■気の迷い■
検索ページから「エネループ 電池比較 試験 充電器」などの検索でこのページに来られた方はメニューページからどうぞ。→→→  |■気の迷い■ メニュー|



◆ タミヤ製「AUTO-DISCHARGER/2」を開けてみた ◆

今回のおまけ
◆ 過放電防止(?)「BATTERY ALARM」の製作◆
予算、約650

* 記事掲載: 2007/8/2
* BATTERY ALARM 製作記事掲載: 2007/8/12

 タミヤから発売されているレーシングパック(充電池)用「オートディスチャージャー」、旧型(黒いボディ)と新型(青いボディ)の二種類の仕様を調べてみました。
※ F氏の依頼で、放電器2台はF氏の提供です。

 旧型はかなり長い間売られているロングラン商品で一個1000円前後で買えます。
 プラスチック製のボディに沢山の通気口が開けられていて、「いかにも」なデザインです。
 スイッチ等は無く、「タミヤコネクター」と呼ばれるタミヤのバッテリー用のコネクタ(メス)にバッテリー付属のコネクタ(オス)を差し込めば放電開始、赤色のLEDが点灯します。
 放電が終了するとLEDは消灯します。「オートカット」だそうです。

 新型はタミヤブルーにメッキ塗装されたアルミボディ。右上に放熱口のスリットがあります。3000円前後で売られています。
 こちらには「Ni-MH」「Ni-Cd」を切り替えるスイッチが付いています。終止電圧を切り替えるのでしょうか?
 放電のON/OFFスイッチは無く、こちらもバッテリーコネクタを差し込めば放電開始、ケース色に合わせたのでしょうか青色の超高輝度LEDが点灯します。

 ミニ四駆用の単3電池専用放電器は「タミヤ製「ニカド自動放電器」性能アップ大作戦!?」ページで性能を調べ、ニッケル水素充電池用に強化改造をしました。
 その際に的確な終止電圧で放電を停止させる巧みなトランジスタ回路の存在を確認しましたが、この7.2Vバッテリーパック用の放電器は同じような終止制御回路が入っているのでしょうか。
 7.2Vの電源から放電させますので、トランジスタ回路やIC回路を使って正確な終止電圧でカットする電圧比較回路なども容易に組み込めます。
 期待を胸に、これら新旧の放電器の性能を探ってゆきましょう。


■ 分解

 早速、ケースのネジを外して分解しました。

[注意]
 分解するとメーカー保証が受けられなくなります。
 また故障や事故の原因になりますので、ご自分の責任で安全に作業する自信のある方以外は分解しないでください。特に放電器は故障すると大きな熱を発生して、火傷・火災・バッテリーの損傷ほか重大な事故の原因になります。
 当HPは製品の分解等を推奨するものではありません。分解・改造・メーカー指定外の使い方をされて起きた如何なる結果・損害・損失についても責任は負いません。


旧型

※ 市販商品の複製(丸写し)防止の為部品の定数は掲載していません。
 真ん中にパワートランジスタと数個の部品が載った基板があり、両脇に放電用のセメント抵抗が2個ついています。
 セメント抵抗はアルミ板の放熱板に接着されていて熱を逃がすしくみです。抵抗が2個あるのは並列にして電流を分散させ、一個の抵抗の発熱を抑える目的のようです。
 基板も放熱板と接着されていて分解できない(し難い)ようになっています。

 回路は右側の回路図の通り、ツェナー電圧で放電終了電圧を決めるタイプのオートカット回路です。
 バッテリーの電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧+トランジスタのVbe電圧より高い場合はベース電流が流れてトランジスタはONになり放電し、それ未満の場合はトランジスタは働かずに放電電流は流れません。
 この製品の場合、カット電圧は約4Vになっています。(実測値)

 ここで注意しなければならないのは、「オートカット」とはいえ電圧判定回路やスイッチ回路による「自動終了方式」では無いということです。
 よくあるダイオード+抵抗のオートカットと称する放電回路と同様に、設計値以下の電圧では放電しなくなりますが、その電圧まで下がってからでもバッテリーは接続されっぱなしなので、バッテリーの自己回復力で電圧を戻そうとする働きに対しても放電機能が作動し、設定電圧より回復しようとするとその電圧で放電回路が働いてそれ以上には回復させないようにします。
 この時の電圧の設定がバッテリーの正しい終止電圧より低い場合は真綿で首を締めるようにじわじわとバッテリーにダメージを与える「やさしい・バッテリー潰し機能と私は呼んでいますが、この放電器の場合設定は4V。セルは6個ですから1セルあたり0.6666Vというニカド電池でも少し苦しいやさしい・バッテリー潰し器ですね。

 単セル放電器でダイオード一個+抵抗で約0.6Vでカットするつもりの回路と同等になるような設計のようです。
 もちろん、この放電器は(製造された時期から)「ニカド電池専用です」という事ですから、ニカド電池では多少の過放電ではダメージは少なく、逆にメモリー効果をしっかりと取る為に深く放電させてしまうというラジコン用途の放電のしかたには合った設計と言えるでしょう。
 この旧型でニッケル水素タイプのバッテリーパックを放電させた場合、LEDが消えたら早い段階でケーブルを抜いて、それ以上は「じわじわ首締め放電」をさせないように注意しましょう。(ニッケル水素バッテリーの放電はメーカー保証外です)

新型

※ 市販商品の複製(丸写し)防止の為部品の定数は掲載していません。
 中の基板にはたくさんのダイオードが見えます。
 トランジスタなどの制御用の部品はいっさい見えませんので、ミニ四駆用放電器のような素晴らしいトランジスタ回路による放電制御は全く行われていないようです。

 回路図をご覧いただければわかるように、これはまさしく「ダイオード+抵抗」の最も単純な放電器です。回路的には旧型より退化しています。
 6セル直列のバッテリーパックでちょうど良い電圧になるようにダイオードが7本も入っています。
 基板には「6&8CELL」と印刷されていて、写真の状態では6セル用ですが部品を追加&一部の部品のとりつけ位置を変えることで8セル用の製品として出荷できるようになっています。電動ガンなどの8セル用放電器として、別のケースに入れて売られているのかもしれませんね。

 この放電器では「Ni-MH」「Ni-Cd」の切替スイッチが気になります。
 ダイオードが沢山並んでいますので「もしかして、ダイオードの本数を切り替えて、終止電圧をNi-MHNi-Cdで適切に変えているちょっと高性能?」という想像ができます。
 ニッケル水素充電池を過放電させない正しいNi-MH対応放電器への期待が高かったのですが、回路図を書いて愕然としました。スイッチをNi-Cdに切り替えたら…
オートカット無しの永遠放電器!
まさしくデスチャージャー
 Ni-MHモードの場合はやはり約4Vが終止電圧に設定されています。
 Ni-Cdモードの場合、ダイオードのVfによる電流遮断回路を迂回して、抵抗2個の直列回路で電池が0Vになるまで最後まで放電してくれます。
 素晴らしきデスチャージ器

 Ni-MH電池に対しては旧型とほとんど変らないやさしい・バッテリー潰し器なのですが、Ni-Cdモードにするとまさにリミッター解除!のフルパワーで電池の最後の一滴まで絞り尽くす超高性能過放電器となります。

 これもなにもNi-Cd電池の過放電耐性に頼っているところが大きいので、間違ってNi-MH電池をNi-Cdモードで放電して放置したりはしないでください。多大なダメージを与えることになりかねません。
 またNi-MHモードでもやさしい・バッテリー潰し器には違いありませんので、自己回復力を無理やり押さえつけて過放電電圧をキープさせる事がお好きな方は別として、できればLEDが消えたら可及的速やかにケーブルを外して放電を終了させてあげましょう。

 「★放電が終了したら速やかにバッテリーを外してください。」とタミヤの販売サイトにも書かれていますので、「オートカット式」=「寝ている間に放電して、気付くまで放置しておいてOK!」という放電器では無いのです。

★ マッチモアの「セルコンディショナー

 形が全く同じでタミヤと同じOEM元から供給されていて「中身も同じかも?」と聞いていたマッチモアの「セルコンディショナー」を確認しました。
 パッケージや本体のスイッチ部には
5.4V AUTO CUTZERO-V DEAD SHORT
とスイッチ切替についての標記があります。
 つまり「5.4V オートカット放電」「0Vまでのデッドショート放電」と明記されているのです。
 タミヤの放電器にもこれくらいの表記があればこんなに驚くことは無かったのに・・・

 0Vまでの放電とはニカド電池の電圧を上げ性能UPさせると言われている「デッド・ショート」という放電方法で、0Vまで放電した後も電池の+−をショートさせたまま放置して電池の中の充電状態の物質を完全に無くして、メモリー効果や不活性状態を取り除こうという特殊な放電方法です。(ニカドでもごく稀にしか行いません)
 5.4Vオートカットと書かれているほうでも、実際は約4V程度まで放電してしまうようですが、LEDが消えるのが約5.4Vあたりなのでマッチモアのほかの放電器でも見られるように、消灯時の電圧をこの放電器でも標記しているようです。

 タミヤのパッケージにはカット電圧などの説明は一切ありません。
 唯一あるのが「放電電流 0.6A」という電流値のみ。
 これは次の節で一覧表を載せますが、Ni-Cdモード(0V放電モード)での満充電時電圧あたりの最大電流のようです。

 そしてマッチモアのセルコンディショナーの場合「放電電流 1A」と数値が違います。・・・あれれ?
 そこで中の抵抗値を見比べてみると、マッチモアの放電器のほうが約半分程度の抵抗値でした。形や色が同じでも中身はOEM先で違うものだということですね。
 書かれている通り、この抵抗では放電電流は約倍ほど違うということです。

8/12 追記


■ 放電電流

 さて、この放電器がどのくらいの電流で放電しているのか気になったので調べてみました。

 使われている部品(抵抗など)の定数を見れば計算で設計値はすぐにわかりますが、このページでは定数を伏せているので電流は実測値で掲載します。

電圧 旧型 新型
Ni-MH Ni-Cd
7.2V 300 mA  310 mA  460 mA 
6V 260 mA  187 mA  380 mA 
5V 215 mA  40 mA  300 mA 
4V 数 mA  数 mA  220 mA 
3V 0 mA  0 mA  190 mA 
2V 0 mA  0 mA  125 mA 
1V 0 mA  0 mA  62 mA 
 色が付いているところはLEDが点灯している状態です。

 新旧どちらも基本は300〜400mA程度での放電のようです。(満充電に近い場合最大600mA程度)
 新型Ni-Cdモードの場合は直結用の抵抗で回路がバイパスされるので少し電流が多くなっています。
 この放電電流では最近の大容量パックの場合は時間がかかりますね。

 新型で新品に近いバッテリーパックで、セルの状態が揃っているものの場合は電池の種類がNi-MHNi-Cdもどちらも6V以下にはストンと電圧が下がりますので、表の中の6〜7.2V(満充電に近いものでは7.5V以上)程度の電流での放電が長時間続きます。

 新型Ni-MHの場合は約5V(1セル0.8V強)前後でLEDは消灯しますから、LEDの消灯を確認したらすぐにバッテリーを外しましょう。
 LEDが消灯する頃には放電電流がわずかになっていますので以後は非常にゆるやかに電圧が下がってゆきますので、しばらくはそのまま放置しても大丈夫ですが、長時間放置すると徐々に放電は続いてしまいます。
 Ni-MHモードでは電池にダメージを与え難い5V程度の電圧をしばらくは維持しますので、使い方さえ誤らなければ(LEDが消えた後に長期間放置しなければ)すぐには電池を痛めることは無さそうです
(パック内の各セルのコンディションにもよりますのでご注意を)

 新型Ni-Cdモードに切り替えた場合はリミッター解除!で、電池の電圧が0Vになるまでずっと放電が続きます。
 その場合でもLEDは4V程度で消灯しますので、強制0V化をしたい以外はLEDが消えたら早い目にバッテリーを取り外すほうが良いでしょう。


■ まとめ

 あ、今回はパワーアップ改造は無しです(^^;
 「改造してみたいけどやり方がわからない」「どう改造すればよいですか?」等のご質問もご遠慮ください。この放電器に関しては改造の予定も考えもありません。

 「タミヤの7.2V放電器が新しくなったけど、どうよ?」という話で旧型と新型の比較をしてみるのが目的でしたので、上記の分解と放電電流の調査で全て終了です。
 放電器は2個とも無改造で持ち主に返しますので以後はこちらで改造や部品交換の実証試験はできません。

 もし高性能化するなら、これを改造するよりちゃんと「終止電圧可変(セル数変更も対応)」や「放電電流可変」のコントロール回路を作った高機能放電器を設計したほうが楽しいです。安くても設定電圧や電流のデジタル表示とかカッコイイ物を!(笑)

 ミニ四駆用放電器ではその高機能ぶりに驚かせてくれたタミヤ製の放電器ですが、ラジコン用ではほとんど素人が作るのと変らない簡単な物がメーカー製ケースに入れられているだけという、なんだか肩透かしを食らった感じに終りました。
 これでも電子部品を集めて自作できないラジコンファンの方にはじゅうぶん価格に見合った働きはしてくれますので、(安全性もメーカーが保証する)市販の製品としては必要に応じて購入して使うには価格も手頃で良いのではないでしょうか。

 特にデスチャージ機能(Ni-Cdモード)を使わないのであれば、約3000円する新型より場所によっては1000円を下回っている旧型でも、放電性能自体はほとんど変りませんので(Ni-MHの使用は危険性を熟知した上自己責任で)旧型で安く済ませるという手もありますね。


※※ 緊急追加!? ※※ 2007/8/12
■ 過放電防止(?)「BATTERY ALARM」の製作

 記事作成時、「今回はパワーアップ改造はなしです」とは書きましたがタミヤ7.2V放電器があまりにもふがいないため、写真のようなBATTERY ALARMを製作しました。

 「バッテリープロテクター(指定電圧での自動OFF回路)」でも良かったのですが、それだと別にタミヤ放電器を繋がなくても放電抵抗を繋ぐだけで完全な「放電器」が出来てしまいますので面白くありません。

 「このタミヤ放電器を活用する為のサポート装置」という位置付けで、「★放電が終了したら速やかにバッテリーを外してください。」というタミヤの天の声に我々愚民が絶対服従を誓う為の装置を考えました。(…嘘50%です)

 いや、この素晴らしい放電器に敬意を表して、改造などして手を加えるなんてもってのほか、究極の高機能はそのままになんとか「放電しながら寝てしまう」ような気合の足りない私でもちゃんと放電が終了したら速やかにバッテリーを外せるようになんとかできないものかと無い知恵を絞って、人間の足りない部分を補うヒューマン・サポート・テクノロジーの粋を集めた装置を設計しました。(…余計にうそ臭い)

 BATTERY ALARMは右の写真のようにバッテリーパックと放電器の間に接続します。
 放電機能・性能には全く変化はありませんが、放電中のバッテリーの電圧を監視して指定の電圧未満になったら

ピピピピピピピ…

アラーム音を鳴らして「バッテリーを外して!」とお知らせしてくれます。

なんて便利なんでしょう
(ああ悲しい・・・)
 これで私達はたとえ放電させたまま寝ていても、アラーム音に気付いてバッテリーを外せばタミヤへの絶対服従が果たせるのです。
 放電させたまま外出する時はポケットにバッテリーと放電器とBATTERY ALARMを入れて放電しながら軽やかに出かけましょう!(発熱にだけは注意して、放電器は外に出しておきましょう)
 電車に乗っていても、映画館で映画を見ていても、どこでもバッテリーの放電が終了したらBATTERY ALARMがピピピピ…と放電終了をお知らせしてくれます。
(その結果何が起きても私は責任は持ちません)

 冗談はさておき、回路図と基板のパターン図は次の通りです。

 バッテリーの電圧をツェナーダイオードとトランジスタの電圧監視回路でチェックし、設定電圧(今回は約5.5V)を下回ると4011Bで作っている発振回路を動作させて圧電ブザーを「ピピピピ…」と鳴らします。
 音程は約2KHz(そのまま聞くとピーという感じの電子音)で、それを約10Hzで断続して「ピピピピ…」という感じの警告音にしています。
 100円ショップで売っている目覚し時計の電子音に似た感じです。

 鳴動開始の設定電圧はツェナーダイオードのツェナー電圧+トランジスタの動作電圧ですので、ツェナー電圧の表記+0.2〜0.5V程度となります。
 ツェナーダイオードの個体差(誤差)などで多少の違いがありますので、製作された場合は最大±0.2V程度の違いがある場合があります。

 今回はRD5.1E(5.1V)を使用することで5.5Vを下回ると鳴り始めるよう設計しています。
 5.5VAUTO DISCHARGER 2(新型)のNi-MHモードでLEDが暗くなりはじめる電圧です。旧型でもだいたい同じくらいの電圧でLEDが暗くなりはじめます。
 ですのでBATTERY ALARMが「バッテリーを外して!」と鳴り始めたらLEDの点灯状態を見て、じゅうぶんに暗いか消灯していればすぐさまバッテリーを外しましょう。
 まだ明るく点灯している場合は、お好みのタイミングで外してください。

 鳴動開始の設定電圧を変更したい場合は任意のツェナーダイオードに変更してください。(明らかに動作しないような範囲のものは除く)

 本回路の電源はそのままバッテリーパックからもらっています。
 満充電で8V強、通常は7.2V前後。放電が進んで「オートカット」で最終的に維持される電圧は4V前後。
 という事で、使用するICはC-MOS IC4011Bを選択しています。
 C-MOS IC4000Bシリーズは動作電圧が18〜3Vと非常に広く、今回のような8〜4V程度に変化する電源でも特に別途安定化電源回路などを用意しなくても動作するのでたいへん便利です。
 元々はデジタル回路用のロジックICなのですが、今回は厳密な論理回路として使用するのではなく、アナログ的な発振回路として利用するので特に電源に厳密には拘りません。
 4011Bは各社から互換品が出ていますので、C-MOSロジックICを取り扱っている店ならどこでも入手可能です。

 ほかのトランジスタ・ツェナーダイオード・抵抗・コンデンサなどもごく一般的な部品なので入手困難な事は無いでしょう。

 圧電ブザーは「発振回路なし」のタイプです。
 電源を繋ぐだけで「ピー」と鳴る「発振回路あり」の物もありますが、今回は音を鳴らす為の発振回路を4011Bで作りますので、圧電ブザーは単なる「圧電素子のみ」のタイプを使用します。(回路側で自由に音程を設計できますし)

BATTERY ALARM 部品一覧
写真 部品名 詳細 単価
(参考価格)
4011B  C-MOS IC の「4011B」と言えば東芝やモトローラなど各社から出ている物のうち店にある物を出してくれます。
C-MOS ICは静電気に非常に弱い部品です。
31 円
2SC1815  小信号用NPNトランジスタの定番 2SC1815 です。
 まず入手不可能な事は無いと思いますが、無い場合は互換品でも構いません。
21 円
RD5.1E  5.1Vのツェナーダイオードです。
 設定電圧を変更する場合は任意の電圧の品を購入してください。
15 円
0.1μF
50V
 積層セラミックコンデンサです。
表記は 104
21 円
×2
0.0022μF
50V
 マイラコンデンサです。
表記は 222
10 円

(写真は100KΩ)
470KΩ  1/4Wカーボン抵抗です。 [黄-紫-黄-金] 5 円
100KΩ  1/4Wカーボン抵抗です。 [茶-黒-黄-金] 5 円
10KΩ  1/4Wカーボン抵抗です。 [茶-黒-橙-金] 5 円
1KΩ  1/4Wカーボン抵抗です。 [茶-黒-赤-金] 5 円
100Ω  1/4Wカーボン抵抗です。 [茶-黒-茶-金] 5 円
圧電ブザー  「発振回路なし」の圧電ブザーです。
 これは型番 KPE-110 です。
84 円
ケース  タカチSW-55
 お好きなものをどうぞ。
105 円
SP-106
7.2V
コネクター
 タミヤの7.2Vコネクタ(ケーブルつき)、プラグとジャックのセットです。
 SP-106 7.2V Connector set [50106]
※ラジコン店で購入 (定価は250円)
 コネクタだけ電子部品店で買うとケーブルは付いていませんが約半額です。
210 円
  基板・ほか  必要な大きさのユニバーサル基板(穴あき基板)、ハンダ、など・・・
 今回は電源コネクタや圧電ブザーにケーブルが付属していますので、基本的には別途配線用のケーブルは用意する必要はありません。
 基板パターン面の配線で部品の足の長さで足りない部分は、切り落とした抵抗の足などを流用すればだいたい足ります。
約 100 円
合 計 650
※ ケースを塗装したりする場合は別途塗料代などが必要です。

 基板の組み立て完成状態はこんな感じです。写真は試作基板なので多少部品やケーブルの位置が違います。

 基板全体のサイズはケースにちょうど収まる大きさにカットしています。
 ケースに入れると特にネジなどで固定しなくても良いように・・・(押し込むだけ)

 ケースはメタリック塗装して、てきとーにシールを貼って完成。

 ケース表面の穴は圧電ブザーの音の出る穴です。
 圧電ブーザーは接着剤でケース内側に固定しています。

 本機は「調整箇所」はありませんので、組み立てが間違っていなければちゃんと鳴ります。
 バッテリーに繋いで本機から煙が出たりバッテリーが熱くならないかテストしましょう。
 電流計をお持ちでしたら、バッテリーと本機だけ繋いだ時の電流はまだ電気が大量に残っているバッテリーで10mA〜20mA程度です。
 もちろんバッテリーを繋いだ時点では普通はバッテリー電圧は5.5V以上ありますのでブザーは鳴りません。

 可変電圧電源装置をお持ちの方は、バッテリーの代わりに電源装置を繋いで8V程度から徐々に電圧を下げていって、約5.5Vを下回るあたりでブザーが鳴り始めることを確認してください。

 可変電圧電源装置をお持ちでない方は、単3電池2〜3本で3〜4.5V程度の電圧を本機に入力したらブザーが鳴ることを確認することで動作試験ができます。
 そういう試験も出来ない場合は・・・素直にバッテリーと放電器を繋いで実際に放電してみて、放電器のLEDが暗くなるか消えるくらいのタイミングで本機のブザーが鳴り始める事を確認してください。
 鳴らない場合は回路の組み立てをよく確認してください。

 音量は目覚まし時計の半分くらい、静かな室内では十分気付く音量です。
 屋外や走行音のうるさいサーキットではちょっと聞き取り辛いかもしれません。

 先にも書きましたが電源は放電中のバッテリーからもらっています。
 5V時で約10mA程度ですので、放電終了間近で放電電流が減っている時でもこのBATTERY ALARMのせいで急激に過放電してしまうような心配はありません。
 しかしバッテリーを外す事をお知らせする為の機器ですので、鳴ったらバッテリーは外してください。鳴っている間もごく微量ずつはバッテリーの電力を消費しています。
 Ni-Cdモードにして0Vまで放電しようとしている場合は、一応2V弱程度まで鳴り続けます。もちろん音量は非常に小さくなって実用的ではありませんが。

● さいごに
 このBATTERY ALARMはタミヤの放電器専用というわけではありませんので、ほかのメーカーの放電器や自作で7.2Vバッテリーを放電させる抵抗や電球などの放電器を製作されている方もお使い頂けます。(コネクター等は適宜変更してください)
 鳴動開始電圧を6.4〜6.6V程度(RD6.2E)に変更すれば8.4Vバッテリーパックの過放電防止アラームにも使えます。(但し8.4Vに対応した放電器を使用すること)


◇ 関連記事 ◇

パワーズ パーフェクトディスチャージャー の性能を調べる

4〜8セル自動判別、1A放電、
放電終了後に正しくバッテリーが開放される放電器。
「5.5Vバッテリーアラーム」を作らなくてもお知らせブザー搭載!



タミヤ製「ニカド自動放電器」性能アップ大作戦






「迷い箱」は各ページの記事用と、項目別の総合投書ページがあります。
このページの記事内容に関するご意見・ご質問、談話等はこのページに、
このページに直接関係の無い話題は↓の各項目別に投書してください。
回路・デンキ・改造 電池・バッテリー・充電器
ライト・ランプ・LED 一般「迷い箱」過去ログ

【投稿受付終了】
 本ページ(この記事専用)の『迷い箱』(投稿コーナー)の受付は終了しました。
 現在は過去の投稿の閲覧のみ可能です。

 
 実験内容と全く関係の無い質問で申し訳ないのですが、ここで使用されている回路図(ユニバーサル基板部品配置図)はPhotoShopか何かで書いているものですか?とても綺麗に書かれているので気になりました。
 これからも勝手ながら期待しています。
dti 様
お返事  図版はすべてAdobe Illustratorで描いています。
 HPに掲載する前の段階で、他の写真等とあわせてサイズ調整等をAdobe Photoshopで行っています。
お返事 2008/1/28
 
 設定電圧で電源が切れる回路を探してこのホームページにたどり着きました。
 ひとまずこちらに紹介されている"BATTERYALARM"のブザーをLEDにして代用したいのですが、トランジスターのあとのLEDドライブ回路が分かりません。
 お教えいただけると助かります。
 ちなみに電源電圧は15V-カット電圧12Vのタイプと、電源電圧13V-カット電圧10.5Vの2タイプを考えています。
 よろしくおねがいいたします。
おかパパ 様
お返事  ブザー回路は全く作らずに、電源+とトランジスタのコレクタ間の10KΩの抵抗を次の抵抗とLEDを直列に接続したものと交換してください。

● 赤色LED、順電流10mAタイプを使用。
 どちらの電圧タイプでも1.3KΩと赤色LEDを直列。
● 赤色LED、順電流20mA高輝度タイプを使用。
 どちらの電圧タイプでも620Ωと赤色LEDを直列。

 『回路・デンキ・改造』迷い箱に「ソーラーパネル式バッテリー用 ノートPC自動電源切り替え回路という記事があります。
 切替点電圧可変で、おかパパ様のご要望の両方のタイプにほぼそのまま使える回路図を載せていますので、参考にしてみてください。
※ 回路図のVR1・VR2R4などを必要な電圧に合わせて適宜変更してください。
お返事 2008/1/15
投稿>
1/16
 丁寧な回答ありがとうございます!
 早速作ってみます。
おかパパ 様
 
 大変参考になりました。
 無理を承知で1つ質問があります。

 私もオートディスチャージャー2を使用してますが、パッケージに「タムテックギア用バッテリーには使用しないでださい」と書いてあります。
 ラジコンショップの店員さんは「特に問題は無いと思う」との事。
 タミヤに問い合わせたら、ハッキリした理由を教えてもらえないまま「とにかくダメ」との返答。当方タムテックギアを所有しており、不安な気持ちで使用しております。
 やっぱり使用しない方が良いのでしょうか?教えて頂ければ幸いです。
いとう 様
お返事  タムテックギアのバッテリーも6セル7.2Vのニカド500mAhバッテリーですね。
 放電器側の電気的な要素では何ら問題は見出せません。

 Ni-Cdバッテリーですからメモリー効果の心配もあり、放電器でコンディションを整えたくなるのはラジコンレーサーとしては当然の思いだと思います。
 実際に変換ケーブルを使ってタムテックギア用のバッテリーをオートディスチャージャー(または2)で放電している人も多いようです。

 タミヤのお客様窓口としては「指定の用途以外は絶対に不可」が企業として当然の回答だと思います。
 何か深いわけがあったとしても、対応マニュアルに書かれている回答以上は得られないでしょう。

 タミヤ指定の機器の組み合わせ以外で使用した場合、もし故障・事故が起きてもタミヤ側は責任を負いませんので、利用者とトラブルになりそうな使用方法の質問には「だめです」としか回答しなくてもタミヤ側に非はありません。

 実際にタムテックギア用バッテリーをタミヤ製のオートディスチャージャー(または2)で放電する場合は何か事故が起きても全て自己責任です。

 タムテックギアのバッテリーとオートディスチャージャー(または2)はそのままでは接続できませんよね。
 接続するにはコネクタ変換ケーブルを使うか、どちらかのコネクタを交換する必要があります。
 タミヤは公式レギュレーションでバッテリーと元から付いているケーブル・コネクタの改造は認めていませんから、コネクタを交換するとしたらバッテリー側には手をつけずに放電器側を交換することになるでしょう。
 そのような加工(改造)を行った場合はもちろんメーカー保証は無くなるわけですが、それ以外に加工技術の未熟さなどで何かミスをしてショートなどをさせた場合、バッテリーからの大電流で発火事故などを起こす可能性も考えられます。
 そういう諸々考えられる事故に対してタミヤの考えている安全基準はかなり高い所を設定しているようですので、オートディスチャージャー類も指定のバッテリー以外は使用しないように限定しているのも、私達の想像しうる範囲より更に上の安全基準でそう決めている事は想像できます。

 説明書に書かれていない以上、たとえ市販のタミヤ純正の変換ケーブルを使って放電器とタムテックギア用バッテリーを接続する事も、タミヤの考えている使用範囲ではもちろんしてはいけません。

 同一形状の放電器で他社製品は倍くらいの電流を流せる設計になっていますが、タミヤ製品は私達から見たら「少なすぎる!」と思うほどの電流値になっているような所からも、子供からお年よりまで誰でもが使用して安全なオモチャという考えで安全性を考えているのでしょう。

 もしタムテックギア用バッテリーをオートディスチャージャーに接続したらバッテリーが壊れるなどの明快な技術的原因があるのであれば、タミヤとして理由を明示した回答をできるはずです。
 7.2V/500mAhのNi-cdバッテリーですから、300〜500mAの放電電流の放電器で放電してもバッテリーを痛めるような電流値ではありませんし、放電器側の発熱などでも異常が起きる事はありません。
 Ni-Ccdバッテリーなので過放電には強いですから、オートディスチャージャー2のニカドモードで0Vまで放電してしまってもすぐに潰れるという事は無いでしよう。

 電気的には問題はありませんが、あくまでメーカーが禁止しているという事を念頭に置いて、安全には気をつけて自己責任の範囲内で「活用」されるのはご自由だと思います。
お返事 2007/10/26
投稿>
10/26
 ご回答ありがとうございました。
 あくまで自己責任ですが、これで安心して使用することができます。ありがとうございました。
いとう 様
 
 ご無沙汰しております。
 大変興味深く、記事を拝見しましたが、なんとも「タミヤおそまつ!」という結果でしたね。
 「ニカド自動放電器」性能アップ大作戦のときは、「さすが!」という感想だっただけに、悲しみすら覚えます。
 今後の御活躍を期待しています。
kachanyuky 様
お返事  kachanyuky様、お久しぶりです。

 ラジコンの世界の恐ろしさを再確認しましたよ。本当に。
 真綿で首締め器でも永遠放電器でも『LEDが消えたらバッテリーを外す。』これでいいんですね。
お返事 2007/8/10
投稿  今後の御活躍を期待して・・・などと思っていたとたんに、畳掛ける様な追加記事に大喜びさせて頂きました。^^/

 これで安心して「天の声」を傍受することが出来ます・・・
kachanyuky 様
お返事  『我ら忠実なるタミヤの僕、ここに忠誠を誓おう!』
 という感じで、これでいつでも安心してバッテリーの放電ができます(^^;

 製作中には電子音ブザーでは無くて、手元にあったIC録音再生基板を接続して放電が完了したら
「ホウデンガ・カンリョウシマシタ・バッテリーヲ・トリハズシテクダサイ」
「ホウデンガ・カンリョウシマシタ・バッテリーヲ・トリハズシテクダサイ」
「ホウデンガ・カンリョウシマシタ・バッテリーヲ・トリハズシテクダサイ」

と「天の声」を延々と喋り続ける装置にでもしようかと思いましたが、きっと放電が終った時に叩き壊したくなるだろうと気が付いてやめました。

 今日確認したマッチモアのセルコンディショナーとの違いなども記事中に追加しましたので、お暇な時にお読みください。
お返事 2007/8/12
 
 『タミヤ製「ニカド自動放電器」性能アップ大作戦』の記事を拝見した時は、流石タミヤは巧く作るもので、ディスクリート・パーツだけであそこまでやってしまう面白さに感心したものでした…。
 また、そうした諸々の面白さを判り易く伝えてくれるので感謝しています。

 しかし、これは、、酷いですね…。
 四駆の事業部とラジコンの事業部はきっと別で関った人達も全く別なのでしょうけれど、それ以前の問題として、ここまでくると企業倫理を疑います。
 特に、内容と価格に何等の質的相関が無いところ。後継機種であることとNiCd, NiMHの切り替えがある事から連想する高機能なイメージで価格設定したとしか考えられないんですが、だとしたらこれは立派な詐欺ではないかとすら思えます。

 『自己電源方式、オートカット電圧可変 ニッケル水素充電池・単セル放電器の製作』に比べられるようなものは他に見当たりませんね。
 100均の充電器を手に入れたので、それをケースにして(笑)、製作してみようと思っています。

 企業も人材が不足しているのなら、気の迷いさんみたいな方に外注すればいいのに。
th 様
お返事  7.2V用放電器の中身については、「ラジコンの世界」ではこれで当然という考えで使用されているものですので、タミヤ以外の各有名メーカーから出ている放電器もたいがいはこのような作りです。
 多少の期待はあったので中身を見て拍子抜けはしましたが、酷いとまでは感じませんでした。
マッチモア製放電器
 中身と価格の不釣合いを感じられるかもしれませんが、F氏の情報ではこのDISCHARGER 2
はラジコン機器メーカーでは最も有名なブランドの1つであるマッチモアの「セルコンディショナー・パックバッテリー用放電器 MR-CCBP」(右の写真)のOEM商品では無いかという事です。
 マッチモアも他の製造元メーカー(下請け?)から買い入れているという可能性はありますが、マッチモアも約3000円という価格設定ですので、タミヤが自社開発して従来品と価格を合わせようとしたのではなく、単にOEM供給を受けて製造元が提示した納入価格から販売価格を決めているのだと思います。
 マッチモアの製品で、同じアルミケースを使用したタイヤウォーマーなどもありますので、マッチモアが製造元、タミヤがOEM供給を受けているという図式が確率が高いようです。
 製造元がマッチモアだとすると、ダイオード+抵抗だけの簡素な回路、そしてこの価格設定でも納得がゆきます(苦笑)。

 「人材が不足している」のかどうかは全くわかりませんが、企業の経営戦略の結果として(ほかのメーカーに)「外注・OEM委託した」のではないでしょうか。

 予想を全く覆して、タミヤが設計・製造したAUTO-DISCHARGER 2をマッチモアが買い入れている・・・という構造も捨て切れませんが(^^;

 OEM生産なのか、自社生産なのかは性能には関係ありませんから、気の迷いの記事でとりあげるのは実際にどのような回路になっているのかと、性能や仕様、そして使う側がどう注意して使えば良いのかについてだけです。
お返事 2007/8/4

■ 「気の迷い」気になる実験・報告一覧ページに戻る

(C)2006 Kansai-Event.com
本記事の無断転載・転用などはご遠慮下さい