなりのライトです。

 DOP-011MGとの照射比較です。
 中心の明るい部分だけではなく、周囲まで照らせているかどうかの差もよくわかると思います。

 0.5Wと1Wなので明らかに差があるのは当然ですが、1500円前後のGTR-031Tと1980円のDOP-011MG、どちらも普及価格帯で手軽に買えるライトなので明るさを取るか、小ささと電池一本で7時間のランタイムを取るか、購入者の使用目的や希望によって迷うところになると思います。

 DOP-011MGよりほんの少し暗いだけで1AAサイズとなるとDOP-014BKという事になるのですが、1AAでランタイム1.5時間はGTR-031Tの7時間を見てしまうとかなり悩み所になりますね。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 新品アルカリ電池で約7時間〜10時間、連続点灯可能でした。
 公称値は「8時間」です。

 アルカリ電池のいくつかとニッケル水素電池は7時間強で終了しています。
 ニッケル水素電池の大電流対応とアルカリ電池の性能がちょうど均衡する程度の消費電流のようです。
 QQ電池は初期の明るさが少し他の電池より弱いですが、そのぶんスタミナを温存して長時間点灯になっています。

 DC-DCコンバータ使用のライトにしては、明るさがダラダラと下がってゆくのは非常に気になります。気になったのでDC-DCコンバータの調査を行いました
(ELPAの1AAタイプDOP-013BKでも同じような大きな垂れ下がり型ですが、あちらは単4電池なのでパワー不足だと思っていましたが…)

 ヘッド部を回すと簡単にはずれ、リゲルや中のコンバータ基板もネジ数本で簡単に外れましたので分解してDC特性を計測してみました。

 DC-DCコンバータ回路は2石のブロッキング発振回路です。
 一部のパターンがコイルを固定する接着剤で隠れていて、定電圧回路か定電流回路かどちらの設計なのかまで調べられませんでした。

電源
電圧
( V )
電源
電流
( mA )
電源
電力
( mW )
昇圧
電圧
( V )
LED
電圧
( V )
LED
電流
( mA )
LED
電力
( mW )
変換
効率
( % )
1.5 995 1492.5 3.2575 3.230 275 888.3 59.5
1.4 841 1177.4 3.1503 3.127 233 728.6 61.9
1.3 696 904.8 3.0794 3.060 194 593.6 65.6
1.2 554 664.8 3.0186 3.003 156 468.5 70.5
1.1 415 456.5 2.9496 2.938 116 340.8 74.7
1.0 280 280.0 2.8677 2.860 77 220.2 78.6
0.9 153 137.7 2.7783 2.774 43 119.3 86.6
0.8 96 76.8 2.7125 2.710 25 67.8 88.3
0.7 86 60.2 2.6920 2.690 20 53.8 89.4
※ LED電流は、基板上のLEDの制限抵抗0.1Ωの両端電圧で測定しています。

 定電圧/定電流どちらの回路になっているにしても、電池一本の1.5V未満では安定化させられないような感じで、電池電圧が下がればそれにつれて出力電圧も下がる、あまり安定化はされていないコンバータのようです。
 リゲルを駆動するには電源電圧が1.2Vの時が適正に設計されているようです。
 1.3V以上では過電流(オーバードライブ)になりますので、改造して電池2本駆動などは厳禁です。

 アルカリ電池使用で、新品を入れた瞬間は1.4V程度で電流も800mA強流れています。その時点ではリゲルには700mW程度電力を食わせていますので定格よりやや明るく光っています。
 アルカリ電池ではじきに1.1〜1.2V程度以下に下がるのでほぼリゲルの定格電流150mA前後になり適正な明るさで光らせます。

 ニッケル水素電池では約1.2Vの均一な電圧で長時間点灯させることができ、その際のリゲルに流れる電流は定格の150mAにかなり近い値を維持しますので、ニッケル水素電池ではリゲル本来の明るさで最初から最後まで使用できます。

 オキシライド電池では、初期には約1.5Vを供給していて約1A近い電流を放出しています。リゲルにはなんと定格の2倍の300mA近くくらいを流していますので、これはLEDの寿命を縮めることになりそうです。
 コンバータの変換効率を見ても、電源電圧が高いほど効率が悪くなるというあまり好ましくない性能ですので、特にオキシライド電池を使用する意味がありません。
 明るさ的には300mAドライブしてもほんの少し明るくなる程度です。

 定電圧/定電流いずれかの制御で、電源電圧が1V程度から上で安定化するコンバータであればオキシライド電池でもこのような2倍近くのオーバードライブにならずにちゃんと定格近くで運用できるはずなのですが、そういうコンバータで無いことが残念です。
 同シリーズで2AAのGTR-032Tがありますが、2AAタイプもあるからGTR-031Tに電池を2本繋げばちゃんとコンバータが安全ドライブしてくれて電池2本ぶんの長時間運用が可能・・・というわけにはゆかないようです。
 販売価格1500円程度のライトに高性能コンバータを求めるのは無理ですね。


■ SR−05B
0.5W Rigel 単3×1 昇圧回路使用 テールプッシュSW オーム電機 998円(特価)

 オーム電機から0.5W/1W/3Wの三種類の新型ライトがリリースされました。
 その中のNICHIA RIGEL (0.5W)使用の1AAライトSR-05Bです。
 ケイヨーD2で正月期間特価(?)の998円で購入しました。ふだんは1300円台後半くらいで販売されているようです。

 スイッチはテールプッシュスイッチです。(半押し点灯は不可)

 RIGEL使用ライトはGENTOSのGTR-031Tを持っていましたが、リフレクタ仕様だということで期待の配光ではないかと思い購入しました。

 中の基板はボディにしっかりとは固定されておらず、ヘッドを緩めるとグラグラします。
 遊びが多いのでLEDがリフレクタの中心に無いのもが多いです。店頭で見たらほとんどが中心からズレていました。
 ズレているとスポット光が楕円形になりますので、何度かヘッドを締め直して真ん中に来るように直します。基板もリフレクタも両方に遊びがあるのでなかなか思うような位置に来ないのは困りものです。
(透明カバーが汚れていたのは気になりますが…)

 使用感は、GTR-031Tが実はボディ部分が微妙に短くて握った時にホールド感が悪かった(指一本ぶん短い)のですが、SR-05Bは丁度掌の大きさと同じ長さのボディ長でしっくりきます。(個人差はありますが)
 ボディのほぼ全体に施されたメッシュ加工もすべり止めとしてはかなり感触が良く、大きな凹凸も少ないため滑らかでしっかりと握れます。

 ヘッドに付けられた6角形の枠(?)は置いた時に転がり防止に役立ちます。
 しかしヘッドの先端に「衝撃防止?」の為かゴム製のOリングが付いています。普通はこんなの付けません。ポケットに入れておくとこのゴムリングに細かな糸くずやホコリが吸い付いてかなりモサモサになります。黒いボディとゴムに白いホコリがいっぱい付いて不潔な感じになります。外してしまっても良いのですが今度は謎の溝になってしまってイマイチです。



 照射パターンはリフレクタ仕様でスポットはやや広い目、周辺光はLEDからの直接光で均一な明るさ(に人間には見える)の円になっています。
 遠くまで照らすスポットと足元や周辺を見るのに便利な周辺光のバランスの良いライトです。
 同じ1AAでRIGEL使用のGTR-031Tがコリメータレンズ使用で周辺光が弱く不便に思っていたのですが、SR-05Bは屋内用や散歩用ライトとして光は強くありませんが便利に使える配光となっています。

 GTR-031Tとの照射比較です。

 同じNICHIA RIGEL同士で雰囲気は似ていますが、SR-05Bはリフレクタで中央スポット以外も均一に照らし、GTR-031Tはコリメータレンズで中心部付近にだけ光を集めています。

 DCコンバータの違いでSR-05Bのほうが発光量が少ないようです。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 アルカリ電池ではかなりダラダラと暗くなってゆく感じのグラフです。
 公称「連続点灯時間10時間」です。
 同じリゲル/1AAのGTR-031Tが約600LUXまで8時間程度点灯していたのに対して、平均5時間程度と少し短めです。
 しかも電池による格差がかなり大きく、定格の半分くらいしか持たない場合もあるのはかなり悲しいです。

 オキシライド電池が約1時間まで一定の明るさを保っています。
 これは下記のDCコンバータの解析で明らかになるのですが、オキシライド電池の初期の電圧の高さくらいで出力が安定するDCコンバータを使用しているからです。

 ヘッド部を回すと簡単にはずれ、ベゼル(透明カバー付き)/リフレクタ/リゲルが搭載された昇圧モジュールに分解できます。
 リゲルはエミッタパーツが基板に直付けで、銅箔パターンが広くレイアウトされていて放熱板の役割を果たしています。

 DC-DCコンバータ回路はもっと分解しないと見えませんので回路図については未確認です。

電源
電圧
( V )
電源
電流
( mA )
電源
電力
( mW )
昇圧
電圧
( V )
LED
電流
( mA )
LED
電力
( mW )
変換
効率
( % )
2.0 356 712.0 3.10 163 505.3 71.0
1.8 404 727.2 3.08 157 483.6 66.5
1.6 471 753.6 3.07 157 482.0 64.0
1.4 576 806.4 3.07 158 485.1 60.2
1.2 473 567.6 3.01 110 331.1 58.3
1.0 218 218.0 2.86 53 151.6 69.5
0.8 49 39.2 2.63 10 26.3 67.1

 このDC-DCコンバータは約1.4V以上の入力で出力が安定します。
 1.4V以上ではリゲルを約0.5Wでドライブできます。

 しかしながら、アルカリ電池を使用した場合はすぐに約1.2V程度まで下がりますので、最も長い時間点灯してるスパンでは約0.3W強程度の明るさしか発していないことが見て取れます。
 オキシライド電池は初期電圧が高く、大電流を流しても暫くは高い電圧を維持しますので、このDCコンバータの安定電圧を約1時間は維持しているようです。

 ニッケル水素電池を使用すると約1.1〜1.2V入力の時の出力電圧で0.3〜.4Wでリゲルを点灯させています。
 GTR−031Tが約1.2V時に定格の約0.5W出力なのに対して、SR−05Bはリゲルを多少アンダードライブぎみで発光させているようです。(見た目も暗いです)

 このまま電源電圧を上げてゆくと3V程度までは使用できそうですが、もっと分解しないと回路が見えないので使用部品や回路設計上の耐圧が何Vかわかりませんのでテストは2Vまでとしました。

 SR−05Bのパッケージ裏の性能表記には
電池寿命
(アルカリ電池使用)
連続使用時間 約10時間
測定方法 アルカリ単3電池1本使用
(電圧4.5V→2.7Vの使用時間)
 って・・・・4.5Vってどこから!?
 出力4.5Vにするには電池は1本じゃ無理でしょ?
 それにこのコンバータは一定電圧で安定化させてるようなので、この回路で4.5V出すには安定化できないような高電圧をかける必要が・・・
 いや、リゲルに4.5Vもかけたら潰れますがな〜
気になる点が‥‥ →


■ SR−10B
1W Luxeon 単3×1 昇圧回路使用 テールプッシュSW オーム電機 1980円

 0.5WのSR-05Bの兄貴分(?)にあたる1W/1AAライトです。
 LEDにはLuxeon 1Wを使用し、光学系はコリメータレンズ仕様となっています。

 同じ1AAライトで電池を収めるボディは単3電池一本が入るサイズで各種共通かと思いきや、ヘッド・ボディ・テールキャップと3点パーツ全てが違う設計でした。

 握り心地はSR-05Bよりわずかにボディが短いので、GTR-031Tと同じく指が一本ほど余ってしまい少し不安定感があります。
 ヘッドの転がり防止部は大きなリングを6箇所窪ませたようなデザインで、DOP-011MGと同じような削り出し風ですが、溝が浅いですし指に当たらない場所なので全く問題は無いです。



 照射パターンは、コリメータらしいと言うかなんと言うか…
 中央スポットは非常に明るいのですが、そこから少し逸れると暗い周辺光になります。
 周辺光の外側にゆくに従って何本かの明暗の線が現われます。まるで土星の輪です。
 輪のせいでよけいに周辺光が暗く見えてしまい、スポット光で遠くや近くのごく一部を照らす以外には室内用途ではあまり使いたくない配光です。
 周辺光の届かない15〜20メートル程度を照らすにはスポット光は強力です。

 SR-05Bとの比較です。

 0.5Wと1Wの差ははっきりと見て取れます。
 またRIGELの白い色とLuxeonの少し黄緑がかった色の違いもあります。

※ カメラのオートホワイトバランスの関係で、SR-10Bの色が少し黄色が強く写っています。実際は1つ下の写真のようなかなり白に近い色です。


 1WLuxeonを使用した他ライトとの比較です。

 コリメータレンズの使用で周辺光を押さえ、なるべく多くの光を中心部のスポットに集めているのでLuxeonをアンダードライブしていてもスポット光は見た目はそれほど暗くは感じないかもしれません。
(DOP-011MGの圧倒的な明るさの前には肉眼でもはっきり暗く映ってしまいますが)

 リフレクタ仕様の他ライトと比べると中央スポット以外を照らす光は弱く、また独特のダークリング・土星の輪のせいで余計に周辺が暗く見えます。

(実際に発光量が少なくて暗いんですけど…)


 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 公称「連続点灯時間6時間」です。
 残念ながら、どの電池も公称時間まで明るく点灯させることはできませんでした。
 6時間の時点では確かにLEDは点灯していますが、ぼ〜っと光るだけですぐ足元を照らすにも不自由します。レンズ正面に目を近づけても全く眩しくありませんし・・・

 公称「連続点灯時間6時間」はかなり鯖を読んでいますね。
 公称値は「3時間」と表記するのが妥当のような気がしますが・・・

 急激に暗くなるまでアルカリ電池でだいたい2:30〜5:00とかなり幅があります。
 先に掲載したダイレクトドライブのSP−01(このページの下のほう)のグラフでも顕著に表れているように、富士通系電池は最後まで伸びがあり、松下・日立はある時点でストンと落ちています。

 明るさの推移を見ると、メインの点灯期間は1500〜500LUXで0.5WのGTR-031Tのグラフとたいへん似ています。(連続時間は違います)
 GTR-031Tもコリメータレンズで中央に光を集めていますので、両者共良く似た配光ですから実際にSR-10Bが少し暗くなると見た目はほとんど変わりません。
 1Wのライトですが、実際の明るさは0.5W程度のようです。(後のDCコンバータの解析もご覧下さい)

 同じ1AA/1WのDOP-014BKがアルカリ電池で連続約1時間半ですから、SR-10Bは約3時間とランタイムは倍ほどでしょうか。

 ヘッド部を回すと簡単にはずれ、ベゼル(透明カバー付き)/コリメータレンズ/レンズ固定金具/ラクシオン(Luxeon 1W)が搭載された昇圧モジュールに分解できます。
 Luxeonは放熱用スター基板ではなく、エミッタパーツが基板に直付けで、基板側には特に放熱対策は施されていないのでどうやらLEDに直接接触するレンズ押さえ金具が放熱板を兼ねているようです。
 0.5WリゲルのSR-05Bがリフレクタ型で放熱板無し(基板で放熱)、1Wと3WのSR-10B/SR-30Bがコリメータ型で放熱金具有りになっているのはこういう熱対策の理由からでしょうか。
 もちろん基板を通してコンバータ部を覆っているアルミ筒にもかなりの熱が伝わります。連続点灯しているとこの部分全体が暖かくなります。この熱はボディを通して放熱されます。

 また、レンズ押さえ金具なしにするとかなり暗くなります。この金具はレンズから漏れた光を反射して全て前面に出す為のリフレクタの役目も果たしているようです。

 DC-DCコンバータ回路はもっと分解しないと見えませんので回路図については未確認です。

 コンバータの動作測定結果です。
電源
電圧
( V )
電源
電流
( mA )
電源
電力
( W )
昇圧
電圧
( V )
LED
電流
( mA )
LED
電力
( mW )
変換
効率
( % )
2.0 1635 3270.0 3.13 520 1627.6 49.8
1.8 1612 2901.6 3.05 415 1265.8 43.6
1.6 1462 2339.2 3.00 347 1041.0 44.5
1.4 1143 1600.2 2.96 279 825.8 51.6
1.2 795 954.0 2.91 196 570.4 59.8
1.0 420 420.0 2.84 107 303.9 72.4
0.8 94 75.2 2.71 22 59.6 79.3

 SR−05Bとは違い、制限回路無しの単純昇圧回路のようです。
 約1.5〜1.6VでLuxeon 1Wを定格の1Wで駆動できます。

 このライトの場合もアルカリ電池を使用するとすぐに電圧は1.1〜1.3Vに低下します。
 するとこのコンバータの出力では約0.5W前後でLuxeon 1Wをドライブすることになり、1WのLEDを使用しているとはいえ明るさは0.5Wクラスということになります。
 ランタイムグラフ上の明るさが0.5Wのライトと酷似しているのもうなづけます。

 電源電圧を上げてゆくと出力も上がりますが、2V時でLuxeonに直流500mAも流しますのでこのコンバータも電池2本などでの駆動はしないほうが良さそうです。

 SR−10Bのパッケージ裏の性能表記には
電池寿命
(アルカリ電池使用)
連続使用時間 約6時間
測定方法 アルカリ単3電池1本使用
(電圧4.5V→2.7Vの使用時間)
 って・・・・4.5Vってどこから!?
 出力4.5Vにするには電池は1本じゃ無理でしょ?
 Luxeon 1Wに4.5Vもかけたらそれは凄いことに(笑)
気になる点が‥‥ →


■ SR−30B
3W Luxeon 単3×2 昇圧回路使用 テールプッシュSW オーム電機 3980円

 3Wタイプで電源が2AA(単3電池×2本)という、単3電池好きにはたまらないライトです(笑)
 3980円と、1Wクラスのライトの倍ほどしますが、一度3WクラスのLuxeonのライトを使ってみたかったので飛びつきました。

 2AAタイプですのでボディの長さはそれなりにあります。
 太さが一定で長いので、昔からある5mmLED使用の多灯ライトに似た感じもします。
 単4×3本タイプやCR123Aを使用するものと比べると非常にスリムな感じです。
 1AAタイプの同SRシリーズに比べるとヘッドが少し太いのが特徴です。

 3WのLED(Luxeon III star)を使用したライトは電源にCR123Aリチウム電池を使用というイメージが強いので、単3電池+DCコンバータでドライブするタイプはどんな感じなのかにも非常に興味があります。



 照射パターンはSR-10Bと同じく多数の土星の輪が見えるコリメータレンズ特有の模様です。SR-10Bに比べるとスポットも広い目、周辺光の光量も多い配光でまわりの物も見えやすくなっています。
 地図など至近距離を照らした場合も中心だけ明るいのではなく、全体に強い光で照らすのでSR-10Bより見やすくなっています。
 輪は気になりますが、周辺光の届く範囲はDOP-011MGと同じくらいで散歩用ライトとしても安心感があります。

 1WタイプSR-10Bとの照射比較です。

 コリメータレンズの照射パターンは両機種ともほぼ同じですが、上記の光学特性の通り30Bのほうが少し周囲まで明るいのがわかります。

 3Wといっても単純に1Wの3倍の明るさではありませんので、中心部ではこの程度の差なのでしょうか?


 DOP-011MGとの照射比較です。

 あれれ?
 1WのDOP-011MGとほとんど明るさが変わりません。(いや、DOP-011のほうが明るいかも)
 不審に思い外で20〜30メートルの遠射のテストをしてみましたが、スポット部の明るさはやはりほぼ同じでした。

 3Wの威力はどこに?

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 公称「連続点灯時間2時間」です。
 平均1時間30分程度と、どのアルカリ電池も公称時間まで明るく点灯させることはできませんでした。
 2500mAhニッケル水素充電池は3時間とやはり大電流を消費するライトには適しています。

 測定はスポット中央部で行っていますが、明るさはやはり1WのDOP-011MGと全く変わらないと言って良いでしょう。SR-30Bのほうがスポットが倍広いとか、周辺光が非常に明るいとかならスポット中央の明るさだけで比較もできませんが、スポットの広さはほぼ同じ、周辺光に関しても広がる広さと明るさはほとんど変わりません。
 グラフで見るランタイムは同じ2AAのDOP-011MGのちょうど半分。
 せめて明るさがもっと明るければこのランタイムでも納得できますが、3W-LEDなのに1Wライトと変わらない明るさで電池の持ちが半分の時間ではコストパフォーマンスが非常に悪いライトと言えます。

 逆にDOP-011MGの出来が良すぎる、ということかもしれません。

 ELPAのDOPシリーズが一定の時点でストンと暗くなるのに対して、オーム電機のSRシリーズは暗いとはいえ長時間じりじりと点灯し続けます。遠くは照らせませんし、暗闇で数十センチ先の物を見分けるのがやっとですが、SR-30Bは3W-LEDを使用しているせいでしょうか、この暗くじりじり消えてゆくまでの間でも他のライトより明るい目なのは唯一の救いかも?

 ヘッド部を回すと簡単にはずれ、ベゼル(透明カバー付き)/コリメータレンズ/レンズ固定金具/ラクシオン(Luxeon 3W)が搭載された昇圧モジュールに分解できます。
 Luxeonは放熱用スター基板に乗ったものが使用されています。スター基板以外にSR−10Bと同じくLEDに直接接触するレンズ押さえ金具が放熱板を兼ねているようです。3W-LEDの放熱対策はこれくらいは必要という事でしようか。
 スター基板を通してコンバータ部を覆っているアルミ筒にかなりの熱が伝わります。連続点灯しているとこの部分全体が暖かくなりボディまで熱が伝わり放熱されます。
 室温18度で約1時間連続点灯した場合、ヘッド部で約34度、ボディは約33〜27度(前〜後)でした。

 DC-DCコンバータ回路はもっと分解しないと見えませんので回路図については未確認です。(分解しました。詳細は下記に追加)

 いつものようにLEDにかかる電圧と電流を測定しようとしましたが、DVM(テスター)の表示がどうも安定しません。
 「もしや!」と思いオシロを接続するとやはり・・・直流ではなくパルス駆動でした。
※ 確認しましたがSR-05B/10Bは直流出力でした。

 LEDと昇圧ユニットを分解するとこのようになっていました。
 アルミ筒の中にひとまわり小さなDCコンバータ基板が入っていて、電池側の台座基板とLEDにそれぞれ配線されています。
 DCコンバータ基板は円形で、片面の周囲に−端子、中央に+端子パターンがありますので、どうやらヘッドがひとまわり小さな別のライト用のコンバータ基板を単に流用しているだけのようです。
 回路図はこんな感じで、電流制限方式のチョッパ型DC-DCコンバータです。
 ICの表面は削られていて、型番や識別番号は読めなくされていました。

 発振制御で昇圧している電圧を平滑せずに直接LEDにかけています。

 分解してコンバータ部を取り出せましたので、オシロでの測定もLED印加電圧だけでなく電流(制限検知抵抗の両端電圧で測定)も計測した写真に差し替えました。

 発振周波数は100KHz前後で、出力電圧の推移は3.1V→3.0V程度です。出力電圧から推測すると電流はLuxeon 3Wの定格より少し少なめ(?)を流しているようです。
 制限電流検知抵抗の部分で電流を測りましたが、上の写真のように電源3V時で1.2A〜0.6A(1パルス中で推移)とほぼ定格電流が流れています。
 しかし電圧が2.4V程度あたりから下になると約1A〜0.5A程度と十分に定格電流を流せなくなりますし、デューティ比がかなり落ち込むのでトータルとしてはかなりのアンダードライブになります。
 パルス点灯の常套手段である高電流ドライブはしていないということがわかります。
 ということは、どんなに頑張ってもLEDの定格の3Wフルパワーでは絶対に光らないということですね。

 アルカリ電池やニッケル水素電池では、新品電池を入れた最初の短時間を除き、通常は真ん中の写真の2V程度に近い状態で点灯させています。
 この状態では3W-LEDを電圧・電流値では定格未満、そしてデューティ比50%程度、つまりは1.5W未満のパワーで点灯させていることになります。

 ちなみに、使用されているLuxeon 3Wを回路から切り離して定格電圧・電流を流すと見た目でも倍くらい明るく光りました。

 気になったので明るさを調べてみることにしました。
 レンズ等を取り外してLEDを裸の状態で照度計に向けて明るさを計測しました。
条件 SR-30B DOP-011MG
電源2.4V時 約 1000 Lux 約 1000 Lux
定格電流時 約 1500 Lux 分解できないので
定格条件不明
※ 測定距離11cm
 定格の3Wで光らせても、明るさ(LUX値)は1.5倍でした。
 しかし、通常の使用状態(2.4V時)の明るさがDOP-011MGと全く変わらないというのがやはりやりきれません。

 せっかく分解したので、LuxeonのBINコードを確認しようとスター基板の裏を見たところ、BINコードの印字がありませんでした。(無いものもあるとは聞いていますが…)
 代わりに油性ペンでアルミ基板裏にという漢字が書かれているではありませんか!?
 最初は日本向け製品を表すアルファベットの「J」かとも思いましたが、この筆跡はどう見ても漢字の「丁」です。(わざわざ日本向けなのをマジックペンで手書きで記入するわけが無いし…)
 ということは・・・中国の工場で実際に点灯してLEDを選別して、「」「」「」「」の4ランクに仕分けた最も性能の悪いランクのLEDですかっ!?
 確かに3WのLuxeonでも最もランクの低い物はランクの高い1W品とさほど明るさが変わらないのですが…。
 わざわざ「アメリカ製 LED使用」とパッケージに書いているのに、なんで製造元のアメリカではなく中国の工場でランク分けするのか、はたして本当に中国の労働者の皆さんが人海戦術でランク分け作業をしているのかさえも分りませんが、このLEDの裏に手書きされたの文字は、SR-30Bへの更なる不信感を募らせる非常に大きな不安要素となってしまったのです。(分解しなければ良かった・・・)
※ 「丁」の文字が書かれたLuxeonについて情報をお持ちの方はお教えください

 パッケージには
※仕様表記に3.0Wとありますが、これは明るさを表す単位表示ではありません。
と小さな字で注釈が書かれています。
 つまりは・・・・・そういうことです。
 3W-LEDは使用しているが、明るさ3Wのライトでは無いという事ですね。

 こうなると、パッケージの表に書かれている
従来あるLEDライトより明るさ約30倍(当社比)
というのはかなり眉唾ということにならないでしょうか?
 1Wで従来LEDの12倍、3Wで30倍というのはLuxeonを定格駆動した時の明るさのめやすです。定格駆動の半分くらいの明るさで光らせているのに30倍は無いと思うのですが・・・

 このようなコンバータと駆動方法では、1Wライトの中で比較的明るいほうのDOP-011MGと同じくらいに見えたのは当然と言えるでしょう。(値段は倍もするのに・・・)
 この明るさでランタイムがDOP-011MGの半分では目も当てられません。
 こんな性能ではSR-30Bはもう使わないかもしれません。

 従来の3Wタイプや5Wタイプのライトは電源にCR-123Aリチウム電池等を使用しているのはそれだけ大きな電流が必要だということです。
 それをアルカリ電池で光らせようとする事自体に無理があるのではないでしょうか。
 という事は単3リチウム電池を使用すると劇的に改善される?
 お店に行って単3リチウム電池を買って来てテストすることにしましょう。

 SR−30Bのパッケージ裏の性能表記には
電池寿命
(アルカリ電池使用)
連続使用時間 約2時間
測定方法 アルカリ単3電池2本使用
(電圧4.5V→2.7Vの使用時間)
 って・・・・以下省略

 今回のSRシリーズ全て同じ電圧表記ですので、性能試験内容をちゃんと調べずにパッケージを作っているのが見え見えです。多分製造元の中国のメーカーの出している誤った資料を日本語訳しただけなんでしょうけど。
 まぁ、オーム電機にそれほど厳密な物を求めてはいけないのでしょう。
そしてこれも‥‥ →


■ いんたーみっしょん

 さて、単3リチウム電池を買って来ました。
 ほかに「デジタルカメラに強い」と宣伝しているニッケル乾電池も性能を調べる為に購入しました。
電池写真 名称 メーカー 消費
期限
4本
価格
LITIUM
単3リチウム電池
FUJIFILM 11-2016 980 円
GigaEnergy
ニッケル乾電池
TOSHIBA 06-2008 514 円
※ 価格は量販店での購入時価格です、店舗により異なる場合があります。

 単3リチウム電池は単価ではPanasonic赤やオキシライド電池の2倍、QQアルカリと比較すると約10倍もします。
 「アルカリの約4−9倍」という宣伝文句なので、4倍(常温時)の能力があれば有名電器メーカー製アルカリ電池と比べると価格比くらいは働いてくれそうです。

 そして注目のランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 どうでしょう、単3リチウム電池のこの威力!(笑)
 ランタイムでは約3倍、しかも2時間30分まで約2800LUX程度の一定の明るさを保ち、急激に暗くなる直前まで2000LUX以上の明るさがキープされています。
 容量的には確かに約4倍程度で使えています。

 ニッケル乾電池はアルカリ電池とほとんど変わりません。

 やはり大飯喰らいのSR-30Bには単3リチウム電池が最適のようです。
 と言うか、リチウム電池タイプのライトのDCコンバータそのままじゃないのかな?

 4本104円のQQアルカリ電池でリーズナブルに済ませるか?
 多少高くても単3リチウム電池で高出力を維持させて使うか?
 中間くらいのNiMH2500で何度も充電して単価を下げてお茶を濁すか(汗)

 まてまて、もし明るくてランタイムも長いDOP-011MGや他のライトで単3リチウム電池を使ったらどうなるのでしょう?
 ワクワクの結果が得られるのでしょうか。
 それはまたいつか確かめてみましょう。

 ・・・・確かめてみました。(下のグラフを追加しました)

 DOP-011MG単3リチウム電池のランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示
 ランタイムはアルカリ電池の約倍ほどですが、やはり3500LUXの明るさが長時間維持されるのは非常に良い結果となっています。
 アルカリ電池と比べてランタイムで約2倍、容量で約3倍程度のパワーとなっています。同じ時間(約7時間)使用するのであれば、有名メーカー製アルカリ電池を2セット取り替えるより、単3リチウム電池1セットを使用するほうが良さそうです。

 SR-30Bの約4時間に対してDOP-011MGは約7時間。この差は大きいですね。

 高出力LED使用ライトにCR123等リチウム電池使用のライトが多い理由がやはりこういう事だったのかと再確認できました。


<<<こらむ>>>
◆◆ 電池の片減りについて ◆◆

 以前から気になっていたのですが、今回はっきりとテストができましたのでレポートします。

 「片減り」とは、電池を2本(以上)直列で使う機器で使用した電池が、2本(以上)が同じように消耗するのではなく、片方は良く減ってもう片方はまだ電気が残っているという症状です。
 片方はまだ捨てるにはもったいないくらい電気が残っている場合があります。

 直列で使用すると2本の電池とも同じように電気を消費するはずですが、SR-30Bのようなライトで使用すると使用後(点灯しなくなった後)に取り出した電池の電圧を測ると二本に大きな差があります。
 一本は開放電圧が1.3V程度、有負荷(3Ω)電圧が1.2〜0.9Vとまだまだ健在。
 一本は開放電圧が1.0V未満、有負荷(3Ω)電圧が0.7〜0.1Vとほぼ使用終了。

 これらはPanasonicアルカリ赤/オキシライド/GPlus/ダイナミック/QQアルカリで確認しました。(オキシライドはわずかに測定電圧が高いです)

 電圧の高いほうの電池は「ヘッド側」に入れた電池。
 使い切られた電池は「テール側」に入れた電池でした。
 使用中、ヘッド側の温度は約33度、テール側は約27度でした。

 また、2本の電池に温度差が現われない機器での使用ではこのような大きな片減りが起きない事は確認しています。

 このことから、
 『ヘッド側の電池はLEDの発熱で温められ、高出力可能な状態で使用してパワーが残っている』
 『テール側の電池は暖められない(難い)ので低温のため出力性能が低い状態で使用して早く消耗してしまう』
という仮説が成り立ちます。

 アルカリ電池は温度が高いほど高性能で、温度が下がると性能が落ちるのはメーカーも公表している電池の性格です。
 リチウム電池のように低温に強い電池との比較で情報が公開されています。
※ 今回のテストでも単3リチウムには片減りはほとんど起きませんでした

 高出力ライトのように電池を入れているボディが発熱して、2つの電池の容器に温度差が現われるような機器では温かいほうの電池はパワーを残し、冷たいほうの電池は早く消耗してしまうという電池2個に対して不平等な消耗状態になることが確認できました。

 このように温度差がある機器でアルカリ電池をちゃんと使い切るには、使用途中で前後の電池を入れ替えると良いでしょう。
 いや、入れ替えるなんて面倒で普通はできませんよね・・・
 それでは、発熱が電池に影響するくらいの温度にならないくらい、一回につき短い時間しか点灯させないとか・・・これではまさに本末点灯(本末転倒)

 お後がよろしいようで。


■ LED−SP01
SUPER LED 1W 単3×3 ダイレクトドライブ テールツイストSW オーム電機 2079円

 オーム電機からその昔、1WスーパーLEDが出た時に発売された1WLEDライトです。
 商品名は『スーパーLEDサイバーフラッシュ』なのですが、ボディには『OHM STAMINA LIGHT』と同社の5φLEDライトシリーズの「オームスタミナライト」と同じ名前が印刷されていて、どこにも「サイバーフラッシュ」の表記が無いややこしい製品です。

 LEDは1Wの「スーパーLED」を使用しています。

 さすがに発売からもう何年も経つので、最近の商品ではLEDも改良型に変わったという噂ですが、今回実験に使用しているのはオームから新製品として発売された時に買ったまんま「初期ロット」品です。

 スイッチはテール部をネジ込んでON、緩めてOFF。少し緩めた状態ではプッシュONも可能です。
 色は薄いガンメタっぽいシルバーです。(ちょっと気に入っています)

 3AAで1W-LEDをダイレクトドライブ(電流制限抵抗は無し)と、何のヒネリもありませんが、ダイレクトドライブゆえに電池がヘタってもギリギリまで「それなりに」点灯しているので災害時には長時間のランで使用できます。(絶対に明るくは無いですよ)


 LEDの色は黄緑色の混ざった白です。(最近の改良品は白くなったとか?)
 照射パターンは、やや中央に高輝度部分のある広いスポットです。中心円内はかなりフラットな明るさとなっています。
 光学系は「U字リフレクタ」で、もちろん直接光もたっぷり周囲に出ていて安心感のある配光となっています。
 散歩の際には道を広く照らしますので、間違っても落とし穴に落ちることはありません。

 DOP-013BKとの照射比較です。

 両方とも広角でフラットな配光で、遠射はできませんが建物の中を歩くとか、周囲に注意を払いながら歩くには適しています。

 たとえ天井にニンジャが張り付いていてもかなり手前から見つけることができます。

 ランタイム測定結果です。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 ダイレクトドライブですので、電池の電圧が下がると明るさもそれにあわせて下がってゆきます。このへんは電球使用の懐中電灯と変わりません。

 ここで松下・日立とFDK(富士通・QQ)で明らかに電池の性格差が現われています。
 松下・日立はある一定のところでガクンと電圧が落ちてしまっています。サムライ的な潔さですがライトで使うには急に暗くなるのは困り者です。
 それに対してFDK製の電池は最後まで粘りに粘ってほぼ一定の割合で力尽きて行くようです。

 まぁしかし、明るさが400LUX程度より下回ると既に数メートル以上遠くを照らすには力不足で、せいぜい自分の足元に落とし穴が無いかそろりそろりと確かめながら歩かなければならないくらいの暗さで、もし行く手に辻斬りが隠れていても見つけることが出来ずにイキナリ斬られてしまうでしょう。(どこを歩いてるんやねん?)

 公称「連続点灯18時間」とパッケージに書かれていますが、18時間時点ではまさに「一寸先は闇」状態で、確かにLEDは点灯していますが「何の役に立つのか?」と聞かれると困ってしまいます。


■ 100LED FLASHLIGHT
5φLED 100個 単3×4 ダイレクトドライブ サイドプッシュSW SHI TIAO 2460円

 「人海戦術」「物量作戦」・・・・
 そんな言葉が良く似合う、かの大陸製の100LEDライトです。

 明るくするならLEDを沢山付ければいいじゃん!
 確かにそうですが、100個ですよ、100個。
 頭の悪さ大爆発のこのライト、前からずっと欲しかったんです!(笑)

 で、今回のランタイムテストをするにあたり、「これは絶対に外せない!」と通販で買っちゃいました。
 日本橋の明電(日本橋電気街最古の怪しいバラエティショップ)でも売ってたのですが、通販のほうが送料を入れても1000円も安かったので…。

 LEDは5φの超高輝度LEDを100個、並列に接続しています。
 日本フラッシュライトチャンネルさんブログを読むと同形のライトには電流制限抵抗が付いていて、外すとLED一個に二十数mAの電流になると書かれていますので配達されてテスト点灯した後スグにヘッドを回して中を開いて抵抗を取ろうとしたのですが・・・・
抵抗が無い!?
 以前の物はこの基板の中央の部分に抵抗がハンダ付けされていて、それにコードの一本(この場合黄色)がつながっていたそうですが、この写真の通り抵抗は影も形も見えません。

 そして「コードが千切れてヘッドを分解しないとハンダ付けできない」と言われたもう片側のコード(この場合は青)も、基板のフチの電源共通パターンではなく、ご覧の通りLEDにそれぞれ配線するパターンにちゃっかりハンダ付けされています。
 このパターンの太さなら電流容量的に見ても「まぁ大丈夫か」的な物なので、コードがちぎれるとヘッドを壊して基板を修理しなければならないより、ここに繋いでおいても大丈夫だしちぎれてもハンダごてが簡単に届くという理由でコードの接続場所が変わっているようです。
 どうやらLEDが乗ってる基板もパターンが変わっているようですが、この変更はあまり配線の変更とは関係無いと思います。以前の基板でも隠れた場所が断線したものを、ヘッドを分解しないでこのように中央にハンダ付けしなおしても問題無いです。

 そしてもう1つ「ヘッドをネジ込むとコードが中でぐるぐる巻きになる、その力でコードがちぎれる。」という事でしたが、この製品では『ヘッドをとりつける前に逆向きにぐるぐる回してコードを捻じっておく、そしてヘッドを取り付ければ中でコードは伸びた状態になる』という行程を経て組み立てられています。
 ですので写真の状態ではヘッドを回して外したらコードは逆方向にねじれています。
よほどコードが千切れる不良品が多かったのでしょう
 製造工程での改善が見られます。

 抵抗が無くなってるのも、電流的には問題は無いし、より明るいほうが喜ばれる・・・ということだと信じましょう。

 照射パターンは・・・5mm砲弾型LEDのパターンそのまま!
 もちろん色味も5mm砲弾型の青みがかった冷たい感じの白色。
 それが100個です。
 もう、スイッチを入れるたびに笑いが止まりません(笑)

 家にある1W-LEDライトを全部足してもかなわないくらいの明るさです。

 暗闇で手元の地図を照らすことはやめたほうが良いかもしれません。
 明るすぎて目に悪いです。

 ちなみに、LEDが100個もついていると「個体差」のテストができます。
 LEDは定格電圧より下がるとある電圧点で急に暗くなります。
 その電圧はLEDの種類(品種)によってほぼ決まっているのですが、同一品でも半導体の製造状態により個々にわずかづつ性能が違います。
 同じ白色LEDでも個々にLEDの「色」が違うのもその個体差です。
 100個のLEDに、消灯するギリギリの電圧をかけた時にどうなるか、右の写真のように「まだ生きてる」LEDと「もう光れない」LEDにはっきり分かれます。
 電池が減ってこの電圧にさしかかると、パラパラと弱いLEDから順に消えて行って、幾何学模様のようになるのは面白いです。
(高輝度LEDの光を直視しないでください。)

▼グラフをクリックすると拡大表示

 初期電流で2.5A程度流れていますので、単3アルカリ電池にはかなり酷な使用条件です。ニッケル水素電池で2.3〜2A程度の電流を維持し続けています。
 ダイレクトドライブですので、電池の電圧が下がると明るさもそれにあわせて下がってゆきます。

 しかし初期でLED1個20数ミリアンペアと白色LEDをドライブするには丁度良い電流値の範囲で徐々に下がってゆきますので、明るさの減少はそれほど大きくは無く点灯開始からある程度は超明るい状況を維持できます。
 ニッケル水素電池ではほぼ「適正電流」で最初から最後まで点灯しますので、このライトにはニッケル水素電池が適当です。

 と、言いたいのですが、ランタイム測定中にたいへんなことに!

 アルカリ電池でのテストの時には気付かなかったのですが、ニッケル水素電池でテストをしていて終わりかけの時にふとライト本体を持ってみると、
あちちちちっ!
 ライト全体がものすごい温度になっているじゃありませんか!?
 急いで非接触温度計で測ってみると、ヘッドで50度少し、ボディは48〜50度という
冬場のカイロに最適!
な暖かさになっていたのです。
 LED自体の発熱は適正電流ならこれまで熱くなる事はありません。
 残る原因は、2Aの大電流を流し続けているニッケル水素電池の発熱。
 確かに1Aの連続放電実験でも電池自体の温度は40度を越えてしまいますから、2Aで使ったら軽く50度を越えるでしょう。
 ニッケル水素電池が熱で壊れないギリギリのところあたりを行ったり来たりしているような気がします。
 室温18〜20度の状態でこれですから、もし真夏に連続点灯したら・・・・

 そしてニッケル水素電池でのランタイムテスト終了。
 実験台からライトをとり外して、スイッチを切ろうとしたら・・・
熱でスイッチがおかしくなってる!
 何度カチカチと押してもスイッチが切れません。
 そのうちにカチカチ音がしなくなりました。
 なんだか、ぶにゅぶにゅ、って感じのスイッチになりました。
スイッチご臨終…

 購入後、点灯2時間でお亡くなりになりました。

 うーん、やっぱり抵抗は要るんじゃないだろうか???
 それでも焼け石に水かもしれない・・・

 とりあえず、スイッチが付いている小さな基板をとり外してみましたが、同形のスイッチは日本橋で売っていなさそうなのでスイッチ部基板は外したまま手持ちのプッシュスイッチをボディの筒の中に仕込んで修理しましたが、この先もできれば30分以上は連続点灯させたくは無いですね。

 冬の散歩には暖かそうだけど。


これ以外にも5mmLED多灯ライトなどもいくつか所有していますので
時間と電池に余裕があればランタイム測定をして追加掲載してゆきます。


記事掲載: 2006/12/12
最終更新: 2007/02/25



自転車ライトのLED化や、電池一本で白色LEDを点灯させるDC-DCコンバータの記事は
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 某社のSFシリーズの後継?として、SFXシリーズが登場してましたね。
(略記の方が面白くなりますなぁ…)

 同系のXのあるなしでどう変わったのかが気になったりして…(^^ゞ
瑠璃 様
お返事  Xが付いたシリーズはLEDが新型Luxeonに変わって明るさがアップしているそうですね。
 単3×2本タイプなどはランタイムが変わったのか(カタログ表記ではとんでもなく長時間になっている…)気になりますが、当面は新Xシリーズには購入までの触手が動きませんのでご勘弁ください。
 店頭でXシリーズは何度も見ているのですが、なぜかレジに持ってゆくまでの衝動が無いのですよ。

 302X(単二×2本)はもう少し購入意欲が高まれば買うかもしれません。
お返事 2007/8/25
 
 お世話様になります、素晴らしいレポートですね、無名の昔のLEDライト12LEDを単4、3本でドライブしてるやつ、もちろん、抵抗や定電流ダイオードもありません、しかし、捨てるに困る、姥捨て山電池の最後の晴れ舞台に使用しています、最近はこいつに、123Aリチュウムのカメラ落ちを使用してます、リチュウムは電圧が3Vでも電流がほんとに少なくなりますね、今後とも、よきアドバイザーとして、ご提示お願いします、
ハムカイ童子 様
お返事  ライトで電池の最後の花道ですか。最後まで使って貰って電池も喜んでいるでしょう。
 CR123Aリチウム電池だと他に転用できる用途が少ないのでライトで使い尽くすのは良いですね(^^)
お返事 2007/8/23
 
 私は普段、夜の地域パトロールの際にLED-SP01を使用しています。
 先日、より明るくなるかと思い、単3リチウム電池を3本使ってみました。
 すると、10分ほどの連続点灯の後、LED周辺がやけに熱くなり、その後極端に暗くなってしまいました。
 こちらの「まっちゃん」様へのお返事の内容から推察すると、1W LEDに高すぎる電圧をかけて壊してしまったのではないかと思います。
 ある意味貴重な(あるいは間抜けな)実験結果ではないかと思いお知らせします。
広瀬 様
お返事  ああ、もったいない!
 単3タイプのダイレクトドライブは電池の内部抵抗が低いので怖いのですが、それをリチウム単3にするとやはり高電圧が維持されてハイパワーLEDでも危ないですね。

 貴重な体験談をありがとうございます。
お返事 2007/7/17
 
 ELPAのDOP-091MGを買いました。
 0.5W-LEDに単三x1本の昇圧タイプです。
 連続点灯は輝度半減で11時間です。

 ちょいと郊外のディスカウント店に行ったら、LEDライトの種類が10種類近く増えていた中にありました。
 新発売の商品な訳ではなく、単に仕入れただけのようですが。

 LF-501BK よりもかなり明るいです。ただ、集光がきついため夜道のお供には向かないかも知れません。
地方在住 様
お返事  DOP-091MGですか、確かに結構前から売られていますし、最近のオーム電機の0.5Wシリーズが出るまで(または入荷していない店で)は1WのDOP-011MG/SLと並べて売られていて、2つを見比べると安いし小さいのでホームセンター等ライトマニアでは無い人が買う店ではよく売れているモデルですね。

 輝度半減で11時間という事は、このページで取り上げた0.5Wタイプのどのライトよりもロングライフのようですね。

 スポットが強いとは聞いていましたが、お散歩用には不向きなくらいですか。
 0.5W LEDの光量を極力中心に集めて明るく見せているタイプなのですね。
お返事 2007/5/28
 
 人柱ご苦労さまです  とても参考になりました

 中村氏の功績による白LEDが部品として市場に出現し価格のこなれた(500円/1個)頃から独自に懐中電灯目的に利用していますが、基本は電池1コで実用時間のもの≒単3x1 と置いています

 21LEDや100LEDに関心はありましたが、やはり懸念した通り電池の過負担が破壊を招く結果ですね
(先進国の頭使った製品なら有り得ないことですが)
 “頭の悪さ大爆発”のフレーズ気に入りましたよー
蒼い鷲 様
お返事  白色LEDも生産が安定して「より安く」から「より明るく」に開発目的がシフトしてきていますので、これからは5mmLEDでも驚くほど明るい物が出て来るかもしれませんね。
 そうなると、5mmで数灯でも今の1Wクラスの明るさのライトが出来たり、より長時間点灯できたりと面白い世の中になると思います。

 日本のメーカーが作っている高価な100灯超えライトなんかだと、LED一個ずつに抵抗が付いていたりして凄く手が込んでいるのですが、とても趣味でホイホイ買える値段でも無いです(^^;
お返事 2007/4/12
 
 通りがかりのものです。
 ページを見ましてLEDライトについて大変参考になりました。
 私も持っている、OHM SR-30Bですが、「丁」という字があるかどうか気になります。今年(2007年)は、十干で「丁」(ひのと)というらしいので、2007年版である印とも考えられるかなぁ?と思っています。でも、本当にランク付けだったらいやですね。
tama 様
お返事  通りすがりにお立ち寄り頂きましてありがとうございます。

 なるほど、十干の「丁(ひのと)」という線ですか!
 中華らしく年号を漢字で表記するのもアリですね。

 しかし、何個扱っているのかわかりませんが(ロットで数千個?)、油性ペンで手書きで書き込む意味は???
 工場の机に大勢並んで人海戦術でLEDの裏にペン書きしている様子を思い浮かべるとやはり頭がクラクラします。
お返事 2007/4/11
 
 頭の悪さ大爆発の100LEDライト!・・・確かに確かに。
 しかし頭自体がメルトダウンしそうなライトがあきばおーにありました。(もうご存知かもしれませんが・・・)
 168球のライトです。
 数の多さはどこまで行くのでしょう。
 私としてはどこまでもいって欲しい・・・買わないけど。(笑)
ガッツ 様
お返事  本ページの100LEDライトを買う時、どの店で買おうかと迷っていたら大阪・日本橋でも168灯と100灯の両方を売っていたのですが、168灯のほうは品切れでいつまでたっても再入荷しなかったので大阪の店頭価格よりかなり安く買える通販で100LEDライトを買いました。その時はまだ168灯は通販でも少し高かったので。
 今ではネット通販やオークション(ショップ)などで、このタイプのハンドライト型では200LEDライトも販売されていますのでものすごく明るいのでしょうね。
 きっと250灯や300灯なんていう笑えるライトも出てくるのでしょう。
お返事 2007/3/30
 
 現在LED-SP01を顕微鏡用の投光機として使用しています。

 初期の明るさは期待以上で満足していますが、数時間でかなり暗くなるため頻繁に電池交換する必要があり、コンセントから電源を取れないかと考え、ACアダプタを使った改造を考えています。

 そこで、アダプタの出力がどの程度のものを選べばいいか迷っているところです。
 当方の希望としてはLEDの寿命が少々落ちたとしても、電池での初期の明るさを保ちたいと思っています。

 なにかアドバイスいただければとても助かります。よろしくお願いいたします。
Shin 様
お返事  LED−SP01に使用されているLEDは1WのスーパーLEDです。
 メーカー名・型番は公開されていませんが、ほぼLuxeon 1Wと同等(かそのもの)のようです。
 定格では3.6V300mA、MAX350mA程度で光らせることができます。

 手持ちのLED−SP01で実測したところでは、新品電池で700mA、少し減って500mA程度も電流を流しています。500mA流れている時でLED(ヘッドの内側金具)には3.4Vかかっています。
 この事から「LEDの寿命が少々落ちたとしても」という条件を満たして3.4V/500mAでLEDを光らせる電源を用意すれば良いことにしましょう。

 市販のACアダプタでは3.4Vという物はほとんどありませんので、入手しやすい4.5V5V品で、容量は500mA以上1A程度のものが良いでしょう。
 100円自転車ライトの白色LED化ページに置いているLED(発光ダイオード)の電流制限抵抗計算機で計算すると、4.5Vで2.2Ω、5Vで3.2Ωとなります。
 それぞれの制限抵抗に500mA流すとして4.5V2.2Ωでは0.55W、5V3.2Ωでは0.8Wの電力が熱に変わりますので、2.2Ω、3.2Ω共に1W品の抵抗器を使用しないと、1/4W等の小さな抵抗器では抵抗が過熱して焼けます。

 5V/500mAのACアダプタと3〜4Ω/1Wの抵抗器を接続すると良いと思います。
 LEDの寿命を延ばすには抵抗値を1Ω程度大きくしてください。
お返事 2007/3/16
 
 ホームセンターで OHMのSF-10Sを購入しましたが このタイプはDCコン搭載しているのでしょうか 又GentosのSF−101や105などの3AAA 6AAAもDCコンは搭載しているのでしょうか
(匿名) 様
お返事  GENTOSのSF-101,SF-105はDC-DCコンバータは入っていなかったと思います。
 それぞれ3AAA,6AAAの電圧を直接LEDにかけているダイレクトドライブです。
 (変わっていたらすみません)

 OHMのSL-10S(未確認ですが多分SF-10Sも)も3AAAで1WのLED(Luxeon)にダイレクトドライブです。0.5Wリゲル使用のSL-05Sも3AAAでダイレクトドライブです。

 0.5〜3Wの白色LEDまでのライトで、電源が単3または単4電池を3本(または6本)のものはほとんどがDC-DCコンバータを使用していません。電池3本で白色LEDを光らせる定格電圧以上の電圧があるので、そのまま繋ぐか抵抗を挟んで電流制限をしてやれば白色LEDを点灯させることができるからです。
 電池2本や1本では白色LEDを点灯できない電圧ですから、DC-DCコンバータを使用して電圧を上げてやらないと白色LEDをじゅうぶん明るく点灯させることはできません。

※ 一部には例外もあります
お返事 2007/2/3
 
 先日入手した1AAで8LEDのライトがあまり明るくないのでLEDを交換しようと思い分解しましたが昇圧回路にはコンデンサもICも見あたらず、非常にシンプルなDCコンバーターでした、[写真(JPEG)]
 これって手抜き回路なんでしょうか?
カマダ 様
お返事  一部がコイルの影になってよく見えませんが、「手抜き」というよりは簡易なパルス点灯方式の昇圧回路に見えます。
 方式はパトプロ新型GT-10AZに使用されている回路に似ています。
 整流用ダイオードや出力平滑用の電解コンデンサが無いとかは手抜きでは無く回路方式の違いですね。
お返事 2007/1/28
投稿  写真を追加しました、コンデンサはありました。[写真(JPEG)]
 2chで回路図も起こしていただきました[回路図(PNG)]

 簡易なパルス点灯方式とのことですが、どうやってトランジスタをON/OFFしているのか?と不思議に思ったのですが、もしかして画面中央のコンデンサの充放電を利用してトランジスタをON/OFFしているのでしょうか?

 さて、LED交換以外で簡単にできる改造とすると、電池と平行にコンデンサを入れてくださいと言わんばかりの穴があいています、ここにコンデンサを入れるべきか・・・
カマダ 様
お返事  発振の原理はコイルとコンデンサのそれぞれの交流特性を利用したものです。
 この回路のキモは、コンデンサの充放電ではなくコイルの充放電とその時の出力側の電位が発振のカギとなります。
 全部書いてしまっても良いのですが(まだ忙しい時期なので…)、今回は「コイルに充放電した時、交流電流を流した時の"位相"のズレがどうなるか」等のコイルの電気特性を調べてみてください。面白いですよ。

 電源側に確かにランドが2個空いていますが、電源のパルス対応特性を上げる為に電解コンデンサを入れるのも良いでしょう。
 電源が電池であることを考えるとよほどインピーダンスの低い特殊な電解コンデンサでも入れない限り、目に見えてコンバータの性能UPにはならないと思います。(いや、性能の良いコンデンサを使っても明るさは変わらないと思いますが)
お返事 2007/1/29
投稿  お忙しい中すいません。

 パルス電源と言うことはテスターを当てても正しい電圧や電流は分からないと言うことでしょうか?

 実は単三*1モデルなんですが試しに電池二本で光らせるとかなり明るくなって、それでもまだLEDに直流のオーバードライブさせたような青い光にはならなかったのでLEDにかかる電圧と電流を調べてみたところ白色LEDを光らすには低い数値が出ていたので・・・

アルカリ*1 1.07V 36mA (36mA/8=4.5mA)
アルカリ*2 1.64V 100mA (100mA/8=12.5mA)
NiMH*1 1.19V 55mA (55mA/8=6.8mA)
NiMH*2 2.24V 128mA (128mA/8=16mA)
カマダ 様
お返事  お使いになられたテスターがどのような方式で電圧や電流を計測しているのか分りませんので一般的な話になりますが、パルスや脈流をテスターの直流モードで測定すると実際の値より小さな数値が表示されます。
 どれくらい小さな数値になるかはテスターの回路、パルスのデューティ比等で様々ですので、単純に測定値を何倍すれば正確な値になるとは言えません。
 針式のメーターでもDVMでも安定して数値を表示している場合は「平均値」で落ち着いている場合が多いです。パルス駆動なのでPWM制御の理論で一定時間単位の仕事量は電圧とデューティ比で決まりますから。
 パルスの周波数やデューティ比を測定できるテスターもありますので(私も使っています)、そういうテスターでデューティ比が測定できれば、少しだけ正しい値に近い数値に計算で近づけることができるかもしれません。

 ではパルス(脈流)は交流に近い波形なので交流モードで測定すると正しい値を表示するかというとそうでもなく、交流モードでは交流の「実効値」を表示しますのでやはりパルスの頂点電圧は正しく計れません。(綺麗なサイン波形の交流なら√2を掛ければ良いのですが…)

 パルス波形の頂上電圧を測ろうと思えば、オシロスコープのような測定器で観測するか、ピークメーターのような波型の頂上電圧をホールドして計れる物を用意する必要があります。
 簡単に作るにはダイオードと抵抗(インピーダンスを上げる為)とコンデンサで整流して、じゅうぶんにインピーダンスの高い電圧計(DVMならだいたい大丈夫)で電圧を測ってダイオードのVfぶんだけ引けばだいたいのパルス波形の頂点電圧は測定できます。
 電流測定でもそういう感じの積分型の電流計測プローブを作れば普通のDVMでもかなり正しい値に近い電流(電圧で表示)が計れると思いますが、本当に正しいかどうかはやはりオシロかデジタルストレージスコープのようなパルス波形を観測できる機器が無いと正確には測れません。

 ですので当ページでもSR-30Bのようなパルス駆動方式のLEDライトの場合はオシロスコープで観測した波型を元に電圧や電流を表記しています。
お返事 2007/1/30
 
 いつも大変興味深く拝見させていただいています。
 ひとつ素朴な質問ですが、単三X2仕様でLEDをドライブする場合当然昇圧しているのでNi-MHX2で使った場合も使用できるのですが安物のヘッドランプなどは単三X3仕様のものが多く降圧して使ってると思うのですがこれをNi-MHX3で使用した場合は使用できるのでしょうか?

 Ni-MHX3場合駆動電圧に近くなるので昇圧/降圧回路になっていれば使用できるのですがLED−SP01のようにダイレクトで単三X3だとLEDがこわれてしまうでしょうか。

 仕事ではELPAのDOP−011MG+ダイソー100均Ni-MHを使ってますが電圧が1.1V/本あたりに下がると点灯できなくなるようです。
 コストパフォーマンスが良いので気に入っています。
まっちゃん 様
お返事  まず始めに、単3×3本や単4×3本のLEDライトでは、DCコンバータ等のような安定した電源装置は使用せずに、ほとんどのものが抵抗一本の抵抗方式電流制限か何も繋がずに電池を直接繋いでしまうダイレクトドライブ方式になっています。
 ダイレクトドライブの場合、アルカリ乾電池だと1.5V×3本で4.5Vもの高い電圧がかかってしまい、LEDを壊してしまうのではないかという疑問が沸くと思いますが、「電池の内部抵抗」の「電圧降下」を利用してLEDが壊れない程度にしているものがほとんどです。

 たとえば、1W LED使用のLED-SP01では、LEDの性能では3〜3.7V程度が適正範囲で、それ以上の電圧ではオーバードライブとなりますが少しであればLEDは壊れません。(4Vを越えると怖いですが)
 開放電圧が4.8V程度(1.6V×3個)の新品のアルカリ単3電池を接続すると、実際にLEDにかかる電圧は3.9V程度になります。少し定格よりオーバーしていますがまぁ壊れない範囲ですね。
 ランタイムグラフをご覧頂ければ分ると思いますが、アルカリ電池ではこのような新品状態は一瞬にして終ってしまい、すぐにLEDにかかる電圧は3.6V未満程度にまで下がりますのでだいたい1W LEDにとっては定格の範囲内で徐々に暗くなってゆきます。

 それではニッケル水素充電池(Ni-MH)の場合はどうでしょうか。
 充電直後は少し電圧が高いですが、ニッケル水素充電池は長期間安定して約1.2V前後の電圧を供給できます。
 満充電で開放電圧が4.12V程度(1.37V×3個)のニッケル水素電池でLED-SP01を光らせると、LED端で3.72Vになりました。ほぼLEDの定格最大値くらいですのでちゃんと放熱をしていれば壊れることはありません。
 約30分もすると安定した3.4〜3.6V程度になりますので、LEDをちょうど定格の電流で光らせることが長時間可能です。
 このように、ニッケル水素充電池の場合はLEDに対して過電圧をかけることもありませんし、長時間安定して本来の明るさを維持できるので、ダイレクトドライブ方式のライトの場合もハイパワーLEDの点灯に適しています。

 ダイレクトドライブで怖いのは5ミリLED多灯ライトのほうで、5ミリLEDは消費電流が少ない(定格20mA)ですから数灯〜十数灯程度では大きな電流にはならず、電池の内部抵抗だけのドロップでは十分に電圧が下がらずに定格より大きな電圧がかかり過電流になってしまうことがあります。
 数灯〜十数灯ライトでは小型軽量化の為とあわせて電流供給能力の弱い(内部抵抗値の高い)単4電池×3を使用するものが多いのもそのためです。

 とある5ミリLED9灯ライトに新品のアルカリ単4電池(すごく新しくて開放電圧は1.7V以上、これでもオキシライドでは無く普通のアルカリ)×3本を入れてみたところ、なんと消費電流が1Aを軽く越えました。LED一個につき100mA以上も流していることになり定格の5倍以上、デューティ比10%のパルス点灯での最大値100mAをはるかに超えて、たった9LEDで4Wくらいになっています。
 それはもうまばゆいばかりの輝きでしたが、すぐにLEDが一個…二個と壊れてゆきました。初期高電圧を維持している約10分程度の間にLEDが4個全壊、2個半壊程度の被害です。製造元不明の中華ライトなのでLED自体の性能(耐圧・耐熱)も良くなかったのかもしれません。まだ3個生き残ったのは運が良かった?
 5ミリLEDを使用したダイレクトドライブのライトには単4電池でも高性能のものは注意しないといけないかもしれません。以後似た多灯ライトには新品電池を入れた時は連続点灯はせずにLEDが壊れない短時間の間欠点灯にだけ使用して、電池が少し弱ってから連続点灯に使用するようにしています。

 このアルカリ電池でLEDが壊れた中華多灯ライト(の同形の別の個体)でも、単4ニッケル水素充電池を入れた場合はLEDを焼き切るような過電流にはならずに、LED一個あたり約30mA程度と多少オーバードライブですが連続使用をしても何も問題は起きていません。

 ホームセンターコーナンで買った単3×3本の6灯「LEDアルミライト」、アルカリ新品電池時に360mA(一灯60mA)までしか流れないライトもありますので、使用しているLEDの性能によって新品電池での連続点灯で壊れるか壊れないかはライト次第だとは思いますが、ダイレクトドライブのライトはアルカリ電池の初期電圧ではLEDが壊れる、または寿命を縮める危険性は持っています。
お返事 2007/1/20
 
 先日GTR-031Tを買ったばかりなのですが、無骨なGTR-031Tに比べてオームのこのシリーズは非常にスマートなデザインでちょっと気になっていました、
 SR-30Bの昇圧回路の改造は出来なさそうですか?
カマダ 様
お返事  約一週間、屋内使用ではSR-30Bをメインに使ってみました。
 2AAのボディサイズは握りやすく前後の重量バランスも良い「持ち応え」のあるライトです。なんとなく「しっかりした」雰囲気で安心感があります。
 明るさはやはり1Wライト程度ですのでそれほどではありませんが、室内使用ではオームのほかのSRシリーズでは暗く感じるので30Bが丁度良いです。
 ・・・後はランタイムさえ長ければ。

 外出用に「ちょっとポケットに入れて」というには長くて重いですね。
 このへんは布ケースが付属しないのも弱点です。(テスト用電池すら無し)
 腰のベルトに通せる布ケースの存在は意外とライトの利便性を左右します。

 適度な重量感と質感から、本当にこれで明るさが3Wならと思ってしまいます。

 DCコンバータは写真の状態のアルミ筒からどうやって取り出せば良いのか何も試していませんので改造の可否は外から見て想像するだけです。
 入出力の特性から、今の回路をそのまま改造してもそれほど良い結果が得られない事だけは想像がつきます。高輝度化=短ランタイムにもなります。
 出力を平滑してみたらどうなるかとか、いくつかの実験はしてみましたがLEDが暗くなるばかりでやはり基板そのものを取り出して解析してみないことには本格的に改良テストは無理のようです。
 SR-30Bを改造するくらいなら他の3Wライトを買おうと思っていますので、残念ですがSR-30Bは「3980円する1Wライトを買った、いい思い出が出来た。」と思って以後もこのままの状態で使うことになるでしょう。
お返事 2007/1/18
投稿  SR-30Bの改造は現実的ではないと聞きCR123Aサイズの充電式電池を1個使う怪しい3WLEDライトを注文してしまいました(^_^;)

 なんと一切の回路の入っていない生セルのリチウムイオン充電池とのことで今からどきどきしてます。

 ところで、単三電池で性能が発揮できるLEDはリゲルまでなんですかね、がんがん昇圧する回路でも結局ランタイムが短くなっちゃうようですし・・・
カマダ 様
お返事  生リチウムイオンですか‥‥過放電に注意しないと即死しますね(汗)

 単3電池一個の容量が大電流使用だと1000〜2000mAh程度ですのて、平均1.2Vで使用できたとして1.2〜2.4Whの仕事量しか取り出せませんよね。
 1AAのリゲル使用ライトが約400〜500mAを消費して5時間前後のランタイムなのは約2.5Wh程度の仕事量ですので納得ですよね。
 1WのLuxeonを点灯させるには300mA×3.0V程度(但し3.0Vは新品の頃のみ)で約1Wの電力が必要で、2.4Whの電池なら効率70%のコンバータで1時間40分程度とか、発光量をセーブして2〜3時間が妥当な線です。
 2AAで1W-LEDだとその倍近くの3〜6時間点灯が原理的には妥当な線です。

 「単3電池で性能を発揮できる」というのがどういう基準なのかによると思いますが、1Wライトだと1AAで1時間半以上/2AAで3時間以上程度明るく点灯できればそれは性能を発揮していると言えるのではないでしょうか。

 3WのLuxeonを点灯させるには1AAでは1時間持たないですし、2AAでも2時間完全な明るさで点灯させるのは無理だと思います。
 3Wクラスになると単3アルカリ電池の容量ではちゃんと3Wで点灯させるコンバータを載せたとしても極端にランタイムの短い実用性に欠けるライトになるでしょうね。
 3Wクラス以上はリチウム電池の使用が妥当だと思います。
お返事 2007/1/19
お返事  気になったのでDCコンバータ基板を取り出してみました。
 写真、回路図や変換能力については本文中に加筆しました。

 改造についてですが、制限電流の検知用抵抗(0.025Ω)を変更してやれば多少の電流増は見込めるかと思います。
 少し小さくすればICが検知する電圧が下がって電流は増やせますが、なにぶん元が0.025Ωなんてほとんど見たことの無いような微小な抵抗値なので、変更するとしたら0.01Ω単位の抵抗が必要で、とても手持ちの品でも普通の部品屋に売ってる抵抗でも歯が立ちません。
 普通の電線を適度な長さに切って0.01Ωの抵抗の代わりにしてみようかと少しは試してみましたが、全然変わらないかショートしてしまって回路が動作しなくなるかのどちらかでなかなかうまくゆきません。
 何か良い部品が手に入れば良いのですが。
 それと、実際に電流値などを測定しているとこの抵抗は実は0.03Ωより少しくらい大きい値ではないかと思う数値が出ています。製造誤差の範囲内ですが、この0.01Ωの差はLEDに流す電流値にかなり大きな差をもたらします。

 しかしながら使用されている謎の「」マークのLuxeonが定格でもそれほど明るく光らないので、このSR-30BはやはりDCコンバータを改造しても改造しがいのある明るいライトにはならないようです。
 DCコンバータを改良してもわずかの差なら、やはりもうこのまま手を加えずにおいたほうが懸命かも。
 分解したパーツを全て元に戻して、今は普通のSR-30Bの形に戻してしまいました。
お返事 2007/1/20
投稿  DCコンバーター部分の分解とチェックさすがです、まさか分解されるとは思っても見ませんでした(^_^;)

 小径のDCコンバーターが筒の中で遊んでいる風景は日本製には見られないシュールな風景ですね。

 ところで、いつの間にか追加された配光のグラフは非常に分かりやすくて驚くと共に非常に参考になるのですが、LEVELはどの様に見ればよいのでしょうか?
 LUXは明るさだと思うのですが・・・
カマダ 様
お返事  SR-30BのDCコンバータの改造が「誰でも簡単に手に入る」部品でサクっと改良できるのであれば記事にして公開する価値はあると思いますが、今のところそのように誰がSR-30Bを買っても明るくできるという物ではなさそうなのが残念です。
 コンバータの流用や謎の「丁」の字のLuxeon-IIIと言い、性能はともかくとしてコスト削減が激しいライトのようですね。

 指向性グラフのLEVELは照度計の出力する電圧値で、ルクス値に対しての対数的なレベル表示になっています。
 自作している照度計は、回路や使用している素子の特性などから「人間の目で見た明るさの評価」に近い特性で明るさを電圧にして出力しています。
 人間の目はあまりに明るいと明るさの差を判別することがあまりできなくなり、比較的暗い部分は敏感に明るいとか暗いとかを比べることができます。
 特に最初から対数出力の回路を作ろうとしていたわけではありませんが、適当に手持ちの部品で組み立ててテストしているうちにちょうど目の感覚的な電圧出力の物が出来たのでそのまま使用しています。
 そして年末にちゃんとLux値で計測できるルクスメーターを購入しましたので、照度計の出力をLUX値に変換できるようになりましたので以後の計測データはLUX値で表記するようにしています。

 しかしルクス値では非常に明るい部分とそこそこ暗い部分では数値が飛びすぎていて、非常に明るい部分と暗い部分を1つのグラフ中で表すと暗い部分の変化が見づらくなる為、人間の感覚に似たグラフが描けるLEVEL値のほうが見やすいために指向性グラフにはLEVELでのグラフも添えていくます。
お返事 2007/1/22
お返事  SR-30BのDCコンバータの改造ですが、電流検出用抵抗と制御ICのセンス入力の間に別回路を入れて少しテストしてみましたが、あまり良い結果は出ませんでした。

 センス電圧を下げて、より高電流が得られるようにしてみましたが、確かにコンバータは高電圧・高電流を出力しようとする方向に少し変化します。
 現在のセンス電圧より1/3ほどまで下げると発振が停止してしまいます。
 LEDの明るさですが、ほんのわずかに明るくはなるものの、点灯中に「通常」「改造」をスイッチで切り替えてはじめて改造のほうがほんの少し明るいと見比べられる程度で、普通に点灯させた状態では改造後が明るくなっているとは全然気付きません。

 そんなごくわずかな明るさの差ですが、この回路では無理があるようでデューティ比も悪くなりますし、なにより電池側の消費電力が約2倍になったのに明るさは目で見て分らない程度の差という非常に意味の無い変更になります。
 どうも危惧していた通りこのDC-DCコンバータ回路は1W用のものを流用しただけ、という感じを受けます。(本当に流用しているのかは謎ですが…)
お返事 2007/1/28
 
 他の記事も楽しく読ませてもらってます。
 電気のことはさっぱりなので私が答えられそうな ネックストラップを通せますか?ということですが、まずDOP-013BKの穴に糸を通します。その糸でストラップの紐を引っ張ります。もう少し太い紐でも通る感じですよ。
ネックストラップのこと 様
お返事  糸通しですか。こんどやってみます。
 どうやっても通らない(何度か試して、ストラップ紐が太すぎるので、既に紐のカバーの布が引っかかって破れ、中の樹脂製の芯が見えています)ので、100円ショップのキーチェーンコーナーで小さな金具付きのミニストラップを買って来て、DOP-013BKの穴に金具を通して使っています。
お返事 2007/1/16
 
 LEDライトのランタイム、とても面白いです。
 海外のサイトなどではランタイム測定してるところもありますが日本ではなかなかお目にかかれないので、助かります。
 LuxeonとNichia Rigelの差が顕著に出ておもしろいです。
 電池の種類でここまでかわるものなのですね。

 多灯ものもたくさんお持ちのようなので、大変かとは思いますがぜひお願いします。特に電池1〜2本で動作するDCコン入りの多灯ライトに興味あります。
kf 様
お返事  各社のライトの設計方針や、実際の持ち時間などがわかって実験していて面白かったです。

 日亜のRigelは明るさこそ確かに0.5Wと特に秀でてはいませんが、消費電流に対しての発光量は非常に良い性能を示していて、省電力ライト用としては適していると思います。
 細かな点ではLEDだけでなくコンバータの性能も関係してしまいますが、ヘッドランプ型ライトのように作業用に長時間点灯させる必要のあるライトで、特に1W〜数W型のように何百メートルも先を照らす必要の無いライト等には最適ですね。

 DCコン入りの多灯ライトは実は一本も持っていないんですよ。
 Luxeon等の強力LEDが出るまでは5mm砲弾型LEDを数個並べた多灯ライトが流行っていましたので、その頃にいくつかのライトを購入して使っています。
 DDか抵抗1個の電流制限なので、ほぼLEDの個数と消費電流でランタイムは決まってしまうとは思いますが、実際に長時間使用した場合にどのくらい持つのかと何時間くらいまでなら「照らす」という用途で使えるのかは知りたいですね。
お返事 2006/12/19
 
 ニッケル水素充電池は放電時に吸熱するらしいですが、その吸熱を通り越して発熱するとは100LED恐るべし。
 ところで、消費電力は何W程度なのでしょうか?興味津々。
アッキー 様
お返事  購入してすぐに測定した所、LED基板の給電点で3.4Vの状態で約2.3A流れていました。
 LED100個には3.4Vで2.3Aかかっていますので約7.8Wもの電力消費です。(初期値)
 5WLEDライトなど強力LEDライトを持っていないので比較できませんが、1Wライト数個の光と比べると見た目の明るさは5W以上だと思います。
 但しリフレクタやレンズを使用していない砲弾型LEDそのままの放射ですので、15〜20メートル程度以上先の対象物にはあまり明るく光を当てることはできません。(向うから見るぶんにはかなりの距離から点灯を視認できと思います)
 逆に部屋の中で使うと正面だけではなく部屋中全部が明るくなるので凄い威力です(笑)
お返事 2006/12/15

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